2012年03月11日

FPG会社説明会

2012年2月7日(火)にモーニングスター主催で開催されたFPG(7148)の個人投資家向け会社説明会に参加しました。社名のFPGはFinancial Products Groupの頭文字で、お客様の役に立つ、金融分野での「真のプロフェッショナル」を目指しているそうです。
FPGは法人税の繰り延べ効果のあるリース商品を組成して、中小企業向けに販売している会社です。海上コンテナや船舶、航空機のリース商品を組成しますが、定率法で減価償却することで組成当初は経費がリース料を上回って赤字になります。購入した中小企業は自社で発生した利益とこの赤字を相殺することで、法人税負担を軽減することができます。減価償却が進めば黒字になるので法人税軽減効果はなくなりますが、課税時期を先送りすることになります。このような事業をタックスリースアレンジメント事業と称して行っています。FPGの会社説明会に参加するのは2回目です。
2012年2月7日(火)の株価 558円(東証2部 7148)100株単位 9月決算
PER 6.4倍、PBR 0.70倍、配当利回り 4.84%、株主資本比率 21.1%
株主優待 3月・9月末の株主に対し株数に応じてクオカード贈呈

 FPG(7148)ホームページ

 FPG(7148)ヤフー株価情報
FPG株価チャート
1月26日に第1四半期決算を発表しましたが、売上高が半減、利益も軒並み9割近い減益というひどい決算内容だったことから売りが出て、(振り返ってみれば)ちょうど会社説明会を行った辺りが底値になっています。2月24日にALIP第3号の出資金完売、SHIP第21号の出資金完売に関するお知らせが発表され、3月8日には東証2部上場記念配5円の増配発表があったので、1Q決算発表前の水準を軽く突破して上昇トレンドが続いています。

説明は谷村尚永社長が行いました。
直前に発表した2012年9月期1Q決算が大幅減収減益だったことで、株主から多くの質問が来ているようで、それを打ち消すためなのか谷村尚永社長は非常に強気で、通期で下方修正になることはあり得ない!などと発言していました。
1Qの売上は51.8%減であり、普通であれば下方修正も必要になる水準だが、我々は一切そんなことは考えていない。現状の販売の状況も極めて好調であり、発表している通期予想を変える気などまったくない!というのが正直なところです。
1Qが落ち込んだのは前年が伸びすぎたためであり、想定内の結果です。

こんな大幅減益決算でどうなっているんだ!という問い合わせが山ほど来ていて、いい加減にして欲しい(^_^;)と思っているのかもしれませんが、あまりにも強気な発言が続き、逆に大丈夫なのかな?と心配になるほどでした(笑)金融関係や不動産関係の会社は、社長が弱気の発言をしたらジ・エンドという部分もあるので、7割引きくらいで聞いておいた方がいいんですが、ここまで強気な発言はあまり聞いたことがありません。
完売や新規募集開始のリリースが出た現時点では、確かに順調なんだろうなと感じますが、2月7日の説明を聞いた時点では大丈夫かな〜と感じたのが正直な感想です。当時は今以上にギリシャ危機なども混迷の度合いを深めていましたし、先々どんな変化があるのか分からないのに、通期予想を変える気などまったくない!というのは恐ろしいほどに強気だなと感じました。

このように谷村社長は強気な発言に始終したものの、株主としてはやはり心配に感じていた様で、一部の出席者から多くの質問が出ました。通常FPGのような分かりにくい事業をしている会社の場合、あまり質問が出ないか、あるいは見当外れの質問が出たりするものですが(笑)けっこう的確な質問が出ていました。
なので、この記事に興味を持つ人は基本的にFPGの事業内容は理解していると判断し、説明会の内容は割愛して、質疑応答の様子中心にまとめます。

(1-1)1Qは大幅な減収になっているので心配したが、説明を聞いて安心した。しかし四半期ごとの業績を見ると2011年の3Q、4Qも前年からあまり伸びていない。成長が止まっているのではないか?
正直言って四半期決算はFPGには適さないと思う。確かに4半期ごとに比較すると伸びていない期もあるが、通年で見てもらえば成長していることは分かってもらえると思う。四半期決算よりも通期で見てほしい
(2-1)LCCの成長が続いているが、FPGの業績にもプラスになるのか?
→大手のLCCも出てきているがまだ財務内容は弱いと思うので、まずはナショナルフラッグキャリアなどの、一流企業の航空機リース取り扱いを増やしていきたい。一流エアライン会社の航空機リース案件も多いので、まずはこちらを重視していく。
(3-1)コミットメントライン(CL)が急激に拡大しているが、業績の伸びと比べても枠が拡大しすぎではないか?バランスが悪いように感じるが、今後リース取扱量が急激に拡大する見込みなのか?
→前期は2010年9月7日の上場と同時にFPGの知名度が上がり、タックスリースアレンジメント商品に対する問合せが増えて急激に売上が伸びた。多くの会社の決算期末で、例年掻きいれ時の3月にリース商品の在庫が無くなってしまい、瞬間的に営業マンが遊んでしまうような状況にもなった。その反省もあり相当手厚く在庫を持って販売していく体制にしている。そんなに在庫を持って売れ残ったらどうするんだ!という懸念もあると思うが、足元の販売状況を見ると適正な在庫水準だと考えている。逆に言えばまだまだ売れると思っているので、もっと資金調達を増やして案件を組成していきたいというのが正直なところ
1Qの決算が大幅減収でご心配をおかけしたが、足元の状況は好調に推移しているし、我々としては通期予想を変えるつもりは全くない
(4-2)経常利益率が異常に高いが、こんな状態を今後10年先でも続けられるのか?
→FPGの売上はネットの手数料部分なので、他社と比べると利益率は高くなる。
今後利益率が維持できるのか?という点については、売上の背景を説明したい。
前期19億円の売上を上げるために組成したリース金額は400億円ほどであり、その出資金販売額は134億円です。本来はこれが売上になるが、監査法人の指導もあり、この中に含まれる手数料部分だけを売上に計上している。
134億円の有価証券を販売すれば19億円の利益になるので、金融商品の中でも非常に利益率の高い商品を販売している。今後組成する案件を増やしていく中で、多少利益率の悪い案件も取り扱う必要が出てくるので、利益率は多少低下すると思うが、大きく下がることはないと思っている。
10年先がどうなっているかは分からないが、当面は問題ない。
(5-2)営業CFが大きなマイナスだが、借金で賄っており財務内容が悪化している。これは成長過程なのでしょうがないと考えているのか?
→工場などが必要になるようなビジネスではないので、B/Sも非常にコンパクトになっている。
リース案件の組成から販売までは3〜6ヵ月の範囲内なので、この間のつなぎ資金として短期の借入を行っているのであり、長期の借入をしているわけではない。四半期末だけ切り取って見ると、借入金も出資金在庫も多くて自己資本比率が低く見えるが、心配ない。

(6-3)1Qの大幅減収減益決算は計画通りということだが、東日本大震災や円高などもあって景気が良くないと言われている。中小企業の業績も厳しくて赤字になってしまい、タックスリースへの需要が減っているのではないか?
→決してそんなことはない。リーマンショックが発生してもFPGの業績にあまり影響はなかった。5%の法人税減税が決まったが、3年間は復興支援税が3%乗るので課税を繰り延べたいという需要がある。
どの業種が好調なのか?とよく聞かれるが、特定の業種というわけではなく、万遍なく好調な会社が存在する。中小企業の中でも勝ち組・負け組の差が広がっているのだと思う。勝ち組の会社は少々の環境変化では赤字にはならない
(7-3)売上に対する手数料率を見ると、以前は20%を超えていたが現状では14%程度まで下がっている。融資枠の拡大でボリュームの確保を優先し、利益率の劣る案件も手掛けているという説明だが、CL枠がさらに拡大しているので、今後も収益性の低下は進むのか?
一方で今期の2Q計画を見ると手数料率が17.1%への回復を見込んでいる。なぜこんなに回復するのか?
以前は融資枠も少なかったので、極端に選別して利益率の高い案件のみを受注していた。
融資枠が広がってからは多少利益率が低くても量を重視して積極的に組成してきた。そのため手数料率が下がっている。ただ手数料率12%が下限と考えており、営業政策上などの特別な理由がなければこれ以下の手数料率の案件は見送る。
2QにはFPGが得意としていて、競合もなく高収益が見込める海外コンテナの組成が増えるため、手数料率の改善を見込んでいる。

以上で時間切れとなり質疑応答は終了となりました。
1Qの結果が前年比であまりにも悪く見えるため、同じような質問をたくさん受けるので、何度も問題ない
ことを強調していました。あまりに強調されると本当に大丈夫なのかな?と感じてしまうのが投資家の疑い
深さなんでしょうが(笑)、それにしてもちょっと強調しすぎだな〜と感じました。
質疑応答などを聞いた印象では、納得できる内容だと感じました。
タックスリースアレンジメント商品の需要が一番大きい第2四半期の結果が楽しみですね。

現状のリリースを見る限りでは谷村尚永社長が説明した様に順調に推移しているものと思われますが、もし業績の下方修正となったら完全に嘘つき呼ばわりされて、投資家の信頼を失ってしまいます。
未来は誰にも分からないので、この先何があるかは分かりません。
いくら自信があるとはいえ、あまりに強気の発言に徹するのは、リスク管理という点ではどうなのかな〜と感じたのが正直なところです(^_^;)
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ひらめき
posted by Zaimax at 16:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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