サンヨーハウジング名古屋は東海、関西中心に土地付き注文住宅を販売している会社です。
サンヨーハウジング名古屋の株主総会に参加するのは数えきれません(笑)上場前から参加しています。
2011年11月29日(火)の株価 72,700円(東証1部 8904)1株単位 8月決算
PER 5.0倍、PBR 0.56倍、配当利回り 5.23%、株主資本比率 54.3%
監査費用 1,980万円(売上比 0.06%、営業利益比 0.71%) 誠栄監査法人
株主優待 2012年2月末から株主優待廃止
サンヨーハウジング名古屋(8904)のホームページ
サンヨーハウジング名古屋(8904)のヤフー株価情報

上場来の株価を見ると、2003年からの小型株ブームに乗り27万円(株式分割調整後)まで上昇しましたが、2006年のライブドアショック以降は株価下落が続き、8万円前後での揉みあいが続いています。
スケジュール
10:00〜10:24 報告事項
10:03〜10:05 監査報告 池田拓夫常勤監査役
10:05〜10:24 事業報告 スライド+女性ナレーション読上げ
10:24〜10:51 報告事項に対する質疑応答 質問者4人 計7件 27分
10:51〜11:05 議案説明・審議・採決 第1号議案で質問3人 計3件
第1号議案 取締役6名選任の件 6名は再任、沢田正子専務、水谷彰秀氏が退任
第2号議案 監査役1名選任の件 池田拓夫常勤監査役が任期満了で退任 千住憲夫氏新任
第3号議案 退任取締役及び退任監査役に対し退職慰労金贈呈の件
11:05〜11:06 新任監査役の紹介 よろしくお願いしますのみ

お土産 すみゃーのクオカード 千円分 先渡し
飲み物サービス なし
経営戦略説明会 なし
注目の株主総会格付けですが、お土産も用意されており、質問にも丁寧に答えていました。一方で株主優待廃止についての説明がありませんでしたし、中期計画を発表しているにも関わらず事業説明会などもありませんでした。これらを総合的に判断し、サンヨーハウジング名古屋(8904)の株主総会格付けは 『D+』 としました。
議決権を有する株主数 17,635名、その議決権数 129,881個
議決権返送&出席株主数 4,788名、その議決権数 90,846個(69.9%)

サンヨーハウジング名古屋の株主総会は、今年もメルパルク名古屋で行われました。
今までは他社よりも少し早い第4水曜日に株主総会を開催していたんですが、なぜか今年は11月29日という集中日開催になりました。株主総会開催日はかなり前から決まっているものなので、直前に変えたわけではないと思いますが、それでも10月14日に発表した株主優待制度の廃止が関係しているのかな〜と勘ぐってしまいますね(^_^;) 突然の株主優待廃止について文句を言う株主がたくさん来ると困るので、集中日開催に変更したのかも(笑)
そんなわけで東京でビックカメラの株主総会に行くか、地元のサンヨーハウジング名古屋に参加するか迷いましたが、株主優待廃止について宮ア宗市社長がどんな説明をするのか聞きたくて、サンヨーハウジング名古屋の株主総会に参加しました。
昨年もたくさんの質問が出ていましたし、今年は直前に株主優待廃止の発表があったので、質問も昨年以上に多くて長引くんだろうな〜と思っていましたが、意外にも質問も少なくあっさりと終わってしまいました。出席者も例年より減ったような気がしますし、売ってしまって興味が無くなった個人株主が多いのかな?
会場内には(5席×5ブロック)×(7+7+6)位のレイアウトで、椅子がたくさん並べられていました。出席者数は200名ほどかなと感じました。出席者が減った影響なのか、冷房を利かせ過ぎているのか分かりませんが、会場内はかなり寒く感じました。
正面左右にスクリーンが用意され、株主総会開始前には会社紹介ビデオが流されていました。
事業報告は今年は女性ナレーションになりました。ただ内容は事業報告を読上げているだけでした。せっかくスクリーンもあるんですから、もう少し分かりやすく工夫すると良いと思うんですが。
続いて株主優待廃止について宮ア宗市社長から説明があるんだろうなと思っていましたが、説明もないままに質疑応答となりました。きっと質問がたくさん出ると考え、説明を省いたのでしょうか?
株主優待制度を改悪したり廃止した会社の株主総会にも何度も出席していますが、たいてい社長から経緯などの説明があるものです。何も説明がないというのは残念ですね。
会場内には質問用のマイクが2ヵ所用意され、指名された株主はそこまで行って質問します。質問数の制限はありません。昨年はほとんど担当取締役が回答していましたが、今年はまず担当取締役から回答し、その後に宮ア社長が補足するという形式に変わりました。とても良い対応だと思います。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)東日本大震災で液状化が大きな問題になったが、地盤の問題についてサンヨーハウジング名古屋ではどう取り組んでいるのか?
→(水戸直樹取締役 建設部長)建物については品確法の耐震等級3に相当する設計を行っている。地盤については土地の仕入れ前に地歴調査を行い、地盤調査も行っている。最近は技術の進歩により、地下水位を測定できるようになったので、液状化リスクを想定しやすくなった。
(宮ア社長)サンヨーハウジング名古屋は、創業当初から土地を買ってもらって住宅を建てるという事業形態。土地は長く使ってもらうものであり非常に大事なので、以前から地盤調査にも力を入れてきた。地盤調査・補強には100万円ほどかかることもあり、他社と価格競争を行うなかでは厳しいが、震災前から力を入れて取り組んでいる。
(2-1)クオカードが楽しみだったのに、なぜ株主優待を廃止しなければならなかったのか?
→(小原昇取締役 経営企画室長)株主優待は長く続けてきた。社内でも色々と議論があったが、株主数も前期末より2,700名増えて1.7万人を超えるなど非常にありがたいことだが、株主構成も大きく変わっている。株主優待の影響ではないが、中間と期末の権利落ち日に株価が大きく動いていた。こういったことから株主還元のあり方について見直しをさせて頂いた。業績を上げて配当で株主に還元していきたい。今期は株主優待を廃止する代わりに200円の増配を予定している。
(宮ア社長)上場当初は株主数も少なく出来高も少なかった。なんとか株主を増やしたいという想いで株主優待を導入したが、今では1.8万人弱の株主数になりありがたいことだが、一方で株価は低く出来高も少ないという問題がある。機関投資家にもっと株を持ってもらいたいと考えており、個人株主には株主優待廃止は残念なことだと思うが、配当で報いていきたい。機関投資家が入ってくることで株価を上げて出来高も増やしてもらいたいと考えた結果であり、ご理解頂きたい。
(注記)機関投資家に株を持ってもらうために、機関投資家の意向を汲んで株主優待を廃止したようです。株価を上げて出来高も増やしてもらいたいと言う部分から推測すると、2003年から2004年にかけて株価を大きく上げてくれたタワー投資顧問のようなファンドをイメージしているのでしょうか?
別途私の考えをまとめますが、当時の再現を狙っているのだとしたらとても個人株主を大事にしているとは思えません。本当に長期で応援してくれるような株主をもっと大事にして欲しいものです。
→ 早速私の考えなどを記事にまとめました
(3-2)株主優待廃止については機関投資家にもっと株を持ってもらうためという説明があったが、個人投資家の立場からすると機関投資家は優遇されていて不公平だと感じることがたくさんある。機関投資家向けには決算説明会も開催して社長みずから詳しく説明しているし、株を売却する時も市場で大量に売ると株価が下がるので、自社株買いで引き受けるなど市場で売らなければいけない個人株主と比べると不公平だと思う。他にも色々あるが、このように機関投資家は優遇されていることがたくさんあるのに、株主優待だけを取り上げて不公平だから廃止するというのは非常に残念だ。
→機関投資家に対するご意見については、株価対策やIR活動の参考にさせて頂く。
(4-2)中期計画を見ると、神戸支店で行っている「販売代理を活用したビジネスモデル」という表現が何度も出てくるが、単なる営業の外注化なのか?あるいは何か特徴を持ったビジネスモデルになっているのか?すでに1年以上実施していると思うが、効果は上がっているのか?
→(沢田康成取締役 営業本部長)関西ではビジネスモデルを変更して挑戦しており、6月の日経新聞にも記事が出た。創業以来東海地区では営業マンを人海戦術で、仕入れた土地の周りに住んでいる人に対して飛び込み営業を行ってきたが、関西では広域からお客様が来てくれるのでこのビジネスモデルが通用しない。そこで仲介業者に委託して販売するというビジネスモデルに変えている。実績も上がっており、東海地区並みの業績を達成できるように努力していく。
(5-2)現状のサンヨーハウジング名古屋のメインターゲットは、年収500万円前後の中流階級だが、すでに中流階級は減少し始めており、今後大幅に減っていく可能性がある。長期の10年ビジョンを発表しているが、現状のターゲット層で長期的に成長していけるのか?
→(小原昇取締役)サンヨーハウジング名古屋の5年後10年後、その先の展望というのは大きなテーマになる。現状の顧客層は年収400万〜600万円が中心で、住宅の第一次取得者向けに17年間土地付き注文住宅を販売してきた。このモデルが通用しない地域についてはビジネスモデルを変えたり、あるいは建売住宅に展開する可能性もある。サンヨーハウジング名古屋グループの規模はマンション販売を入れても1,000戸/年程度であり、まだまだ伸ばしていける。今後中流層が減るかどうかは分からないが、まだまだ戸数を伸ばしていける規模と考えて中長期計画を作っている。
(宮ア社長)第一次取得者向けの土地付オーダーメード住宅で成長してきたが、東京ではパワービルダーと呼ばれる安い価格をウリにした建売業者が台頭し、当然競合になってくる。注文住宅も以前は1つのモデルで対応していたので、顧客層が狭くなるなどの問題もあったが、今はモデルも増やしツーバイフォー以外も対応しており、幅広い顧客層に対応できるようになっている。
(6-3)私は懇親会を開催していた頃からの株主で、沢田先生(沢田正子専務のことの様です)の様な素晴らしい方がいて、さらに若い沢田康成取締役もいるので、この会社なら個人を大事にしてくれるなと感じてサンヨーハウジング名古屋で家も建てた。株主を続けているとサンヨーが好きになり、家を建てるならサンヨーでという人も増えると思う。株主優待廃止で少数株主は離れていくと思うが、こうした会社方針の変更はとても残念だと思う。本当に沢田先生の本意で株主優待を廃止したのかお聞きしたい。
→(小原昇取締役)個人株主をないがしろにする気持ちは全くない。上場以降個人中心に株主数が増えて、さらにお客様にもなってもらえるというのは本当にうれしいことです。不動産会社にも色々あるが、当社は個人のお客様に住宅を提供してきた会社であり、個人顧客と同様に個人株主を大事にする考えに変わりはない。マーケット環境が悪い面もあるが、当社の株価も低迷しており皆様にもご迷惑をおかけしている。上場以来定期的に公募増資も行い、発行済み株式数も13万株を超えるまでになったが、売買高は低いままだ。社長以下IR活動にも力を入れているが、株価の評価は低い。評価が低いということは(株価が下がっていることになるので)個人株主の皆様にもご迷惑をかけていることになる。こういったことを色々と考えた結果、クオカードを配る株主優待はいったん中止し、業績を伸ばしたうえで株主還元はどうするのがいいのか考えたいということで、株主優待を見直すことになった。株主優待廃止でお叱りを受けることは覚悟のうえで決断した。
(宮ア社長)株主優待廃止については非常に悩んだ。もちろん株価を上げたい、企業価値を上げるためにはどうしたらいいかと考えた末の決断です。個人株主に対する考え方が変わったわけではない。
→(沢田正子専務取締役)ありがとうございます。今の言葉は涙が出るくらい嬉しかった。サンヨーハウジング名古屋は皆さんに支えられてここまで来た。地元の方、職人さんなど多くの人に感謝の気持ちでいっぱいです。個人株主様を疎かにする気持ちは毛頭ございません。サンヨーハウジング名古屋が存続する限り、1株1株を持って頂いた個人株主の方々の期待に応えられるように、成長を続けていきたい。個人株主に対する考え方が変わったわけではないことをご理解頂きたい。本当にありがとうございました。皆さんに感謝申し上げたいと思います。
(注記)沢田専務は今回の株主総会で取締役を退任するので、退任の挨拶という感じでした。
(7-4)前期の業績も素晴らしいし、今期も増益計画なのに株価が上がらないのは不思議。今後も業績が良くなるのであれば、サンヨーハウジング名古屋株は資産株として持たれるのではないかと思う。
→ありがとうございます。古くからの株主様で、当社の成長を喜んでいただき、お褒めの言葉をいただきありがとうございます。来期も今期以上の業績を出せるように頑張っていきます。
以上で報告事項に対する質疑応答は終了となりました。
続いて議案の審議となり、第1号議案 取締役6名選任の件で3件の質問がありました。
(1-1)最近上場企業の不祥事が続いているが、社外取締役を入れる考えはないのか?
→(小原昇取締役)不祥事が続いているので社外取締役が話題になっているが、なかなか適任者がいないため選任していない。今回の議案が通れば、取締役6名に対し監査役4名になるので、しっかり監査してもらう。今後適任者が見つかれば社外取締役の起用も考えていく。
(宮ア宗市社長)上場当時はまだ個人会社という感じもあったが、上場企業としての体制を整えてきた。今後適任者が見つかれば社外取締役も検討する。
(2-2)(女性)役員の持ち株数が少ないが愛社精神はあるのか?
→(杉浦英二取締役 財務部長)私は2007年に入社したが、10株買ってから入社した。その後持株会に入り買える範囲で持株を増やしている。愛社精神が無いわけではないのでご理解頂きたい。途中入社の役員などそれぞれに事情もある。持ち株数で仕事に対する熱意に差があるわけではない。
→(小原昇取締役)途中入社の取締役は持ち株数が少ないが、私は昨年より7株増えている。愛社精神のない役員はいない。
(3-3)(女性)機関投資家が興味を感じてくれないと説明があったが、小原昇取締役は証券会社出身でこの辺りは詳しいのではないか?もっと知識を活用してはどうか?
→(小原昇取締役)宮ア社長にも年2回東京に行ってもらったりIRにも力を入れている。東証一部上場であり機関投資家の投資対象になると思うが、本社が名古屋だったり上場している住宅会社が多いこともあって現状になっている。最近名古屋まで来てくれる機関投資家も出てきたので、今後も努力していく。
以上で質問もなくなり、無事株主総会は終了となりました。
全体を通じての感想は、サンヨーハウジング名古屋は株主にも恵まれているな〜と感じました。株主優待廃止となるとかなり厳しい質問が続きますし、かなり険悪な雰囲気になることも多いんですが、地域性もあるのか温かい雰囲気のまま質疑応答は終了となりました。
質疑応答を通じて私が感じたことや、私の考えなどは別途まとめてみます。
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