付議する議案は遠藤結蔵取締役が提案した内容そのままで決まりましたが、沢田会長側の反撃が続いています。反撃と言っても正々堂々と反論してくるのではなくて、今回も毎日新聞の記者を使ってのリーク記事という不透明な手を使っています。8月29日付の毎日新聞朝刊で、
ゲオ役員、虚偽報告疑い という大きな記事を載せています。
この記事の内容については後ほど触れたいと思いますが、この記事もソースは毎日新聞お得意の複数のゲオ関係者となっており、沢田会長側のリークの可能性が高そうです。
まずはざっとここまでの経緯をまとめてみます。
2011年6月に店舗のコピー機納入を巡って別の役員(沢田会長と思われる)が関わる会社に対して不明朗な支出が判明し、大橋一太取締役が森原社長に報告。調査委員会の設置を求めたところ、2010年11月の大橋一太取締役による自社株売却が突如問題として浮上し、取締役会の議題になって辞任勧告に至る
報道では6月下旬に保有株数が減っていることに関係者が気付いたとなっていますが、あまりにも不自然だと感じたので、この間の経緯については下記の記事の中ほどにまとめています。
この最初のゲオのリリースが不自然だな〜と感じたのが、記事を書くきっかけになりました。

7月14日開催のゲオ取締役会でこの問題を追及 結論出ず
7月21日開催のゲオ取締役会で、大橋一太取締役に辞任勧告 賛成4人、反対3人で可決
たぶん7月14日の取締役会では議論が紛糾したのだと思います。
7月21日にゲオからリリースが出され、翌日からゲオ取締役にインサイダー疑惑という報道が流れだします。社内規定に違反して自社株を売却したという事象が、ゲオ関係者の話では尾ひれが付けられ、なぜかインサイダー疑惑としてセンセーショナルに取り上げられています。
慌てて会社側は翌日に、取締役の辞任勧告は社内規定違反でありインサイダー疑惑とは言っていないというリリースを発表しています。大橋一太取締役の辞任勧告決議は、全会一致ではなく賛成4人、反対3人の僅差で可決されました。この事実は朝日新聞以外ではまったく報じられていません。
私は当初、これら一連の動きの背景には、森原哲也社長が昔からいる役員の排除を画策しているのだろうと勘違いしていましたが、上記の様に沢田喜代則会長が自身周辺の不明朗な取引の隠蔽を図るために、調査を求めた役員の問題をリークし排除に動いているようです。その結果現状ではゲオは沢田会長派と遠藤派の内紛状態の様になっています。
各役員の賛否は下記の通り4人はほぼ確定ですが、吉川氏と清水氏の賛否は分かりません。
吉川氏は反対、清水氏が賛成なんでしょうか?ちょっとどちらが賛成したのか自信がありません。
賛成 沢田喜代則会長(遠藤社長時代から取締役)
賛成 森原哲也社長
賛成 久保田貴之副社長
吉川恭史(遠藤社長時代から取締役)
反対 大橋一太(遠藤社長時代から取締役)
反対 遠藤結蔵
清水松生(遠藤社長時代から取締役)
沢田喜代則会長とすれば、自分に関わる問題を持ち出してきた敵については、何か問題が無いかあら捜しをして、何か見つかれば毎日新聞の記者を呼んでリークする、という動きを行っているように感じます。いつもゲオ関係者の話としてリーク記事を書いているのが毎日新聞です。
一方で両者の主張を併せて掲載していて、中立的に見えるのが朝日新聞です。ゲオの内紛の取り上げ方で、新聞社の報道スタンスが如実に表れているのが面白いですね。
7月28日 遠藤結蔵取締役が臨時株主総会の招集をゲオに請求
ここからまた局面が大きく動き出します。大橋一太取締役を擁護する筆頭株主でもある遠藤結蔵取締役が臨時株主総会の招集を請求し、取締役の任期を1年とすること、社外取締役5名を選任することを求めています。それにしても辞任勧告決議からわずか1週間で社外取締役5名を選任し、臨時株主総会の招集を請求するとはあまりにもスムーズすぎます。沢田会長がなりふり構わず手を打ってくることは織り込み済みで、周到に準備を進めていたのか、あるいは背後に力のある人物がいるのかもしれませんね。
正当な手段で手続きを踏んでの請求なので、会社側も拒むことができなかったようで、臨時株主総会が開催されることになりました。あるいはこの頃から森原哲也社長も沢田会長と少し距離を置き始めたのかもしれませんね。
8月 8日 臨時株主総会の開催を決定
8月19日 遠藤結蔵取締役の提案内容を臨時株主総会に付議することを決定
私の票読みでは、社外取締役選任に反対するのは沢田会長派など一部だと思うので、この株主提案は可決される可能性が非常に高いと思います。そうなると東京地方検察庁特別捜査部副部長を務めた北島孝久氏や、東京地方検察庁検事を務めた大森一志氏などが社外取締役としてゲオにやってきます

沢田喜代則会長派の人たちは非常に危機感を感じていると思います。そのための対抗策が不祥事のリーク連発とは悲しくなりますね。この流れで出てきたのが冒頭で取り上げた、
8月29日付の毎日新聞朝刊 ゲオ役員、虚偽報告疑い という記事です。
こうした全体的な流れで見る必要があると思います。
流れは大橋取締役のインサイダー疑惑と同じで、今度はもう一人の敵、遠藤結蔵取締役をターゲットにしたリーク記事です。大橋取締役のリークでは片棒を担ぐ形となった森原哲也社長ですが、今回の件では会社側からは正式なリリースはなく、森原哲也社長も少し距離を置いているようです。沢田会長は過去の発言を見ても、コンプライアンスなどにルーズな印象がありますし、沢田会長の動きに同調し過ぎるのは危険だと感じたのかもしれません。実際に不明朗な取引が明らかになれば、調査委員会の設置に反対した森原哲也社長の立場も危うくなります。
7月21日時点では沢田会長派4人、遠藤派3人でしたが、
現状では沢田会長派2人、遠藤派3人、中間派2人(森原哲也社長、久保田貴之副社長)と微妙に変わってきているのかもしれません。
夜も更けて眠くなってきたので、続きはもう少しお待ちくださいね(笑)
私が推測する内紛の背景なども含めて、別途まとめてみます。
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