そーせいグループはグローバルに医薬品開発に取り組むバイオ医薬品企業です。そーせいグループの株主総会に参加するのは初めてです。
2013年6月20日(木)の株価 3,800円(マザーズ 4565)100株単位 3月決算
PER 赤字、PBR 5.1倍、配当利回り 無配、株主資本比率 89.7%
監査費用 2,457万円(売上比1.25%) 監査法人トーマツ
役員報酬 取締役4名0.34億(平均 850万) 執行役3名1.08億(平均 3,600万)
株主優待 なし
そーせいグループ(4565)のホームページ
そーせいグループ(4565)のヤフー株価情報

過去10年間の株価推移を見ると、上場した2004年には8千円を超えるまで上昇したこともありましたが、ずっと赤字がつづいていることもありその後は下落が続いています。リーマンショック時には91円まで売られましたが、2013年からはバイオ株バブルに乗って6千円台まで回復しました。その後は日本株の調整に伴い反落していますが、まずは黒字化を着実に実現してほしいですね!
スケジュール
10:00〜10:24 事業報告 田村眞一社長がパワポを使って詳しく説明
10:24〜11:05 質疑応答 質問者9人 計17件 41分
11:05〜11:09 議案の審議
第1号議案 定款一部変更の件1 事業目的に投資事業などを追加
第2号議案 定款一部変更の件2 資金調達に備えて発行可能株式数を倍増
第3号議案 定款一部変更の件3 100株単位にしたことに伴い単元未満株の規定を新設
第4号議案 取締役5名選任の件 5名全員任期満了に伴い全員再任
お土産 なし?クオカード?後日資料を郵送してくれるらしい
飲み物サービス ミネラルウォーターのペットボトル
経営戦略説明会 事業報告の中で詳しく説明
注目の株主総会格付けですが、事業内容が分かりにくいバイオベンチャーなので、詳しく説明していたのは良い取り組みだと思います。ただ、お土産が無さそうなのは残念です。これらを総合的に判断し、そーせいグループの2013年株主総会格付けは、 『C−』 としました。
議決権を有する株主数 10,317名、その議決権数 119,219個
議決権返送&出席株主数 2,738名、その議決権数 61,702個(51.8%)

そーせいグループの株主総会は、今年も半蔵門のグランドアーク半蔵門で開催されました。
東京センチュリーリースや生化学工業の株主総会を回ってきたので、到着したのは事業報告の最中でしたが、満席に近くて驚きました!そーせいの株主総会に出席するのは初めてですが、昨年も株主総会開始前に会場内を少し覗いてみました。昨年の出席者はパラパラという感じでしたが、2012年秋以降バイオベンチャーが人気となり、株主数・出席者数とも激増しているようです。
受付で資料は後日郵送しますと言われたので、会社側の想定以上の出席者数だったようです。資料と言うのは事業報告で使っているパワポの資料のようですが、そんなものを後から送ってもらっても無駄ですね。ホームページに掲載すれば十分だと思います。
会場内には今年も椅子席で、(5×3)×9のレイアウトで135人分の席が用意されていましたが、ほぼ満席に近い感じで、その後も続々と出席者が増えて、帰りに見たら後方にさらに椅子を並べて対応していました。100人以上は出席していたようです。
正面にスクリーンが設置されていましたが、設置場所が後方過ぎるので、役員席が邪魔になり下の方が見えませんでした。後方の席からだと手元資料がないとよく分からないだろうと感じました。
会場内にはマイクが4本設置され、質問者は近くのマイクまで行って質問するスタイルでした。
事業報告はプレゼ画面も使って、田村社長自ら分かりやすく説明していました。バイオベンチャーは事業内容が分かりにくいですし、ずっと赤字も続いているので会社の現状とこれからについて、株主に詳しく説明することは大事だと思います。
続いて質疑応答となりました。事業内容も分かりにくいので質問も少ないかな〜と思っていましたが、意外にも多くの質問が出ました。株価の低迷が続いていたことで毎年不満を述べる株主もいるようです。他社の株主総会も含めて、そんな人ほど事業内容についてはほとんど理解していないケースが多いようで、証券会社に薦められて買ったのにずっと赤字だ!買値を上回ったことがない!など不満をぶつける年配の株主が増えています。もう少し真面目に投資に取り組んでほしいものです。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)80万円で購入し上場以来の株主だが、納得できないのはその後80万円(分割調整後は8千円)を一度も越えていないことだ!1万円を割れたこともあり、以前の株主総会ではメシくらい出せ!と要求されて、社長がしぶしぶ食堂で自由に食べてください、と言ったこともあった。覚えていますよね?80万円という価格自体我々に高く買わせたのではないか?そんな状況なのに、取締役に行使価格7.2万円のストックオプションを割当てるのはおかしい。行使価格は80万円以上にするべきだ!一体いつになったら利益が出るんだ!
→キャッシュフローは黒字だが、のれんの償却があるため赤字になっている。来期のロイヤリティ収入は保守的に見ているが、のれんが無くなるまでは黒字化は難しい。のれんは2015年末に終わるので、2016年には黒字になると思う。
(注記)以前のそーせいの株主総会は壮絶だったんですね!それにしてもメシくらい出せ!と要求する株主がいるとは驚きです。下手すると利益供与で捕まりますよ(笑)ホテルで株主総会を開催しているので、食堂といういよりホテルのレストランで食べたんでしょうが、大赤字で株価も低迷している会社が一番苦しい時に、含み損の怒りを会社側にぶつけて利益供与まで要求するような人は、株式投資などしてはいけないと思いますね。
(2-1)配当をする気があるのか?いつ頃から配当できるのか?
→早く配当を開始して株主還元したいと思っているが、時期の明示は難しい。利益剰余金が出れば早期に配当したい。
(3-1)役員は上場時に80万円で売り抜けているのに、今度はストックオプションで7.5万円で買えるのは納得できない。
→私は要請があり上場時に一部保有株を売却したが、ここにいる役員陣は当時誰もいなかった。ストックオプションは会社を良くするために与えており、経営陣も株主も同じ側だと考えている。会社が良くならなければ株価も上がらないが、会社を良くするためには従業員に頑張ってもらわないといけない。私の持っていたストックオプションは、若い社員にがんばって欲しいと思い、社員にすべて譲渡した。こういうこともやっているのでご理解頂きたい。株価は1万円割れからよく戻ってきたと思うが、さらに頑張っていきたい。
(4-2)QVA149の承認は1年後くらいだと思うが、ノバルティスの論文ねつ造事件の影響で承認が遅れるリスクはないか?(QVA149はそーせいが開発し、ノバルティス社に導出して承認申請を行っている)
→すでに承認申請は終わっているため、影響はまったくない。申請の1年後頃に承認される。
(5-2)ノバルティス社の製品に対して、医療機関が採用しないなどのペナルティが課せられるのではないか?
→影響は分からない。ノバルティスの担当者が医療機関を回って状況を説明している。こうした問題は時々起きる問題であり、冷静に対応していると思う。日本市場は世界の10%程度なので、この点でも影響は小さい。
(6-2)QVA149の世界での売上規模はどの程度になるのか?
→ノバルティス社も言及していないことを、そーせいから発表することはできない。ただアナリストレポートでは売上が少ないケースで2千億円、最大のケースで6千億円と書かれているとは言える。この数字の妥当性についてはコメントできない。
(注記)QVA149はノバルティス社が販売するので、そーせいが勝手にコメントすることはできないようです。契約上色々と制限がついているようで、言いたいけど言えないみたいな感じでした。
(7-3)現状20億円の売上が、今後50億、100億となるような夢を描いているのか?
→個人としての考えはあるが、今後の売上はノバルティスにかかっており、一方でノバルティスが言っていないことは言えない非常に厳しい契約になっている。カバーしているアナリストが言っているのは、先ほど回答した通り2千〜6千億円の売上予想であり、この範囲内になるだろうとは思っている。アナリスト予想では売上が2千億円の場合、ロイヤリティを4%として80億円くらいがそーせいの売上になると予測している。売上が6千億円なら240億円になる。ただ立場上内容には責任は持てないし、実際に販売してみないと分からない。QVA149が対象としているのは息の長い業界であり、10年前に出たスピリーバという薬がまだ4千億円も売れている病気です。すぐに売れるわけではないが、認知度が高まるにつれて徐々に売れていくと期待している。
(8-4)NVA237の売上が今後上がってくるはずだが、ロイヤリティ売上計上はいつ頃になるのか?
→ロイヤリティ売上は翌四半期に計上されるので、今期の売上になってくる。ただ日本の薬事法上、新薬は長期処方できず2週間分しか患者に処方できないので、利便性が悪く発売後1年間はあまり売上に期待していない。制約が外れる1年後以降に期待している。
(9-5)私も長く株を持っているが、今日は売ろうかなと思い出席してみた。社長の話や回答を聞いて、今後期待できるなと感じた。体を壊さずにがんばって欲しい(会場から拍手) →ありがとうございます。
(10-6)新しく始めるベンチャーキャピタル事業に期待している。再生医療が注目を集めており、バイオ株が買われているが、そーせいの時価総額はまだ小さい。もっと再生医療に投資して欲しい。と言う様な事を長々と演説
→ありがとうございます。
(11-7)再生医療向けのファンドは成功させられるのか?投資先の見極めはできるのか?
→(虎見英俊 執行役副社長CFO)三井住友銀行はそーせいのメインバンクだが、ファンドに出資してもらうのは大変だった。昨年の3月から話をしており、やっと決裁が下りた。支店の担当者はとても熱心だったが、それでも決裁までには1年以上かかった。
→(藤井卓也 社外取締役 元 日本債券信用銀行頭取、元 日本銀行)アベノミクスになってから日本の銀行も国内に目を向けて、成長する分野への投資に積極的になってきたことも出資が実現した背景にある。一度も黒字になっていない会社に融資するのは、日本の銀行にとってとても難しいことだが、他の銀行にも広がっていくと良いと思う。
(12-7)将来の資金調達を考えて発行可能株式数を倍増するが、また資金調達の必要性があるのか?
増資をするのなら安値で第三者割当増資をするより、ライツイシューで株主に割当ててほしい。従業員にストックオプションを付与するのは大事だが、ストックオプションがないとやる気にならない役員は辞めて欲しい。役員報酬をもらっているのだからストックオプションまでもらう必要はない。
→ご意見はしっかりと受け止めます。今は資金調達の必要性はないが、今後M&Aなどの案件が出てくる可能性もあり、発行可能枠を用意しておく。増資する際にはライツイシューも含めて、株主への影響が少なくなるよう検討する。
(注記)最近ライツイシューが人気の様ですが、多く株を保有している会社がライツイシューを発表すると、引受け資金の調達が大変なので困ります。権利を売却しても安値で買いたたかれるだけでメリットを感じられません。希薄化が嫌な人は買い増せばいいだけなので、普通に公募増資してくれた方がいいのにと思いますね。
(13-8)ノバルティスのロイヤリティについて、受け取れるのは特許の有効な間で2026年までということだが、欧米では特許期間を5年延長できたり、新薬開発期間分は延長できるらしいが、特許期間の延長は進めていくのか?
→2026年までと言うのはその通り。共同開発先の特許も含めていずれかの特許を使用している限り、ノバルティス社はロイヤリティを支払う。新薬開発は特許取得から製品化まで時間がかかるので、特許期間を2026年から伸ばす努力はしていく。
(14-8)合剤の特許を取ると特許期間は伸びるのか?
→ロイヤリティは2026年までなので、合剤の特許を取っても2026年まで。
(15-8)ロイヤリティの計上を翌四半期からもっと早める必要があると思うが?
→インボイスが出ないと出荷数量が確定しないので四半期分遅れることになる。四半期遅れても大きな影響はない。
(16-8)出荷数量は見積もり計上できるのではないか?
→ロイヤリティの支払方法は契約で決まっているので、契約を変えない限り変更できない。
(注記)質問者はロイヤリティの計上時期にかなり拘っていて、ノバルティスとの契約を変えられないのか?などさらに食い下がっていました。契約書の関連当事者が多いし、契約書の形式はノバルティス社が一般的に使用しているものなので、そーせい向けだけ契約内容を変えてもらうのは難しい、計上が四半期遅れても大きな影響はないなどと説明していました。
(17-9)ベンチャーキャピタル事業は2012年から検討開始と言うことだが、なぜ三井住友銀行は出資したのか?2012年秋までは再生医療もそれほど注目されていなかった。他の出資者も目途はついているのか?
→(特許が切れる)2026年で寿命が終わる会社であれば、利益を最大化するためコスト削減に取り組むだけでいいが、会社の永続性を考えると先を読んで手を打っていく必要がある。この業界は仕込んでから5〜10年かかるので、早く手を打つ必要がある。再生医療分野は以前から日本の取り組みが進んでおり、ホットな部分に足を突っ込んでおく必要があり、今後に期待している。
以上で質問も出尽くし、質疑応答は終了となりました。
期待の新薬がたくさん売れて、計画通りに黒字化するといいですね!
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