シンプレクスHDは証券会社など向けにシステム開発を行なっている会社です。私も松井証券などでお世話になっています。シンプレクスホールディングスの株主総会に参加するのは昨年に続いて2回目です。
2012年シンプレクスホールディングス株主総会レポート
2013年6月14日(金)の株価 38,050円(東証1部 4340)1株単位 3月決算
6月13日にMBOが発表されており、上記株価で計算してもあまり意味がないので、MBO価格4.5万円で計算
PER 19.5倍、PBR 2.7倍、配当利回り 2.22%、株主資本比率 66.6%
監査費用 3,000万円(売上比0.18%、営業利益比1.25%) 太陽ASG監査法人
役員報酬 取締役5名2.65億(社内平均6,575万) 監査役4名0.22億
株主優待 なし
シンプレクス(4340)のホームページ
シンプレクス(4340)のヤフー株価情報

過去10年間の株価推移を見ると、17万円近くを付けたこともありますが、5万円前後を挟んだ狭いレンジで推移しています。今回のMBO価格は4.5万円であり、2011年以降に株主になった比較的新しい株主はプラスになる人が多そうですが、昔から応援している株主ほど損失が膨らむ感じです。長く保有すると報われないという現状のTOBやMBOのあり方は、証券取引所などが主導して見直してほしいものです。現状の制度では、上場後業績を低迷させて株価も低迷させた上で、さらなる抜本的な改革が必要なので上場廃止する!と宣言すれば、上場時の公募や売り出し分だけ会社側は得をすることになります。上場来高値以上で買い取らなければいけないなどの規制を実施し、安易な上場・上場廃止を防止してほしいものです。
スケジュール
10:00〜10:45
10:04〜10:05 監査報告 宮地巖常勤監査役か中条稔夫常勤監査役のどちらか(笑)
10:05〜10:17 事業報告 金子英樹社長がパワーポイントも使って説明
10:18〜10:45 MBOの実施について金子英樹社長から説明
10:45〜10:47 議案説明
第1号議案 剰余金配当の件
第2号議案 定款一部変更の件
第3号議案 監査役1名選任の件
第4号議案 取締役の報酬等改定の件
10:47〜11:45 質疑応答 質問者10人 計13件 58分
11:46〜11:50 議案の採決 前日までの集計ですべて可決 会場内の株主の賛否も集計
12:00〜12:44 懇親会と金子社長の買取側としての挨拶 質問大会

お土産 ホテルオークラのリーフパイ 期限8月13日まで 後渡し
飲み物サービス ペットボトルのお茶
経営戦略説明会 事業報告の中で説明
注目の株主総会格付けですが、お土産も用意されていますし、多くの質問に対応していました。ただ質問に対する回答は「この場では差し控える」という回答も目立ち、議論が深まりません。例年は11時から開催していたのに、今年は10時開始になり参加しにくくなりました。これらを総合的に判断し、シンプレクスホールディングスの2013年株主総会格付けは、昨年より1段階格下げし 『B+』 としました。
議決権を有する株主数 9,200名、その議決権数 589,955個
議決権返送&出席株主数 2,130名、その議決権数 438,425個(74.3%)
シンプレクスホールディングスの株主総会は今年もホテルオークラで行なわれました。ホテルオークラも最寄り駅から遠くて不便な場所にあります。
会場内には椅子がたくさん並べられていましたが、昨年と比べると少し減ったように感じました。
正面にはスクリーンが用意され、議長席は右端というレイアウトでした。会場の大きさと比べるとスクリーンが小さくて、後方からは文字などほとんど読めない感じでした。
株主総会直前の6月13日にMBOの実施を発表しており、経緯などについても説明がありました。
出席票も独特の形式で、各議案・役員候補1人ずつに賛否を表明できる欄が設けられていました。議案の採決時には、出席株主がそれぞれ賛否に丸を付けて会場係の人が回収していました。翌日には集計結果をホームページで公開するそうです。MBOを発表しているわけですし、役員信任議案(笑)くらい提出してほしいものです。あるいはこういった株主総会にこそ、議長解任おじさんが参加すべきですよね(笑)
何を言っても資本の論理の元では虚しいだけですが^_^;
質疑応答については、多くの株主に質問してもらうため1人1問とお願いがあり、MBOについては社長自身が買い取り側で株主と利益相反の関係になるので答えられない、自分の考えは懇親会で話す!の一点張りでした。MBOが成立すれば一般の株主にとっては今回が最後の株主総会となり、質問する機会もなくなるわけですから、きちんと回答してほしかったですね!
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)誰も手を挙げない様なので質問する。MBO価格は直近の高値を下回っておりいかがなものか?いつも強気の金子社長だが、今期の決算発表は弱気な姿勢に始終しており、その結果株価も下がってしまった。弱気な見通しを出して株価を下げたところでMBO実施なのかなと勘ぐりたくなる。(会場から拍手)
→私は買取側の人間なのでこの質問には回答できないので、田中取締役から回答する。
→(田中健一取締役副社長)MBO価格についてはいくらが妥当なのかは分からないので、外部の日興SMBCに算定を依頼し、妥当な価格と評価いただいている。買取側からの価格提案については、何度も見直しをお願いしてきた経緯もある(当初はもっと安い価格だったが、我々の努力で上積みしてきたと言いたいようです)
いくらが妥当かは一概には言えないが、シンプレクスの現状と今後を考えると妥当な水準だと判断し、会社側としてMBOへの応募推奨を行った。
今期の計画についても現状の市場環境の中で精一杯積み上げた結果であり、株価への影響を最小限に留めるように配慮した計画になっていると思うし、増配も打ち出している。
SI事業については準大手の金融機関までほとんどシンプレクスのシステムが採用されるようになり、小さな改修程度の仕事しかなくなってきている。その中でFXシステムなどのUMS事業を育ててきたが、FX会社も淘汰が進むような状況の中で、業績を伸ばしていくのは難しいと現状を認識している。
今後もFX会社は減っていくので、SI事業を犠牲にして優秀な人財をメガバンクや大手証券会社などに無償でもいいので、コンサルタントとして張り付けていきたいと考えている。そのため新しい中期計画ブリッジ2016では業績が横ばい程度になっている。
一方で社長の金子からすると、現状のブリッジ2016でもまだ甘い、もっと足元の利益を犠牲にして抜本的な改革を行い、将来の成長を目指すべきだとの考えであり、その場合さらに業績が落ち込むことになる。
このような環境下であり妥当な価格は分からないが、4.5万円は外部機関の算定額の上限に近づけるように交渉してきた結果です。4名の取締役は買付け側の仲間ではないのでご理解いただきたい。
(2-1)いつも強気の金子社長なのに、アベノミクスで盛り上がっている今期はなぜ弱気なのかの説明を聞きたい。
→客観的な事実を説明する。4月にはシンプレクスの株価も急騰していた。FX会社の収益が絶好調で、ネット証券の業績も伸びていたので、シンプレクスの業績も良いだろう!という期待で株価が上がっていたと思う。
しかし4月末に発表した決算は、4Qの業績もさえなかったし、今期の計画も減収減益と期待外れになった。
顧客に提案している案件などを積み上げて、常に受注確度を検討しているが、受注状況は弱い。株価などが盛り上がっているのになぜか?と思うだろうが、シンプレクスが受注するまでにはタイムラグがある。リーマンショックの際も、シンプレクスの業績は大丈夫か?と心配されたが、シンプレクスの業績がすぐに落ち込んだわけではない。大手の金融機関は予算主義で動いており、今動いている案件は昨年の秋から冬頃にかけて予算が決まったものであり、まだアベノミクス効果は表れておらず、SI案件はほとんど出てきていない。
このため今期の計画は減収減益となっている。
(3-2)なぜMBOをこのタイミングで発表したのか?上場廃止になるなら議案を審議しても意味がないし、総会自体意味がなくなってしまう。
→(福井康人取締役副社長)3月18日に正式にMBOの提案をいただき、この間ずっと評価してきた。その結論が出たのが先週の木曜日であり、早く発表したほうが良いという判断でこのようなタイミングになった。MBOについては独立委員会も作って、外部の委員も入れて検討してきた。
(注記)株価が上がりそうなのであわてて発表したのかも(笑)買取側とすれば暴落している今がチャンス!ですよね^_^; そんな本音は聞けませんでしたが(笑)
(4-3)ファンドに対しては悪いイメージがあるが、カーライルとはどんなファンドなのか?
→プレスリリースに詳しく書いてあるので見てほしいが、プライベートエクイティでは最も大きな会社。ファンドは日本ではハゲタカと言われがちだが、カーライルは経営陣と協力しながら企業価値を高めていくファンドだと思っている。IT分野にも豊富な投資経験があり、シンプレクスの可能性を十分評価頂いていると思う。買収後に事業の切り売りやリストラをするのではなくて、安定したキャッシュフローを出している会社を買収対象として求めており、カーライルの経験をアドオンすることで企業価値を高められるような案件を求めている。
国内の市場には限界もあり、シンプレクスホールディングスが今後グローバルにビジネスを広げていく上で、カーライルが豊富なグローバルネットワークを持っていることも助けになると判断した。
(5-4)シンプレクスをずっと応援してきたが、MBOが成立すれば強制的に買い取られてしまう。会社を立て直した後にはまた再上場する気持ちはあるのか?(会場から拍手)
→この後の懇親会で買取側の金子として話す予定だが、立て直した後はまた上場を狙っている(なぜか会場から拍手)
(注記)カーライルや苅田&カンパニー?などのファンドが売り抜けるためには、再上場が一番儲かるということなんでしょうね。また高値で上場して、その後は業績・株価とも低迷するかもしれないのに、再上場を望む株主が多いとは意外でした。金子社長の熱心なIR活動により、シンプレクス株を持ち続けなければいけない!と洗脳されてしまったのかも(笑)
お人好しな株主がけっこういるんですね! もっと厳しい株主総会になるだろうと思っていたのに、他のMBO会社の株主総会とはまったく違う雰囲気でした。これは金子社長の人柄がなせる業なのか、懇親会のメシ狙いなのかは私には分かりませんでした。
懇親会では金子社長の挨拶なんかまったく気にも留めずに、社長のすぐそばでご歓談に励んでいる方も多数いたので、MBOなんか気にしていないのかもしれません。早く再上場してくれないとホテルオークラのメシにありつけないわ〜という感じ なのかもしれませんね(笑)
タダメシほど高いものはないということにならなければいいんですが。
それにしても この場で再上場宣言が出るとは予想外 でした!
(6-5)今期の計画は無責任な計画ではないのか!今期配当千円払えるなら、前期の配当を千円にしてほしい!
→(福井康人取締役副社長)今期の計画、中期計画ブリッジ2016とも真剣に計画立案している。今回の中期計画では業績が伸び悩むと見ているので、配当性向を高めることで株価への影響を和らげようと考えた。
(7-5)MBOと言われてもどうすればいいのか分からない。なにか個別に連絡があるのか?
→(福井康人取締役副社長)MBOへの応募手続きについては今後文書が送られるし、ホームページでも掲載していく。
とりあえずまとめてみました。残りの質問については後日まとめます。
出先でのブログ更新は手間が掛かりますね〜懇親会であまり食べられなかったのでお腹も空いたし(笑)
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