2012年12月26日(水)の株価 98,100円(東証1部 2764)1株単位 9月決算
PER 11.2倍、PBR 2.70倍、配当利回り 2.74%、株主資本比率 46.3%
監査費用 3,300万円(売上比0.30%、営業利益比 1.71%、100万円増) 新日本監査法人
役員報酬 取締役5名1.65億円(社内平均4,093万、前年比265万円増)監査役4名780万円
株主優待 保有株数に応じて飲食代を10%、20%割引など
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東証2部に上場来の株価推移を見ると、新規公開株特有の値動きで2009年までは低迷が続いています。2008年10月10日に付けたリーマンショック後の安値19,250円が上場来安値ですが、2009年夏頃から株価は上昇に転じ、今まで上昇トレンドを継続しています。
上場来高値の122,750円も意識される水準まで上がってきました。

上場以来の業績推移を見ると、売上は伸びているものの利益面では2007年9月期までは横ばい、あるいは低迷という感じで、上場初年度が業績のピークという典型的なダメ企業になっています。売上が伸びていることから、出店を加速し出店経費増で利益は伸び悩んだのかもしれませんが、株主や投資家からするといつになったら利益が出るんだ!という感じで、成長性も懐疑的に見られてしまい、業績推移と合せて見ると2009年までの株価低迷も当然です。
リーマンショックを経て会社側も目が覚めたのか(笑)あるいは出店を厳選するようになったのか、売上の伸びは鈍りましたが利益は大幅な増益が続くようになりました。その結果が今の株価という感じです。
スケジュール
11:00〜11:34 報告事項
11:04〜11:06 監査報告 唐澤洋社外監査役 鬼木昌留常勤監査役欠席により代役
11:06〜11:34 事業報告 プレゼ画面を使いながら平松博利社長が熱演
11:34〜11:38 決議事項の上程
第1号議案 剰余金処分の件 年間配当2,390円(配当性向32.4%、総還元性向62.4%)615円増配
第2号議案 取締役4名選任の件 4名全員任期満了に伴い全員再任
11:38〜12:20 質疑応答 質問者7人 計14件 42分
12:20〜12:23 議案の採決、役員紹介
お土産 なし
飲み物サービス なし
経営戦略説明会 事業報告の中で平松博利社長から詳しく説明
注目の株主総会格付けですが、お土産も飲み物もなく、年末ぎりぎりというのも参加しにくいですね。事業報告や質疑応答は社長自ら自由自在に語っており、この部分は評価できます。これらを総合的に判断し、ひらまつの2012年株主総会格付けは 『C−』 としました。
議決権を有する株主数 7,227名、その議決権数 144,844個
議決権返送&出席株主数 1,629名、その議決権数 98,209個(67.8%)
ひらまつの株主総会は今年も表参道の青山ダイヤモンドホールで行われました。ひらまつにとってクリスマスは最大の稼ぎ時なので、クリスマス後の12月26日に株主総会を開催していますが、やはり年末なので何かと忙しく、毎年参加したいと思っていましたが、今年が初参加となりました。時期をずらしての株主総会開催なので、11時開始ではなく通常の10時開催でも良いのでは?と感じました。
平松社長は、前日は大阪中之島にオープンしたラ・フェットひらまつに行っていたそうですし、毎年クリスマスは大忙しなので翌日はゆっくり寝たい!ということなのかも(笑) 大阪はひらまつとしても初めての出店なので心配したそうですが、ラ・フェットひらまつは1月まで予約で一杯だそうで絶好調のスタートを切ったようです。東京のひらまつが大阪に出店というより、あの世界のひらまつが大阪に初進出!という感じだそうです。ラ・フェットひらまつの成功により、今後は関西から中国、四国にかけて出店を検討していきます。
会場内は横に広く、(8+7+7+7+7+8)×9というレイアウトで椅子席が多数並べられていました。空席も目立ち出席率は35%程度と思われるので、出席者数は150人程度です。
株主総会冒頭の挨拶で平松社長は会場を見渡し、今年は出席者数が少ないですね。業績が好調なので質問することもないのでみんな来なかったのかな?と話し、余裕のスタートです。でも例年以上に質問は多かった感じで、後が控えている私はいつ終わるんだろう?と冷や冷やしていました^_^;
出席者の中に女性が目立つのもひらまつの株主総会の特徴です。
正面左右にはスクリーンが用意され、事業報告などで活用されていました。

出席株主に対してお土産などのクリスマスプレゼントはありません(招集通知にも記載済み)が、サービス業なんだからお茶くらい用意しても良いのにと感じます。以前はコーヒーがあったようです。
写真の通り役員席にはミネラルウォーターが用意されていました。
ひらまつは今年30周年を迎えたので、冒頭の挨拶でまずは30周年を迎えられたことを感謝したいという言葉から株主総会は始りました。
事業報告では平松博利社長の熱の入ったプレゼンテーションが毎年人気の様ですが、今年も議長席を離れてスクリーンの前まで移動して、ひらまつの現状と今後について株主に語りかけていました。こういった姿勢は素晴らしいと思います。プレゼ資料を株主にも用意したり、メモを取れるようにテーブル席になれば便利ですね。
第30期も上期は絶好調で推移していたが、下期に入ってからは業界全体として減速感が出てきて、ひらまつでも売上が伸び悩む状況が続いた。11月までは厳しかったが、12月はラ・フェットひらまつのオープンもあり前年実績を大きく上回っている。

2011年10月以降の売上高の前年比を見てみると、3〜4月は震災の反動増という部分もありますが、6月までは前年を上回って推移していました。それが7月以降はずっと前年を下回って推移しており、特に10月の落込みは大きくなっています。12月は新店オープンもあってプラスに転じたということなので、今後に期待したいですね!
月次情報が充実しているのもひらまつの特徴であり、株主や投資家の方々にできるだけ早く詳しい情報を提供したいという姿勢が現れています。今期からは従来の営業利益に加えて純利益や1株当たり利益も毎月開示するように改善されています。月次情報を出す会社は増えてきましたが、純利益まで出す会社は他に知りません。こうした取り組みをする会社が増えていくといいですね!
ただ毎年開示項目が変わるので時系列の比較が面倒になります。過去のデータも2〜3年分は可能な範囲で同じ形式で提供されるとありがたいですね。
計算書類については服部亮人 取締役管理本部ディレクター・ジェネラルより説明がありました。
議案の上程に続いて質疑応答となりました。
ひらまつの質疑応答は少し変わっていて、質問者は議長から指名されると会場正面左右に設けられた質問マイクまで行って質問します。通常だと質問用マイクは会場中央等に設置されていますが、ひらまつの場合は会場の前まで進み出て質問する形式でした。役員席の近くまで行って質問するのは緊張しますし、ちょっと質問しにくく感じました。質問者は毎年質問している常連さん中心のようでした。
初めて参加する株主にはちょっと敷居が高く感じました。特に質問数には制限はなく、3つほど質問する株主も何人かいました。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)業績は順調で素晴らしいが、平松博利社長もいつかは社長を引退する時期が来ると思うし、料理人を引退する時期も来ると思う。後継者の育成についてはどう考えているのか?
→私が死んだらどうするんだ!?という質問だと思うが(笑)ご覧の通り健康です。還暦になったがジジイになるのではなく、新たな命を授かったと感じている。確かに少し体力は落ちるかもしれないが、色々な経験を積んできたり、他人の話も聞けるようになってきた(笑)引退する気はないので引退後のことはまだ考えていないが、若い人達もたくさんいるので心配していない。新たな経営者がひらまつを変えていったとしても、それはそれで運命だししょうがない。私の真似をしてはいけない!と言っているし、そんなこと出来るわけがない。料理も経営もサービスもワインのテイスティングも1人でできる様な人は僕しかいない。引退後はそれぞれが役割分担して経営を担っていくようになると思う。そのために今は若い人たちに自分の知識を伝えていくのが使命だと思っている。
(他社を見ていても)後継者を作って育てようとするから駄目なんですよ!だからアホな経営者が生まれてくると思う。次の経営者には次の経営をさせればいい。それで会社が変わればいいんです。本当のイノベーションはそういう時に生まれてくる。
(注記)辛辣ですがなかなか鋭い言葉ですね。後継者の育成に失敗する会社は多いので、平松博利社長の考え方も参考になるかもしれません。
(2-2)30周年記念おめでとうございます!(会場から拍手)業績も好調で何も言うことはない(笑)ただどこに落とし穴があるかは分からないので気を付けてください。昨日は株主フェアに参加し、素晴らしいクリスマスを過ごさせて頂いた。お店も料理もサービスも満足したが、最後にお土産があれば最高だった。
→いつもありがとうございます。勝ち続けることはできない。いつか落ちる時も来るが、そこで立て直すには胆力が必要であり、胆力を養うことが重要。業績を見ると順風満帆のように見えるが、この5年間外部環境は本当に厳しく苦労してきた。向かい風を受けながら全社員で前に進んできた。フォローの風はこの5年間まったく吹いていない。落とし穴として一番気を付けているのは社員の健康で、今大流行しているノロウイルスなど衛生面にも気を使っている。それから無駄なお金を使わないこと!絶対に無駄なお金は使いません。お水1杯出さないこととは関係ない^_^;常にゼロベースで考えている。来年はひょっとしたらお土産くらい付くかもしれない(笑)成績次第ですけどね(笑)株主の皆様には我々と一緒に苦労しながら前に進んでもらいたい。こうした考えでお土産もやめ、コーヒーを出すのもやめて、皆で苦しみながらそれでも前に進みここまで来た。経営者は株主から信託されて経営を任されたわけなので、株主も一緒になって苦労して欲しいというのが僕の本音です。そして応援いただければ嬉しい。
(注記)飲食業の株主総会に参加していて感じるのは、人間の欲望には限りがないんだな〜ということです^_^;株主フェアは通常のお客様よりお値打ちにひらまつを楽しめるのに、さらにお土産まで欲しいとは...クリスマスに株主フェアを開いてくれるのはありがたいですが、株主としてはただでさえ予約が取れない稼ぎ時なんですから、株主フェアよりお客様向けのサービスに力を入れて業績を伸ばしてほしいですね。株主フェアはお店が暇な時期に行えば良いと思います。
平松社長の考えが聞けてとても参考になりました。絶対に無駄なお金は使わない!ということですが、なぜか監査費用は前年より増加しています。他社の傾向を見ると前年より下がっている会社が多い中で、なぜひらまつは上がっているのか不思議です。ゼロベースで考えるのなら、他の監査法人に比較見積もりを取って価格交渉を行う必要があると思うんですが。
今期も好業績なら来年の株主総会ではお土産が復活するかも!好業績を期待しましょう!
まだまだ質問、そして平松社長の独演会?(笑)は続きます。
後半の質疑応答の様子は、ひらまつ2012年株主総会レポート2にまとめます。
ひらまつ2012年株主総会レポート2 完成しました!
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