株主総会の回数を見ても分かるように、松竹は歴史ある映画制作・配給会社で、歌舞伎公演など日本の伝統芸能にも深く関わっています。松竹の株主総会に参加するのは2006年、2009年、2010年、2011年に続いて5回目です。
松竹 2011年株主総会レポート
2013年5月28日(火)の株価 890円(東証1部 9601) 1000株単位 2月決算
PER 82.6倍、PBR 1.85倍、配当利回り 0.34%、株主資本比率 32.6%
監査費用 8,916万円(売上比0.11%、営業利益比2.91%、前年比213万円増) 新創監査法人
役員報酬 取締役12名3.16億(社内平均2,819万、前年比94万3.4%増) 監査役4名0.39億
株主優待 2・8月末の1,000株以上保有の株主に株数に応じて映画・演劇招待券贈呈
詳しくは

松竹(9601)のホームページ
松竹(9601)のヤフー株価情報

過去10年間の株価推移を見ると600円台での推移が長いですが、アベノミクス効果?により久々に1,000円を超えてきました。その後は日本株全体の暴落?調整?もあり反落していますが、新しい歌舞伎座も無事オープンしましたし、業績を伸ばしていって欲しいですね!株価1,200円越えを期待しています。
スケジュール
10:00〜10:30 報告事項
10:02〜10:04 監査報告 岡田敏明常勤監査役
10:04〜10:25 営業報告 映像による報告 女性ナレーションが読上げ
10:25〜10:30 対処すべき課題を迫本淳一社長が読上げ
10:30〜10:33 議案上程
第1号議案 剰余金処分の件 前年据置きの3円(配当性向41%)
第2号議案 取締役11名選任の件 中島厚常務が退任し、関根康執行役員人事部長が新任
第3号議案 退任取締役に対し退職慰労金贈呈の件
10:34〜12:00 質疑応答 質問者11人 計18件 85分
12:00〜12:01 議案の採決

お土産 6月中有効の映画招待券2枚、歌舞伎ギャラリー入場券1枚、出席票で当日映画観賞可能
飲み物サービス 1階の喫茶スペースでコーヒー、紅茶など
経営戦略説明会 なし
注目の株主総会格付けですが、質疑応答の時間も十分取っていますし、映画招待券などのお土産も用意されています。一方で、株主総会開催日が集中日に近付きつつあるのは参加しにくくてマイナスですし、クールビズへの取り組みも後退しています。これらを総合的に判断し、松竹の2013年株主総会格付けは一昨年から一段階格下げし 『C−』 としました。
議決権を有する株主数 15,048名、その議決権数 136,892個
議決権返送&出席株主数 4,461名、その議決権数 101,442個(74.1%)
松竹の株主総会は今年も銀座ブロッサムで行われました。
松竹の株主総会は例年集中日より少し早い時期に開催されていましたが、昨年から集中日に近い開催となり、他社と重なりやすくなってしまいました。そんなこともあって昨年は出席できませんでしたが、今年は参加してみました。

受付開始は9時15分からと案内があり、9時頃から1階の喫茶スペースでコーヒーなどが頂けました。実際には9時9分頃から受付開始となりました。他の株主総会を回りたい人から、早く受付しろ!という圧力がかかったものと思われます(笑)
会場内はかなり寒く感じて、クールビズとか節電は忘れ去られてしまったようです。まだ震災から2年ほどですし、燃料輸入費が急増して日本の貿易赤字が続いているというのに、少々の暑さを我慢できないものなんでしょうか?体感温度は人それぞれとはいえ、寒すぎるほど冷やすなんて無駄だと思うんですが。
もう一度クールビズ総会を思い出してほしいものです。
9時半頃から正面スクリーンで映画の予告編や新歌舞伎座を紹介する映像が流されていました。
席は自由席ですが、最前列は株主が飛びかかってこないように(笑)入場禁止になっていました。最前列正面に陣取り、議長解任を叫ぶ人もいる のでやむを得ないのかもしれません。
事業報告は映像で行われ、招集通知の読上げでした。続いて迫本社長から対処すべき課題について説明がありましたが、こちらも読上げです。決議事項の説明のあと質疑応答となりました。
質問は会場内2ヵ所に設けられたマイクで行います。多くの株主から質問を受けるため、1人1問とお願いがありました。しかし複数質問する人が多かったですね。
新しくオープンした新歌舞伎座に対する改善要望が多数寄せられていました。
質問には担当取締役中心に回答し、社長が補足するという感じでした。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)最近の松竹配給の洋画はいまいちだが、洋画の買付けはどのように行っているのか?同じ担当者が買い付けていて、偏っているのではないか?契約金の支払時期は?担当者は固定されているのか?
→(秋元一孝 映像企画部門担当)洋画の大きなマーケットが、ベルリン映画祭、カンヌ映画祭、AFF(ロサンゼルス)と年3回あり、買付スタッフを派遣してその場で交渉している。交渉にあたっては相手先との人間関係も重要になるので、洋画調整局の人員は変わっていないが、局長を定期的に変えるなどしてローテーションを図っている。
→(井手良樹 経理部門担当)支払時期は契約内容や作品の完成具合によって変わってくる。完成時期を見極めながら為替ヘッジを行っている。
(迫本社長)洋画の不振は日本人が大仕掛けの洋画に飽きが来ていると思う。大手制作会社以外からも買っているが、大作が減り、作品数自体も減っている。小粒でも良い映画を買い付けるようにしている。夏公開の終戦のエンペラーは、洋画だが日本の戦後をうまく描いていて期待している。
(2-2)(女性)株価が買値まで戻っていない。劇場でも元幹部のOBを招待して接待しているようだが、観劇中にいびきをかきながら居眠りするなどマナーが悪い。OBの接待などやめて欲しいし、ちゃんと注意してほしい。
→(細田光人専務 総務部門担当)松竹はOBが作ってきた会社という意識を持っており、先輩方を大事にしているので接待や招待を行っている。ただ、お客様の迷惑になってはいけないので、注意しにくいが、意見を申し上げていくようにしていく。
(迫本社長)OBの招待などはあまり行っていないが、関係者が迷惑を掛けないように注意していく。
(注記)細田専務と迫本社長の回答が異なっていますが、OBの招待・接待はどの程度行われているのでしょうか?演劇内容について意見を頂くなど、業務の改善に役立つなら意味があるのかもしれませんが、日常的に先輩だから無料で招待して接待までするというのであれば、公私混同も甚だしいと思います。不透明な制度は見直して欲しいものです。
俺が寝てしまうほどつまらない内容だぞ!と激を飛ばしていたのかな(笑)
(3-2)新歌舞伎座のシートは、前に背の高い人が座ると舞台が見えなくなってしまう。席をずらした方が良かった。
→(武中雅人常務 歌舞伎座担当)1階席、2階・3階席とも視線を十分に検討して設計した。ご意見は参考にさせて頂くが、歌舞伎は動きのある舞台であり、正面を見るだけでないので全体を見てほしい。

(4-3)歌舞伎座の前の道路は交通量も多く、タクシーなどで来ると下車時にとても危険だ。早急に車寄せを作って欲しい。劇場への入り口で車いす用のスロープがあるが、途中で閉められてしまい使えなくなってしまう。
→(武中常務)歌舞伎座でもぎりをしたこともあり、ずっと車寄せの必要性は感じているが、東京都や中央区との調整が難しく実現していない。今後も検討を続けていく。今回地下駐車場には車寄せを作った。
→(安孫子正専務 演劇本部長)新歌舞伎座がオープンして、色々と問題点も浮かび上がってきている。車椅子のお客様の動線が十分に取れない部分もあり、現状を見ながら改善を進めていく。以前の歌舞伎座と比べると車椅子での来客が3〜4倍に増えており、バリアフリー化が進んで車椅子でも来場しやすくなったと感じている。
(5-3)取締役候補の中に自社株を持っていない人がいる。(会場から拍手)
→候補者それぞれの事情もあり、持ち株を強制はできないが、本人が自社株を持ちたくなるような会社にしていきたい(笑)持ち株数よりも能力や取締役としての自覚などを重視して選任している。
(6-4)歌舞伎座の1階席は広くなったが、先ほども意見があったように、前に大きな人が座ると前が見えない。もっとスロープを付けたり、席をずらすなど早急に改善してほしい。
→(武中常務)1階席は舞台の高さ、花道のスロープなども考慮する必要があり、あまりスロープを付けられないが、今後改善を検討していく。
(迫本社長)席をずらすかどうかは社内でも議論になったが、歌舞伎は左右の動きもあるので、ずらさない方が良いという結論になった。
(7-5)歌舞伎座を作るのには資金も必要なので、新歌舞伎座完成を記念して増資とか増配をしても良いのではないか?
→(細田専務)歌舞伎座建設資金については借入以外にも第三者増資や公募増資を行っている。増配については株主還元できるよう取り組んでいくが、今後の業績次第。現状は配当性向が70%を超えている。歌舞伎座のこけら落とし公演は好調であり、業績を向上させて株主還元にも取り組んでいきたい。
株主優待で新歌舞伎座の公演を見た人も多いようで、歌舞伎座について色々な意見が出ていました。
後半も様々な質問が飛び出しました。続きは下記株主総会レポートをご覧ください。
松竹2013年株主総会レポート2
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タグ:松竹2013年株主総会
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