2012年04月28日

エプコ2012年株主総会レポート

2012年4月25日(水)10時から、東京都足立区北千住駅前の千住ミルディスT番館10階で開催されたエプコ(2311)の第22回定時株主総会に参加しました。
エプコは、戸建住宅中心に水道給排水設備の設計を行なっている会社です。
エプコの株主総会に出席するのは初めてです。
2012年4月25日(水)の株価 1,350円(JASDAQ 2311)100株単位 1月決算
今期から決算期が変わり、12月末になります
PER 11.7倍、PBR 2.47倍、配当利回り 4.07%、株主資本比率 81.5%
監査費用 1,900万円(売上比 0.68%、営業利益比 2.35%) あずさ監査法人
株主優待 なし

   エプコ(2311)のホームページ
   エプコ(2311)のヤフー株価情報
エプコ2012年株主総会
上場来の株価推移を見ると、上場後は半年ほど低迷が続いていたようですが、2003年からの小型株人気に乗り10倍高を達成しています。その後は2千円前後で推移していましたが2007年頃から下落が続き、リーマンショック後に底を付けてからは順調に回復しています。
スケジュール
10:00〜10:23 報告事項
 10:04〜10:06 監査報告 勝又智水常勤監査役
 10:06〜10:23 事業報告 岩崎辰之社長が読上げ
10:23〜10:28 決議事項の説明
 第1号議案 剰余金処分の件 5円増配の30円 年間55円、配当性向47.8%
 第2号議案 定款一部変更の件 グローバルな視点から決算期は12月末に変更、CEO・COOを新設
 第3号議案 取締役5名選任の件 5名全員が任期満了に伴い再任
 第4号議案 会計監査人選任の件 任期満了に伴い、あずさ監査法人からあらた監査法人に変更
10:28〜11:00 質疑応答 質問者7人 計13件 32分
11:00〜11:02 議案の採決
11:11〜11:46 経営計画説明会 プレゼ資料を使って岩崎辰之社長から説明
11:46〜12:11 質疑応答 質問者6人 計14件 25分
エプコ2012年株主総会
お土産 香港の高級茶葉専門店 英記茶荘の千日紅開花茶 先渡し
飲み物サービス 緑茶のペットボトル500ml
経営戦略説明会 株主総会後に開催


注目の株主総会格付けですが、株主総会後には経営計画説明会を開催しており、株主に会社の現状と今後を理解してもらいたいという意図が感じられます。招集通知にお土産も用意しているし、説明会も行うのでぜひ出席してほしいと書いてあるのも好印象です。これらを総合的に判断し、エプコの2012年株主総会格付けは 『C+』 としました。
   議決権を有する株主数   1,826名、その議決権数 44,675個
   議決権返送&出席株主数   449名、その議決権数 32,151個(72.0%)
エプコの株主総会は北千住駅前の北千住マルイ10階のアトリエで行われました。北千住に来たのは初めてですが、最近よく泊まっている湯島からは地下鉄1本なので便利ですね。
クーポンを利用してカプセルホテルに1,980円で泊まっていますが、パソコンも1時間無料で使えますし、コーヒーや朝食のサービスなどもあってお得です。クーポンも残り少ないようなので、5月・6月の株主総会シーズンに備えて買い増しました!
お得なクーポンは → カプセルランド湯島 最大59%OFF【1,980円】くまポン
最近は新幹線を利用するようになりかなり豪勢(笑)になりましたが、宿泊はお得なカプセルです。

エプコの株主総会は以前は午後から開催されていたそうですが、出席者数が少なかったようで、昨年からお土産を用意して株主に出席を呼び掛けているようです。株主総会開始時点では40人ほどでしたが、その後も続々と増えて60人近く来ていました。お土産効果は絶大のようです。
 2011年エプコ株主総会 mtipsさんの株主総会お土産日記より
しかし株主総会後に開催された説明会は30人くらいに減ってしまいました。
エプコが中国に進出していることから、お土産は香港の老舗高級茶葉専門店 英記茶荘の千日紅開花茶でした。お湯を注ぐと花が開くようです。
エプコ2012年株主総会
会場内にはテーブル席が用意され、テーブル上には緑茶のペットボトルと連結注記表、説明会の資料が用意されていました。注記表はホームページでも開示しているので、無駄だなと感じました。
岩崎辰之社長は初めて拝見しましたが、報告書の写真より若々しい印象で、にこやかに登場し明るくて信頼できそうな人だなと感じました。
事業報告は岩崎社長が読上げで行いましたが、会社説明会もあるのでこれで十分だと思います。
続いて議案の説明が行われました。エプコは貴重な1月決算銘柄でしたが、今期から12月決算になるのが残念です。12月決算企業は多いので、次回は午後開催を復活させて欲しいですね。
決算期を変更するのは、今後中国事業も拡大していくので、子会社と決算期を合せるため12月に変更するそうです。併せて役職もグローバルスタンダードに合わせて、CEOやCOOを新設します。将来は香港市場上場の可能性もあると説明があったので、本格的に海外展開を行っていくようです。
続いて質疑応答となりました。地元の株主も多いようで和やかな雰囲気でした。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)今期は11ヵ月決算となるが、売上高を12ヵ月換算すると0.6%増程度であり、大幅に伸びが鈍る。住宅着工などの前提をどう考えて設定しているのか?
→今期も前期並みの住宅着工と見込んでいる。復興需要もあるが、伸びている住宅会社、伸びていない住宅会社がはっきりと分かれてきている。住宅着工を前期並みと見ているので、売上も前期並みになる。
(2-1)営業利益率が年々下がっている。今後の見通しはどうなのか?
→新規事業に対する先行投資を行っており、利益率が低下している。新規事業のカスタマーセンターサービス事業も伸びており、売上も5億円に近付いてきた。住宅メーカーからの依頼が増えてきて、パナホーム、リクシルからも期待されている。対応人員や事務所などのキャパが一杯になったので、沖縄で増床している。設計事業のように中国に移管してコストダウンというわけにいかない事業なので、沖縄で人を採用して教育して事業拡大に備えている。住宅会社のアフターメンテナンスをアウトソーシングする事業であり、数ヵ月間の教育期間も必要なので、人件費が先行することになる。情報システムもクラウド対応が必要であり、人員を増強している。これらの先行投資で原価が上がり利益率が低下している。
(3-1)省エネ住宅については、太陽電池だけではなくて、提携したリクシルも高性能な断熱材などを開発しており、住宅全体で考える必要があるのではないか?
→HEMSヘムスと言われる省エネ住宅のことだと思うが、現在国会で低炭素住宅法、省エネルギー改正法が審議されている。来年施行されるとトータル的な省エネ住宅が強化される。断熱材も含めた全体的な省エネ性能の高い設計にも取り組んでいく。
(4-1)新規事業のカスタマーセンターサービス事業も今期の伸びが低い。
→拡大するためには人員の育成が必要であり、少し時間がかかる。教育などに半年ほどかかるので、いまは来期以降本格的に拡大する準備をしている。
(5-2)業績も順調に伸び、株主数も増えている。そろそろ東証2部上場も視野に入ってくるのでは?
→アジア市場での活躍も視野に入れて、どのような資本政策が適当か検討している。
(6-2)昨年の株主総会でも株主優待を導入してほしいとお願いした。株主数増加の効果も大きい。
→エプコらしい株主優待にしなければ意味が無いと考え、株主総会のお土産も香港のお茶にしている。
(7-3)エプコは良い会社だと思うが、監査役がエプコを格付けするとどうなるのか?
→専門的な質問なので、ということで公認会計士の増田監査役から回答
→(増田光利監査役)エプコは無借金で営業利益率も高い。一方で会社の規模は小さいので、あくまで私見だがAAくらいと考えている。
注記)日本国債の格付はAA−なので、エプコは日本国債より高い格付という評価になります。確かに日本の財政と比べればエプコの方が優れているわけですが、基本的に会社への格付けは国債の格付けを上回らないはずなんですが(笑)
(8-3)中国以外のBRICSにも進出してほしい。 → 特に回答なし
注記)後の質疑応答からBRICSより米国など先進国への進出を考えているようです。
(9-4)エプコは良い会社だと思うが株価が上がらない。会社の評判を上げることも大事であり、ぜひ株主優待を導入してブランド価値を上げて欲しい。 → 特に回答なし
注記)株主優待でブランド価値はそんなに上がらないと思いますが、決算期末だけ一時的に株価は上がり、株主数も増えるでしょうね。持続性がないのが欠点ですが^_^;
(10-5)昨年LIXILリクシルと提携したが、どんな提携効果があるのか?パナソニックも株主で取引も多いが、リクシルとはライバル関係になる。パナソニックとの取引に影響はないのか?
→昨年からどんな提携ができるのか検討している段階であり、まだ売上への貢献はない。パナソニックとの関係については先方の意向は分からないが、リクシルとの提携後も良好な関係が続いている。
(11-5)産業用のメガソーラーが動き出すが、エプコは今後も戸建て住宅に特化して、太陽光発電のメガソーラーの設計などは行わないのか?
→太陽光パネルメーカーとの取引もあるので、要望があればメガソーラーにも取り組んでいきたい。
注記)いまメガソーラー関係の株価が急騰しているので、エプコもメガソーラーの設計業務に本格的に進出します!と発表すれば、株価急騰間違いなし!と思うんですが、あまり積極的にアピールする考えはないようです。
(12-6)テレビで太陽光パネルは長持ちしないと言っていたが、メンテなどもしっかりしないと、事業構造が根底から崩れてしまうと心配だ。 → 分かりました。
(13-7)中国での事業展開についてもう少し詳しく説明して欲しい。
→中国では今後5年間で5千万戸の経済住宅を作る計画。経済住宅とは日本では市営住宅の様なイメージ。中国でも人件費が上がり、作業現場で働く人も減っている。住宅に対する要求も高まっている。今後中国でも住宅の工業化が進んでいく。中国での事業展開として、中国最大のパイプメーカーと合弁会社を作った。2016年には2億円の経常利益を目標に中国事業に取り組んでいく。

以上で質問も出尽くし質疑応答は終了となりました。特に指名のない限り岩崎社長が回答し、ご意見のような質問内容に対しては特に回答がありませんでした。
議案の採決も無事終了し、株主総会後10分ほどの休憩を挟んで経営計画説明会が行われました。
休憩時間中にスクリーンが用意され、監査役も含めて全役員が出席していました。
決算説明会で使用したスライドから抜粋した様な資料を使って岩崎辰之社長から35分ほど説明があり、その後質疑応答となりました。

(1-1)太陽光発電には将来性がない。マグネシウムと水があれば発電できるので、エプコでぜひ開発してほしい。私も研究しているので成果が出たらエプコにも提供したい。
(2-1)エプコの社名の由来は?
→設備設計会社Equipment Plan Companyの頭文字を取ってEPCOとした。
(3-2)カスタマーセンターサービス事業が伸びるということだが、利益率はどうなのか?
→中国に移管してコストダウンできるような事業ではないので、売上を伸ばして利益額を増やしていきたい。利益率は10〜15%位だが、現状のメンテナンス対応から故障内容の分析などサービスメニューを拡大していけると考えている。
(4-2)中国事業について説明があったが、万科企業との提携はどうなっているのか?
→万科企業との提携も地道に進めているが、リーマンショック後工業化の取組みが凍結になった。その後再開の動きが出てきたが、今度は不動産価格の高騰で政府の指導でマンション建設が落ち込むなど一進一退が続いている。まずは小さな物件などで取り組みを進めていく。
(5-2)中国事業はリスクが高くて、楽天やプロトコーポレーションも撤退している。新興国はリスクが大きいと思うが、アメリカなどの先進国での展開は考えていないのか?
→先進国も研究している。アメリカはサブプライムショック後に住宅着工が120万戸を切ったが、ツーバイフォー2×4が主流なのでエプコサービスが浸透しやすい。アメリカの住宅産業は、標準化は進んでいるが工業化は遅れており、現場で職人が部材のカットなどを行っている。ただアメリカには拠点がないのですぐには難しい。中国には設計センターという足場があったので、まずは中国から進出した。次はアメリカ市場にもチャレンジしたい。
(6-3)エプコは利益率が高いが、今後も高い利益率を維持できるのか?
→先ほどから説明している通り、カスタマーセンターサービス事業が伸びると全体の利益率は低下するが、売上を増やして利益額を確保していく。日本国内の事業で利益率を維持するのは難しいので、体力があるうちに事業拠点の見直しなど経営体質の強化を図っていく。
(7-3)エプコのマークにはどんな意味があるのか?
→大それた意味はなくてEquipmentのEを変形させたもので、私が考えました(笑)
(8-3)重視している経営指標は何か? → 営業利益率30%にこだわって経営している。
(9-4)競合会社はどこか?
→部分的には競合会社もあるが、エプコの様な一体的な設計サービスを全国レベルで提供している会社はない。部分的に競合するのは、設計会社や提携していない製品メーカーも(自社でパイプなどをカットして現場に納品しているので)広義の競合になる。
(10-4)香港で上場したら現在保有している株の売買はどうなるのか?
→香港上場は将来の選択肢の一つとして検討段階であり、まだそこまで具体的には決まっていない。
(11-4)会計監査人を変更するが独立性には問題ないのか?
→(増田光利監査役)監査役会でも十分に検討した。中国事業ではグループ会社のPwCに税務サービスも受けるので、独立性に問題ないかも検討した。
(12-5)中国は組み立てが雑だと思うが、中国事業で品質面は大丈夫なのか?
→施行時の品質の確保は重要であり、聯塑(れんそ)と一緒に施行の技能養成学校聯塑学院を作って、中国の代理店や施行業者などに教育を行っていく。日本の定年退職した技術者を講師として招聘している。設計・部材・工事の総合保証を行うことでブランド価値を高めて、差別化を図っていく。
(13-5)先ほどマグネシウム発電の話があったが、太陽光発電の採算性は低いので、補助電力として小さな風力や水力など他の発電方法も検討してほしい。
→パネルメーカーや工事業者との関係もあるので、断定的なことは言えない。
(14-6)中期計画の国内経常利益率を25%で設定していると説明があったが、そうすると国内売上が40億円になる。中期計画売上は36.8億円だが中国事業の売上はどうなっているのか?
→(吉原 信一郎 代表取締役COO)2015年の計画は、国内売上36.8億円に対し経常利益10億円を見込んでいるので、利益率は27%位になる。中国事業は聯塑との合弁会社で行うが、50対50の比率なので持ち分法適用会社となり、売上はエプコには計上されず、持ち分に応じた利益が計上される。エプコに計上される利益を2億円と見込んでいる。

以上で時間となり説明会は終了となりました。
会社説明会も開催して株主に会社の現状とこれからの戦略を理解してもらい、長期に渡って応援してほしいという会社側の想いが伝わってくる良い株主総会だと感じました。もう少し事業内容のPR方法などを改善すると株価にも良い影響があると思うんですが、一時的に人気化するようなことはあまり望んでいないのかもしれませんね。海外展開も含めて、今後も着実に成長していくことを期待しています。
 ブログランキングに参加しています 次項有 にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へ
 トップ3を目指しています!クリック応援よろしくお願いします
posted by Zaimax at 21:03 | Comment(2) | TrackBack(0) | 株主総会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
エコプの総会情報ありがとうございます
昨年 株主になりましたが
遠方ので 出席出来ませんでした
ブログのご発展と
今後の株価期待しております^^
Posted by キコリ at 2012年04月29日 09:59
エプコの貴重な情報ありがとうございます。
中国事業は本腰を入れてやっていくようで
安心しました。
Posted by ろくすけ at 2012年04月29日 22:49
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック