キャンドゥは全国で100円ショップを展開している会社です。
キャンドゥの株主総会に出席するのは初めてですが、伝説になっている2010年キャンドゥ株主総会の伝聞情報(笑)をまとめています → キャンドゥ2010年株主総会伝聞情報レポート
2012年2月28日(火)の株価 87,000円(東証1部 2698)1株単位 11月決算
PER 13.6倍、PBR 1.52倍、配当利回り 1.15%、株主資本比率 38.7%
監査費用 3,000万円(売上比 0.05%、営業利益比 1.26%) 監査法人トーマツ
株主優待 5月末・11月末の株主に株数に応じて株主優待券贈呈
株主優待について詳しくは → キャンドゥの株主優待ページ
キャンドゥ(2698)のホームページ
キャンドゥ(2698)のヤフー株価情報

5年間の株価推移を見ると、9万円前後での値動きが続いていますが、2010年10月末に業績の下方修正と増資・売出しを発表し大きく株価が下落しています。その後2011年2月には城戸博司社長が急逝するなど大変な時期が続きましたが、最近では株価も回復傾向です。
スケジュール
10:00〜10:22 報告事項
10:04〜10:06 監査報告 古澤武雄常勤監査役
10:06〜10:10 営業報告 城戸一弥社長が招集通知を読上げ
10:10〜10:22 計算書類報告 古山利之執行役員管理本部長がスクリーンも使用して説明
10:23〜10:27 議案説明
第1号議案 剰余金処分の件 750円(年間1,250円 配当性向30%)本社移転記念配250円分増配
第2号議案 定款の一部変更の件 本店所在地を板橋区から新宿区に変更
第3号議案 取締役5名選任の件 経営体制強化のため2名増 古山執行役員 林滋社外取締役
第4号議案 監査役2名選任の件 任期満了に伴い再任
第5号議案 役員退職慰労金支給の件 創業者城戸博司氏の在任中の労に報いるため1.92億円支給
第6号議案 取締役および監査役の報酬等の改定の件 役員賞与が報酬額に含まれることを明確化
10:27〜11:02 質疑応答 質問者10人 計11件 35分
11:02〜11:04 議案の採決
11:04〜11:05 新任役員紹介

お土産 自社商品10点詰合せ 1,240円相当 後渡し
飲み物サービス なし
経営戦略説明会 なし
注目の株主総会格付けですが、お土産もあり、たくさんの質問も出ていました。一方で事業説明会などはなく、質問への回答はあっさりした感じで時間も短く意見交換ができる雰囲気ではありませんでした。これらを総合的に判断し、キャンドゥの2012年株主総会格付けは 『C−』 としました。
議決権を有する株主数 36,660名、その議決権数 164,709個
議決権返送&出席株主数 8,059名、その議決権数 109,959個(66.8%)
キャンドゥの株主総会は新宿のハイアットリージェンシー東京で行われました。新宿のホテルはヒルトンも含めて駅から遠いのが難点です。
会場内には椅子がびっしりと並べられていて、正面左右には大きなスクリーンが設置されていました。
ホテルの地下が一番安全なので、地震が来ても慌てないようにという案内が何度も流れていました。
会場内には質問用のマイクが4本設置されており、質問を希望する株主はマイクのそばに座る様に案内放送がありました。キャンドゥの株主総会は荒れることで有名?なので、どんな株主総会なのかドキドキしながら参加しました(笑)
2010年の株主総会では上記伝聞レポートの通り社長が病気で欠席したり、当時24歳で入社3年目の息子を取締役に選任したりで揉めていましたし、2010年10月には業績下方修正+増資+社長の持ち株売出しという、株主にとってはこれ以上ないような豪華3点セットを発表したことで掲示板も大荒れとなり、2011年の株主総会もさらに荒れる展開が予想されていましたが、株主総会の5日前に城戸博司社長が都内の高級マンションの一室で死後数日が経った状態で発見されるという予想外の展開となり、株主総会もそれほど荒れることなく終わったようです。
株主総会直前に「怪死」 100円ショップ社長の後継者
上記の記事では、株主総会で厳しく指弾されることを恐れていたようです。
振り返って考えてみれば、2010年の株主総会で息子を取締役にしておいて良かったですし、株主から嫌われる増資も決行したうえで、キャンドゥの経営を息子に引き継いだのかもしれません。持ち株の売出しも相続税納税に備えてなのかも。出席を恐れるほどの株主総会でも自分を犠牲にすることで乗り切れると考えたのかもしれません。自分の寿命は長くないと悟ったうえで、できることはすべて実行したのかもしれませんね。
さて今回の株主総会が城戸一弥社長が取り仕切る初めての株主総会であり、かなり厳しい表情のように見えました。役員全員が壇上に揃うと、事務局も全員起立して株主に一礼し、株主総会開始となりました。
営業報告はその城戸一弥社長が行いましたが、招集通知を読上げるだけであり、対処すべき課題もわずか8行しかなくあっさりと終わってしまいました。せっかくスクリーンもあるんですから、図表などを使って分かりやすく説明してい欲しいと思います。続いて管理本部長の古山利之執行役員から計算書類について説明があり、その中でグラフなども使いながら詳しい説明がありました。ぜひ来年はもう少し内容を充実して、城戸一弥社長自ら説明して欲しいですね!
人件費を中心に販管費率が1ポイント下がったので、増益につながったという説明でした。
続いて城戸一弥社長から議案の説明があり、役員退職慰労金については、城戸博司は創業者でここまでキャンドゥを成長させた労に報いるため、特別に支給する。役員退職慰労金制度を作るわけではない。金額についても最終報酬年額や勤続年数などから算定しており、他社の事例と比べても相応と判断したと説明がありました。
続いて質疑応答となりました。
多くの株主に質問してもらうため質問は1回1件で、複数の質問がある人は再度手を挙げてほしいと案内がありました。1件はかなり厳密に守られていて、2件質問しようとすると議長から止められる感じでした。女性の株主だけが無視して2問質問していました。私も2件聞きたいことがありましたが、初参加ということもあり1問に自重させて頂きました(笑)
議事に関係ない質問や業務上の秘密については答えられないと注意もありました(笑)
質問には取締役や執行役員を含めてバランスよく答えていましたが、社長からの回答を求める株主が多く、その点では不満が残る感じもしました。ただけっこう悪意を持って、若い社長を困らせてやろうと考えて社長を指名する感じもしたので、株主の間には不信感が根強いんだな〜と感じました。
確かに過去のIR戦略は非常にお粗末だと思うので、株主が不信を感じるのもやむを得ないと感じる部分もあります。主幹事の野村證券がもう少しアドバイスすればいいのにと思いますが、自分の身売り話に翻弄されてそれどころではないのかもしれません(^_^;)
もう少しうまくIRを行えば株主との関係もうまくいくと思うんですけどね。
回答者には事務局からメモが入っていましたが、回答者によってメモを見る人ほとんど見ない人などそれぞれという感じでした。全体的に回答はあっさりとした感じで、この回答で良かったか?という確認もないので、議論が深まらない感じで残念でした。
30分ほどであと2人にして欲しいとのお願いがあり、多くの株主の質問に答えるという姿勢が感じられなかったのも残念です。昨年までは12時前くらいまでかかっていたようですが、新社長の方針なのか、慣れていないだけなのかは分かりませんが、1時間ほどであっさりと終わってしまいました。
来年はもう少し質疑応答にも時間を割いてほしいですね。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)対処すべき課題で競争力ある商品開発が挙げられているが、セリアなど他社と比べると負けていると思う。どう競争力ある商品を開発していくのか?
→(伊藤和憲 取締役商品本部長)市場調査を基に他社と差別化できる商品開発を進めている。時間短縮につながる様な商品開発を考えている。
(2-2)監査役にお聞きしたい。中国子会社が赤字で債務超過になっている。キャンドゥからの仕入代金も未払いになっている。売上も在庫もないが一体どうなっているのか?ちゃんと監査しているのか?
→回答者は私が指名します。
→(古山利之 執行役員管理本部長)5年前に中国に進出し100円ショップモデルを中国で試行してきた。10元、15元ショップとして展開したが、日本とは貨幣価値が異なりうまく行っていない。赤字額は一定程度で止める必要があり、昨年店舗はいったん閉鎖することに決めた。店舗を閉鎖して在庫も処分したので、売上も在庫もない。中国市場は大きいので、今後は卸売に特化したい。
(3-3)亡くなった城戸博司の議決権はどうなっているのか?決算期末には相続が終わっていないので、野村信託名義になっているうちの城戸博司分の議決権は誰が行使するのか?相続人の行使は有効なのか?この質問には城戸一弥以外から回答してほしい。(数人拍手)
(注記)キャンドゥに憎しみを感じているのか、亡くなった前社長も現社長も呼び捨てでした。
→(古山執行役員)城戸博司氏は逝去しているので相続人が議決権を持っている。具体的な個人名や議決権数は差し控える。
(4-4)(女性)卸売で中国展開という説明だったが、中国で作っている商品を中国で売れるのか?中国人はお買い物が好きで人口も多いので可能性が大きいが、どんな展開をしていくのか?
→(小泉 執行役員)店舗は閉鎖したが、中国市場は大きいので現地法人は存続させている。ここを起点に中国の有力企業と組んで、卸売中心に展開を図っていく。当期の海外戦略については、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、UAE、ブラジル、アメリカなど世界各地で卸売事業が成立している。
(5-4)私もシステムエンジニアだがソフトウェア資産でどこに費用がかかっているのか知りたい。1人でもシステム開発はできるのでできるだけお金を掛けずに開発してほしい。
→ご意見は参考にさせて頂きます。
(注記)社長から何度も1人1件と言われながらもそのまま質問を続けていました。
(6-5)前は店舗に葉書を置いて顧客の声を吸い上げていたが、最近は置いていない。商品を見てもシルクの方が他社にないような商品が置いてあり負けていると思う。
→(伊藤取締役)店長やスタッフを通じて顧客の声を集めて、商品開発に活かしている。市場調査も常に行っており、今の時代に合った商品、より差別化できる商品を品揃えしていき、税込200円商品も含めて価格以上の価値ある商品を提供していく。
(城戸社長)お客様の声を頂く仕組みは直営店全店に設置しており、貴重な情報として業務改革などに活かしている。
(7-6)以前の株主総会では顧客の声と回答をまとめてスライドで説明していた。今後もやって欲しい。
本社移転について詳しく説明して欲しい。どこに移転するのかや移転の目的など何も書いていない。移転に経費をかけるより商品開発に使った方が良いのではないか?こういった大きな問題はきちんと株主に説明する必要があると思う。移転場所、目的、費用についてぜひ社長から答えてほしい。(何人か拍手)
→回答者の指名があったが回答者は私が指名させて頂く。この件は古山執行役員から回答してもらう。
会場からいい加減にしろ!お前がやれ!社長がやれ!などの怒号が飛び、怖いですね(^_^;)
→(古山執行役員)本社の移転については2011年10月13日に開示済みで、三菱地所が建てた新しいビル新宿フロントタワーに移転する。現在の本社は板橋の古いビルで、6階と9階の2フロアを使っているが、東日本大震災ではかなり揺れて、9階の商品棚がすべて倒れ壁にもクラックが入った。キャンドゥは全国展開しており、どんな震災が起こっても耐えられる本部にしなければいけないと考え、移転を決めた。2フロアに分かれているのも不便だった。
費用について答えてないぞーという声は無視。新築ビルだし答えられないほど高いのかも^_^;
(城戸社長)お客様の声の報告は検討したい。
(8-7)優待で買ったらレシートがもらえなかった。確認したら機械が壊れていてレシートが出せないと言われた。故障ならしょうがないが、領収書も売っているんだから手書きの領収書で対応してほしい。
→ご意見は参考にさせて頂きます。
(9-8)前社長のご逝去にお悔やみ申し上げます。若い社長でどうなるのかと思い見に来た。第5号議案で慰労金の支給を提案しており金額も妥当だとは思うが、他社は役員退職慰労金制度を廃止する方向です。今後役員退職慰労金制度を設けるのか?また役員へのストックオプション付与についてはどう考えているのか?社長から回答してほしい。
ここ数年業績が回復しているが、売上はほとんど変わっていない中で利益が回復しているのは、ほとんど円高の恩恵だと思う。足元円安方向に転換しており今後が心配だ。
→役員退職慰労金制度を設ける予定はない。ストックオプションについては、昨年承認頂いたストックオプションがまだ未行使なので、役員のモチベーションを上げて業績・株価を上げて行きたいと思っている。
10時59分となり、活発な質問を頂いたのであと2名にして欲しい。今までと重ならない質問をお願いしますとの議長発言あり。質疑応答を開始してまだ30分しか経っていないんですが^_^;
(10-9)質問ではないがキャンドゥは業績も順調で株主優待もあって感謝している。11月決算で株主総会に参加しやすいのもありがたい。これからも社長の力を存分に発揮してほしい。
→ご意見ありがとうございました。
(注記)質問はあと2名と限定されている中でこの発言はないよな〜という感じはしますね。意見には賛同しますしその通りだと思いますが、他にも質問したかった人が多数居たことを思うと少し残念です。
(11-10)業績改善は円高による仕入原価の低下の影響だと思う。今後円安になっていくと思うが、どのような対策を考えているのか?城戸一弥社長のビジョンを聞きたい。
→仕入先は多数あるが、為替により仕入価格変動しないように、固定レートで定期的に買っている。直接貿易分で多少の影響はあるが、大きく円安に振れない限り、現状程度のレートであれば問題ない。
以上で質疑応答は打ち切りとなりました。
まだ質問したい人もいたので、せめて1時間弱は質疑応答の時間を取って欲しいですね。株主総会は年に1回の株主との対話の場なので、もう少し株主との対話に時間を割いてほしいと思います。現状は厳しい意見も多かったですが、そういった地道な対応が株主との間の信頼関係構築につながっていくと思います。城戸一弥社長も徐々に総会運営に慣れていくと思うので、来年の株主総会に期待したいと思います。
自社商品詰合せのお土産は、色んなものが入っていて嬉しいですね!
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去年は、控室みたいな場所で、お水とティーバックのお茶だけではありましたが、一応ありましたので。荒れるかなーといけない好奇心での出席でした。
今年は時間ぎりぎりだったので、飲み物サービスどころではなかったのですが、お土産品といい、去年よりちょっと微妙な感じがします。
だいぶ株価が戻ってきてるのはうれしいですね。中長期の投資とはいえ、7万円まで下がった時にはもうどうしようかと。
買った値段ぐらいまでは戻してほしいなぁ〜と思ってます。