2012年10月27日

ドクターシーラボ2012年株主総会レポート

2012年10月23日(火)10時から、東京都中野区の中野サンプラザ サンプラザホールで開催されたドクターシーラボ(4924)第14回定時株主総会に出席しました。ドクターシーラボは、アクアコラーゲンを中心とした独自開発のメディカルコスメを、Web販売・通販などの直販、百貨店などの対面販売、ドラッグストアなどへの卸売りを行っている会社です。
ドクターシーラボの株主総会に参加するのは、2009年に続いて2回目です。
 → ドクターシーラボ 2009年株主総会レポート
2012年10月23日(火)の株価 255,300円(東証1部 4924)1株単位 7月決算
PER 9.97倍、PBR 3.70倍、配当利回り 3.53%、株主資本比率 76.7%
監査費用 3,144万円(売上比0.08%、営業利益比0.35%) 新日本監査法人
株主優待 1月末の株主に対し、株数に応じて自社商品セットを贈呈
詳しくは → ドクターシーラボ株主優待紹介ページ


   ドクターシーラボ(4924)のホームページ
   ドクターシーラボ(4924)のヤフー株価情報
ドクターシーラボ2012年株主総会
過去5年間の株価推移を見ると、好調な業績を反映して2011年までは順調に上昇していましたが、5月の小型株ショックで連れ安となりました。その後株価は回復傾向でしたが、8月31日に消費者庁からの措置命令を受け、前期の業績が減益となったこともあり、現状は26万円前後での横ばいとなっています。
スケジュール
10:01〜10:28 報告事項
 10:04〜10:05 議長解任動議で一波乱 すぐに退場処分^_^;
 10:05〜10:09 監査報告 岩田允孝常勤監査役
 10:09〜10:27 事業報告 女性ナレーションが招集通知を読上げ
10:28〜10:31 決議事項の上程
 第1号議案 剰余金の配当の件 7,900円 1,200円増配、配当性向39.3%
 第2号議案 定款一部変更の件 有能な人材を迎えるため、社外取締役の責任限定契約を追加
 第3号議案 監査役3名選任の件 2名任期満了で黒岩氏再任、吉岡・須田氏新任 1名増の4名体制
10:32〜11:13 質疑応答 質問者9人 計18件 41分
11:14〜11:15 決議
11:16〜11:17 新任監査役紹介 名前とよろしくお願いしますのみ
ドクターシーラボ2012年株主総会
お土産 リフトケア実感セット1,785円相当サンプル品、美禅食3個入 先渡し
飲み物サービス なし
経営戦略説明会 なし

注目の株主総会格付けですが、サンプル品などのお土産も用意されていましたが、質疑応答は途中で打ち切り、事業報告も詳しい説明が無くなりあっさりとしたものに変わっていました。これらを総合的に判断し、ドクターシーラボの2012年株主総会格付けは 『D+』 としました。
   議決権を有する株主数     33,955名、その議決権数  249,191個
   議決権返送&出席株主数    7,075名、その議決権数  192,732個(77.3%)
ドクターシーラボの株主総会は今年も中野サンプラザで行われました。
ドクターシーラボは8月31日に美顔器DR-Sonic L・Iについて、会報誌Ci:Loverシーラバーでの表現に一部優良誤認があると判断され、消費者庁から措置命令を受けました。返品対応などで株価も影響を受けており、石原智美社長がどのような説明をするのかが注目点の一つでしたが、会社側からはほとんど説明はありませんでした。監査報告の中で岩田允孝常勤監査役から、再発防止策を実施していると説明があった程度であり、石原智美社長からは何も説明がありませんでした。
質疑応答の中で株主から質問があり、はじめて説明するという対応でした。
通常このような問題が発生した場合、株主総会の冒頭でお詫びの言葉があったり、事業報告の中で経緯など詳しく説明するのが普通であり、質問が出るまで説明しないという会社側の対応には疑問を感じました。株主の関心も高く、ましてやネガティブな問題なんですから丁寧な説明が必要だと思います。悪い情報ほど迅速・丁寧に説明するのが誠実な経営陣の対応方法だと思います。この点で少し残念でした。
3年振りの出席ですが、前方には空席も目立ち3割強の着席で、出席者が減ったように感じました。
石原智美社長から株主総会開始の挨拶があると、会場内の数名から拍手が沸き起こり、熱狂的なファンがいるようです(笑)ところが監査報告に移ろうとした時に波乱が発生しました!
最前列中央の議長席の真ん前に座っていた長身で高齢の株主が突然立ち上がり、議長解任動議を提出すると言いながら議長席に詰め寄りました!消費者庁からの措置命令について全く説明がないことに怒り、議長解任!となったのでしょうか?たぶん違うと思われる^_^;
この人を見るのは3回目で、同じく中野サンプラザで2012年5月に行われた吉野家の株主総会、7月の伊藤園の株主総会でも議長解任を叫んで、議事を混乱させていました。他の会社でも同様のことをしているのか、すぐそばに警察官が3人配置されていて、叫びだすと同時にすぐに囲まれてしまいました(笑)どうやら騒ぎ出すのは想定済みだったようです
 → 吉野家の2012年株主総会レポート
上記の吉野家の株主総会では警官を呼ぶぞ!と叫びながら携帯で110番に電話していましたが、今回は警察を呼ぶぞ!と言ったら「俺たちが警察だ!」みたいに返されたようでw、今度は警察は何をやっているんだ!庶民の味方じゃないのか!?と文句を言っていました。若干想像が入ってます(笑)
前の2社では一応議長解任動議が会場に諮られ、否決されて退場しましたが、今回はまったく取り合ってもらえず、石原智美社長の指示に従わないということですぐに退場処分となりました。さすが強硬派の石原智美社長という感じですが、今回の対応が社長の個性なのか、事前に想定した通りの対応なのかは分かりません。会社によって対応が違うというのは面白いものです。
それにしてもこの人の意図はよく分かりません。特に伊藤園など業績も好調で議長を解任する理由がありませんし、ただ単に議事を妨害して楽しんでいるのか、自己顕示欲が強いだけなのかは謎です。

事業報告は女性ナレーションが招集通知のポイントを読み上げる形で行われました。続いて議案の説明があり、質疑応答となりました。今年もたくさんの質問が出ましたが、ほとんど石原智美社長が回答し、財務的な質問には小杉財務部長が回答していました。
実質的なオーナーである城野親徳会長の発言はありませんでした。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)(女性)中国本土への進出を準備中と書いてあるが、他社は中国から逃げ出している中でどんな覚悟であの国と付き合っていくのか?今ごろ中国に進出して大丈夫なのか?
→ずっと中国進出を準備してきた。中国の経済情勢も悪化するなど色々あるので、中国進出は慎重に考えている。1年前から上海にオープンする百貨店への出店をエントリーしており、こちらは計画通り進めているが大きな投資ではない。今は中国よりアジアをより重視している。
(2-2)常勤監査役が辞めるが、誰が常勤監査役になるのか?
→(岩田允孝常勤監査役)株主総会後に監査役会を開き常勤監査役を決める予定です。
(たぶん内部監査部長出身の吉岡氏でしょうね。新任監査役の経歴を見れば分かります)
(3-3)無料サンプルの欠品が多発して業績未達となったと説明があったが、当然需要予測してサンプルも用意しているのではないか?
→欠品のため売上につながらず大変申し訳ない。前期はドクターシーラボ始まって以来最高の120万人の新規顧客を獲得できたが、欠品により売上につなげられなかった。当初は50〜100万人と想定しており、随時見直しを行ったが追い付かなかった。
(4-4)消費者庁から茶茶が入ったのは同業他社からのチクりか?それとも商品に問題があったのか?
→消費者庁から措置命令を受けてしまい大変申し訳ない。ドクターシーラボ美顔器の会報誌シーラバー上での表現方法に問題があると指摘された。商品自体には問題ない。商品をより理解してもらいたいという気持ちから、表現が行き過ぎてしまった。他社にチクられたのかは我々では分からない。
注記)やっと消費者庁からの措置命令について説明がありましたが、質問内容・回答を聞いていて、会社側で仕込んだ質疑応答かっ!?(笑)と感じました。とはいえ経緯などについて詳しく説明するわけでもなく、誰が密告したんだ!という問題にすげ替えています。シーラボは悪くない、ヤーマンが嫌がらせしたんだ!とでも言いたいのでしょうか?
ここまでの対応を見ていると、今回の問題ではドクターシーラボは悪くないのに、いじめられた被害者的な感覚の様です。そう考えると株主に対してきちんとした説明がないなど、今までの一連の対応も納得できますね^_^;
個人的にはライバルメーカーというより、消費者庁か経済産業省などの天下り先になっている検査機関が見せしめにチクったんじゃないでしょうか?何でこっちに仕事を回さないんだ!消費者庁に圧力かけるぞ!みたいな感じで(笑)今回の問題で一番得をするのは検査機関です。ライバルメーカーも今後さらに検査機関を重視しなければいけなくなりますからね!
こういった問題は誰が一番得をするのか考えると、全貌が見えてくると思います。
(5-4)商品破損受取保険金が37億円も発生しているが、こんなに不良品が出るのは製造ラインに問題があるのではないか?
→(小杉裕之取締役財務部長)宅配便業者が輸送中に箱を潰したりした時の補償金であり、単位は千円なので376万円を計上している。
(6-5)欠品が発生した原因と対策は?
→お恥ずかしい話だが、社内の連携が取れていなかった。連係不足で、オンエアのタイミングとサンプルの準備量が合っていなかった。二度と起こらないよう組織改革を行うとともに、社員の意識改革が必要。今後は情報を一括管理し、必要部署に連絡していく。現状は欠品も発生しておらずうまく機能している。
(7-5)今期に入ってから2ヵ月間の足元の状況はどうか?
→予定通り推移している。特に通信販売は好調と考えている。
(8-6)消費者庁からの措置命令の経緯について確認したい。効果があると説明しながら、根拠となるデータを消費者庁に提出できなかったと報道されているが事実なのか?
→その通りです。シーラボは消費者庁にまったく反論しなかったと報道されたが、根拠となるデータは提出している。しかし社内で測定したデータだけだったので客観性に乏しいと判断され、十分なデータとは認められなかった
(9-6)先ほど常勤監査役から再発防止策が取られていると説明があったが、どんな対策を行っているのか?再発は本当にないのか?
→再発防止策としては、表示法などに詳しい外部の講師を呼んで勉強会を開催していく。より分かりやすい表現で商品の特徴を説明できるように勉強していく。
→(岩田允孝常勤監査役措置命令の内容は、一般消費者への周知徹底、再発防止策と社員への徹底、今後同様の表現をしないことの3点です。一般への周知はホームページなどで実施済み。再発防止策は検討中であり、関連部門の人員増強、表示方法のセミナーへの出席など実施済みのものもあるが、すべての対策が出揃っているわけでは無く、順次会社側が実施していくと考えている。

(10-6)連結の基礎的収益力を教えてほしい。
→(小杉財務部長)基礎的収益力が何を意味しているのかよく分からないが、限界利益を指しているとすると、ドクターシーラボの限界利益率は73%であり同業他社と比べても高い。売上が伸びれば利益の伸びも大きくなるが、逆に売上が未達になると利益も計画を大きく下回ってしまうことになる。今期は広告宣伝費などの販管費の効率運用にも取り組んでいくので、営業利益率は向上する。
(11-6)説明が中途半端だ。営業利益が基礎的収益力ではない。基礎的収益力も知らないとは勉強不足ではないか!
→(小杉財務部長)基礎的収益力の定義は勉強不足で分かりません。
株主)基礎的収益力は営業利益に子会社の〇〇と△△を足して...などと定義を講義していましたが、よく分かりませんでした。
→(小杉財務部長)子会社はすべて100%子会社なので、それなら経常利益に相当する。
株主)経常利益ではなくて、...と色々言っていましたが、よく分かりませんでした^_^;
注記)私も勉強不足で基礎的収益力に明確な定義があるとは知りませんでした。平常時なら90億円くらいの営業利益を出す力はありますね〜という程度の曖昧なものかと思っていました(笑)
帰ってからネットで検索してみましたが、特に明確な定義はないようですし、一般的な言葉でもなさそうです。銀行などでコア業務純益のことを基礎的収益力ということもあるようですが一般的ではありません。知識をひけらかす様な質問はご遠慮頂きたいものです。
(12-7)韓国では免税店で日本人向けに売っているが、なぜ韓国人向けに販売しないのか?
→韓国では1年半前に免税店に2店舗出店した。以前韓国の百貨店に出店していたが、難しいマーケットで撤退した。韓国は美容大国であり諦めたわけでは無いので、免税店に出店した。日本人向けが中心だが、徐々に日本人以外にも広がっている。
(13-7)中国に進出しているが、尖閣諸島問題の影響は出ているのか?
→中国進出は5年前から準備してきたが、法令への対応などクリアすべき問題がたくさんあり、やっと事業展開できる段階になった。ただ今は本格的に進出するタイミングではないと判断している。
(14-7)バランスシートも強固で利益剰余金もたくさんあるが、どのように活用していくのか?
→今後の投資計画も大きな予定はない。今後3〜4年かけて基幹システムを見直す程度。顧客動向の分析システムにも投資していきたい。
11時6分となり石原社長から、相当時間も経ったのであと2人にして欲しいとお願いあり
まだ30分ほどしか経っていないんですが、今年は色々突っ込まれると困る問題が多いので(笑)特に早く終わらせたかったようです^_^;
(15-8)(女性)テレビで叶姉妹が、パウダーの上にブラシが付いていて、ワンプッシュで出てくるような商品を使っていたが、同じものが欲しいと思ってあちこち探したが見つからなかった。ドクターシーラボで商品化する考えはないのか?
→どんな商品かは存じ上げているが、シーラボでの取り扱いはない。似たような容器は出ているが、防腐剤を入れなければならないなどの問題があり、シーラボでの取り扱いはない。
(16-9)今後の設備投資も少ないのであれば、90億円のキャッシュは持ち過ぎではないか?配当せよ!とは言わないが、自社株買いなどで還元する必要があるのではないか?
→(小杉財務部長)キャッシュの使い方次第でROEも変わってくる。現状はROEも他社より高いが、株価の動向などを見ながら、自社株買いにも柔軟に取り組んでいく。
(17-9)百貨店ルートなど先行きが期待できないのに、今期の利益計画は過大ではないか?今後どのように業績を伸ばしていくのか?
→通販が主力であってほしいと考えており、Eコマースの充実を図っていく。百貨店ルートは伸びているが、劇的に回復するまでには時間がかかる。卸販売の中でもドラッグストア向けは好調だったので、こちらも伸ばしていきたい。
(18-9)妻の意見だが、株主優待は商品ではなくて金券にして、自由に商品を買えるようにして欲しい
→自社の商品を使ってほしいと考え、株主優待を実施している。色々な意見があることは承知しており、社内でも様々な議論をしているが、現状の規模で金券にするのはセキュリティ上難しいと思う。

以上で質問は打ち切りとなりました。
まだ手を挙げている人は何人もいたので、もう少し質疑応答の時間を取ってもいいのになと感じました。
あまり株主との意見交換をしたくないのかな?と感じてしまいました。
今期は業績も回復を見込んでいますが、株主=顧客という人も多いと思うので、もう少し株主の方を向いた経営をしてもいいですよね!来年以降何か変化があるのか楽しみにしたいと思います。
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posted by Zaimax at 23:02 | Comment(1) | TrackBack(0) | 株主総会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
総会の様子がわかり、大変感謝いたしております。有難うございます。実際総会に参加することは、なかなか出来ません、今後とも宜しくお願いいたします。
Posted by 椎名 堯慶 at 2012年10月30日 14:03
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