佐鳥電機は電子部品などを扱う商社で、ルネサスエレクトロニクス社製品の取扱いが多くを占めています。自社製品の開発にも力を入れています。佐鳥電機の株主総会に参加するのは初めてです。
2011年8月18日(木)の株価 478円(東証1部 7420)100株単位 5月決算
PER 6.0倍、PBR 0.29倍、配当利回り 5.23%、株主資本比率 39.3%
監査費用 5,800万円(売上比 0.03%、営業利益比 3.54%) あずさ監査法人
株主優待 なし
佐鳥電機(7420)のホームページ
佐鳥電機(7420)のヤフー株価情報

過去10年の株価を見ると、業績の良かった2006年頃には2,500円を超えるところまで上昇しましたが、その後業績が落ち込むとともに株価も下落基調が続き、また元の500円前後まで戻ってしまいました。まあ素直な動きなのかもしれませんね。
2012/5計画 175,000百万円 1,350百万円 79.61円

スケジュール (11時過ぎに退出したのでおおよそのスケジュール)
10:00〜10:22 報告事項
10:05〜10:07 監査報告 渡部裕吉常勤監査役
10:07〜10:14 事業報告 映像+女性ナレーション
10:14〜10:22 対処すべき課題は植田一敏社長が決算資料を抜粋して説明
10:22〜10:24 議案説明
第1号議案 取締役7名選任の件 8名全員が任期満了に伴い5名再任、執行役員2名を新任
第2号議案 監査役1名選任の件 2名が任期満了に伴い1名再任 監査役3名体制
10:24〜11:09 質疑応答 質問者5人 計14件ほど 37分
11:09〜11:10 議案採決

お土産 宮城 七ツ森かりんとう 先渡し
飲み物サービス クリスタルガイザー330ml、ロビーでウーロン茶、水のサービス
経営戦略説明会 対処すべき課題の中で決算説明会資料を使い説明
注目の株主総会格付けですが、場所が浜松町駅から遠いのはマイナスですが、お土産や飲み物も用意され、比較的詳しく佐鳥電機の現状と今後について語っていました。これらを総合的に判断し、佐鳥電機(7420)の株主総会格付けは 『D+』 としました。
議決権を有する株主数 5,176名、その議決権数 169,053個
議決権返送&出席株主数 1,700名、その議決権数 124,367個(73.6%)

佐鳥電機の株主総会は、浜松町駅から徒歩10分ほどの場所にあるメルパルク東京で行われました。真夏の一番暑い時期に10分も歩くのはちょっと苦痛ですね(^_^;)もっと駅近で開催してくれると助かります。その分、受付後に会場の入り口で渡されたよく冷えたクリスタルガイザー330mlのペットボトルサービスはありがたいですね。最初気付かなかったんですが、株主総会会場とは反対側のロビーで、ウーロン茶などのサービスもありました。
佐鳥電機は例年株主総会後に、会社への理解を深めてもらうために事業方針説明会・商品展示会を行っていましたが、今年は被災地の状況や節電対策などの事情から中止となりました。
お土産も例年はクオカードでしたが、今年は被災地支援の一環として宮城県のお菓子になりました。

復興へ宮城!つながろう!日本!というわけで、今年は他の会社でも仙台銘菓萩の月などのお土産も目立ちました。LEDライトなどの防災グッズも多かったですね。
役員の方々もネクタイなしのクールビズスタイルでした。日本の夏は冷房を利かせ過ぎだと思うので、こうした取り組みは今後も継続して欲しいと思います。
会場内には椅子席が(7+7)×15のレイアウトで並べられていました。前方は余裕がありましたが、後方はかなり満席状態でした。100人位が出席していたようです。
正面にはスクリーンが用意され、事業報告などで活用されていました。左右2か所ずつ質問用のマイクが用意されていましたが、中央にも1本必要だと感じました。
田邊安保取締役は海外出張中で欠席していると案内がありました。
事業報告は映像で行われましたが、対処すべき課題については植田一敏社長から、決算説明会のプレゼを使いながら説明がありました。これは分かりやすくて良かったと思います
配当方針についても説明があり、連結の配当性向目標は30%以上と説明がありました。
続いて議案の説明があり、質疑応答となりました。
質問者は議長の指名を受けると近くのマイクまで行って質問する形式ですが、両サイドの壁際にしかマイクがないので、真ん中の列に座っている株主は、前か後ろまで行って壁際まで移動する必要があり、時間の無駄だなと感じました。質問者も少ないので、会場係がマイクを持って行った方が効率的だと思います。あるいは中央にもマイクを設置するかですね。
私は次の株主総会があったので11時頃退席しましたが、11時以降はたいした質問はなくすぐに終わったようです。ですので上記スケジュールおおまかな終了時間です。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています(敬称略)
(1-1)OUT-OUTビジネスは3国間貿易のようなものか?輸出入の上位3か国、使用通貨を教えてほしい。
→3国間貿易というより、台湾製品を中国で販売したり、米国産を中国で販売するなど、海外子会社間の取引のことです。日本を経由せず直接取引するので、輸送コストなどの削減にもつながる。台湾から中国に輸出する取引が多い。日本円は全く介在せず、現地通貨や米ドルでの取引が多い。
(2-1)為替変動への対応策は?
→(折田幸一代表取締役副社長)指摘の通り為替差損が5.5億円発生した。ドル安の影響が大きく、台湾ドルも安くなっているので4億円強は台湾で発生した。台湾子会社は今期から米ドルで財務諸表を作る様にしたので、今後は発生しない。仕入れからすべて米ドルで取引を行う。
(3-1)東日本大震災の影響は?
→(佐鳥浩之代表取締役専務)今期の予想に織り込んでいるが、非常に軽微です。
(4-2)昨年の株主総会では円高の方がメリットがあると言っていたが、株価が下がっているのはなぜか?
→基本的にはドル安の影響が大きい。昨年そう言っていたのなら回答を間違えたのかもしれない。
→(折田幸一副社長)輸入ビジネスは円高がメリットになると回答したが、佐鳥電機全体では円高のデメリットが大きい。株価については言及できないが、今後も注視していく。
(植田社長)海外比率が高いので為替の影響は大きい。OUT-OUTビジネスの比率を高めて、為替の影響を少なくしたい。
(5-2)社外取締役がいないが今後選任する予定は?
→昨年も指摘を頂いた。社外の有益なご意見を頂くのも大事だと思うが、現状では適当な候補がいない。
(6-2)株主が200名ほど増えたが、IR活動が見えない。どんな活動をしているのか?
→株主数は毎年300名位ずつ増えている。IR活動としては決算説明会、株主総会後に事業説明会や商品展示会を行っている。個人向けのIR活動は弱いので、IRフェアなどへの参加も含めて検討していく。
(7-2)自己株式の活用策は?
→(折田幸一副社長)消却やM&Aに使っていきたいが、具体的な活用方法は検討中。
(8-3)営業利益率3%はかなり難しい目標だと思うが、他社は電子機器の利益率がもっと高い。なぜ佐鳥電機は利益率が低いのか?
→前年の営業利益率1%と比較すると高いハードルと考えている。収益性向上施策を着実に進めれば実現可能。電子機器製品の比率向上とジグビーなどの自社製品の販売比率を上げることが重要。アジア中心に、医療機器・ヘルスケア分野に力を入れている。
(9-3)NECエレクトロニクスとルネサステクノロジの統合効果があまり出ていないのはなぜか?
→2010年4月に統合したが、その商流移動による影響はほぼ決着し、大きな顧客は確保した。年間100億円位の増額が期待されている。今期売上が40億減るのは海外メモリービジネスが減るため。ルネサスエレクトロニクスの那珂工場の被災がニュースになっているが、復興は計画よりも早く進んでいる。
(10-3)ジグビーなどの無線製品の展開は?
→(佐鳥浩之専務)民生系でジグビーモジュールの採用が決まった。他にも中国のヘルスケア向けに自社製品を提案中。自社製品と他社製品を含めて提案していく。
(11-4)売掛金が多いが、今後海外比率を上げていくと海外顧客向けの売掛金も増えるが、与信管理は大丈夫か?
→(小原直樹取締役 海外事業統括)新興国ではLC(信用状Letter of Credit)や現金取引をしてきたが、売上拡大により与信も増えてきている。今後は限度額を設定して現地での保険会社の利用を考えている。
(12-4)説明で出てきた海外売上比率60%、自社製品比率45%などの中期目標は期限表示がないが、3年くらいで達成できると考えているのか?
→中期目標の時間軸は3年を目途としている。
(13-5)資産除去債務の特損はアスベストなどの除去費用なのか?
→(折田幸一副社長)特損のうち東日本大震災の影響分は在庫などが1千万円、福島工場の修繕費用1千万円、義援金1千万円の合計3千万円です。資産除去債務の特損はご指摘の通りです。
その後最初に質問した株主が長々と質問を始めたので、佐鳥電機の株主総会を退席しパソナの株主総会に向かいました。最後まで出席していた人の話では、たいした質問ではなかったようです。
なので上記でほとんどの質問は網羅されていると思います。
今年は事業方針説明会がなかったのが残念ですが、パソナの株主総会と重なっていたのでどちらにしろ出席できなかったとも言えます。ぜひ来年はパソナと重ならない日でお願いします(笑)
ブログランキングに参加しています


トップ3を目指しています!クリック応援よろしくお願いします

【株主総会の最新記事】
- 昭和ホールディングス2017年株主総会レ..
- あみやき亭2015年株主総会レポート
- ダイオーズ2013年株主総会レポート
- 三井物産2013年株主総会レポート
- バンダイナムコホールディングス2013年..
- 日本航空2013年株主総会レポート1
- ディーブイエックス2013年株主総会レポ..
- アミューズ2013年株主総会レポート
- そーせいグループ2013年株主総会レポー..
- ディーエヌエーDeNA2013年株主総会..
- テクマトリックス2013年株主総会レポー..
- ココスジャパン2013年株主総会レポート..
- スパークス・グループ2013年株主総会レ..
- シンプレクスホールディングス2013年株..
- アトム2013年株主総会レポート
- あみやき亭2013年株主総会レポート
- 松竹2013年株主総会レポート2
- 松竹2013年株主総会レポート1
- クリエイト・レストランツ2013年株主総..
- GMOインターネット2013年株主総会レ..