2011年11月10日

金融機関が融資条件変更検討

昨日のブログ記事で、今後のオリンパスの命運を握っているのは借入先の金融機関次第と書きましたが、早速金融機関も動き出したようです。粉飾決算をもとに貸していたとなるとメンツも丸潰れですし、融資目的も偽っていたとなると、資金使途の虚偽説明に該当するそうです。
時事通信の配信した記事によると、
   配信記事はこちら→ オリンパス融資、条件変更検討=3600億円超、早期回収も−取引銀行
資金使途の虚偽説明」に該当し、期限まで返済せずに済む借り手側の「融資の期限の利益」が喪失したと判断。取引行が期限前の完済を求める可能性が高いそうです。
仮に一部融資の条件変更や早期回収に発展した場合、同社は資金繰りに大きな影響を受ける見通しだ、となっています。

長短の借入金が7,036億円もあるんですから、金融機関の姿勢が厳しくなれば資金繰りに大きな影響を受けるのは当然ですね。
オリンパスの財務部門を長きにわたり握っていた、菊川剛前会長ら今回の飛ばしを中心的に手掛けていた人達が、取引先金融機関とも融資交渉をしていたと思うので、金融機関からすると粉飾の首謀者から直接嘘を付かれて、巨額の融資を引き出されていたわけですから、通常の案件以上に怒りが収まらないのではないでしょうか?

財務内容が融資申し込み時の説明と大きく異なり、上場廃止の可能性もあるとなるとオリンパスの信用力は大幅に低下しています。そのような会社に融資するのであれば相応の金利をもらわないとペイしません。格付機関からもBBB+に格付けを引き下げられているので、この点からも貸出金利を引き上げられる可能性があります。
融資の早期回収に動いた場合、つなぎ融資先を見つけられなければ資金繰り倒産、という可能性が出てきますし、金利を引き上げられた場合ボディブローのように今後の業績に響いてきます。返済期限に借り換えに応じてもらえるのかも不透明です。

オリンパスの先行きはかなり不透明になってきましたね。
なんとか融資を維持でき生きながらえたとしても、金融機関の信用を大きく毀損しているので、事業投資資金が必要になっても新たな融資は難しく、今後の事業にも制約が出てくると思います。金利の見直しなども含めて、金融面からも長期に渡って業績への影響が大きくなりそうです。
金融機関としてもメンツを潰された問題企業に、簡単には融資してくれません。オリンパスが新商品開発などで開発資金が必要になっても、融資交渉に時間がかかったり融資に応じてもらえないなどで、事業計画が予定通りに進まない可能性も出てきます。
倒産まではいかないとしても、今のオリンパスがそのままの形で存続する可能性はかなり低くなったように感じます。
関連する業界の信用力の高い企業に買収されるか、部門ごとにばら売りされる可能性が高そうです。
買収する会社としても粉飾の全貌が分からないと買収金額の算定ができませんし、すぐに買収というのは難しいと思います。
今後の動きとしては、
 上場廃止→大幅な減資をしたうえで買いたたかれて一括買収→融資返済
 上場廃止→買いたたかれてばら売り→回収資金で→融資返済

という流れが想定され、融資返済後に残ったお金があれば株主に返却して解散ということになると思います。
買収する側、特にファンドなどが買収候補だとすると、倒産してからスポンサー企業として名乗り出た方が安く買収できるので、早期の買収に動かない可能性もあります。一方で内視鏡などシェアの高い事業部門も抱えているので、この部分については早期の売却も可能だと思います。ただドル箱部門を切り離したオリンパスにどのくらいの企業価値があるんでしょうか?たとえ内視鏡部門を売却したとしても、大きな融資残高は残ることになると思います。
まだ今後の流れは流動的ですが、予断を許さない状況であることは間違いないと思います。
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ひらめき
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posted by Zaimax at 09:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 投資で疑問に感じること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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