2011年11月15日

オリンパス連続ストップ高!

今日もオリンパスの株価は連続してストップ高を記録しています。
東京証券取引所や証券取引等監視委員会などが、今回の件は大目に見て上場廃止は勘弁してあげようという観測気球なのか報道が出たことから、先週末までの下落基調から一気に反転し、2日連続のストップ高となっています。
オリンパスの株主の方には異論もあると思いますが、これだけの事件を起こしたのに、上場廃止になると株主への影響がもっと大きくなるので上場維持という考え方は、私はおかしいと思います。オリンパスが悪しき前例になってしまうと、極端なことを言えば、今後株主がいる限り上場廃止になる会社はなくなってしまいます。なぜオリンパスは良くてうちの会社は上場廃止になるんだ!ということになってしまいます。
ギリシャ国民が年金を減らすな!公務員数を減らすな!とデモを続けていたら、要求通り周りの国が助けてくれたとなれば、イタリアやスペインの国民も俺たちもデモをするぞー!とモラルハザードが連鎖してしまい、問題がより大きくなって解決不能になってしまいます。
2つの問題は飛ばしも含めて非常によく似ていますし、結局は同じような結末を迎えるのだろうと思います。オリンパスは上場廃止にしなければいけないし、ギリシャはデモを続けている限り破綻させるしかないということです。

私のブログを見て頂いている企業コンプライアンスに詳しい弁護士の先生も、個人的意見としてオリンパスは上場廃止になるのではという考えを述べられています。
 オリンパス社は上場廃止を免れるのか?(あくまでも個人的意見)
私の場合は感じたことをブログにしているだけであり、法律に基づいた意見ではないので、ビジネス法務の部屋というブログはとても参考になります。
最近はコンプライアンスに関する問題が続いているので、ブログ更新も大変だろうなと思います。
オリンパス連続ストップ高
上記はオリンパスの場中の板状況ですが、5千万株を超える買い注文が集まっています。
オリンパスの発行済み株式数は2.7億株なので、2割近い買い注文が集まっていることになります。
オリンパス上場維持か!?というニュース1つでここまで雰囲気が一変してしまうんですから、株価を動かそうと思っている人にとってはこんな儲けやすい株はないでしょうね。
オリンパス株価チャート
ここまでのオリンパスの株価推移を見ると、マイケル・ウッドフォード社長が解任され反撃に出て以降、株価は急落しています。それでもなんとか1,200円程度で踏み止まっていました。会社側は粉飾決算を否定していましたし、東証も様子見で監理ポストに割り当てることもなかったので、オリンパスの内視鏡事業などの価値を考えれば何事もなく元に戻るかも、と期待した安くなったオリンパス株を買った人もたくさんいると思います。
しかし11月8日早朝にオリンパスが損失隠しを認めて、12時半から高山修一社長が記者会見を行ったことから、これは大変だ!上場廃止の可能性が高い!ということで一気に売られて、20年来の安値にまで叩き落されました。
それが、巨額の損失を飛ばしていたのはあくまでも過去の話であり、不正な手段(笑)で損失の穴埋めは終わっている、現在の財務諸表は粉飾されていない、というけっこう無理があるような理由付けで上場廃止を回避できるかもというニュースが流れて、今度は逆にストップ高の連続という荒い値動きになっています。

今回の騒動はまだ続くと思いますが、この背後で巨額の儲けを手にしている人たちがいると思います。
まずはオリンパスの損失飛ばしに積極的に関わり、法外な手数料をもらっていた人達です。
20年前に損失の先送りを始めた時は、数百億円程度だったものが先送りを続けているうちに1,300億円まで雪だるまのように膨らんでいます。その裏ではこの間の取引で儲けている人がいるということです。
闇から暴く相場の真実というページに、この辺りのからくりについて詳しい説明があり必見ですね。
 闇から暴く相場の真実 オリンパスの闇・第5幕

こうしたスキームをオリンパスから請け負い、飛ばしの全体像をオリンパスの誰よりもよく知っている人たちがいるということです。
今回のオリンパス問題は、7月20日発売の月刊FACTA8月号に オリンパス「無謀M&A」巨額損失の怪 という記事を掲載したのが始まりです。FACTAは誰かから詳しい内部資料を入手して記事にしていますが、一体誰から入手したのかが気になりますね。オリンパス社内では誰がFACTAにリークしたのか!と犯人探しが行われているというような記事もありました。
しかしこの時には株価にはほとんど影響もなく、オリンパスも完全にFACTAを無視していました。
ところがこの記事に驚いたマイケル・ウッドフォード社長が独自調査を始め、今回の大問題に発展したわけです。
ここまではニュースなどで報道されていることですが、私にはもっと裏がありそうに感じてしまうので、ここからは私の憶測を書いてみます。あくまで憶測ですので(^_^;)

現状の報道では、最大1,300億円にも達した損失は現状ではすべて穴埋めが完了しているようです。
となると、飛ばしに協力していた人達はもうオリンパスから直接報酬をもらうことはできません
そこで今度は市場から報酬を貰おう!と考えたとしても不思議ではないような気がします。
たぶん儲けることには貪欲な方々だと思うので(笑)
今は飛ぶ鳥を落とす勢いで意気盛んな月刊FACTAと阿部重夫編集長ですが、もし情報をリークした大元締めが飛ばしのスキームを考えたり、資金洗浄を実行した方々だったとしたらどうなるでしょうか?

彼らの気持ちになって考えると、オリンパスからは多額の報酬を貰って美味しかったが、もう損失の処理は終わってしまった、次はどうやって儲けようか?
オリンパスは市場からの評価も高いし、株価も良い値段を付けているな!でもオリンパスの内実は俺たちの方がよく知っているぞ(笑)俺たちが知っていることをリークしたら株価も大暴落だろうな〜最悪倒産するかもしれないぞ!ここはオリンパスの株価が下がれば大儲けできるようなスキームを構築したうえで、少しづつ本当のことを明らかにしてやるか!たまには良いこともしないとな(笑)

と考えたとしても不思議はありません。デリバティブなどにも詳しいでしょうから、単純にオリンパス株を空売りするようなすぐに足の付くようなスキームは作らないと思います。
そうやって暴落に賭けるスキームを構築したうえで、まずはスクープネタに簡単に飛びつきそうなFACTAに情報を流してみます。狙い通りにFACTAは飛びつき記事にしましたが、オリンパスは完全に無視、他のマスコミも追随せず不発に終わります。それでもっと核心的な追加情報をFACTAに送ったり、調査を始めたマイケル・ウッドフォード社長にそれとなく情報提供したりしたのではないでしょうか?
そうした工作が功を奏して、見事にオリンパス株は下落を始めます。上記の様に10月半ばからオリンパスの株価は大きく下落しているので、大儲けできて笑いが止まらないんでしょうね!
もちろん儲けに貪欲な方々でしょうから、この程度の儲けで満足はできません。オリンパス悲観論がピークに達した11月11日には8,300万株も出来ています。凄まじいまでの売り注文です。たぶん彼らはこの売り注文に対し、ポジション解消のための買いを入れると同時にドテン買いに転じたのではないかと思います。

ギリシャ問題も大きく報じられていますが、ギリシャはスワップ契約を利用して簿外に債務を飛ばしていました。オリンパスと同じような構図です。この飛ばしに関わっていたのが投資銀行のゴールドマン・サックス・グループだと言われています。
オリンパスについてもどこの金融機関が絡んでいるのかは分かりませんが、同じような構図なのではないかと感じます。つまり裏で糸を引いている人たちは、かなり力のある人たちなんだろうということです。

オリンパスのショートポジションからロングポジション(買いポジション)に変えた方々は、今度は日本の当局に圧力をかけたのではないでしょうか?
我々もオリンパスの将来に期待して買い支えているのに、まさか上場廃止で梯子を外すなんて仕打ちはないですよね?
などと言われれば、東証なども上場維持の検討もしない訳にはいかず、まずはアドバルーンを上げてみようということになったのではないでしょうか?
そんなアドバルーンに反応して今度は一気に買い注文殺到です!
裏で操っている方々はまたしても笑いが止まらないでしょうね。
この大量の買い注文が売買成立した後は、また次々と問題をリークしたり、海外の報道機関を使って、これだけの粉飾決算を行っても上場廃止にもならない異質な日本の株式市場!みたいな記事を配信させて、日本の当局に今度は逆の圧力をかけるのではないでしょうか?
株価が激しく上下すればするほど儲かるような仕組みができているのだと思います。

では彼らは最終的にどうしたいのか?を考えてみます。
最終的に上場維持となる方が儲かるのか、上場廃止となる方が儲かるのか考えると結論は明らかです。
オリンパスが上場廃止になったり、オリンパスが破たんに追い込まれた方が彼らが儲ける機会はたくさんあります。上場維持になってある程度株価が戻ったとしても儲けは知れています。
一方で実質は債務超過だ!というような情報をリークし、オリンパスの株価を徹底的に叩き落し、上場廃止に追い込む方が遥かに彼らは儲かると思います。タダ同然の株価でオリンパス株を買い占めて、ばら売りして儲けることもできます。
そんなカネを使うのももったいない!となれば、オリンパスを破たんさせて巨額の借り入れを棒引きさせてから、企業再生のプロとしてスポンサーとして名乗りを上げる方法もあります。借り入れを大幅に棒引きしたオリンパスを手に入れることが出来たら、優良事業の切り売りで大儲けすることができると思います。

一度悪事に手を染めたオリンパスは徹底的にしゃぶりつくされるまで離してもらえないような気がします。
こんな裏があるかもしれないと考えると、いくらストップ高だからと言っても買いに走るのは危険だと思いますし、ニュースに踊らされオリンパス株を売買するのは、彼らを儲けさせるだけなのかもしれません。
どのようなスタンスを取るかは自由ですが、見物だけに留めておくのが無難だと思います。

それにしても、証券取引等監視委員会や東京証券取引所などの方針がぶれる度にオリンパスの株価が上下し、日本の国益が海外に流出していくというのは悲しくなりますね。
証券取引等監視委員会や東京証券取引所は日本の市場や投資家を守る必要があると思うんですが、私の憶測があくまでも憶測であることを祈るばかりです。
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posted by Zaimax at 19:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 投資で疑問に感じること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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