2011年10月03日

ディー・エヌ・エーDeNA(2432)2011年株主総会レポート2

2011年6月25日(土)10時から、東京都港区白銀のシェラトン都ホテル東京地下2階「醍醐」で開催されたディー・エヌ・エーDeNA(2432)第13回定時株主総会に出席しました。
次項有 ディー・エヌ・エーDeNA(2432)2011年株主総会レポート1 に続いて、後半の質疑応答の様子をまとめていきます。

質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(4-4)大型のM&Aでのれんが増えているが大丈夫か?
のれんのうち251億円が米国のngmocoのM&Aに伴うもので、12年で償却する。
→(春田真 常務取締役EC事業本部長兼CFO)買収価格とその会社の持っている純資産との差額をのれんとして計上している。ngmocoとゲームビュー買収に伴うのれんは12年で償却する。前期は売上も爆発的に伸びており、この経験をngmocoに注入していけば来期以降大きく伸ばせると考えている。買収した会社に一定の利益が出ないと、のれんの一括償却が必要になるケースもあるが、そうならないようにがんばっていく。
南場智子社長)人材の確保などの面からグローバル展開に必要不可欠なM&Aだと思うので、のれんを大きく上回る利益を上げていきたい
(5-5)公正取引委員会はこんな些細なことでなぜ調査に入るのかと思う。ライバルと闘っているんだからこのくらい当たり前だと思う。フェイスブックなどもっとエゲツナイことをやっていると思うが、今回の指摘をどう考えているのか?
→ディー・エヌ・エーとしては法令に違反している事実はないと意見表明しているが、違反があったと決められたので、今後そのようなことがないようにしていく。疑義を持たれただけでも株主やゲーム開発会社に迷惑をかけたので、2010年12月からランキング方法などを見直している。カテゴリのリンクに載せていなかったのが疑義の元になったので改善した。社内でも何度も独占禁止法の勉強会を開き徹底している。措置命令が出たので公正取引委員会の指示に従いながら改善していく。
今回の件があって、DeNAは一流企業に近づいたと言われるように前向きに捉えて社員一同努力していく。今回の社長辞任と時期が重なったが、辞任とはまったく関係ない。
(6-5)南場社長から守安取締役に社長が変わるが、所信表明をお願いしたい。
→(守安功 取締役ソーシャルメディア事業本部長兼COO)シナリオでは株主総会後にあいさつの場があったんですが(笑)
社員が10人弱の創業当時から10年以上ディー・エヌ・エーで頑張ってきた。DeNAの企業風土が大好き。役職に関わらずのびのびと議論しながら、既成概念にとらわれず新しいことにチャレンジする文化が根付いている。これを今後グローバルに浸透させていく。私が新規事業のモバゲーを立ち上げてきたので、今後の会社運営には心配していない。ソーシャルゲームは大きく伸びるので、世界一を目指して頑張っていく。
ではDeNAはソーシャルゲームの会社になるのか?と言われるが、今までもそうだったように新しいドメイン(事業領域)があれば積極的に参入して、世界一のインターネットカンパニーにしていきたい。
(7-6)南場社長はインタビューで、退任時期が1年ほど早まった。平取締役になり海外展開に力を入れていくと答えていたが事実か?
→事実です。ベンチャー企業では創業者と経営者が同じことが多いが、DeNAを世界一にしていきたいので、誰が創ったか?ではなくて誰が適任か?を考えて、次の経営者を選ぶのが最大の仕事だと考えている。社長交代は前々から来年と考えていたが、若手が成長してきたので前倒しができた。経営という仕事はとてもエキサイティングで、次々とやることが出てくるものであり、経営者がずっと社長を続ける気持ちも分かるので、どこかでタイミングを決めないとなかなかやめられないと思う。そのため来年辞めると前々から決めて準備していた。家庭の事情で若干退任時期が早まったが、若手が成長しており問題ない。スマホゲームを拡大する時期に突然の退任となりご心配をおかけしたが、ご了承いただきたい。
注記)突然の社長退任には驚きましたが、この思い切りの良さは南場智子社長らしいなという感じもします。と言っても知り合いでもないですし、南場社長のことをよく知っているわけでもありませんが(笑)
社長退任記者会見の様子や、社長交代の背景などについては、日経の記事にまとめられています。
次項有 「夫の病気にも圧勝する」DeNA南場社長、退任への思い「会社は公器」を貫いた決断
DeNAという会社は、創業者個人の人生の浮き沈みや能力とは別に、社会の公器として隆々と成長すべきだという考えから、前々から2012年の株主総会で守安功氏に社長をバトンタッチする計画で、その準備を着々と進めていたようです。それが1年早まったのは誤算ですが、守安取締役に任せていたモバゲーも急成長しており、特に問題はないという考えの様です。

(8-7)(女性)今でも世界中で災害などの可能性があるが、対策は?
→(川崎修平 取締役最高技術責任者CTO)関東圏内のデータセンターでサービスを運営しているが、停電しても48時間は自家発電で対応可能。東日本大震災後、関東圏外のデータセンターも整備したので問題ない。
(9-8)配当性向15%は低いと思う。3割配当しても7割は残る。少しケチではないか?
→企業価値を上げることでいい投資だったなと思われるように頑張りたい。新しい経営陣には働きすぎないようにしてもらう?(若干記憶が不鮮明です)
(10-9)スマホのクロスデバイス戦略の中で、アイフォーン対応が遅れている。
→(守安功 次期社長)ngmocoを買収してngコアというゲームエンジンを採用しており、JAVAベースで1回コーディングすればアンドロイドでもi−OSでも動く。ふつうはゲームの更新には時間がかかるが、ソーシャルゲームではユーザーの動向を見ながらゲームバランスなどを調整していくことが重要になる。ngコアは、更新を行えばユーザー側もすぐに更新できるというライブアップデートが特徴だが、iストアは規約上ライブアップデートができず、一度パッケージ化してからユーザーに提供しなければならず、制約がある。ある程度更新をまとめてパッケージ化する必要がある。i−OSに対応したngコアの改善も行っており、今後はアイフォーン向けも改善してくる。
(11-10)モバゲーにあいさつ機能があるが、フィーバー中と表示されることがある。あいさつ機能の評価が厳しい。
→(守安功 次期社長)アバターのあいさつモーションがいくつかある。継続して使ってもらうためには、新たな改修が必要になる。(改修中にフィーバー中と表示されるようです)
(12-10)モバゴールドを株主優待にして欲しい。
→モバポイントについても同様の意見を頂くが、少し難しい面もあり今後も検討していく。
(13-10)アイフォーン上でPC版の怪盗ロワイヤルを動かせないか?
→(川崎修平CTO)怪盗ロワイヤル-zero-(パソコン版の怪盗ロワイヤル)はフラッシュが必要だが、アイフォーンはフラッシュの利用ができないので、現状は動かせない。アンドロイドでは動かせる。
注記)10人目の株主はコアな質問連発で、私には意味が分かりませんでした。回答など間違いがあるかもしれません(^_^;)
(14-11)私は経営者を見て投資しているので、南場智子社長が代わるのは残念だ。守安さんではちょっと心配(笑)
→守安功取締役はモバゲーにもっとも精通している人物であり、12年事業を共にしてきたが卓越したビジネスセンスと決断力があり、こんな素晴らしい人物がいたんだと感じている。まだ若くてやんちゃな部分もあるが、日本からビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)やマーク・ザッカーバーグ(フェイスブック創業者)のような大経営者が出るとしたら、守安だと思っている
(15-11)ゲームのし過ぎで若者の引きこもりが問題になっているが、何か考えはあるのか?
→ゲームの利用と精神疾患との因果関係は証明されていない。関係ないという意見もある。ネットで人とつながることで、ホッとしたり励まされたりする部分もあるので、自信を持って事業を推進していく。引きこもりやゲームでお金を使い過ぎるなどの問題もあるので、業界トップとして率先して対応もしている。警察庁から、モバゲーは事故が減っている、他社のサービスと比べても事故が少なく、また件数も急激に減っていると評価頂いている。
注記)確かにネット上で他人とつながることで励まされることもありますが、ブログをやっていて感じるのは、顔が見えないコミュニケーションは過激になりやすいということです。面と向かっては絶対に言わないよな〜と思うようなコメントを書き込まれたり、一方的に非難されることもあります。ヤフー掲示板を見ても分かる様に、文字しか伝える手段がないわけですから、対面のコミュニケーションよりも慎重に言葉を選ぶ必要があると思いますが、どうせ匿名なんだからという心無い人もたくさんいるようです。
(16-12)アバター関連の売上が減少している要因は?
→(守安功 次期社長)アバター関連の売上には2つあり、ユーザーが直接購入するものと、ポケットアフィリエイトのサイトにモバゲーを通じて登録すると成果報酬も入ってくる。この部分が減った。

(17-12)公正取引委員会からの是正措置の影響は?
→課徴金などの納付命令はないので、業績に対する大きな影響はない。業務内容や規程の見直しが必要になるので、この部分の工数アップはある。
(18-12)若い役員が多いがリーガルリスクは大丈夫か?
→(春田真 常務取締役)コンプライアンス体制は比較的高いと思っていたので(公正取引委員会からの排除措置命令は)反省している。今回上程している議案で、監査役にも弁護士の方に入ってもらうし、海外展開を進めていくので海外に精通した人物も取締役に入ってもらう。今後も肝に銘じてやっていきたい。
注記)第4号議案で、社外監査役として2名の弁護士を選任しましたが、賛否は大きく分かれています。外国人株主は賛否をドラスティックに判断してくるようです。
 飯田善 監査役 賛成割合 77.89% 反対票 214,121個
 藤川久昭監査役 賛成割合 97.59% 反対票     289個

年齢も同じで2人とも弁護士なのに、なぜここまで賛成割合に差がつくのかよく分かりませんね。飯田氏は三井住友銀行出身、藤川氏は青山学院大学法学部教授という経歴に違いはありますが、飯田氏の何が問題になったのでしょうか?
ちなみに、取締役6名の賛成割合は下記の通りです。
南場智子 92.17%、春田真 94.73%、守安功新社長 90.78%、川崎修平 94.86%
Neil Young(新任) 91.45%、小林賢治(新任) 91.45%

意外と南場氏の賛成割合が低いですね。でもそれ以上に低いのがやんちゃな(笑)新社長です。心配している株主が多いということなんでしょうか?一方CTOやCFOの評価は高いようです。これだけばらつきがあるのは珍しいので、興味深いですね。ふつうは官公庁などからの天下りの役員候補でもない限り、取締役間でそれほど差は出ません。
(19-13)株主と経営陣の一体感があってとてもいい株主総会だと思う。千趣会への子会社売却について説明して欲しい。
→(春田真 常務取締役)モバコレという千趣会との合弁会社を育ててきて、やっと黒字化したのに売却するのは残念だが、モバコレは若い人にファッション商材を売る物販会社です。取扱い商材も増えてきてさらに積極投資をするタイミングだが、より多くのリソースを投入する必要があり、現時点ではソーシャルゲームにリソースを投入すべきと判断した。選択と集中の文脈のなかでの判断。物販の経験は今後の事業に活かせると考えている。
以上で質疑応答は終了となりました。次期社長や担当取締役からも回答があり、バランスの良い質疑応答だったと思います。
来年は新社長が議長となるので、株主総会がどう変わるのかも注目です。
最後に社長を退任する南場智子氏から挨拶がありました。

ディー・エヌ・エー創業当時は赤字が続き、何とか黒字化したいとがんばり5年目で黒字化できた。次は何か日本一のサービスを作りたいと思い、モバゲーなどのサービスを生み出した。
次は1千億円の売上を目標にしてきたが、当期達成した。
次は世界の頂点に登りつめたい、今まで成し遂げた会社がないということで4月1日から意欲的に取り組んできたが、家庭の急変により100%社長業に集中できなくなり退任することになった。ただ、次世代への引き継ぎは前々から準備を進めてきたし、若いフレッシュな強いメンバーに託すので、ぜひ応援してほしい。
上場後初の株主総会は緊張して、前日の夜は一睡もできなかった。人前で話すのは慣れていたはずなのに緊張した。しかし多くの株主から応援されているな〜と感じる場でもあった。これからもぜひDeNAを応援してほしい。
守安功新社長のあいさつ
南場社長退任で心配している株主も多いと思うが、株主総会では温かい声もいただいた。社長業に100%以上の力を投入してDeNAをさらに発展させていきたいので、よろしくお願いします。
新任取締役でngmoco CEOのニール・ヤングNeil Young氏のあいさつ
信じられないくらいにエキサイトしている。日本でDeNAが作ったビジネスを海外でも普及させていく仕事を楽しみにしている。

以上で温かい雰囲気に包まれた株主総会は終了となりました。
しかし株主は株価次第で豹変するので注意が必要です(笑)株価が上場来高値を更新している時期に開催された株主総会では温かい声が多かったですが、8月に天井を打って急落している現時点(2011年10月初めです)で株主総会を開いたとしたら、かなり厳しい声が浴びせられていると思います。新社長に代わってから株価は下がる一方じゃないか!とか、グリーと比べて株価が下がるとは何事か!みたいな厳しい意見が続出で、とげとげしい株主総会になっていそうです。
たぶん守安新社長としては、来年の6月までにはなんとか株価が上がって欲しいと考えているでしょうね。個人株主からの評価は、何をやったか?より株価だけで判断されることが多いので、あまり株主を気にし過ぎるのも事業戦略を誤る可能性があります。
現在DeNAは横浜ベイスターズを買収するのかという問題で騒がれていますが、これも株価が上がれば株主からは評価され、株価が下がればなにお荷物を引き受けているんだ!と怒られます(笑)あまり気にしないことです。
 ブログランキングに参加しています 次項有 にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へ
 トップ3を目指しています!クリック応援よろしくお願いします
ひらめき
グリー2011年株主総会
 赤がDeNA、青がグリー、緑がミクシィ、黒が日経平均


posted by Zaimax at 23:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 株主総会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック