
森原社長がゲオの経営に参加するようになったのは2009年6月からですが、7名の取締役のうち森原社長と銀行出身の久保田貴之副社長を除くと、残りの5人は創業当時からの取締役ばかりです。
もともとゲオは、遠藤結城氏が経営していたレンタルショップと、沢田喜代則会長が経営していたレンタルショップ テープ堂が合併して誕生しているので、この2名が創業者と言えますし、経営陣は遠藤派と沢田派に大きく分かれているものと思われます。
その中で外部から来た森原社長の立場は決して強くはないと推測されます。
森原社長は監査法人出身の公認会計士であり、ゲオの経営に参加して社内の状況を把握するにつれて、コンプライアンス意識の低さやガバナンスが効いていないことに危機感を募らせたのではないでしょうか?
今回ちょっと内部の対立が深まっただけで、リークも含めて次々と問題点が出てきたくらいですから、同じような問題はもっとたくさんあるんだろうな〜

森原社長としては、このような企業体質を改める必要があると考えたのでしょうが、社内基盤も強くない自分が先頭に立ってコンプライアンス強化に動けば、脛に傷のある方々をはじめ周りの反発は必至であり、逆に自分自身が退任に追い込まれる可能性すらあると考えたのではないでしょうか?
大橋取締役の社内規定違反とされた自社株売却について、一番よく知っているのは一方の当事者でもある森原社長ですし、ある取締役が関わる不明朗な取引についても少し調べれば、公認会計士なんですから問題があるかどうかはすぐに分かると思います。
そういった材料を揃えたうえで慎重に戦略を練って動き出したのが、今回の内紛劇の真相ではないか?というのが、第3の仮説 森原哲也社長 漁夫の利 作戦説です。
これらの記事はあくまでの私の勝手な推測

社内にある上記の問題を把握したうえで、まずは今回社外取締役候補となっている北島孝久氏など5名の方々に、ゲオの社外取締役となることへの内諾をもらっておきます。
そして定時株主総会の準備もほぼ整った6月中頃に動き始めます。
株主総会前に大きな問題が発生するとやっかいなので、株主総会後を狙って6月中旬頃から動き始めたのだと思います。
まず大橋一太取締役宛に、ある取締役が関わっている不明朗な取引についての情報を流します。もちろん森原社長が表に出ることはないように、内部告発という形で情報を流したんだろうと思います。
大橋取締役はこういった不正に対して、ゲオの取締役の中では一番厳しく対応する人だと思うので(あくまでも個人的な感想です)大橋取締役宛に告発したのではないかと思います。
自社株売却という材料を持っていることもポイントです。
目論見通り大橋氏は取締役会でこの問題を提起し、第三者による調査委員会の設置を求めます。不明朗な取引を指摘された取締役は、大変なことになった

これは事実なんですか?と聞かれれば、ある取締役はきっと否定すると思います。なので、
やましいことがないなら何も心配する必要はないじゃないですか、私もそんなことはないと思うので、調査委員会の設置には反対しますよ

と肩を持つようなそぶりを見せておきます。
そのうえで、じつは大橋氏には社内規定違反の自社株売却の噂があるんですよ!と吹き込みます。
となるとさっきまでは顔面蒼白だった(笑)ある取締役も、
森原ちゃん



腹立たしい告発者を、反対に叩き潰す材料を手に入れて、早速次回の取締役会で辞任勧告を叩き付ける準備に入ります。ちゃんと社内に根回ししておいてくださいよ!ここでこけたらおしまいですよ

そして辞任勧告を上程・可決して一気に反転攻勢に出ます。
森原社長の狙いとしては、両派閥が内紛を起こしてお互いのやましいところを暴露し合う泥沼の展開に持ち込むことが理想なので、最初の段階では調査委員会の設置に反対し、内紛が大きくなるように仕向けたのではないでしょうか。
一方で遠藤派にもテコ入れしないと、創業者の威光で内紛にもならないまま遠藤派の粛清で終わってしまう恐れもあります。
そのため次の一手として準備していた、臨時株主総会を開いて社外取締役を入れることを遠藤派に吹き込みます。もちろん森原社長が関与しているとは分からないように、何層ものクッションをかまして伝えたのだと思います。先々の票読みを考えて、藤田商店なども経由している可能性があります。
捜査や会計のプロを社外取締役に迎えて、強力な調査委員会を作って調べれば、不明朗な取引があればすぐに露見すると思います。
手詰まり感を感じていた遠藤派にとっては願ってもない素晴らしい提案です。社外取締役候補者にはすでに内諾ももらっている、あとは遠藤取締役が臨時株主総会の招集を請求するだけです、と言われて、短期間のうちにゲオに対して臨時株主総会を請求します。
こうなると慌てるのはある取締役側です。
二転三転する激しい展開ですね(笑)
捜査のプロなどの社外取締役を迎えるのには大反対のはずです。
また森原社長のところに相談に行ったのではないでしょうか?
森原社長としては、
臨時株主総会で社外取締役を送り込むとは予想外の展開だが、やましいことがないなら問題ないじゃないですか、社外取締役の選任に表だって反対するのは難しいですよ、逆に怪しまれます

などと答えたのではないでしょうか?
そして、まだ臨時株主総会までには2ヵ月以上あるんですから、これから対策を考えていきましょう
などとなだめて、臨時株主総会の開催を決定します。
こうなればあとは社外取締役の力を利用して、自分は矢面に立つことなく問題のある役職員を一掃することができます。
このままではまずいと考えたある取締役側は、森原社長の思惑通り、ゲオ関係者を通してネガティブキャンペーンを始めます。相手側の問題点をリークしまくり、内紛劇が激化します。
これがいま現在の状況だと思います。
予想外だったのは遠藤派がネガティブキャンペーンで対抗しなかったことでしょうか?
お互いに泥沼の抗争に陥ればともに自滅して、森原社長が漁夫の利を得ることになります。
お互いに自滅しなくてもエース検事と呼ばれたやり手の北島孝久氏たちが乗り込んでくれば、残念ながらゲオ社内の問題点はたくさん出てくるんだろうと思います。
溜まった膿をすべて出し切る時期なのかもしれませんね。
上記の仮説はあくまでも私の推測であり、どこまで主体的に森原社長が関わっているかは分かりません。
ただ現時点で断片的に流れている情報をつなぎ合わせ、できる限り無理のない形でまとめ上げると、このような仮説になるのかなと感じています。
ゲオについて詳しい方々のご意見を伺いたいですね。
最近はゲオの株主総会に参加できていないので、森原哲也社長を自分の目で見たことがありません。なので森原哲也社長がどんな人なのか自分の中にイメージがまったくなくて、推測するのに苦労しました。
真実は関係者にしか分かりませんが、もし今回の内紛劇にこのような背景があるとしたら、最後の最後で大どんでん返しになる可能性も出てきます。
このままでは森原社長に漁夫の利を取られて自分達には何も良いことはない

もしそんなことになったら、ゲオという会社は世間の笑いものになりますし、創業者である故遠藤結城氏に顔向けできないと思います。
遠藤結蔵取締役にはつらい道かもしれませんが、先代の遺志を引き継ぎ、より良いゲオを取り戻すために最後まで戦い抜いてほしいと思います。
誰が悪者で誰が改革者なのか混沌とした部分もありますが、社外取締役による調査委員会が機能しだせば、真実が明らかになると思います。
ぜひ最後まで信念を貫いてほしいですね。
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