シノケングループはサラリーマン層中心に、資産運用商品としてのアパートを販売し、その賃貸物件の管理なども含めてサービス提供している会社です。アパート投資のセミナーも全国で開催しています。
2011年9月9日(金)の株価 20,470円(JASDAX 8909)1株単位 12月決算
PER 1.7倍、PBR 1.82倍、配当利回り 無配、株主資本比率 6.8%
PERは特別利益でかなりかさ上げされており、実質PERは4.8倍くらいです
株主優待 なし
シノケングループ(8909)ホームページ
シノケングループ(8909)ヤフー株価情報

篠原英明社長は何度も株価を上げたいと強調していましたが、確かに株価推移はひどい状況ですね。10万円くらいまで上がったところでとても満足できない株主が多いのではないでしょうか?
まあ株価が低迷しているのはシノケングループだけではないですが。
業績は下記の通り最悪期は脱しつつありますが、純利益は過去の大赤字や子会社の合併などで相当底上げされています。今期は経常利益より純利益の方が多いくらいです。これらの特別利益はキャッシュフローを伴わないので、そのまま資金繰りが改善するわけでもありませんし、PERなどを計算する際には注意が必要です。実態以上に割安に見えてしまう恐れがあります。
2011/12計画 売上 21,000百万円 経常利益 850百万円 純利益 1,050百万円 EPS 12,397.97円

お土産は3色の蛍光ペンでした。
説明は篠原英明社長が行い、質疑応答には霍川順一取締役も加わりました。
シノケングループは会社説明会を定期的に開催しているので、この点は評価できると思います。それだけなんとか株を買ってほしいという想いが切実なんでしょうね

篠原英明社長は、足元の業績は着実に改善していると強調していました。確かに5月11日の第1四半期決算発表時に2Qの上方修正を行っていますし、8月9日には連結子会社間の吸収合併により、税効果会計に係る繰延税金資産を7億円計上して上方修正を行っています。
シノケングループの会社説明会に参加するのは2回目ですが、前回に続いて今回も今後の業績は期待できると強気の発言が目立ちました。
不動産投資に詳しい人の話によると、不動産会社の社長が強気の発言をするのは当たり前のことで、今後期待できるという話をしないと銀行もお金を貸してくれないし、投資家の資金も集まらないので、年中強気発言をしているそうです

今後の成長戦略としては、フロービジネスについては土地を持たないサラリーマン層向けのアパート建築・販売だけではなくて、土地を持っているオーナー向けにアパートなどの不動産投資を提案したり、銀行ではなく投資家の資金を集めてマンション建築を行うなど幅を広げていく。ただ投資家から集める資金は銀行借入よりコストが高いので、増やしても半々くらいまでと考えている。5〜10億円規模のマンションを想定している。
海外事業にも力を入れており、中国人富裕層向けに日本のアパートやマンションなどの不動産を販売していく。中国国内では不動産投資に規制が強まっていて投資しにくいうえに、日本と比べると不動産投資利回りも低下している。日本の不動産は中国国内での不動産投資より魅力があるので、上海で不動産投資セミナーを開催したり、中国人向けのホームページなどを作って販売していく。
これらの取り組みにより業績を改善させて、財務体質の強化を図っていく。早期に自己資本比率20%を目指したい。今期も黒字化を達成することで2期連続黒字となるので、なんとしても黒字化させて調達先金融機関の多様化を図りたい。現状も取引先金融機関との関係は良好です。
業績の改善により、株主還元策の実施も前向きに検討していく。現状の株価は個人的には安いと思っているので、株価ももっと上げていきたい。
(注記)この部分の説明を聞いた印象としては、今期の復配もあるのかな〜と期待させましたが、後から出てくる質疑応答の中で霍川順一取締役は、今後2〜3年の間で復配を考えたいというような発言をしていました。さっそく閣内不一致ですが


中期事業計画としては、今後も売上・利益とも順調に拡大していく予定です。
今期計上する7億円の特別利益が来期は無くなるので、純利益については来期は減益となる。しかし子会社のシノケンプロデュースはリーマンショックの際に40億円の損失を抱えたので、合併することで18億円くらいの節税効果が出ると考えている。この効果が来期・再来期と続くので、税負担は軽減される見込みです。その後については節税効果はなくなるが、業績が順調に伸びていくので、税効果がなくなっても大きく減益になることはない。
(注記)ずっと右肩上がりで成長していけるとかなり強気の発言が続きました(笑)いろんな環境変化の可能性があると思いますが、さすが強気ですね

株価については、2010年12月にも名古屋で説明会を行ったが、その時には今後株価も上がるのでぜひ買ってほしいと話したが、その時の株価が1.5万円くらいだった。最近は2.5万円まで上がったので期待に応えられたと思う。8月に上方修正を発表して株価は2.5万円まで上がったが、その後大口の売りが出て2万円割れまで下がり、直近の株価は20,470円になっている。
現在のPERは1.8倍程度であり、他の不動産会社のPER平均7.3倍と比べても大幅に割安です。5万円から10万円くらいを目指して株価を上げていきたい。
(注記)シノケンの1株当たり利益は特別利益で経常利益以上にかさ上げされているので、実質的なPERは4.8倍くらいです。この点に注意が必要です。
株主の状況としては、リーマンショック後に第三者割当増資で資金を調達した影響が残り、大口株主の保有株処分を進めてきた。市場外のブロックトレードなどを使って処分を進めてきたが、ブロックトレードが使えない株主保有分について、8月の上方修正発表後に市場で4千株くらい売ってもらった。そのため上方修正発表後に株価が下がってしまった。当初想定していた以上に売ってきたので、株価も想定以上に下がってしまった。ただこれで大口の売りもなくなったので、今後株価は上がると思う。
(注記)上方修正発表後に大口株主に売ってもらったそうですが、これはインサイダー取引に抵触するのではないでしょうか?大口株主との間でどのようなやり取りがあったのかは分かりませんが、上方修正を匂わせてそこでの売却を勧めたとするとかなりグレーゾーンのような気がします。上方修正後に売却してくださいなどと言ったら完全にインサイダー取引を勧めたことになるので、そんなやり取りはないと思いますが、上方修正翌日だけ株価急騰・出来高も激増、それも寄り天でその後は下落というのはなんとも釈然としない値動きですね。
上方修正を発表したのでここで売らないと売り時を逃しますよ!というアドバイスならシロかもしれませんが、上方修正を好感して当日買った一般の株主からすると、なんともやり切れませんね

あまりにも社長が株価を上げることだけに熱心になるのも問題がありそうです。

確かに大口の売りは一巡したのかもしれませんが、8月10日の寄付き27,200円で買った株主のしこり玉は当分重しになるので、2.7万円を抜けて株価が上昇するにはかなりのエネルギーが必要です。篠原社長が言うほど簡単には5万から10万円の株価は実現できないと思います。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)社員数はどの位なのか?
→160名くらいです。
(2-2)株主としては今回の説明では配当の見通しが分からず納得できない。中期計画の資料では、利益をすべて純資産に加算しているので、配当はゼロということになる。今後3年間は配当しないという考えなのか?
→(霍川順一取締役)中期計画の資料に配当額を織り込むと、投資家をミスリードすることになるので織り込んでいない。今後2〜3年で自己資本比率20%を確保したいと考えているので、そうなれば配当も可能になると思う。
(3-2)純利益をすべて内部留保する現状の計画でも、3年後の自己資本比率は21%なので、自己資本比率が20%になれば配当も可能という説明だと、当面配当できないのではないか?利益が中期計画を上回るような見込みがあるのか?
→(霍川順一取締役)3年後の自己資本比率はあくまでもシミュレーション上の数字であり、20%は達成可能だと考えている。利益の上振れ要因もあると考えている。
以上で時間切れとなり、シノケングループの個人投資家向け会社説明会は終了となりました。
現状の株価は安い


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