ヤーマンは順調に東証1部までステップアップしてきましたが、ここまでの道のりを振り返ってみます。
ヤーマン(6630)は2009年12月24日にジャスダック証券取引所に上場しましたが、その後は新規公開銘柄特有の値動きとなり、株価低迷が続きました。上場前後はほとんどの銘柄が話題になり人気化しますが、その後は人気が離散するのが一般的です。ヤーマンも同じような展開となったので、2010年7月に開催された上場後初の株主総会では株主からの苦情のオンパレードでした(^_^;)
→ ヤーマン2010年株主総会レポート
上場後初めてで緊張するであろう株主総会で、厳しい質問の矢面に立たされた山ア貴三代社長は大変だったでしょうが、質問が出尽くすまで対応し、27件にも及ぶ質問に答えていたのは素晴らしいですね。
初の株主総会でしかも株価低迷中で厳しい質問が続けば、途中で質疑応答を打ち切ってしまいたい!と感じても不思議ではありません。そんな会社もけっこうありますから、余計に素晴らしいですね。
2010年10月22日(金)には3万株の立会外分売(分売価格は1,393円、分割調整後は697円)を実施しました。実施の目的として、
当社は当社株式の東京証券取引所新規上場の申請を行っており、今回の立会外分売は新規上場の形式要件の一つである流通株式比率の充足を図るために行うものであります
と発表しています。
そして立会外分売の目的通り、2011年1月20日に東証2部への上場承認の発表を行っています。
東証2部への上場日は2011年1月27日(木)となっており、ジャスダック証券取引所上場から約13ヵ月で東証2部上場企業となりました。
立会外分売実施からは約3ヵ月での上場承認となりました。
その後も業績は順調に推移したこともありますし、株主総会で指摘された株主優待制度を導入したり、株式分割を行ったりと手探りながら対策を進めた結果株価も底打ちとなり、株主数も大きく増加しました。
そして迎えた上場2回目となる2011年7月に開催された株主総会では、前年とは打って変わって厳しい質問は姿を消し(笑)、質問数も8件に減りました。前年に指摘されたことはほとんど達成しているんですから、文句の付けようもないという感じでした。
→ ヤーマン2011年株主総会レポート
出席者数は2010年の28人から2011年には121名に達し、お土産が足りなくなるくらいでした。出席者は4倍になったわけですが、それでも質問数は1/4程度なんですから、出席者数に比例せず反比例しているところが面白いですね。
ほとんどの出席株主は質疑応答にはあまり興味がないようです(^_^;)
その後2011年10月14日(金)にはまた立会外分売を実施。今回は291,700株と前回の3万株(分割後では6万株相当)と比べても急増しています。分売価格は993円です。今回の実施の目的は、
当社は当社株式の東京証券取引所市場第一部銘柄指定の申請を行っており、今回の立会外分売は市場第一部銘柄指定の形式要件の一つである流通株式比率の充足を図るために行うものであります
となっていて、今度は東証1部を目指すために立会外分売を実施しています。
そして約3ヵ月後の2012年1月20日(金)に遂に東証1部上場を発表したという流れになります。
ジャスダック証券取引所上場から毎年順調にステップアップしてきました。
このままいくと来年は香港かシンガポール市場に上場しそうな勢いです(笑)
ここまで立会外分売は実施していますが、公募増資を行っていないことも評価できますね!
東証に上場しても公募増資を行うと、株価上昇効果が打ち消されてしまうこともあります。一番大事なのは調達した資金をどう使うかではありますが、やはり市場が不安定な時期には株式の希薄化の方が嫌気されることも多くあります。
東証1部に上場することですし、今回も増配の可能性が高いと思います。
来週以降の株価推移とともに増配も楽しみに待ちたいと思っています。
今後もヤーマンの成長を楽しみにしています。
こんなに順調に東証に上場する会社も珍しいと思いますが、こういった事例を分析しておくと、他の会社が同じ理由で立会外分売を行った時に、その後のスケジュールが想定できるようになります。あるいは立会外分売を行ったのにその後東証への上場が発表されなければ、上場審査で何か問題があったのかもしれないということになります。
上場審査では決算期も大事な要素になるので、決算期がいつか?というのも押さえておくポイントです。
ヤーマンは4月決算なので、7月以降前年の決算を基に上場申請を行い、審査の終盤に立会外分売を実施して株主数基準を満たしたうえで、東証上場が決まったのだと思います。
審査が長引いたりして決算期を越えてしまうと、最新の決算を基に再度上場審査ということになりかねないので、そうなると審査が長引いてしまいます。上場決定時期の見極めは、立会外分売の実施時期と決算期末であり、決算期末を越えても上場承認の発表がない場合、承認まではまだしばらく時間がかかるのか、あるいは今回は承認されなかったということになるのかもしれません。
いろいろな会社の上場承認事例を研究することで、参考になることもたくさんありますね!
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タグ:ヤーマン東証1部上場