2012年03月02日

ダブル・スコープ会社説明会

2012年2月26日(日)に日興アイアール主催で行われたダブル・スコープ個人投資家向け会社説明会に参加しました。当日は東京マラソンが行われていて、会場に辿り着くのが大変でした。
ダブル・スコープW-SCOPEは、リチウムイオン電池のセパレータを開発・生産・販売している会社です。
2012年2月24日(金)の株価 1,770円(東証マザーズ 6619)100株単位 12月決算
PER 12.5倍、PBR 3.51倍、配当利回り 無配、株主資本比率 84.4%
ダブルスコープは法人税がゼロに近いので、実質的なPERは倍の25倍くらいと捉えた方が適切です
株主優待 なし

 ダブル・スコープ(6619)ホームページ

 ダブル・スコープ(6619)ヤフー株価情報
ダブル・スコープW-SCOPE
ダブル・スコープは2011年12月16日に東証マザーズに上場した新しい会社です。
新規公開価格は2,500円でしたが、初値は2,300円となり公開価格を割り込んでの厳しいスタートとなりました。取引初日の高値は2,379円でしたがその後は下落が続き、1月11日に1,476円を付けて反発に転じ2月8日に2,365円まで上昇しましたが、初日の高値は更新できずまた反落に転じてしまいました。
まだ株式公開して間もないので荒い値動きが続いていますが、もう少ししたら値動きも落ち着いてくるのではないかと思います。

ダブル・スコープの崔元根(Choi WonKun)社長はサムスン出身の韓国人なので、英語での通訳付き説明会かなと思っていましたが、崔社長が日本語で説明しました。崔社長は日本語を独学で覚えたそうで、釣りバカ日誌のビデオを見ながら勉強!?したそうです。なので時々変な日本語になっていました(笑)が、自ら日本語で説明したのは素晴らしいと思います。質疑応答はさすがにちょっとかみ合っていない部分もありました。
今までは機関投資家向けの説明ばかり続いたそうで、今回が個人投資家向けの初めての説明会だそうです。私は新規公開銘柄には投資しない方針なので、ダブル・スコープについてもほとんど知識がなく、韓国人社長だけど一体どんな人が登場するのだろう?なぜ日本で上場したのだろう?と思っていました。
日本でお金を集めて韓国に持って帰ろうとしているのかな?などと漠然と感じていました(^_^;)
説明者席に座った崔元根社長は厳しい表情で会場を睨みつけているように見えましたが、多くの出席者を前にして、初めての会社説明会できっと緊張していたんでしょうね。
説明が始まるとたどたどしい日本語でしたが熱弁をふるっていて好印象でした。
複雑なビジネスの方が付加価値が高いと考えている人が多いが、これは間違いでシンプルだけど付加価値の高いビジネスを行っていると強調していました。
本日説明したい内容として以下のような点を挙げていました。
 どうして日本に会社を設立したのか?
 どうして韓国に生産工場を設立したか?
 どうして日本で上場したのか?

私も関心のある質問ですが、機関投資家からもよく聞かれる質問だそうです。

事業内容はリチウムイオン二次電池(LiB)を構成する主要4部材(正極材料、セパレータ、負極材料、電解液)のひとつであるセパレータの開発・生産・販売を行っている専業メーカーです。
日本では旭化成、東レ、宇部興産がライバルになるが、専業メーカーはダブル・スコープだけ。
リチウムイオン電池は材料費が60〜70%を占めているので、材料費が下がらないとコストが下がらない。
1kW/hあたりの価格は現状600$だが、2015年には300$、2020年には200$、2030年には100$となると予測されている。価格を下げて普及させるためには材料費のコストダウンが重要になり、コスト競争力があるかが重要になる。
ダブルスコープは高い技術競争優位性を持っており、独自開発の生産技術により品質面・生産面で競争優位を確立。W-SCOPEの生産技術は100%単独技術であり、4年前に日本と韓国で特許を取得している。
石油もそのうち無くなるので、クリーンエネルギーで発電し、スマートグリッドで蓄電対応が必要になる。今後もリチウムイオン電池の需要は伸びていくので、5年後・10年後を見据えて投資してほしい
リチウムイオン電池の大型バッテリー用途としては、乗用車や産業用の蓄電池需要などがある。
2010年から2015年の年平均成長率は全体では22.8%だが、車載用は120%の伸び、スマートグリッド・蓄電などの産業用が360%という高い伸びが見込まれており、大型のリチウムイオン電池が市場を牽引していく。一方でノートPCや携帯向けの伸びは小さい。
LiB主要4部材の中でセパレータの製造には、高分子設計、フィルム化、多孔質化など複数の技術が必要になり、最も参入障壁が高い。セパレータの量産で一定以上の規模があるのは世界でも6社程度であり、1位はシェア34.5%の旭化成イーマテリアルズ、2位が22.4%の東レ東燃機能膜、3位が21.7%で米国ナスダック市場に上場しているCelgard、他に宇部興産、SKイノベーション、そしてダブルスコープであり、ダブルスコープのシェアは5〜6%となっている。Celgardは乾式セパレータで他社とは異なる。
ダブルスコープは世界最大級のラインを1年で立ち上げ可能であり、今後シェア拡大によりLiB市場の伸びを上回る成長を目指す。今期は3号ラインを増設するが、ダブルスコープは利益率が高いので、手持ち資金で賄える。
30年ほど前の日本の高度成長期には、製造業でも利益率は30%ほどと高かった。日本・韓国・中国はアメリカなどとは違い、やはり製造業で成長する必要があると思う。製造業に適した人材も揃っており、日本の競争力の源泉は製造業だと思う。
これからはコスト競争力が重要になるが、サムスンが成功したのもコスト競争力のある世界最大級のラインを持っているため。ダブルスコープも他社よりコスト競争力のある世界最大級のラインを作っていく

セパレータの開発に成功し生産工場が必要になったが、土地20億、工場20億、設備5億、運営費5億で合計50億円が必要となった。当時そんな資金はなかったので、まずは韓国で資金調達しようとしたが、当社のようなベンチャー企業がセパレータを開発できるはずがない!と相手にしてもらえなかった。セパレータは韓国の大手化学メーカーが2000年から10年かけて開発に取り組んだが失敗した。だからダブルスコープが開発したと言っても信じてもらえなかった。日本はリチウムイオン電池の開発国でもあり、韓国よりも評価してもらえると考え、日本で会社を設立し資金調達を行った。
韓国に工場を作ったのは、投資優遇税制が充実しており、キャッシュフローや生産コスト面で大きなメリットが享受できるため。利益が出てから5年間(2013年12月期まで)は韓国の法人税22%がゼロになり、その後も2年間は法人税が1/2に減免される。
ダブルスコープは外国企業になるので、外国人投資地域入居契約により原則として50年間土地賃借料が減免される。これで土地への投資20億が不要になる。敷地面積は7.6万uで15ラインまで増設可能。
上場するにあたり、1年かけて韓国のコスダックと日本のマザーズを比較検討した。マザーズを選んだのは日本で資金調達ができた義理を果たすため。
そして2つ目の理由は日本の顧客は安心できないと買ってくれないため。サムスンもなかなか日本では苦労していた。日本で上場すれば信用されると考えた。
現在4社が取引を検討中で、来年くらいには結果が出ると思う。

ダブルスコープは今年も来年も成長を続けると思うが、ダブルスコープはまずは目標利益を決めて、そこから逆算して売上目標を決めている。今年は20億円以上の利益が目標で、ここから計画がスタートする。
ダブルスコープのビジネスコンセプトは、セパレータについては装置産業であり、需要に応えられるよう生産キャパを適切に用意することが重要で、投資タイミングが大事になる。高い生産性を持つ設備に投資して、競争力のある製品を生産し投資の回収を図る。サムスンも市況の悪い時にも適切な投資を続けたので成功した。セパレータ事業は限界利益率が7割以上と高いが、こんなビジネスはあまりない。
注記限界利益=売上−変動費であり、限界利益には固定費と利益が含まれている。装置産業では原材料などの変動費より工場設備などの固定費の割合が高くなり、売上が増えれば増えるほど利益率が高くなっていく。

四半期ごとの売上推移を見ると1Qの売上が他の四半期の半分程度になっている。ダブルスコープの販売先は69%が中国であり、中国では春節に1ヵ月ほど工場がストップしてしまう。そのため1Qは売上が大きく減少する。しかしセパレータ工場は24時間稼働で生産量の調整が困難なので、1Qはラインを止めてメンテを行っている。リチウムイオン電池の生産は今後中国生産が中心になる。エンジニアは日本人・韓国人で、中国で指導している。リチウムイオン電池組立産業は中国以外では厳しいと思う。
今期の設備投資は35億円を計画しており、第3号ラインの量産稼動は6月の予定。第4号・5号ラインは今期発注し、来年4月完成を予定している。マザーズへの上場で34億円の設備投資資金を調達できた。
生産キャパシティの拡大により、顧客との商談を加速させている。北米でプラグインハイブリッドカーPHVに採用されており、今期納品開始予定。EUでもB社PHVに採用される。

中国はまずは安く作ることを重視し、品質よりも低価格で大量販売し、その利益で人材などに投資して品質を上げNo1を目指している。日本はまず品質の良いものを作ってから売り出すが、これでは遅い。変化の早い市場ではスピードについて行けない。サムスンも他社の10倍の規模の工場を作っている。ダブルスコープも同様に価格競争力のある大きなラインを作っていく。
今期もラインが立ち上がる下期中心に成長を見込んでいる。中国には電池メーカーが400社あるが、非公式には800社あるとも言われており、今期の国別売上高も中国で73%を見込んでいる。

(1)今後も高い成長を維持できるのか?
→ダブルスコープはまだラインが2本だが、日本のトップ企業は10本以上ある。しかしライン1本当たりの規模はダブルスコープの方が大きく、コスト競争力が高い。サムスンと同じビジネスモデルで、最初から5年後、10年後を考えて大きなラインを設置している。利益・コストをもっとも重視しており、今後も成長を続けていく。
(2)配当はいつごろ可能になるのか?
→今は成長期であり、当面は利益を設備投資に回す。2ライン分の投資がフリーキャッシュフローで賄えるようになれば、配当も可能になると思う。そんなに遠い話ではないと思う。
(3)韓国社員の働きぶりはどうか?
→最初は社員もダブルスコープの成長に懐疑的だったが、今は世界一を目指して頑張っている。サムスンからもセパレータを調達したいと話があったが、より高く買ってくれる顧客に販売したいので納入していない。サムスンもセパレータを安定的に調達したいのだろうと思うが、サムスンの要求する価格は安い。
(4)NAS電池との競合は?今後もリチウムイオン電池が主流となるのか?
→他にも燃料電池など色々ある。リチウムイオン電池が現状では一番性能とコストパフォーマンスが高い。2030年くらいまではこの状況が続くと言われている。

以上でダブルスコープの説明会は終了となりました。
確かに高い成長を続けていますし、リチウムイオン電池の需要も伸びていくと思います。しかしその分競争も激しいでしょうし、もう少し様子を見たいと思います。
上場間もない会社は分析できる資料も少ないですし、過去に何度も痛い目に遭っているので(^_^;)
と言いながらも簡単に分析してみました(笑)
   ダブルスコープの分析その1
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ひらめき
posted by Zaimax at 23:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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