いま問題になっている買収先3社は下記の通りです。3社とも2008年4月25日に買収を完了していますが、1年も経たない2009年3月31日に大幅な減損処理を行っています。
株式会社アルティス 買収価格 288億円 減損額 196億円 差引 92億円
油化プラントを核にした資源リサイクルとCO2削減を提案する環境ソリューション事業
会社設立 2005年10月 買収時期 2006年5月22日〜2008年4月25日
NEWS CHEF株式会社 買収価格 214億円 減損額 177億円 差引 37億円
電子レンジ専用調理容器の企画・開発・製造・販売およびライセンス管理など
会社設立 2003年8月 買収時期 2006年5月22日〜2008年4月25日
株式会社ヒューマラボ 買収価格 232億円 減損額 184億円 差引 48億円
健康食品、化粧品の販売、担子菌類による皮膚改良関与成分の研究など
会社設立 2005年6月21日 買収時期 2007年9月10日〜2008年4月25日
これら3社の買収については、問題が指摘されてから慌てて昨日出したリリース以外まったく情報開示がされていませんが、2010年度の業績について日経新聞でも下記の通り報じられています。
2011年10月20日の日経新聞では上記3社の2010年度の業績は、売上高17億円程度、営業赤字は20億円以上と書かれています。
3社の中でも一番高い評価288億円とされた株式会社アルティスの買収価格算定資料がスクープされています。
オリンパス期待の環境関連の急成長企業 株式会社アルティスの株主価値算定報告書が後悔(間違えた)公開されているのは、下記月刊FACTAの阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」です。
深みにはまるオリンパス 阿部重夫発行人ブログ2011年10月20日
アルティスの株主価値算定に使われた事業計画では、アルティスの2010年度は売上高78億円、営業利益は25.6億円、営業利益率は33%となっています。さすが環境関連のベンチャー企業は業績の伸びが違いますね〜
それがリーマンショックの影響で上記の通り、営業黒字どころか大幅な赤字に転落しています。というか創業以来利益を出したことがあるのでしょうか?
情報の元は同じですが、現代ビジネスでもオリンパスの取締役会資料がスクープ公開されています。
これが杜撰経営の核心!ほとんど価値のない会社を700億円で買収したオリンパス「疑惑の取締役会資料」をスクープ公開 火付け役となったジャーナリストが緊急寄稿
上記記事を読めば、株式会社アルティスの株主価値算定報告書自体が買収価格を正当化するために後付で用意されたことが指摘されています。
続々とオリンパスの杜撰さを指摘する資料が流出しているようです。
誰が持ち出したのかは分かりませんが、これだけの内部資料が流出しているということは、オリンパス社内にも内部告発を行うだけの勇気ある社員がいるということなので、少しは自浄作用も期待できるのかもしれませんね。
これだけ資料が揃ってくると、会社側としても先日のリリースだけでお茶を濁すわけにはいかないでしょうね。今回のスクープ記事に対する反論リリースも出てくるのでしょうか?
今後も両者の応酬を見守りたいと思います。
ブログランキングに参加しています


トップ3を目指しています!クリック応援よろしくお願いします

オリンパスの不透明な買収に関連するブログ記事一覧
2011年10月17日 オリンパスの社長解任劇
2011年10月19日 オリンパスの呆れた反論
関連する記事やリリース
オリンパス「無謀M&A」巨額損失の怪 月刊FACTA8月号
オリンパス「疑惑の取締役会資料」をスクープ公開 現代ビジネス
一連の報道に対する当社の見解について オリンパス リリース2011年10月19日
タグ:オリンパスM&A巨額損失
【投資で疑問に感じることの最新記事】