支援策には財政赤字の削減のために、年金や公務員給料のカットなどがセットになっており、ギリシャ国内では連日大規模なデモが行われていたので、支援策がギリシャ国民から否決されて、せっかくの合意がまた元に戻ってしまうのではないか?と懸念されているようです。
また一方では、国内での支持率が低迷しているパパンドレウ首相が国民に信を問うことで、自らの責任逃れを図っている面もあると思います。
新聞報道などを見ると批判的な論調の記事が多いようですが、私は国民投票を行うことはとても良いことだと思います。
最近のギリシャの報道と言えば、大規模なストやデモの映像ばかりが流されており、ギリシャ国民は大部分が公務員で仕事などせずに楽して暮らしたいと考えているように感じてしまいます。
逆に言えばそういったニュースを流すことで、ギリシャは仕事もせずにデモばかりして、義務は負わずに権利だけ主張するどうしようもない国民というレッテルを張っているのかもしれません。ギリシャはこんな国なんだから破綻させてしまえ!という世論形成を狙っているのかもしれません。
連日のデモ映像も実は一部の人達がデモを続けているだけかもしれません。
国民投票をすることで、少々我慢をしいられてもギリシャの再建に努力したいと考える国民がどの程度いるのかがはっきりします。この点でギリシャ国民の考えがより明確になる可能性があるので、私はぜひ国民投票をやるべきだと思います。
国民投票の結果も支援策は認められない!既得権益は守れ!という人が過半数なのであれば、残念ながら破綻させるしかないと思います。
現状でもギリシャ国債の保有者には50%という高率の棒引きを求めているのに、ギリシャ国民が協力しないというのでは話にならないと思います。本当にギリシャ国民は怠け者なのか、それとも実際はなんとか自国を再建しようと考えているのかをはっきりさせるためにも、早急に国民投票を行う必要があると思います。
ギリシャ国債については50%もの棒引き要請が出ているのに、デフォルトではないと主張している人たちがいます。
国際スワップデリバティブ協会(ISDA)の法律顧問デービッド・ジーン氏は、銀行が保有するギリシャ国債について50%の減免を受け入れるという、EUと国際金融協会(IIF)との合意は自発的と考えられるため、CDSの売り手が買い手への支払いを求められるクレジットイベント(信用事由)に該当しないと述べた、そうです。
ギリシャ国債の保有リスクを低減するために、余分なコストを払ってギリシャ国債のCDSを買っていた投資家にとっては、まったく意味のないCDSを買っていたことになります。
デフォルトの破綻認定さえこんなに恣意的に行われるのであれば、今後はCDSを買う人もいなくなってしまいます。数年前からギリシャ危機は表面化しておりCDS価格もかなり高かったので、リスクヘッジのために買っていた人は大きな損失を被り、一方で売っていた人は現状では大儲けというおかしなことになっています。
国際スワップデリバティブ協会という組織が中立で公正な組織なのか分かりませんが、こんな恣意的な意見を述べていいのでしょうか?
一方で格付機関のフィッチ・レーティングスは、ユーロ圏が合意したギリシャ債務の削減が実施された場合、ギリシャ国債を債務不履行(デフォルト)とみなすと発表しています。
デフォルトなのかどうかで大きなお金が動くことになるので、まだまだ議論が続きそうです。
より大きな問題としては、50%の債務減免をすればギリシャは再建できるのか?という点ですが、どうやらそれも心許ないようです。公務員の給料やレガシーコストである年金の削減なども行わないと、財政の立て直しは難しいと思います。
ソブリンリスクにさらされているのはギリシャだけではなく、スペインやイタリアなども大きな問題になっています。ギリシャをどうするのかについて、こういった周りの国々も注視しています。
もし債務を大幅に削減して、ギリシャ国民はあまり痛みを分かち合うこともなく問題解決を図れば、周りの国々もこれはゴネた方が得だぞ!ということになり、ストやデモに走ると思います。
モラルハザードがヨーロッパに広がってしまいます。
個人的にはギリシャは破綻するしかないと思います。中途半端に救済すればモラルハザードが広がり、周辺国も含めてより問題が大きくなってしまうからです。
まだまだどうなるか予断を許さないので、今後も株価は動揺が続くと思います。
今後も注意深くマーケットを見ていきたいと思っています。
ブログランキングに参加しています


トップ3を目指しています!クリック応援よろしくお願いします

タグ:ギリシャ国債デフォルト 国民投票
【投資で疑問に感じることの最新記事】