アトムは回転寿司のアトムボーイから始まった名古屋の会社ですが、今はコロワイドグループの一員となり、中部地区と北関東中心に洋食から寿司まで幅広い業態を展開している外食企業です。アトムの株主総会に参加するのは昨年に続いて3回目です。
2012年アトム株主総会レポート
2013年6月13日(木)の株価 527円(東証2部、名証2部 7412)100株単位 3月決算
PER 111.2倍、PBR 13.3倍、配当利回り 0.38%、株主資本比率 40.2%
監査費用 4,100万円(売上比0.10%、営業利益比1.66%、前年同額) あずさ監査法人
役員報酬 取締役6名0.95億(平均1,583万) 監査役4名0.14億
株主優待 3・9月末の株主に株数に応じて優待ポイントを贈呈
詳しくは

アトム(7412)のホームページ
アトム(7412)のヤフー株価情報

過去2年間の株価推移を見ると、見事に復活して一時は700円近くまで上昇しましたが、株主優待の権利落ちや最近の日本株急落に連れ安し、500円前後での推移が続いています。まだまだ株主優待で支えられている株価ですが、景気回復の波に乗って業績を伸ばしていって欲しいですね!
スケジュール
10:00〜10:23
10:04〜10:06 監査報告 中林滋宜常勤監査役
10:06〜10:23 映像による事業報告 女性ナレーションが召集通知を読上げ
10:24〜10:25 議案説明
第1号議案 取締役5名選任の件 6名全員任期満了に伴い4名再任 斎藤紀幸執行役員新任
10:25〜11:07 質疑応答 質問者12人 計15件 42分
11:07〜11:08 議案の採決 拍手方式ですべて可決
11:08〜11:09 新任取締役紹介 よろしくお願いしますのみ

お土産 千円分のお食事券 期限12月31日まで 後渡し
飲み物サービス なし
経営戦略説明会 なし
注目の株主総会格付けですが、お土産も用意されていますし、多くの質問に対応していました。毎年早い時期に開催しているのも評価できます。ただ質問に対する回答は例年にも増してあっさりしていて、議論が深まりません。経営陣からは会社の現状や将来展望を株主に理解してもらいたいという姿勢が伝わってきませんでした。暑いなか熱田区まで自転車で行くのも大変です(笑)これらを総合的に判断し、アトムの2013年株主総会格付けは、昨年より2段階格下げし 『D』 としました。
議決権を有する株主数 55,576名、その議決権数 1,679,303個
議決権返送&出席株主数 13,146名、その議決権数 1,387,622個(82.6%)

アトムの株主総会は今年も昨年に続き、名古屋国際会議場で開催されました。
以前は名駅のウインク愛知で開催していて便利でしたが、熱田区まで行くのは遠いですね。さらに今日は真夏並みの暑さだったので、会場へ行く途中に熱中症になるんじゃないか!という感じでした。
会場は大きなホールで、正面にスクリーンが用意されていました。広い会場ですが前方には空席も目立ち、4〜5割程度の入りという感じでした。
今年もお土産は1人1つと厳格に守られていましたが、一部の株主は今年も例外扱いだったのかもしれませんね。また昨年と同じような苦情を述べていました^_^;
店舗へのご意見など、報告事項や議案に関係しない質問は、株主総会後に質疑応答の時間を用意しているので、そちらでお願いしますと案内がありました。
株主総会の冒頭に小澤俊治社長の挨拶がありますが、会場から拍手が沸き起こっていました。小澤俊治社長は人気があるようです。まさか社員を動員して拍手させているわけではないですよね???(笑)
昨年も書きましたが、アトムの事業報告は出退店の状況を列挙しているだけで、中身がありません。もう少し改善して欲しいですね。
続いて議案の上程となり、その後質疑応答となりました。
今年も多くの株主様から質問いただくために、質問は1回1問限定でした。
年々質問のレベルは低下していて、いつもの株主様は別格としても、もっと優待ポイントを増やして欲しいと要望する人がいたりして、人間の欲望にはきりが無いんだな〜などと感じてしまいました。アトムやコロワイドは日本を代表する好優待銘柄だと思いますが、それでもまだご不満な方がいらっしゃるようです。
さらに問題なのは、小澤俊治社長の回答です。あまりにもあっさりしすぎています。株主の提案や意見に対しても、自分なりの考えを述べるわけでもなく、ただ「参考にさせて頂きます」では議論も深まりません。
アトムは年々実りの少ない株主総会になっている感じです。コロワイドの株主総会の方がずっと楽しいですね。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)取締役を1名減らすが、なぜ5名なのか?4名ではいけないのか?昨年も役割分担が不透明だと指摘した。
→今期から執行役員制度を導入しており、取締役は1名減員するものの、執行役員は2名増員している。役割分担を明確にして、経営判断のスピードをより上げていきたい。
(2-2)コロワイドと事業が重複しているが、2社に分かれている意味はあるのか?一緒になると優待は困るが(笑)
→アトムとコロワイドが一緒の会社になることは当面ない。各々で事業展開していく。ただグループ間で経営資源は有効活用していく
(3-3)アトムは個人株主が少ないと思う。配当を増やすより優待ポイントを増やして欲しい。優待を増やせばもっと株主も増えると思う。
→貴重なご意見ありがとうございます。配当については、株主への利益還元を重視しており、前期は1円増配して2円にした。自己資本比率40%、経常利益率6%にこだわってきたが、達成できたので増配に踏み切った。株主優待についての要望も多いので検討していく。
(4-4)アトムの優待はトップクラスだと思う。最近の出店はステーキの宮が中心のようだが、年配になってくると肉はあまり食べたくなくなる。えちぜんのような和食業態が好きだったが、次々と閉店していて残念だ。にぎりの徳兵衛などの寿司業態もいいが、えちぜんも頑張って欲しい。
→今後の経営の参考にさせて頂きます。
(注記)たったこれだけの回答とは、質問者を馬鹿にしているように感じてしまいます。今後の和食業態についてどう考えているのか、もう少し説明すべきではないでしょうか?
小澤俊治社長に変わってから出店はほとんどステーキの宮ばかりで、既存店も宮に業態転換しています。数年後にはアトムはステーキ専門店になっているのではないか!?と心配になるくらいです。今は宮が好調かもしれませんが、牛肉に何か問題でも発生すると一気に赤字転落というリスクも高まります。アトムなんですからもっと和食業態や寿司にも力を入れて欲しいですね。
目先の利益を最大化するだけなら経営は簡単です。もう少し中長期視点で業態のバランスを考えてほしいですね!
(5-5)業績は好調のようだが、今年も厳しい意見を言わせて頂く。ステーキの宮は好調のようだが、ブロンコビリーは株価も4千円を超えているのに、アトムの株価は低すぎる。株価が低いのはコロワイドの影響もあると思う。(ちょっと質問の意図が分かりませんでした)
宮に足りないのはサラダバーだ。ベーカリーの業態も開発して欲しい。
→主力業態は5つに絞っており、宮、居酒屋、焼肉、寿司、カラオケが5本柱。宮の売上構成比は以前は15%ほどだったが、前期は2%程度まで上がっている。ステーキの宮は絶好調であり、宮を増やして業績を伸ばしていきたい。ただ時代は常に変化しており、ステーキ1本ではリスクもあるので、5本柱でバランスよく成長していきたい。
(6-6)不動産が上がってきているが、賃料の水準はどうなっているのか?
→前期の賃料はむしろ下がっている。企業努力やオーナー様のご協力を頂いた結果です。
(7-7)(女性)為替レートの変動が大きいが、今期計画の設定レートと為替変動の業績への影響を教えてほしい。
→為替変動や、新興国との食料の買い負けが問題になっている。為替変動は計画策定時にも織り込んでいるが、当時の想定より変動が大きくなっている。対策としては、コロワイドも含めたグループの購買力を活かしてコストアップを抑えたい。現状31ある業態を絞り込んでいくことで、使用食材を絞り込んで対応していく。安易な値上げやコストカットはしていかない。
(8-8)使用している食材は国産か?輸入食材があるなら中国産の比率はどの程度か?
→輸入食材の割合は約50%です。中国産も使っているが、手元に中国産だけの比率はない。必要であれば会社に問い合わせてほしい。
(注記)前の質問で為替レートや新興国との食料の奪い合いになっている、という話が出ているのに、この質問はないですよね〜と思いながら聞いていました。そういえば前の質問で想定為替レートについて回答がなかったですね!
(9-9)(女性)100円の回転寿司が近所になくなってしまったが、もう100円寿司はやらないのか?100円では安全なものを提供できないのか?
→100円寿司は3店舗まで減っている。当面100円寿司の出店は考えていない。安全・安心という面で限界があるというよりも、レストラン業態としてアトムは価格よりも価値の提供を重視している。100円ではアトムの考える価値を提供できない判断しており、当面は100円寿司の出店予定はない。

(10-10)(女性)小澤社長の持ち株は4千株で少なすぎる。今後増やす考えはあるのか?親会社のコロワイド株をたくさん持っているのか?
→私自身真摯にご指摘を受け止める。コロワイド株も持っていますが、この場では開示を控えさせて頂く。
(11-11)南区三条のえちぜんは場所もよく繁盛していたのに閉店となり、宮に変わるのかと思ったらサークルKになっている。なぜ閉店したのか?
→私も同じ意見です(笑)個別の事情についてはお答えできないが、契約延長交渉を進めてきたが、延長できず任期満了で閉店となった。サークルKになるというのは初めて聞いたが、地主さんの考えなので。
(12-12)店舗に置いてあるアンケートはどのように活用しているのか?
→業態ごとにアンケートの内容は異なっている。アンケートは本部で集約し、業態毎の責任者に回している。回答が必要なものは回答し、ご意見は店舗運営に活かしている。
(13-13)店舗用地は借りているという説明なのに、バランスシートに土地が38億円も載っているのはなぜか?
→(太田一義常務取締役 管理本部長)ほとんどが合併した旧ジクトから引き継いだもので、店舗用の土地です。十分に収益を生んでいる店舗なので、財務的にも問題ない。
11時4分となり、また5番目の株主が質問を求めたため?か、あと3名にして欲しいと議長発言
(14-5)ベーカリーの回答がなかった。
→現時点でベーカリーの計画はない。今後世の中の変化はさらに加速していくので、現状の5業態では限界が来ることも予想しており、新業態の検討も進めている。ベーカリーもその中に含めていく。
(15-5)親会社のコロワイドはお土産も豪華で、議決権行使書の枚数分貰えて株主も大満足でたくさんのお土産を貰って帰るのに、アトムは1人1つに厳しく限定している(特定の1名を除いては、ですよね?)コロワイドを見習って欲しい。
→コロワイドはグループ会社ではあるが、それぞれの考えで独自に運営しているので、お土産についてもアトムの考えで実施している。
(注記)毎年毎年懲りませんね〜
そんなにアトムに不満なら売ってしまえばいいのにw
以上で質疑応答は終了となりました。
11時20分からは質問大会(笑)と案内がありましたが、明日からは東京で株主総会連荘となるなど忙しいので、お土産を頂いて帰りました。どんな苦情が出たのかは分かりません^_^;
株主総会の質疑応答よりもレベルは落ちると思われるので、あまり実のある議論は期待できなさそうです。
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タグ:アトム2013年株主総会
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