アウンコンサルティング(2459)は、インターネットの検索連動型広告(P4P)や検索エンジン最適化コンサルティング(SEO)を行っている会社です。日本とアジアでMoreという海外旅行情報・クーポンサイトの運営も行っています。
アウンコンサルティング(2459)の株主総会に参加するのは2010年に続いて2回目です。
2010年の株主総会は

都度加筆修正していく予定ですので、今後ともよろしくお願いします。
2011年8月29日(月)の株価 15,800円(東証マザーズ 2459)1株単位 5月決算
PER 54.3倍、PBR 1.35倍、配当利回り 0.95%、株主資本比率 81.0%
監査費用 2,285万円(売上比 1.09%、営業利益比 赤字) 新日本監査法人
株主優待 なし
アウンコンサルティング(2459)のホームページ
アウンコンサルティング(2459)のヤフー株価情報

上場以来の株価推移は上記の通りで、上場来安値近辺をうろうろしています。上場当時の高収益体制は今では面影もない状況で、赤字決算が続いています。

スケジュール
15:00〜15:28 事業報告
15:03〜15:07 中谷正史常勤監査役から監査報告
15:07〜15:21 事業報告 事務局の女性が事業報告を読上げ
15:21〜15:28 信太明社長が対処すべき課題を読上げ
15:28〜15:30 議案説明
第1号議案 取締役4名選任の件 任期満了に伴い全員再任
第2号議案 監査役1名選任の件 任期満了に伴い全員再任
15:31〜15:49 質疑応答 質問者1人 計4件 18分
15:50〜15:51 議案決議 拍手方式 すべて可決
15:52〜15:54 取締役・監査役・執行役紹介 名前のみで「よろしくお願いします」もなし
お土産 なし
飲み物サービス なし
経営戦略説明会 なし
注目の株主総会格付けですが、今年はお土産も無くなり、暑い時期の株主総会なのに飲み物も用意されていません。事業報告はただ読上げるだけですし、質問への回答も満足いく内容ではありませんでした。これらを総合的に判断し、アウンコンサルティング(2459)の株主総会格付けは昨年より大幅に格下げし 『E』 としました。
議決権を有する株主数 4,431名、その議決権数 72,428個
議決権返送&出席株主数 513名、その議決権数 44,333個(61.2%)
アウンコンサルティングの株主総会は、昨年と同じくホテル東京ガーデンパレスで行われました。昨年までは10時から開催されていましたが、今年は15時からの開催となりました。
今年はネクタイ、上着なしのクールビズ総会も増えていますが、アウンの場合は普通の株主総会でした。
会場内はテーブル付で、(3×4)×10のレイアウトで120分の席が用意されていました。出席者は昨年より若干増えて60人くらいでした。正面向かって右側にスクリーンが設置されていました。
事業報告は事務局の女性が招集通知を読上げる形式で行われ、対処すべき課題は信太明社長が行いました。と言っても招集通知の内容を読上げるだけでした。スクリーンもあるんですから、リクルート出身社長としてのプレゼンを見せてほしかったところですが、読上げというのは残念でした。
議案説明に続き質疑応答となりました。たくさんの株主に質問して欲しいので、1度に質問は3つまでというお願いがありました。
質問には信太明社長中心に回答し、一部担当取締役から回答がありました。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)海外旅行情報サイトをVisit Firstブランドで1年以上展開してきたのに、なぜMoreに変えたのか?ブランド変更により「お得な海外旅行情報」で検索しても24位にしか表示されない。それも出てくるのはVisit Firstのドメインだ。SEOに強いアウンコンサルティングが運営しているサイトとは思えない。
→ブランド名は短い方がいいと考え変更した。他社のサイトも1語が多かった。サイトが大きくなってから変更するよりも、早めにスイッチした方がいいと考えた。ブランド変更が評判が良くて、Moreになってから広告枠の販売も良くなった。海外ホテルの宿泊サイト エクスペディアのアフィリエイトも増えてきた。
検索順位が低い件については、どんな検索ワードを重視しているかという問題もあるが、私が責任を持って10位以内に表示されるよう改善していく。Moreを始めて3ヵ月だが、グーグルのページランクは6に上がっている。サイトのポテンシャルは短期間で高くなっている。
(注記)5年も前から社外取締役の藤原氏とアドバイザー契約を結び、海外展開を進めてきたのに、今頃になって他社のブランドは1語だったことに気付くとは、一体どんな調査をしてきたのでしょうか?本当に有効なアドバイスをもらっているのかという点にも疑問を感じてしまいます。
現在は社外取締役となっているアドバイザーの藤原徹一氏は証券会社出身ですが、なぜ証券会社出身者から海外展開のアドバイスを受けたのか経緯がよく分かりませんね。結果が出ているならまだしも赤字の原因になっているんですから、株主としては納得できませんね。
それにしてもアウンコンサルティングはクライアントのホームページが上位表示されるようにコンサルティングを行っている会社なのに、自社が最も力を入れているHPが上位表示されないとは一体どうなっているんでしょうか令そんな会社にSEO対策をお願いしたいと思うでしょうか?
今回は言いませんでしたが、「海外旅行情報」で検索したらまったく出てこなかったので、やむなくMoreのページを確認して、サブタイトルから検索ワードを追加して「お得な海外旅行情報」にしたんですけどね。そこまで配慮しても24位ですから悲しくなります。
海外展開に力を入れている間に、本業が疎かになってしまったようです。本業はきちんと続けながら海外展開を行うというのが普通だと思うんですが、海外展開に前のめりになりすぎ、結果として本業も悪化して大幅赤字が続いている、というのがアウンコンサルティングの現状です。
(2-1)4月の初めの第3四半期決算発表時には、計画通りに推移しており通期計画に変更はないと説明しながら、結果は第4四半期も赤字が増えて大幅な下方修正となった。4月中旬以降の2ヵ月弱でそんなに環境が激変したのか?
過去3年間、毎年黒字計画を発表しながら大幅な下方修正を繰り返し赤字転落している。今期も黒字計画を発表しているが、本当に実現できると考えているのか?
→(坂田崇典取締役 監理グループ担当)今期は過去の状況を踏まえて慎重に議論して計画を作っている。今回の予算については各執行役員が責任を持って実現していく。
4月の段階では先行きを読み切れなかった。公表している計画を下すべきではないと考え修正しなかった。

(注記)上記の通り、毎年黒字計画を発表して株主を期待させては裏切って赤字転落という繰り返しです。アウンコンサルティングの管理部門には学習効果はないのでしょうか?

特に今期は決算発表毎に赤字幅が拡大しており、通期黒字なんて見込めないことは外部の人間にも明白です。それなのに第3四半期決算発表では計画通りに推移しており通期計画に変更はないなどとよく言えたものだなと感心します。
この言葉が真実だとすると、第4四半期の3ヵ月間には上記計画のように、営業利益で172百万円という大幅な黒字転換を見込んでいたことになりますが、結果は右端の通りやはり赤字で、第3四半期までの赤字額にさらに上積みすることになってしまいました。昨年と同様の赤字ペースで進んでいた第3四半期決算が計画通りというのは大嘘としか思えません。こんな不誠実な情報開示を平然と行い、4月の段階では先行きを読み切れなかったので下方修正は見送ったなどという回答をするとは株主を馬鹿にしているとしか思えません。
もしかすると、4月の段階ではどこまで赤字額が膨らむのか見通せないくらい状況が悪かったのかもしれませんね。それならば3Qまでは計画通りなどという嘘はつかずに、計画を下回っていることを正確に開示すべきだと思います。こんな開示をしているようでは、アウンコンサルティングはガバナンスが効いていないと感じてしまいますね。他にも問題が無ければいいんですが

(3-1)社外取締役の藤原徹一氏から海外事業に対するアドバイザーをしてもらい、現在は役員にもなっているが、その海外事業が計画通りに進まず赤字の要因になっている。アドバイザーとして、また取締役として海外事業の現状をどう見ているのか?見解をお聞きしたい。
→(藤原徹一社外取締役)様々な会社がアジア展開を行っている。欧米の会社は香港やシンガポールをヘッドクォーターにしている。アジアの市場としてのポテンシャルは大きいので、海外拠点を一気に広げた。一方で人材育成がまだ追い付いていない。私はふだんシンガポールにいるが、採用の手応えを感じている。日本人では現地企業や欧米の企業にはなかなか入り込めないので、現地の人材を育成し収益に結び付けていきたい。
→(信太明社長)5週間で全拠点を回っている。設立から3年以上たっているタイについては単月黒字化している。台湾も間もなく単月黒字が見込める。その他の拠点は設立して1年弱なので、もう少し時間がかかる。
私の感覚からすると現地の経済状況は良く、SEO商品中心に売れているので、今期中に収益化するべくがんばっている。来年の株主総会では良い報告ができると思っている。毎年同じことを言っていると言われるかもしれませんが

(4-1)先行きが読めないので下方修正を見送ったということだが、適宜開示なので適切なタイミングで下方修正を発表する必要があると思う。適宜情報開示についてどう考えているのか?
→(坂田崇典取締役 監理グループ担当)(若干ムッとして)きちんと見えてから説明するという考え方で、4月・5月の段階ではまだ行けるんじゃないか?という考えだったので修正しなかった。
(注記)ひぇ〜マジですか


上記は前期と前々期の四半期ごとの業績を並べたものですが、ほとんど季節変動もなくきれいに赤字を積み上げています。それなのにどうして前期の4Qだけは、上記のような大幅黒字が達成できるという考えになるのか私には理解できませんね。
この期に及んでもこのような強弁を平然と行うんですから、株価推移や業績修正履歴を見ても分かる通り、アウンコンサルティングは典型的な投資してはいけない会社ですね

その後も、信太明社長は「他に質問する人はいませんか?他の人も質問してください。なんでもいいですから」と何度も呼びかけていましたが、誰も手を挙げずそのまま終了となりました。
もう少し突っ込んでみようかなとも思いましたが、何度も他の人と強調していたので、遠慮しました。ここにも大物与党総会屋のY氏とM氏からきつく注意された後遺症が残っているのかもしれませんね

今回は質問キングと異名をとる大物の方も欠席でしたし、やはり1人では限界がありますよね〜

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参考にしております。
レポートを読み酷い会社が有ると思い私も調べて見ました。
2008年2月1日にアウンはシリウスと言う会社を買いました。
シリウスはアウンに買われる為に作られたようです。
売上は半期決算で7500万円弱で債務超過の様で資本価値は無く全額暖簾代で9億円で買ってます。
その頃から売上が大幅に減少して来てます。
翌09年5月期で特別損失処理しましたが、売上推移を見ると処理が遅いです。
その次にサンライフも1億円で買い2年後に赤字を拡大させた社長に僅か100万円で売却しています。
サンライフ売却決定は株主総会招集期間中に行うという荒業も披露してくれました。
サンライフの副社長がシニアコミュニケーションの関連会社社長をしていたようですが、シニアコミュニケーション架空売上発覚上場廃止の時期とリンクするのが、偶然の一致なのかどうか?
経営に問題が有る会社と貴殿の株主総会報告を読み感じました。