日本航空は日本を代表する航空会社です。日本航空の株主総会に参加するのは初めてです。
2013年6月19日(水)の株価 5,140円(東証1部 9201)100株単位 3月決算
PER 7.9倍、PBR 1.65倍、配当利回り 2.53%、株主資本比率 46.4%
監査費用 2.05億円(売上比0.02%、営業利益比0.10%) あずさ監査法人
役員報酬 取締役8名1.72億(社内取平均 3,040万) 監査役6名0.63億
株主優待 3月、9月末の株主に対し株数に応じて株主割引券を贈呈
株主優待について詳しくは → 日本航空株主優待ページ
日本航空(9201)のホームページ
日本航空(9201)のヤフー株価情報

再上場以来の株価推移を見ると、上場当初は横ばいの時期もあったものの基本的には順調に上昇しています。大型の再上場ですし、前回の上場廃止で損をした個人株主も多数いると思うので、なかなか上がりにくいんだろうな〜と思っていましたが、株主優待も含めてやはり人気があるようです。
スケジュール
10:01〜10:48
株主総会開始宣言と同時にH氏が動議提出で騒ぎだし、与党総会屋?と乱戦に!?
10:06〜10:08 監査報告 田口久雄常勤監査役
10:08〜10:39 事業報告 映像使用 女性ナレーションで召集通知を読上げ
10:39〜10:48 植木義晴社長が対処すべき課題を読上げ
10:39〜10:52 議案説明
第1号議案 剰余金処分の件 190円 配当性向20.1%
第2号議案 定款一部変更の件 株主名簿への記載を拒否された外国人等にも配当できるように変更
第3号議案 取締役7名選任の件 稲盛和夫氏辞任、6名任期満了で再任 大川順子執行役員新任
10:52〜12:17 質疑応答 質問者15人 計28件 85分
12:17〜12:18 議案の採決 拍手方式ですべて可決
12:18〜12:19 新任取締役紹介 名前とよろしくのみ
お土産 なし
飲み物サービス 紙パックのお茶
経営戦略説明会 なし
注目の株主総会格付けですが、集中日を外して早めに開催しているのは評価できますし、質問時間を長く取っているのも良いですね。一方でお土産もなく、総会屋っぽい人が騒ぐなど昔ながらの株主総会という感じもしました。これらを総合的に判断し、日本航空の2013年株主総会格付けは、 『D+』 としました。
議決権を有する株主数 99,091名、その議決権数 1,704,367個
議決権返送&出席株主数 36,264名、その議決権数 1,235,175個(72.5%)

日本航空の株主総会は日本武道館で行われました。日本航空は2010年に経営破綻したので、2009年6月以来4年ぶりの一般株主を迎えての株主総会になりましたが、1,627人の株主が参加しました。
九段下のメトロ駅を出ると、日航倒産時に解雇された方々が歩道の両側に並び、通りすぎる株主にビラを配りながら、会社側の不当解雇を訴えていました。両側に並んでいるので通り抜けにくく、せめて片側だけにして欲しいものです。高給の余剰人員を多数抱えていて、会社運営が非効率だったことも倒産の一因であり、リストラは避けられないと思います。経営破たんで多くの株主にも迷惑をかけているのに、その株主に不当解雇を訴えるというのも複雑な感じですね。
日本航空は経営破たんし、新生日本航空として再上場したわけですが、それでも労働組合がまだ6つもあり、一部組合はストライキを予定していたそうです。破綻してもまだゴネれば国や誰かがなんとかしてくれるだろう!という甘えが残っているような気がしてしまいますね。
武道館前には多くの受付が設置されており、個人株主向け、法人株主向けに分かれていました。受付ではキレた老人が騒いでいるなど、すでにキナ臭い感じです(笑)
昔ながらの会社の株主総会は、今でもこんなものなんでしょうか?
受付を通過すると荷物検査があり、ペットボトルは没収され、100ml以上の液体は機内、ではなく会場内に持ち込めません(笑) というのは嘘です^_^;
そこまでは厳しくないですが、ザックの中身を開けて荷物チェックするなど通常の株主総会では考えられないような厳しいチェック体制です。ANAもこんなに厳しいチェックを行っているのでしょうか?あるいは日本航空の株主には特に危ない人が多いのでしょうか?(笑)
会場内には椅子席が多数用意されており、係員が前方からびっしりと埋めるように誘導していました。とても狭くて居心地が悪かったですが、2階席はほとんど座っている人が居なかったので、質問をしないのであれば2階席でゆっくり見学する方が良かったと思いました。
会場正面左右に大きなスクリーンが設置され、JALの歴史を紹介する映像が流されていました。
役員席と株主席の間には、役員を危険な株主から守るため、グリーンバリケードが設置されていました。
会場入り口で紙パックのお茶が配られていましたが、ペットボトルを強硬に拒否するのは、役員席に投げつけられるのを恐れているのでしょうか?(笑)バリケードだけでは心許ないのかもしれませんね^_^;

お茶の配布スペースの横では、JALの新しいエコノミーシートが設置されていました。別の場所にはビジネスクラスのシートも用意されていたので、タダだし座ってみればよかった(笑)
植木義晴社長が株主総会の開会宣言をするとすぐに、あちこちの総会で議長を解任しまくっているH氏が最前列から立ち上がり、またもや動議提出!と騒ぎ始めました。すぐに係員に取り囲まれるところまでは他社の株主総会と同じですが、日本航空の株主総会らしかったのは、すぐに与党総会屋?が対抗して「とっとと帰れ!」などと応戦し始めたことです。
H氏は帰れ!という怒号など無視して、動議を提出するのでマイクを渡せ!と議長席の方ににじり寄っていきます。今回は議長解任を要求しているのではなくて、監査役に最高裁判事出身者がいるのはおかしい!と叫んでいました。
ここまでの騒動は想定通りの出来事なのか、植木社長は落ち着いた対応でマイクを持ってくるように指示し、H氏はマイクを渡されると急におとなしくなって、「マイクも持ってきてくれたし、動議の提出は止める」と言い残し、スタスタと帰っていきました。これはまた意外な展開ですね。
この対応に収まらないのが与党総会屋?です!
「動議を出さないなら騒ぐなボケ!」みたいな感じで毒づいていましたが、植木社長がお静かに!と呼びかけると、素直に「はい!」と返事をして自分の席に座りました。社長の言うことには素直に従うあたりが与党総会屋っぽい感じです。それにしても迫力のあるやり取りでした。こういった攻防が見られる株主総会もあまりないですね。
以上、日本航空株主総会で見かけた リアル 株主総会事件簿 でした^_^;
冒頭から大荒れの展開でしたが、その後は映像による事業報告、植木社長が読み上げただけの対処すべき課題、議案の説明と続き、質疑応答となりました。
多くの株主に質問してもらうため、質問は1人2問程度で、簡潔にまとめて3分以内で発言するように案内がありました。3分を過ぎるとマイクのスイッチを切られるらしい!というのは嘘ですw
多くの質問が出ましたが、バッテリートラブルで運航を停止していましたが、6月に運航を再開したボーイング787についての質問が多く出ていました。いま航空会社を取り巻く問題で影響が大きいのはLCCの勢力拡大だと思いましたが、LCCに関する質問はまったく出ませんでした。全日空はLCCにも積極的に取り組んでいますが、天下のJALにはLCCなんて関係ないっ!ということなんでしょうか?
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています(敬称略)
(1-1)ボーイング787の問題は、まだ完全に原因が究明できていないと思うが、現状はどうなっているのか?
→(権藤信武喜執行役員 安全推進本部副本部長)原因究明までは行きついていないが、大体の所までは追及が進んでいる。ボーイングがスペシャルチームを組んで究明にあたっている。発表されたボーイングの対策案は問題を網羅しており、787の運転再開に問題はない。再開後も問題は発生していない。
→(植木義晴社長)1月16日に787の運航をすべて止めた。翌日FAAなどが飛行停止を命令したが、その前に安全性を重視して運航を止めている。運航再開にあたっても関係当局の承認に加えて、自社でも十分にチェックしている。
(2-1)社員の解雇があって労働争議になっている。安全を支えるのはベテラン社員だと思うので早期に問題を解決して欲しい(パラパラと拍手)
→(日岡裕之執行役員 総務本部長)更生計画においては人員削減が必須であり、あらゆる策を講じたが人員が過剰であり、やむを得ず整理解雇を行った。訴訟の今後については法廷で争っており、この場では差し控えさせていただく。会社を立て直すためには1.3万人の人員削減を行わなければならなかった。我々の想いは二度と同じことを繰り返さないことであり、ご迷惑をかけることのないよう株主の皆様のご期待に応えていきたい(拍手多数)
→(社長)ベテランの技術はきちんと引き継がれているので安心して頂きたい。
(3-2)787の問題について、メディアでは安全性に疑問を提示している。大体究明されたでは困る。
→(佐藤信博専務取締役 整備本部長)大体という表現をしてしまい申し訳ない。ボーイング社とも協議するとともに、バッテリーの専門家を集めて問題点を洗い出し、改修策を策定した。JALから提案した対策もすべて織り込まれている。現状想定されているバッテリーの問題については、対応が取られていると判断し運航を再開した。
(4-3)787の問題もそうだが、機種調達がボーイングに集中していることも問題ではないか?アメリカでもエアバス社の航空機採用が増えており、JALでもエアバスの採用検討が必要ではないか?
→(乘田俊明執行役員 経営企画本部長)機種選定は経営の根幹をなすものと理解している。特定のメーカー・機種にこだわることなく検討している。安全性、トータルコスト、機体の更新時期などをもとに機材選定を行っている。
(5-4)日本航空は一度倒産したのに、社長からお詫びの言葉一つもないのはおかしいのではないか!事前に質問書を提出した。最後の株主総会開催時点で倒産することは分かっていたのではないか?JALは6ヵ月後に潰れますのでお早めに避難ください、と呼びかけるべきではないか?
→経営破たんとなってしまい、過去の株主様、債権者の皆様にご迷惑をおかけした。お蔭様で再建することができた。社員も必死の努力を続けてくれており、二度と潰れない会社にしていきたい。
2009年6月の株主総会時は、JALの名古屋に出向していた。厳しい状況にあることは認識していたが、年明けに会社更生法の申請になるとは認識していなかった。
(6-4)社員は同じ家族と言いながら組合がいくつもあるのはおかしい!破綻した会社がストライキを予定していたそうだが、早く解決して欲しい。
→(清水新一郎執行役員 人財本部長)組合は6つある。一部の組合がストライキを行い、ご迷惑をおかけし申し訳ない。会社破綻後、労働条件を大きく見直しており、どのように中期計画を実現していくか労使間でも話し合っている。広く社会の皆様に信頼される会社になるように、労使間でも話し合っていく。
(注記)経営破たんしたのにまだ労働組合が6つもあって、ストライキを行っているとは信じられませんね!社員の意識は以前と変わっていないのではないでしょうか?
倒産してしまったらストライキや組合活動どころではない はずなのに...
まだまだ質問は続きます。後半の様子は日本航空2013年株主総会レポート2にまとめます。
日本航空2013年株主総会レポート2 作成中
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株に興味を持ち、初購入したのがJALでした。(それ以外持っていないのですが)
なにせ初めてなので、株主総会も行ってみたかったのですが遠方ゆえに断念。
こちらで総会の雰囲気を味わえることができました。続きも期待しております。
ところで、「株主優待 3月末の株主に対し、1,000円分のクオカードを贈呈」とありますが、これは一体・・・?
「え、私貰ってない」と気になり質問いたしました。
株主優待については私の間違いでしたので修正しました。ご指摘いただきありがとうございます。
クオカードではなく、株主割引券の贈呈ですね。
他の株主総会レポートをコピペして修正しながら作成しているので、他社の株主優待がそのまま残っていました。
日本航空の株主総会はあまり楽しい♪という感じではありません。どちらかというと昔ながらの総会という感じです(笑)
株主総会格付の高い会社の方が、株主総会としては楽しめると思います♪
株価が上がるかどうかとは関係ないですけどね!
これからもよろしくお願いします。