2011年10月05日

マネーパートナーズ(8732)2011年株主総会レポート

2011年6月19日(日)10時から、東京都港区六本木の六本木アカデミーヒルズ40階 キャラントAで開催されたマネーパートナーズグループ(8732)第7回定時株主総会に出席しました。
マネーパートナーズグループはFX取引をネットを通じて提供している会社です。マネパは成田空港で外貨両替サービスも開始しています。マネーパートナーズグループの株主総会に参加するのは2009年以降連続して3回目です。2010年の株主総会は → マネパ2010年株主総会レポート
2011年6月17日(金)の株価 15,900円(JASDAX 8732)1株単位 3月決算
PER 19.2倍、PBR 0.51倍、配当利回り 1.26%、株主資本比率 19.7%
監査費用 5,400万円(売上比 0.60%、営業利益比 5.32%) 監査法人トーマツ
株主優待 なし

   マネーパートナーズグループ(8732)のホームページ
   マネーパートナーズグループ(8732)のヤフー株価情報
マネーパートナーズ2011年株主総会
過去2年間の株価推移を見るとずっと下落基調が続いていますが、業績も2009年頃がピークで、その後は大幅な減益が続いています。
2012/3計画 8,000百万円 250百万円  829.3円 四季報2011年秋号予想
マネーパートナーズ2011年株主総会
スケジュール
10:00〜10:18 報告事項
 10:03〜10:04 監査報告 山本壯兵常勤監査役
 10:04〜10:18 事業報告 奥山泰全社長が事業報告を読上げ
10:18〜10:20 議案説明
 第1号議案 剰余金処分の件 期末配当100円 年間550円600円減配
 第2号議案 定款一部変更の件 資金移動業を事業目的に追加
 第3号議案 取締役6名選任の件 8名全員任期満了6名再任 平松義史氏、柳田友一郎氏は退任
 第4号議案 取締役に対する業績連動報酬に関する件 連結経常利益30億円以上で連動報酬支給
10:20〜11:55 質疑応答 質問者8人 計18件 95分
11:55〜11:56 議案採決
11:56〜11:58 役員紹介
マネーパートナーズ2011年株主総会
お土産 もち吉のふくよか餅七分缶、DSソフト マネパのFXトレーニング 後渡し
飲み物サービス 水のセルフサービス 
経営戦略説明会 株主総会後にあったかも

注目の株主総会格付けですが、お土産もあり、質疑応答もしっかりと時間を取り対応していました。株主総会を参加しやすい日曜日に変更したのもプラス要因です。これらを総合的に判断し、マネーパートナーズ(8732)の株主総会格付けは 『B』 としました。
   議決権を有する株主数      6,896名、その議決権数   301,457個
   議決権返送&出席株主数    1,319名、その議決権数   183,797個(61.0%)
マネーパートナーズ2011年株主総会
マネーパートナーズの株主総会は、今年は六本木ヒルズで行われました。年々参加者が増えていますし、今年は日曜日開催なのでさらに参加者の増加が予想され、広い会場に変えたのだと思います。
会場内にはテーブルが扇形に並べられ、後方には予備の椅子席もありました。質問用のマイクも5本設置されていました。役員はネクタイ・スーツ姿の普通の株主総会で、クールビズ総会ではありません。
毎年株主総会後には事業説明会が開催されていて、今後の戦略について奥山社長から説明があり、今期こそは期待できそうだ(笑)と感じるんですが、FX業界を取り巻く環境は厳しくて業績・株価は下がる一方です。もう見たくもない株価まで下がってしまいました(泣)(それでも株主総会の頃には1.6万円前後でしたが、レポートをまとめている10月初めには1.15万円まで下がっており、1万円割れも目前です)
なので今年はちょっとマネパの株主総会に顔を出し、11時から開催のシンプレクスホールディングスの株主総会に参加しようと考えていましたが、質疑応答を聞きだしたら結局最後まで参加してしまいました。その後シンプレクスHDの株主総会に向かったので、事業説明会があったのかは分かりません。
事業報告は奥山泰全社長が招集通知を読上げる形で行われました。
続いて議案の説明が行われ、質疑応答となりました。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)株価が1株当たり純資産BPSの半分しかない。株価が下がり続けるなら社長も退任して会社を解散し、資産を分配してほしい
→経営陣として不甲斐なく感じており心からお詫びしたい。市況産業でありマーケットが動かないと業績が出ない。レバレッジ規制強化の影響もあった。同業他社では赤字転落する会社も多かったなかでマネパは黒字を出せた。BPSを下回っていることについては、自社株買いや持ち株会での購入を続けている。黒字も出しており株主の持分(つまりBPS)は増加している。会社説明会などIRにも取り組んでいる。株価を上げるべく業績の回復に努めていく。会社を解散すると関係者に多大な迷惑をかけることになる。
注記)確かにFXを提供している会社なので、業績は為替相場次第という面も大きいですし、黒字を維持しているのは素晴らしいとは思いますが、過去の株主総会レポートを見て頂ければ分かる様に、毎年同じような回答をしています。徐々に不信感が強まっているのではないでしょうか?
(2-1)役員はこの1年間何をしてきたのか!1人ずつ今期どんな仕事に取り組んだのか説明を!
伊藤博幸会長)対外的な部分を担当している。
福島秀治専務)稼動顧客を預かっている。約半分の顧客から預かり金を頂いており、この比率を上げるべく努力していく。100$から取引できるFXnanoも強化して稼動顧客の比率を上げていく。
佐藤直広常務)コンプライアンス強化を担当している。管理面から企業価値向上に取り組んでいる。成田空港での両替サービス、CFD取引の準備なども進めており、法的な面からサポートしている。
平松義史取締役)コンプライアンスを担当している。役職員の法令順守に当たってきた。2010年12月に財務省の検査があったが、何も指摘事項はなかった。
白水克紀取締役)IT全般を担当している。マネパはネット取引であり、安定運用に努めている。新商品の開発にもシステム部門が深く関わっている。
中西典彦取締役)CFOとして財務面を担当している。マネパの財務状況を正しく伝えることが役割。
山本壯兵常勤監査役)苦しい時こそズルをせず正々堂々と取り組んでほしいと伝えている。
奥山泰全社長)経営陣も24時間体制で頑張っている。BPSを今後も向上させていきたい。
(3-1)休眠口座数はどのくらいあるのか?→60%に近い半分くらいだが開示はしていない。
(4-2)持ち株会の買付日はいつか?
→委託している証券会社に一任している。我々が知ってもインサイダー情報になるので知らない。
(5-2)退職金の引当がないのはなぜか?→役職員に対して退職金制度がないため。
(6-2)配当金額と株数が合わない。→(中西典彦CFO)自己株式分を除くためです。
(7-3)定款を変更し、事業目的として追加する資金移動業とは何か?
→(佐藤直広常務)2010年6月に資金決済法が施行された。送金などの資金決済業務が、100万円以下の小口については一般の会社も登録すれば可能になった。マネパも登録を取り、新たな業務を手掛けるべく検討している。
奥山泰全社長)小口の振込みがマネパでもできるようにしたい。個人顧客向けのサービスを充実させていきたい。より顧客の利便性を高めるための定款変更です。
(8-3)減益が続いているが役員報酬は減額しているのか?
→役員報酬は減額を続けている。給料が下がり続けるのは辛いので、役職員一同業績を向上させたいと思っている。第4号議案の内容も昨年と変えていない。顧客数・稼動口座数も増えており、ボラティリティが高まれば3期前並みの業績も達成できると考えている。
(9-4)ホワイトラベル提供先の楽天が、自社でFX取引システムを開発するようだが影響は?
→ホワイトラベルは売上の大部分を楽天に返している。無くなれば売上は減るが、利益への影響は限定的。ホワイトラベルも含めてBtoBに広く取り組んでおり、大証FX向けもその一環。海外旅行時の外貨両替も含めて、個人の為替取引をマネパに取り込んでいこうと様々な取り組みを行っている。
(10-4)人件費や家賃の削減などは行っているのか?
→会社の継続性を確保するためにも、耐震性・電源供給がしっかりとしたオフィスに入る必要がある。家賃については泉ガーデンタワーに入居してから2回減額交渉しており、不要スペースは転貸もしている。
(11-4)マネパは取締役に対するガバナンスが効いていないのではないか?役員の持ち株数を見ても多くても3千株程度で5千万円ほどでしかない。役員報酬を減額していると言っても平均3千万円ほどあり、絶対額として多い。役員は株主と違って、株価が上がらなくても困らないのではないか?
→持ち株会は上場時からずっと買い続けているので、役職員とも非常に多額の投資をしている。現状の株価で評価すると5千万円かもしれないが、投資額はそれくらいではない。みな身を切る思いであり、株価が上がらないと困る状況で、株主の皆様と同じ思いです。今回日曜日に株主総会を開催したのも、個人株主の方々に多く参加いただくためです。
(12-4)第4号議案について社外取締役や監査役から反対はなかったのか?
→(山本壯兵常勤監査役)役員報酬については3期連続で下げており、今期は取締役も2名減らして少数精鋭で結果を出して行こう!と話し合っており、現状の報酬水準はやむを得ないと考えている。
(13-5)ボラティリティが低い時でも利益が出るような商品の投入も必要ではないか?為替が一定の範囲内に収まれば利益が出るような商品の投入など(為替オプションの品揃えという感じでしょうか?)
ボラティリティが低くても利益を確保することは様々な視点から検討している。成田での両替もその一環。成田エクスプレスを降りると目の前に大手両替会社のトラベレックスがあるが、その隣にマネパが両替店を出している。トラベレックスはドル円で為替手数料3円で、50人ぐらいの行列になっているので両替に時間もかかるが、マネパは手数料20銭と安くネットで予約済みなので本人確認のみで時間もかからない外貨のデリバリーサービスも行っており、信用取引の現引きのような機能を提供しており、顧客の幅を広げていく。成田の両替店は毎月倍増に近い伸びをしている。さらにFXを主軸とした資金移動サービスにも展開していきたい。為替の実需を取り組んでいきたい。
為替が動かなくても利益が出る商品も検討しているが、3月の東日本大震災の際に日経平均先物取引で、動かない方に賭けていた投資家が大きな損失を出した事例もある。本人がマイナスを食らっただけではなくて、払えないために証券会社が数十億円の立替損を計上したケースもある。ひとたびマーケットが動くと会社にも大きなリスクになるので、慎重に検討している。
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(14-5)M&Aで顧客数を拡大していく考えはないのか?
→月間2千名から2,500名ほど新規顧客が増えている。年間では2.5〜3万口座は確保できると考えている。FX会社で20位だと口座数が3万口座程度でだが、マネパは現状16万口座あり毎年20%位増えている。M&Aするとすれば2年分くらい先取りできるような規模感が必要だと考えており、そうでなければ自社努力で顧客を増やしていった方が健全だと思う。ホワイトラベルや金融機関との提携でも為替取引を伸ばしていけるので、M&Aだけが手段だとは考えていない。良い案件があれば検討しないわけではないが、上場FX会社では不本意ながらマネパが一番PBRが高い状況であり、他社はもっと株価が低迷している。レバレッジ規制強化でFX会社は無くなってしまうと思われている。そうではない!外国為替取引は世の中のインフラになるんだ!海外旅行時の両替はFX会社を使うのが常識!となるよう業界の中でプレゼンスを作り、社会からインフラとして認めてもらえるようにしていきたい。一般の方からマネパが無くなると困るよ、と言われるような会社にしていきたい
注記)毎年株主総会に参加して奥山泰全社長の話を聞くと、マネパを応援したくなりもう1年様子を見てみるかと感じるんですが、3年続けて裏目に出ています(笑)

(15-6)どのような環境になれば30億円の経常利益を出せると考えているのか?ボラティリティが低下し、スプレッドも縮まっている中で本当に30億円など出せるのか?
→サブプライム以降空前の低ボラティリティというのが昨年度の状況。ピンポイントでマーケットが動く場面はあったが、総じてドル円は低ボラが続いた。マネパの取引の50%はドル円が占めているので、ドル円が動かないと利益が出にくい。過去のデータからはドル円は平均1日に1円ほど動いているが、40億の経常利益を上げた年はそれ以上にドル円が動いた。昨年は平均で70銭しかなく酷い日は15銭だった。平均以上のボラになれば取引量も現状の1.5〜2倍になる。ただ低ボラでも利益が出せるようにコストの切り詰めなども行ってきた。現状では月間コストが6.5億なので、売上がここを超えると利益になる。
(16-7)マネパの特徴は株券を代用有価証券として使えることだが、株式を預ける顧客数などは増えているのか?また今後証券サービスの充実に取り組んでいくとあるが、どのようなことを考えているのか?
→(福島秀治専務)代用有価証券サービスは大変好評です。このサービスは数社しか取り扱っていないが、マネパの特徴は現金がなくても代用有価証券だけでFX取引ができることです。
代用有価証券サービスを利用してFX取引を行っている顧客は、平均的に1.5倍くらいの量の取引を行っており、富裕層が多いのではないかと考えている。マネパにとっても重要な顧客になる。代用有価証券サービスを利用してFX取引を行っている顧客数は、4月が200名弱、5月が250名弱、6月15日現在で200名ほどと伸びている。代用有価証券サービスをFX取引を行うツールの一つとして強化していきたい。
→(奥山泰全社長)有価証券による預り資産額は7.77億円となり1年で倍以上になった。顧客からの預り金300億円のうちの2〜3%を、16万口座のなかのわずか数百人の顧客で占めている。顧客ごとの過去のトレードを分析して、損切りが遅いとかもっと長く持ちましょうなどのトレードレポートを提供したり、外貨両替サービスなど、価格競争だけではなくてマネパしかできないような差別化サービスを提供し訴求していきたい。資金移動サービスについても詳細をこの場で説明できなくて残念だが、素晴らしいサービスを提供してくれたと言ってもらえるようなものにしていきたい。3年越しで準備しているので期待してほしい。成田の両替店についても4年越しで検討を進めてきた結果であり、それほどFX会社が成田に両替店を出すのは難しい。他社が成田に出したいと思っても簡単ではない。他社にはないサービスを充実させつつ、本業でもしっかりと利益が出る体制にしていきたい。
注記)マネパの株もずっと預けてあるんですが、レポートを作ってもらったら
損切りが遅すぎます!!! 3年前に損切り!今すぐ損切り!と表示されそう(泣)
(17-8)成田の両替は計画以上なのか?トラベレックスからの顧客獲得は?関西・名古屋への展開は?
→(佐藤直広常務)詳細は開示していないので答えにくいが、当初計画よりは順調で月数十件かと思っていたが1桁上の実績で推移。トラベレックスの窓口に並んでいる客からは、マネパの窓口ではすぐに外貨を受け取っているので、どんなサービスなのかという問い合わせが多い。すぐにパンフレットなども用意してPRに努めている。ただ、両替サービスがすぐに利益に結び付くわけではないので、コストをかけずに口コミなどを利用してじわじわと広げていきたい。関西や名古屋、羽田も国際空港になったので対象になり、全国に広げていきたいとは思っているが、成田でも4年越しで実現しておりすぐには難しい。
→(奥山泰全社長)成田での両替サービスを利用できるのはマネパで外貨取引を行っている顧客だけなので、顧客の囲い込みになる。もう1つは紙幣で受け取れるのはマネパだけなので、FXがコストの安い両替にも使えるのか!ということで新たな顧客層が広がる。両替では利益にならないので、こういった顧客がどのくらいFX取引を行ってくれるかが重要になる。この推移を見ながら今後の展開を検討していきたい。他の空港にも広げていきたいし、今は米ドルとユーロしか扱っていないので、ポンドや豪ドル、香港ドルなどアジア圏の通貨も扱っていきたい。
(18-8)ユーロの方がボラがあるならユーロ祭などのイベントを開催してユーロの取引に誘導しては?
→スプレッドを縮めて誘導すると元のスプレッドに戻しにくいので、取引量を増やしても収益が伴わないことになりかねない。スプレッドに頼らずイベント的なものでユーロの取引も増やしていきたい。ドル円に頼りすぎるのも問題だと思っているので、他の通貨の取引も増えるように検討する。

以上で質疑応答は終了となりました。時間もしっかりと取って、担当取締役も含めて丁寧に回答していたと思います。やり取りを聞いているともう1年我慢しようかな〜と思ってしまうんですよね(^_^;)この調子で下がっていくと、来年の株主総会時には5千円くらいになりそうなんですが(笑)
やはりすぐに損切ったほうがいいですか?奥山社長
損切ったら来年の株主総会には参加できませんよね〜(笑)
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ひらめき
posted by Zaimax at 23:53 | Comment(4) | TrackBack(0) | 株主総会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
成田での外貨受け取りは低コストで旅行へ行く時に重宝したんですよね。
昔のペンギンCMじゃなくて、こういうコストパフォーマンスの良いサービスのCMをやればよいのにな〜。と思ったりしました。
業績も株価も回復してほしいものです。
Posted by 両替は良かったです at 2011年10月06日 05:31
本ブログのコンセプト、素晴しいと思います。引き続きよろしくお願いします
Posted by とうくn at 2011年10月08日 13:34
両替は良かったですさん、コメントありがとうございます。
外貨キャッシュを手数料わずか20銭で受け取れるというのは、本当に素晴らしいサービスですよね!
海外旅行に行く人はたくさんいるので、マネパが外貨両替のインフラになれば面白いと思うんですが。そんなことを期待している間に株価は下がってしまいました(^_^;)
CMも含めて、マネパの便利さをもっと訴求していく必要があると思いますね!
これからもよろしくお願いします。
Posted by Zaimax at 2011年10月08日 22:33
とうくんさん、お褒めのコメントを頂きありがとうございます!
株主総会には参加できない人もたくさんいますので、これからも参加した株主総会の様子をレポートしていきたいと思っています。
今後ともよろしくお願いしますね!
Posted by Zaimax at 2011年10月08日 22:36
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