JXホールディングスは新日石と新日鉱が経営統合して誕生した会社で、原油の開発からガソリンの販売までを手掛けています。JXホールディングスの株主総会に参加するのは初めてです。
2011年6月27日(月)の株価 513円(東証1部 5020)100株単位 3月決算
PER 6.4倍、PBR 0.78倍、配当利回り 3.12%、株主資本比率 26.0%
監査費用 109,400万円(売上比 0.01%、営業利益比 0.33%) 新日本監査法人
株主優待 なし
JXホールディングス(5020)のホームページ
JXホールディングス(5020)のヤフー株価情報

JXホールディングス発足以来の株価を見ると、500円前後での値動きが続いています。最近は世界的な景気減速懸念から株価も底値圏での値動きが続いています。原油価格次第で業績も大きくブレるので、業績を予測しにく銘柄ですね。(下記は売上、経常利益、純利益、EPS)
2012/3計画 10,300,000百万円 380,000百万円 200,000百万円 80.42円
2011/3実績 9,634,396百万円 413,667百万円 311,736百万円 125.35円
スケジュール
10:00〜10:57 報告事項
10:04〜10:40 事業報告 スクリーン+女性ナレーション
10:40〜10:54 高萩光紀社長から対処すべき課題について説明
10:55〜10:57 監査報告 高萩光紀議長
10:58〜11:04 議案説明
第1号議案 剰余金処分の件 期末配当8円、年間で15.5円
第2号議案 取締役16名選任の件 16名全員が任期満了に伴い全員再任
第3号議案 取締役および監査役の報酬等の限度額設定の件 本総会後に失効するため同額で再設定
11:04〜12:27 質疑応答 質問者11人 計21件 83分
12:27〜12:29 議案の採決
12:29〜12:31 役員紹介
お土産 なし
飲み物サービス ロビーでウーロン茶、クッキーのサービス
経営戦略説明会 なし
注目の株主総会格付けですが、飲み物も用意され、質疑応答の時間も十分取られていました。一方でお土産が用意されていないのは残念です。これらを総合的に判断し、JXホールディングス(5020)の株主総会格付けは 『D』 としました。
議決権を有する株主数 154,136名、その議決権数 24,750,196個
議決権返送&出席株主数 51,273名、その議決権数 19,204,155個(77.6%)
JXホールディングスは2010年4月1日に、新日本石油と新日鉱ホールディングスが経営統合してできた会社であり、今回が第1回目の株主総会になります。私が初めて買った株が日鉱金属(新日鉱ホールディングスの源流となる会社)だったので、思い出深いですね。JXホールディングスの株主総会は、最寄駅から遠いことで有名な(笑)ホテルニューオータニで行われました。

会場内には椅子がびっしりと並べられていて、さすが株主数が多い会社は違いますね!多くの株主が出席していました。正面左右にはスクリーンが用意されていました。スクリーンが見にくい中央前方の株主のために、モニター2台が設置されていました。議長席にはプロンプターが設置されていました。役員は22名!もいますが、役員名の表示はありませんでした。
ロビーではウーロン茶とクッキーのサービスがありましたが、クッキーは持ち帰る人もいてすぐに無くなってしまいました。ロビーには会社紹介パンフレットと、JX童話賞の入選作品を集めた「童話の花束」も置いてあり、自由に持ち帰れるようになっていました。
会場内は節電に協力し28℃に設定、停電に備えて携帯ランタンを用意していると案内がありました。
定刻に役員全員が起立して一礼し、株主総会が始まりました。
事業報告は映像で行われましたが、基本的に招集通知の読上げでした。ただ経営統合により事業範囲が非常に広くなったので、読上げるだけでもかなりの時間がかかりました。
続いて対処すべき課題と監査報告が議長から行われました。監査報告を議長が行うのは珍しいですね。
続いて議案の説明があり、質疑応答となりました。
多くの株主からの質問を受けるため、質問は簡潔にというお願いがありました。
回答は担当取締役も交えながら、バランスよく回答していました。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)現地で精錬して地金で輸入すれば輸送コストが大幅に減ると思う。現地精錬の可能性は?
→(岡田昌徳取締役 JX日鉱日石金属社長)銅は8割が乾式精錬で2割が湿式精錬。乾式精錬は月1万トンでないとペイしないが、それだけの規模があるのはチリのエスコンダ鉱山くらいで、他は小さな鉱山が多い。現地での精錬となると湿式精錬になるが、湿式精錬で溶ける鉱山は1/3くらいしかない。
(2-1)仙台製油所の再開スケジュールはいつ頃はっきりするのか?
→(木村康取締役 JX日鉱日石エネルギー社長)出荷は再開しているが、来夏までには生産も再開したい。7月中には来夏に再開可能か判断したい。その後は状況変化に応じて発表していく。
(3-2)海外に目を向けるのも分かるが、日本近辺での資源開発への取り組みは?
→(古関信取締役 JX日鉱日石開発社長)日本海などで具体的に検討を進めており、近いうちにいい報告ができる様努力していく。
(4-3)節電への取り組みは?
→本社では15%節電が目標。照明50%減、エアコン28℃設定で15%削減などで達成の目途は立っている。各工場でも省エネの検討を進めている。
→(木村康取締役)製油所は自家発電設備を持っており、活用する。売電事業では、IPPとして発電し売電している。PPSで小売りもしている。チャンスがあれば電力事業にも取り組んでいく。
→(岡田昌徳取締役)日立地区など電力に余裕のある工場の余剰電力を他工場に回すことで15%節電は達成可能。電力不足の工場では自家発電の建設を進めており、9月には完成する。来夏には貢献。
(5-3)経営統合を記念して、中間期に記念配をしてほしい。
→安定配当を基本方針としている。記念配の要望も理解できるが、震災特損1,260億円の計上、今後も不透明なことを踏まえ、今期は15.5円配の予定。業績を向上させ、企業価値の向上を通じて株主に報いていきたい。
(6-4)日石20円、日鉱15円と比べて、15.5円の配当は渋いと思う。今期は18円位にして欲しい(拍手)
→業績連動の配当を行っているが、資源価格のボラティリティが大きいので、そのまま配当を増減させるのも問題であり、安定配当も考慮している。成長投資や財務基盤強化の必要もあり、まずは株価を高くしていきたい。先行きは不透明なので、この場で18円にするとは言えなくて申し訳ないが、業績を上げ株価も上げて増配ができるように頑張っていく。ご要望は記憶に留めさせて頂く(笑)
(7-5)尖閣諸島周辺には石油が期待されているが、この周辺での取り組みは?
→(古関信取締役)東シナ海の日中中間線の東側で狭い地域だが先願権を持っている。スタディしているが、他のプロジェクトの方が優先度が高いと判断している。日中間の問題が解決していないこともある。
(8-5)燃料電池に取り組んでいるが、新エネルギー政策には該当しない。何か普及策を考えているか?
→(木村康取締役)再生可能エネルギーの全量買い取りが課題になっているが、燃料電池は買い取りの対象にはなっていない。太陽光発電+燃料電池のダブル発電を提案している。燃料電池のインセンティブ拡大を働きかけているが、燃料電池も重要と考え取り組んでいる。
(9-6)個人情報なので名前は言いたくない。出席票の番号だけで十分ではないか?他社でも認めてもらっている。(議長からできれば名前をお願いしたいとのことで、認められませんでした)
今期の業績はいつごろ発表するのか?
→決算短信で発表している。原油価格は1バレル100$が前提。実質的に3千億円の経常利益目標。不透明な状況だが、何とか達成したい。
(注記)私もいつも思うんですが、出席票の番号と株主名はひも付けされているので、質問時には出席票の番号だけで十分だと思います。次の質問者の発言では、三菱商事?では名前は結構ですと言われたそうです。そういった流れがもっと広がるといいですね。
(10-6)第3号議案で使用人分給与は含まないとなっているが、使用人分給与との線引きは?
→取締役○○部長と兼職している場合の、部長分の給料は役員報酬には該当しない。報酬の決定については外部には依頼していない。支給基準に沿って決めている。社内で報酬委員会を作って社外取締役、代表取締役で報酬額を決めて、取締役会に諮問して決めている。監査役は監査役の協議で決めている。
(11-7)大手商社では、質問時に名前は結構ですと言われた。社外役員は機能しているのか?
→出席率は高いと思う。各分野で豊富な経験を持った方にお願いしており、適切な助言を頂いている。経営の監視も行ってもらっている。取締役会での発言も多い。我々も緊張感を持って取締役会に参加している。
(12-7)財務戦略を教えてほしい。
→成長+財務強化を目指している。ネットDEレシオを1倍以下にするのが財務戦略であり、負債を減らしていく。
→(平井茂雄取締役副社長 財務IR部管掌)中期計画目標はネットDEレシオ1.0以下。有利子負債2.2兆円のうち1兆円が運転資金分で、うち半分はCP(コマーシャルペーパー)で調達している。70%は金融機関、30%はCPなどで直接調達している。2.2兆円は少し多いと思うので減らしていく。
(注記)ネットDEレシオとは、負債資本倍率とも呼ばれ、財務の健全性を見る指標。負債(Debt)が株主資本(Equity)の何倍になるかを表している。1倍を下回ると返済義務のある有利子負債が、返済義務のない株主資本を下回っていることになるので、一般に1倍を下回ると財務基盤が安定していると評価される。
計算式 ネットDEレシオ(倍)=(有利子負債−現預金)÷ 株主資本
(13-7)PBRの数値はタイプミスではないか?(BPSだったかも)
→(杉内清信取締役専務 経理部管掌)少数株主持ち分を除いたものが実質純資産となるため。
(14-8)リチウムより重要になるネオジムなどの回収などレアアース事業への取り組みは?
→(岡田昌徳取締役)自動車用のリチウムイオン電池に正極材が採用されているが、これが数年後にはリサイクルに回ってくる。回収の目途は立っている。回収業者のさんとく?さんが自社工場内で回収工場建設に着手している。
(15-8)負ののれんを除くと利益やEPSはどうなるのか?
→(杉内清信専務)負ののれん発生益2,260億円を引くことによって税引前利益は1,800億円になる。税金はかからないので純利益は現状の3,120億円が850億円になる。EPSは125円が35円になる。
(16-8)無形財産で大きいものは何か?
→新日本石油と新日鉱ホールディングスの統合による規模の大きさ、売上はトヨタに次ぐ2位になる。規模の大きさは設備投資時にもメリットになる。震災対策と並行して成長投資にもリソースを振り向けられる。今後は石油と金属事業の業際を超えたシナジー効果を目指していく。2社の社員が融合して頑張ってくれているのが最大の財産。
(17-8)今期の最新の見通しを社長から聞きたい。配当性向目標は?
→決算短信発表から1ヵ月ほどしか経っておらず、新しい見通しは出ていない。資源価格次第で利益は大きく動くので、配当性向目標はない。
(18-9)リチウムイオン電池関連の事業を2拠点で行っているのはなぜか?
→統合前の2社でそれぞれ手掛けていたため。新日鉱金属ではリチウムイオン電池の正極材を手掛けている。マイナス極は炭素であり、新日本石油の研究所で研究していた。韓国のカルテックスと合弁で開発していく。今後は両社で情報交換しながら取り組んでいく。
(19-9)研究開発中のもので期待できるものは?
→燃料電池、これは日本企業しかやっていない。石油会社で燃料電池を開発しているのはJXだけ。分散エネルギーがますます重要になるので、競争力あるコストで生産できるように努力していく。
12時18分になり、時間がかなり押しているとの議長発言あり
(20-10)(女性)2万5千株持っていて1千万円以上損をしている。配当を少しもらってもしょうがない。もっと株価を上げて欲しい。JXは値動きも小さくて面白くない。今年は株を止めてロトをやりたい。
→企業価値を上げて株価上昇につなげていきたい。
(注記)株式投資をロトと同列に扱うのはどうかと思いますが(^_^;)値動きが小さくて面白くないそうですが、ボラティリティの大きい株なら1千万円の損では済まないと思います(笑)
株式投資はもう少しまじめに取り組まないと儲けられないと思います。真面目にやれば儲かるわけでもないところが悩ましいですが(笑)
マイナスサムのロトより、先々の円安に備えてFXを始めた方が良いと思います。
FX取引なら便利でお得なマネパでの口座開設をお薦めします\(^o^)/
以上で質疑応答は打ち切りの予定でしたが、強引に質問した人がいました。
(21-11)私も新日鉱HDの大口株主だった。鉱業権を5鉱区持っている。釧路沖の開発はどこか?
→(古関信取締役)機密上どこで開発しているかについて、ここで具体的な場所の回答は差し控える。
(株主)日商岩井が躍起になっているが、私が個人的に持っている鉱区なので(JXに譲ってもよい?)
→それぞれの中核会社が責任を持って事業に取り組んでいるので、関連する部署に言って欲しい。
以上で質疑応答は終了となりました。
最後に強引に質問した人は、自分の持っている鉱区をJXに売り付けたかったようです(^_^;)
色んな目的で株主総会に参加する人がいるんですね!
質問も多くて株主総会レポートをまとめるのが大変でした。
ブログランキングに参加しています


トップ3を目指しています!クリック応援よろしくお願いします

【株主総会の最新記事】
- 昭和ホールディングス2017年株主総会レ..
- あみやき亭2015年株主総会レポート
- ダイオーズ2013年株主総会レポート
- 三井物産2013年株主総会レポート
- バンダイナムコホールディングス2013年..
- 日本航空2013年株主総会レポート1
- ディーブイエックス2013年株主総会レポ..
- アミューズ2013年株主総会レポート
- そーせいグループ2013年株主総会レポー..
- ディーエヌエーDeNA2013年株主総会..
- テクマトリックス2013年株主総会レポー..
- ココスジャパン2013年株主総会レポート..
- スパークス・グループ2013年株主総会レ..
- シンプレクスホールディングス2013年株..
- アトム2013年株主総会レポート
- あみやき亭2013年株主総会レポート
- 松竹2013年株主総会レポート2
- 松竹2013年株主総会レポート1
- クリエイト・レストランツ2013年株主総..
- GMOインターネット2013年株主総会レ..