ネクストジャパンはGAME GOLDEN、JJCOINSなどのアミューズメント店舗事業、UFOキャッチャーなどの景品の開発・販売事業、不動産を中心とした投資事業を行っている会社です。2004年9月に東証マザーズに上場しましたが、2006年度から大幅な赤字に転落し、2008年9月にネオラインホールディングスの藤澤信義社長が経営権を取得しています。
ネクストジャパンの株主総会に参加するのは初めてです。
2011年10月28日(金)の株価 1,438円(マザーズ 2409)1株単位 7月決算
PER 3.9倍、PBR 債務超過、配当利回り 無配、株主資本比率 ▲3.0%
多額の繰越損失があるので、実質PERは上記の2倍と考えた方が良い
監査費用 2,700万円(売上比 1.31%、営業利益比 16.7%) 大阪監査法人
株主優待 なし
ネクストジャパンHD(2409)のホームページ
ネクストジャパンHD(2409)のヤフー株価情報

上場来の株価を見ると、一時は36万円まで上昇しましたが、2006年のライブドアショック以降は株価が大幅に下落し、その後の業績悪化もあって510円まで下がっています。その後は株主も変わり株価も上昇傾向でしたが、前期末で債務超過となったこともあり1,400円前後で推移しています。
2012/7計画 3,500百万円 160百万円 365.09円
2011/7実績 4,079百万円 ▲493百万円 ▲809.32円

スケジュール
10:00〜10:25 報告事項 最初の挨拶は藤澤信義会長、その後の進行は齊藤慶社長
10:05〜10:07 監査報告 笠原叔彦常勤監査役
10:07〜10:25 事業報告 スライド+女性ナレーション読上げ
10:25〜10:29 議案説明 齊藤慶社長
第1号議案 定款一部変更の件 事業目的に保守、建物全般に対する建築設備工事を追加など
第2号議案 取締役5名選任の件 5名全員任期満了4名再任 沖聡氏退任 鈴木清治リスク管理部長新任
第3号議案 監査役1名選任の件 常陸泰司氏退任、吉田岳司氏を選任
第4号議案 ストックオプションとして新株予約権を発行する件 9千株を上限に役職員に無償で付与
10:29〜10:57 質疑応答 藤澤信義会長 質問者5人 計6件 28分
10:57〜10:58 議案の採決
10:59〜11:00 役員紹介 よろしくお願いしますのみ

お土産 プライズゲーム優待券、ゲームメダル引換券、図書カード千円など 後渡し
飲み物サービス 水のセルフサービス
経営戦略説明会 なし
注目の株主総会格付けですが、お土産も用意されており、質問にも丁寧に答えていました。これらを総合的に判断し、ネクストジャパンHD(2409)の株主総会格付けは 『D+』 としました。
議決権を有する株主数 6,254名、その議決権数 408,768個
議決権返送&出席株主数 665名、その議決権数 282,576個(69.1%)
ネクストジャパンの株主総会は、つくばエクスプレス浅草駅近くの浅草ビューホテルで行われました。
今日は大盛工業とネクストジャパンの株主総会が重なっており、2社とも問題企業なのでどちらに参加しようか迷いましたが、初参加のネクストジャパンにしてみました。と言いつつ大盛工業に寄ってから来たので、ギリギリになってしまいました。
会場内には前方にテーブル席、後方に椅子席というレイアウトでした。テーブル席は(4×3)×4でその後ろに椅子席が30席分くらい用意されていました。出席者は60人くらいでした。役員席と株主席の間にはテーブルでバリケードが作られており、壁を感じてしまいました。こんな壁はやめて欲しいですが、上記チャートの通り株価も大暴落していますし、上場して間もなく業績も真っ逆さまに赤字に転落しています。過去の株主総会では役員席に飛びかかった株主がいたのかもしれませんね(^_^;)
アミューズメント会社なので個人株主の参加が多そうですが、前方にはスーツ姿が目立ち意外でした。ネオラインホールディングス傘下に入り、金融関係の株主が増えているのかもしれませんね。
会場後方に水のセルフサービスコーナーがありました。
正面にはスクリーンが用意され、事業報告で活用されていました。
藤澤信義会長はネクタイなしでしたが、他の役員の方々はスーツ・ネクタイの普通の株主総会でした。
最初の挨拶と開会宣言は藤澤信義会長が行い、事業報告と議案説明は齊藤慶社長が担当(と言っても事業報告は女性ナレーションが読上げです)、その後の質疑応答からはまた藤澤信義会長が担当という珍しい株主総会運営でした。藤澤信義会長はJトラストを始め多くの会社の会長や社長を兼任しているので、実質的な経営に当たっているのは齊藤慶社長だと思っていましたが、藤澤信義会長が質疑応答を一手に引き受けていたので、役割分担がますます分からなくなりました(^_^;)
吉田岳司新任監査役候補は欠席と案内がありました。
事業報告はスクリーンにグラフやポイントなどを表示していて分かりやすかったんですが、招集通知の読上げというのが残念でした。大幅赤字で債務超過に転落しており、会長なり社長からもう少し詳しく説明があっても良いのになと感じました。議案の説明後、質疑応答となりました。
質問はきちんと回答するために1回につき1問でしたが、指名されれば何度でも質問可能です。
出席者の割には質問が少なかったですし、質問件数も少なめでした。これだけ株価も低迷しているので、もっとたくさんの質問が出るだろうと思いましたが、もう諦めているのかもしれませんね。
回答は藤澤信義会長が行いましたが、事務局と相談しながら回答という場面もありました。回答で目立ったのは「ご理解いただきたい」というフレーズです。藤澤信義会長はけっこう多用していました。ご理解できる部分とできない部分があったんですが(笑)
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)債務超過を早期に解消するということだが、いつ頃になりそうなのか?前期は営業外の支払利息とアドアーズの減損損失計上で赤字になったが、支払利息は今後も続く。今期本当に黒字化できるのか?
→債務超過については、ネクストジャパン単体が債務超過になったわけではなく、連結しているアドアーズが42億円の戦略的減損を行った影響で、連結で債務超過となった。アドアーズとのアライアンスはとても重要だと考えており、今後も強化していく。債務超過の解消策としては、前期の決算発表後にある程度の増資をする選択肢もあったが、足元のアドアーズの業績も好調に推移しており、ネクストジャパンの営業利益もプラスで推移しているので、株式の希薄化で皆さんに迷惑をかけないよう考え、増資するのは簡単だが今回は増資をしなかった。まずは今期の業績向上に取り組み、中間決算の頃には通期の数字も見えてくるので、その時点で足りない分を増資するのがいいのか、他の方法がいいのか考えたい。債務超過を解消して、しっかりとした上場会社を維持できるようにしていきたい。私(藤澤会長)は取締役会長であり同時に筆頭株主でもある。私個人としても(早期の債務超過の解消を)お約束したい。
今期の黒字化の質問ですが、営業利益は順調に推移しており、どこまで伸ばせるか?については頑張らないといけないと思っている。支払利息が重いのは確かだが、一方である程度のキャッシュポジションもあり、これを使って新たな収益源を作り、支払利息をカバーしていくということでご理解頂きたい。
(注記)ネクストジャパンの前期末の債務超過額は3.92億円であり、確かに藤澤信義氏からすればこの程度の増資に応じるのは簡単なことだと思います。一方で現状の時価総額は6.37億円まで低下しており、現状の株価で増資を行えば62%近い新株発行となり、大幅に希薄化が進んでしまいます。なので既存の株主に配慮して、まずは今期の業績を向上させてできる限り債務超過を解消し、足りない分を増資するという藤澤会長の姿勢はありがたいですね。
会社四季報には「債務超過解消に増資含めて奇手も検討か!?」という(笑)コメントもありますが、一体どんな奇手を考えているのでしょうか?ネオライン傘下の会社と合併させて債務超過解消!とかもありそうですね。ある程度のキャッシュポジションもあると強調していたので、傘下企業を買収して新たな収益源の確保し、併せて債務超過の解消も図った、なんていうリリースがすでに準備されていたりして(^_^;)
(2-2)ライブレントを買収したが、ライブレントの売上、利益、保有資産に占める株式会社バニラの割合はどの程度か?ライブレントは40億円以上の借金がある債務超過の会社だが、買収することでネクストジャパンの財務内容も悪化している。本当に債務超過の会社を買収する必要があったのか?
→バニラという話が出たが、ライブレントの保有している賃貸資産はほとんどが、これも私に関連するがネオラインホールディングスが借りていて、バニラに直接貸しているわけではない。なのでバニラの占める割合は基本的にはゼロ。ただ転貸でバニラが借りている物件がいくつかあるということでご理解頂きたい。
ライブレントが債務超過なのは、前期に相当大きな不動産の取得をしており、それに伴う不動産取得税、登録免許税、借入の際の初期事務手数料などを一括計上したため赤字になったが、今期以降はライブレントの賃貸収入だけでも2億位の利益が出てくる。アセット事業が収益の柱として必要だということでライブレントを子会社化した。確かに借り入れも増えたが、財務上の利益も増えているのでご理解頂きたい。
(注記)ライブレント子会社化については→<<<こちらの記事>>>もご覧ください
どうやらライブレント→ネオラインHD→バニラという賃貸契約になっているようです。元々ネオラインHDが持っていた賃貸資産を、ライブレントがMBOする前に購入したということなんでしょうね。賃貸資産は売ったけど再度ライブレントとネオラインHDの間で賃貸契約を結び、ネオラインHDがサブリースしているような形になっているようです。ネオラインHDが間に入っているので、ライブレントから見ると確かにバニラの割合はゼロかもしれませんが、実質的にどの程度なのか知りたかったですね。
ライブレントが債務超過になったのは前期大きな赤字だったからですが、これは不動産取得に伴う赤字より、日本振興銀行株を10億円分買っていた影響であり、債務超過になったのも日本振興銀行株10億円を1円まで減損したためです。この点について全く触れていないのはちょっと不信感を感じますね。
(3-3)今期もストックオプション発行議案が上程されているが、今後も毎年続けるのか?毎年積み重なると希薄化につながり、既存の株主の権利を毀損することになる。そろそろ止めてはどうか?
→私が増資を引き受けてから確かに毎年ストックオプションを行っている。毎年発行済み株式数の2%位を目安に新株予約権を発行している。初年度を除いて2年目以降は私個人はもらっていない。他の役職員に付与していることをご理解いただきたい。
ネクストジャパンはずっと赤字が続いており、昨年やっと黒字になりました、前期も最終的には赤字でしたが営業段階では黒字になりました、という状況の会社であり、役職員の給与も上がっていないと思うし給与水準も低いと思う。給料を上げるのは体力的に厳しいので、業績を上げて株価もしっかり上げようというモラールアップのために毎年ストックオプションを発行している。給与見合いという位置付けで発行してきた、というのが正直な気持ちです。
今後については私も筆頭株主であり、先ほども言ったように毎年希薄化が進むのもどうかと思う。今回で3年目になるが、安定収益が確保でき給料もきちんと上げられるようになれば、SOはやめて固定費として計上していきたい。債務超過解消の先には、株主への配当も考えていかなければいけないと考えている。質問の意図はよく分かり私もそう感じているので、同じ株主としてご理解いただきたい。
(4-4)今の質問に関連して、個人株主としては今の株価を経営者としてどう考えているのか?確認させて頂きたい。社員のモチベーションも大事で理解できるが、同時に株主への責任についてもきちんと果たして欲しい。2005年当時には36万円を超えていた株価が今は1,500円程度だ。6年ほど株主総会にも来ていなかったが、現状の株価を経営陣としてどう考えているのか聞きたくて参加した。
→株価は色々な要素に左右されるし、我々が株価を直接いじることはできない。私が経営陣に入ってからのことしか言えないが、当時私が増資を引き受けなければネクストジャパンは無くなっていたと思う。3年前に千円くらいで第三者割当増資を引き受けた。その後リーマンショック時には500円位まで下がったが、その後株価は6千円程度まで順調に上昇し、いまは1,500円になっている。
私の考えは、株主の皆様との対話は年に1回の株主総会での対話ではなく、株主の皆様も毎日の株価をチェックしていると思うので、我々からすると株価を通じて毎日見られていることになり、株価も意識して経営を行っている。株価をいじったり、特別な手法を使って株価を上げるのは邪道だと思う。ちゃんと本業で本質的に企業価値を高めていくような施策を行っていく必要がある。我々も皆さんと同じように毎日のように株価を見て、どうしたら株価を上げて皆さんに喜んでもらえるか?を意識して経営している。不甲斐ないところはあるかもしれないが、大きな気持ちで見て頂けるとありがたい。
(5-2)先ほどの質問ではよく分からなかったが、ライブレントが債務超過になったのは、日本振興銀行から40億借りてそのうちの10億円で日本振興銀行株を買ったがゼロになったためであり、昨年の不動産取得経費による赤字が原因ではないと思う。放置しておけば潰れてしまうような会社だったと思う。そのような不透明な会社を買収して本当に大丈夫なのか?いまオリンパスの問題が大きく報じられているが、ライブレント買収のリリースを見ても不透明な感じがしたので心配だ。
→リリースの仕方にも問題があったのかもしれないが、40億の融資のうち30億は不動産取得のためにファイナンスを付けてもらい、10億円は株式見合いで融資を受けたという部分はある。ただ30億で取得した不動産の価値は30億か?というと我々はそうは認識していない。利回りもけっこう高い物件で、ここで言っていいのか分からないが(苦笑い)40億近い価値があり、東日本大震災の影響で不動産市況は少し凹んでいるが、丁寧に売っていけば40億くらいの価値はある。
日本振興銀行の増資については、見せかけ増資ではないか?ということで、リリースも出している通り法的手続きも取っており、増資は無効ではないかという裁判を行っている。裁判なので勝ち負けは分からないが、上場企業として多くの株主もいるので、今は国の機関になっているがそれでもネクストジャパンの企業価値を守るために、訴訟を起こして裁判所の判断を求めている。
もしかしたら不透明に見えたかもしれないが、我々としては問題ないと考えライブレントを子会社化している。初年度は先ほど説明したように一時的な費用で赤字になっているが、今年度からは安定した賃料収入があがってきているので、私としては心配しなくても大丈夫ですよと申し上げたい。
(注記)ライブレントの所有する不動産は40億近い価値があるそうなので、これを一部時価評価すればネクストジャパンの債務超過も解消できそうですが、不動産や会社の価値というものは色んな評価基準があるので、本当の価値は外部からは分かりにくいですね。今後は安定的な利益が出るという言葉を信じるしかないようです。藤澤信義氏からすると、収益性の高い不動産物件をライブレントに注入してあげたのに、なかなか理解してもらえないんだな〜という想いなのかもしれませんね。
(6-5)色んな質問があったが、私が知りたいのはネクストジャパンが今後どのような事業に投資していくのか?どんな事業に注力していくのか?というビジョンをお聞きしたい。
→一番大きいのはアドアーズとのシナジー効果を追求すること。アドアーズは10億円くらい景品を仕入れているが、独立系のアミューズメント企業としてはラウンドワンに次ぐ規模の会社であり、規模を活かしてアドアーズと一緒にアミューズメントの流行を作っていきたい。
もう一つは不動産事業であり、ライブレントは中野では一番大きい不動産業者だと思う。先ほどの収益不動産の取得と不動産の売買も行っており、ここも強化していく。
手持ちキャッシュもあり、これをどう活かしていくかも課題。突拍子もないことを始めるつもりはなく、アミューズメントに近い部分でアメーバ的に事業を拡大していきたい。M&Aもあるかもしれないし業務提携かもしれないが、相手先のあることであり確定的なことは言えない。既存の事業は割と安定しており、アミューズメント事業は柱に育っている。不動産事業もそれなりの柱に育っていくと思う。その他の肉づけをどう行っていくか?が、ネクストジャパンの課題と考えている。
以上で質問も出尽くし、質疑応答は終了となりました。藤澤信義会長は丁寧に答えていたと思います。一部回答に不満な部分もありましたし、不透明さがすべて払拭されたわけではありませんが、株主総会出席前と比べると藤澤会長に対する印象は良くなりました。この印象が正しかったのか?は、数年経たないと分からないんですけどね(^_^;)
あとは業績が回復して、増資をしなくても債務超過が解消できるといいですね!
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先日とったUFOキャッチャーの景品がネクストジャパン(ブレイク)製で、この会社のいことをひさしぶりに思い出しました。
株主総会で図書カードですか。株価を考えれば、会社さえ存続してくれていれば2回総会に出席するだけで株価の元をとれる計算になりますね。いや、他のものもすべて入れると1回総会にでるだけで株価分は回収、そう考えると、権利日直前に購入するのもありですね。
確かに今の株価を考えるとその通りなんですが、私はもっと高く買っていますので何度も出席しないと元が取れそうにありません(^_^;)
名古屋から株主総会に出席するための交通費を考えると、気が遠くなります(笑)
これからもよろしくお願いします。
記事面白かったです。
なんと、株式交換で上場廃止!?
そんな記事をみつけてしまいました。
いつ買おうかと狙っていたのですが、うーん残念です。
うちのサイトも久しぶりに総会記事かいたので
よかったらいらしてくださいね。