2012年07月03日

マネーパートナーズ2012年株主総会レポート

2012年6月24日(日)10時から、東京都港区六本木の六本木ヒルズ森タワー49階 六本木アカデミーヒルズ49タワーホールで開催されたマネーパートナーズグループ(8732)の第8回定時株主総会に参加しました。マネーパートナーズグループはFX取引をネットを通じて提供している会社です。マネパは成田空港や関空で外貨両替サービスも開始しています。マネーパートナーズグループの株主総会に参加するのは2009年以降連続して4回目です。
 2011年の株主総会は → マネーパートナーズグループ2011年株主総会レポート
2012年6月22日(金)の株価 14,200円(東証2部、JASDAQ 8732)1株単位 3月決算
PER 10.7倍、PBR 0.44倍、配当利回り 2.82%、株主資本比率 18.7%
監査費用 4,900万円(売上比 0.64%、営業利益比 8.93%) 監査法人トーマツ
株主優待 なし

   マネーパートナーズグループ(8732)のホームページ
   マネーパートナーズグループ(8732)のヤフー株価情報
マネーパートナーズ2012年株主総会
過去5年間の株価推移をみると2008年頃は15万円を超えていましたが、最近は1/10以下の1.3万円前後で推移しています。業績も減収減益が続いているのでしょうがないですが、そろそろ業績も底打ち反転に転じて欲しいものです。
スケジュール
10:00〜10:17
 10:04〜10:05 監査報告 山本壯兵常勤監査役
 10:06〜10:17 事業報告 奥山泰全社長が召集通知を読上げ
10:17〜10:18 議案説明
 第1号議案 剰余金処分の件 期末配当250円 年間350円(配当性向31.2%)
 第2号議案 取締役6名選任の件 任期満了に伴い全員再任
 第3号議案 取締役に対する業績連動報酬に関する件 連結経常利益10億円以上で連動報酬支給
10:19〜11:19 質疑応答 質問者6人 計14件 60分
11:19〜11:20 議案の採決 拍手方式ですべて可決
11:20〜11:21 役員紹介 名前とよろしくのみ
マネーパートナーズ2012年株主総会
お土産 もち吉のふくよか餅七分缶、東証上場記念ボールペン 後渡し
飲み物サービス 水のセルフサービス
事業説明会 株主総会後に奥山泰全社長から簡単に説明

注目の株主総会格付けですが、お土産も用意されていますし、質問も出尽くすまで対応していました。毎年日曜日に開催しているのも評価できます。これらを総合的に判断しマネーパートナーズグループの2012年株主総会格付けは 『B』 としました。
   議決権を有する株主数  5,960名、その議決権数  301,457個
   議決権返送&出席株主数  1,180名、その議決権数  218,887個(72.6%)
マネーパートナーズの株主総会は今年も六本木ヒルズで開催されました。
受付開始は9時半からと召集通知にも記載されていますが、9時頃に来てお土産だけ渡せ!(笑)という困った株主が何人もいたようです^_^; 受付時に、式次第や役員の配席図が記載された紙を渡されました。後方からだと役員の名前も見えないので、親切ですね。
会場内には椅子席が多数用意されていましたが、最前列だけはバリケード代わりのテーブル席になっていました(笑)事業報告は奥山社長が読上げで行なったので、スクリーンも用意されていませんでした。会場内には質問用のマイクが4本用意されていて、近くのマイクまで行って質問する形式でした。
役員一堂が登壇し株主に一礼しましたが、会場からは拍手などはまったく起こらず、株価が低迷していると株主の反応も冷たいですね^_^;
役員の方々はスーツ・ネクタイという普通の株主総会で、クールビズ対応ではありませんでした。会場内もかなり冷えていて、株価低迷で株主が熱くならないように、冷房をガンガンに効かせていたようです(笑)
今年は業績・株価とも底を打ち、来年の株主総会は温かい雰囲気の中で開催されるといいですね!

質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)国会で消費税増税が決まりそうだが、マネパの業績への影響はあるのか?
→FXの取引自体は非課税なので、消費税が増税になっても為替取引や売上には影響ない。ただ家計を圧迫することになるので、取引の減少などの悪い影響を受ける可能性がある。
私見だが、消費税の増税より構造改革などに取組んで欲しいが、当社で何かできる問題ではないので、与えられた環境の中でできることをやっていくしかない。
(2-2)見事に業績は右肩下がりで株価も最近は横ばいだが、社長以外の役員から今期の業績に対する意気込みを聞かせて欲しい。円高とかギリシャ危機とか聞き飽きた言葉は使わず説明して欲しい。
→全員が話すのは大変なので、代表して福島専務から語ってもらう。
→(福島秀治専務取締役)第8期の業績低迷の要因は、ボラティリティが小さかったため。過去4年間で最もボラティリティが小さかった。円高でも円安でもマネパの業績には関係ないが、値動きが大きいとFX取引が増えるので、マネパの業績が良くなる。主要な取引であるドル円で見ると、昨年は月間の変動が1円台の月が3ヵ月、2円台が3ヵ月あるなど、為替が大きく動いた2012年2月以外は1〜2円程度の狭いレンジでの推移が続いた。ボラティリティが低いのでなかなか取引が増えず、収益に結び付けられなかった。2011年9月からはナロースプレッドを打ち出し、スプレッドをより小さくして取引量の増加を狙った。ナロー化後は取引が増えているので、今期は取引増を収益に結び付けていく。
奥山社長)FX会社はどうしても市況産業なので、ボラティリティの影響を大きく受ける。円高やユーロ危機より、1日の中でのボラティリティの影響が大きい。リーマンショック以降、日々のボラティリティが低下し続けており、FX会社にとって環境は厳しい。ただボラティリティは異様に小さくなっているので、これ以上ボラティリティが低下することは考えにくい。そのような環境下でも赤字にならず利益を出しており、さらに体質強化を進めてボラティリティの拡大に備えている。経費の削減についても引き続き進めており、どんな環境下でも会社が維持できるような体制を作り上げていく。想いは役員全員同じなのでご理解頂きたい。
レバレッジが100倍から25倍に制限され、売上が1/4になってもおかしくない中で取引を増やしたり顧客基盤を広げてきた。当面は25倍が続くと思うので顧客基盤を拡大して収益の拡大に努めていく。
(3-2)東証とジャスダックに重複上場しているメリットはあるのか?ジャスダック上場を廃止してコストダウンしてほしい。
→デリケートな問題であり慎重に対応していく。東証2部ではまだ弱いと感じているので、東証1部を目指していく。大証とは大証FXのマーケットメーカーを担当するなど業務上のつながりがある。一方で来年には東証と大証の統合が予定されているので、(ジャスダックの上場廃止はせずに)両取引所と良好な関係を続けていきたい。ジャスダックはアメリカのナスダックとも業務提携しており、将来の海外展開を考えるとジャスダックからナスダック上場を目指す方向もあると考えている。
注記)重複上場しているとその分コストもかさむので、東証に統一する会社が多いですが、マネパの場合は大証とも業務上のつながりがあるので、ジャスダックの上場廃止は難しいと思いますね。ジャスダック上場廃止で大証FXのマーケットメーカーから外されたら意味がありません。
一方で、ではなぜこの時期に東証に上場する必要があったのか?という疑問も湧いてきますが、FX専業の会社で東証の上場基準をクリアした会社はマネパが初めてであり、顧客や取引先に安心感を感じてもらうとい点で東証上場の意義は大きいと考えているようです。さらに2市場に重複上場してもそれほどコストは増えないこともあって、当面は重複上場を続ける意向のようでした。
(4-2)役員報酬総額の上限3.5億円は高すぎる!役員報酬よりも自社株買いなどの株価対策に使ってほしい。この上限枠はいつまで有効なのか?
→直近の4期業績は苦しんでおり、役員報酬は減らしてきている。役員報酬上限は株主総会で変更されない限り変わらないが、実際の支払額は枠の半分以下であり、上限額は重要な問題ではない。業績を向上させることで報酬を増やせるようがんばっていきたい。
(5-3)株価低迷で含み損が出ている。余裕が出たら自社株買いをして株価を上げて欲しい。
→苦しい状況の中で黒字を維持しているが、PBRは1倍以下にしか評価されていない。まずはしっかりと成長する姿を見せる必要がある。今後顧客基盤を拡大して業績を伸ばしていくことが重要。自社株買いは配当可能額の範囲内で行うものなので、まずは利益を積み上げていきたい。
注記)どうも株価が低迷すると自社株買いを求める株主が増えますが、私は自社株買いより増配してほしいですね。自社株買いは株価の下支えにはなりますが、株価を上げるような買い方はできませんし、株価上昇効果も一時的で業績が伴わなければまた元に戻ってしまいます。業績を回復させるとともに、配当性向を高めていって欲しいですね。
(6-3)FX事業の先行きに不安を感じるので、FX以外の柱を作って欲しい。
→FX事業はまだ1桁2桁大きくなる事業だと思っている。マネパはまだ20万口座くらいだが、100万口座・1千万口座となり、FXが一般的なサービスになると思っている。海外が身近になる中で個人金融資産についてももっとグローバル化が進むと思う。現状の両替手数料は高いので、マネパが役に立つ場面はもっと増えると思う。実需の両替需要が少しでもマネパに流れてくれば、業績への影響は大きい。
成田空港に加えて関西空港でも両替サービスを開始する。他の国際空港にも両替サービスを広げていき、両替サービスからFX取引につなげていくなどFXサービスの普及に努めていく。レバレッジ規制を乗り越え顧客数は増えており、安定収益源を作っていく。FX市場は大きいので代わりになるものは簡単に見つけにくい。金などのCFD取引に参入したがFXの10%くらいの売上に育てていきたい。まずはFXならマネパと言われるように取り組んでいく。
注記)色々と手を広げるという方向性もあるでしょうが、やはりFXの取引高を増やして、圧倒的なシェアを確保することが大事だと思います。マネパはFX会社であり、FX事業の先行きに不安を感じるのであればそもそもマネパに投資する意味が分かりません。マネパに事業転換を求めるより、ポートフォリオの見直しを行う方が現実的だと思います。マネパには実需も含めてお得な為替取引ならマネパというブランド力を作り上げ、為替取引を集めることで安定した収益が確保できるように頑張って欲しいと思っています。

(7-4)6月から銀行で中国元と日本円の取引が始まったが、セントラル短資が元の取り扱いを始めている。マネパの取組みは?
→(福島)取引所取引でも人民元が始まっているが取引高は少ない。今まで人民元と円の取引は間に米ドルが介在していたので、直接取引できるようになり銀行間のインターバンク市場ではメリットがあるが、個人投資家の実需に合うのか検討している段階。取引所取引の推移を注視している。
社長)現状は銀行間の送金ベースに留まっており、個人の取引に直接的な影響は出ていない。人民元は将来性が見込める通貨なので、取扱い時期については検討していく。
(8-4)FX業界として国にレバレッジ規制を戻してもらう働きかけをしていく必要があるのではないか?国と対決してでも求めていくべきだ。
→2008年にレバレッジ規制がかかるらしいと日経新聞がスクープし、2ヵ月ほどで規制が発表された。業界としても何とかできないかと声をあげてきた。昨年もレバレッジ規制を50倍で留めてほしいと国にはお願いしてきた。FX業界として自主規制していくので、規制を緩和して欲しいと要望している。国からの回答は、現状はその段階ではないという見解。レバレッジ規制は事業の根幹に関わる部分なので、業界で意見をとりまとめ、消費者保護を守りながら、今後も粘り強く取り組んでいく。
ただ、みな同じ条件の中で競争しており、この環境の中で業績を上げて株主の期待に応えていきたい。
(9-5)第3号議案の経常利益10億円はハードルが低すぎるのではないか?なぜ10億にしたのか。
→株主の期待に応えながら現実的に事業環境を考え、現状の倍の10億円に設定した。今期の経常利益は10億円を目指すという姿勢を株主やマーケットに示し、利益倍増をロックオンして取り組んでいく。
(10-5)業績は見事な右肩下がりで心配だが、業界全体が悪くなっているのか?それともマネパのシェアが落ちているのか?
→(中西典彦取締役CFO)レバレッジ規制が掛かる前マネパは50倍と100倍の商品を品揃えしていたが、他社では400倍というレバレッジの高い商品もあった。そのため規制前はシェアが下がる傾向だったが、レバレッジ条件がイーブンになってからはシェアが横ばいから上昇に転じている。
奥山社長国内のFX市場でマネパはおおよそ6%弱のシェアになっている。一時は2%台まで落ちたが、そこからじわじわと上がってきている。売上を上げにくい環境だが徐々にプレゼンスを高めている。
(11-5)売上を見るとトレーディング収益が大きいが、普通顧客からの手数料収入が大部分なのでは?
→マネパは店頭FXをメインにしており、対顧客・対カバー先銀行間の相対取引が中心になる。顧客のFX取引手数料はゼロであり、カバー先につなぐ際のスプレッドがマネパの収益になる。決して自己売買しているわけではなくて、取り次ぐ際の差が会計上トレーディング収益になるので、トレーディング収益が多くなる。マネパは極力マーケットリスクを取らない方針の会社なので、自己売買はしていない。
(12-6)データセンターの移設費用が計上されているが、どういう要因で発生したのか?
→(白水克紀取締役CIO)各サービスを一極集中した方が良いと判断してデータセンターを集約したので、移設費用が発生した。バックアップについては完全二重化・多重化されており、遠隔地へのバックアップも行っている。
社長)集約したデータセンターは都内の3発電所から電力供給ができ、さらに自家発電の契約もしている。このような高品質のデータセンターを複数使うとコストが嵩むので、1つに集約した。システムの信頼性については業界一と考えており、顧客からの評価も高い。
(13-6)システム投資や広告宣伝費についてはどう取り組んでいくのか?
→ディーリング系のシステム開発に取り組んでおり、開発費用はかかるが毎月のコストにはあまり影響はない。FX業界ではシステム投資にお金をかける会社が減っているが、マネパは結果が出るなら投資しても良いと考えている。ディーリング系システムに投資することで売上が増えるのであれば投資する。カバーアルゴリズムがコアコンピタンスであり、削ることなく投資していく。カバーアルゴリズムを見直すことで収益性を向上させていく。新システムは8〜9月頃に運用開始となるが、2割程度の収益性改善を目指している。
広告費は4,500〜5,500万円/月くらいの水準で推移している。4割くらいが成果報酬型(アフィリエイト)だが、アフィリエイト広告に依存せずマネパのブランディングによりコストをかけていき、一般の顧客を増やしていきたい
(14-1)東証は100株単位を目指しているが、マネパの対応は?
→1単元の取引金額を重視しており、現状1.4万円程度の少額で投資することができる。これを140円×100株にしてもあまり意味がない。業績を伸ばして株価が上がってきたら株式分割なども検討していきたい。まずは業績を上げることが大事

以上で質問も出尽くし、質疑応答は終了となりました。
質問には丁寧に答えていたと思いますが、一方で質問内容を聞いているとあまりマネパの業務内容やFX業界について知らないまま投資している株主がけっこういるんだな〜と感じました。まあ1.4万円ほどで投資できるので、とりあえず買ってみた人も多いのかもしれませんね^_^;
来年の株主総会では良い報告が聞けるのを楽しみにしています。
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posted by Zaimax at 19:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 株主総会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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