2011年5月27日(金)の株価 19,370円(名証セントレックス 3366) 1株単位 2月決算
PER 16.7倍、PBR 2.03倍、配当利回り 1.01%、株主資本比率 34.2%
監査費用 2,500万円(売上比 0.04%、営業利益比 0.14%) 監査法人トーマツ
株主優待 なし
一六堂(3366)のホームページ
一六堂(3366)のヤフー株価情報

上場以来の株価推移は下落傾向が続いており、下げ止まったのかなと思えばまた下がると言う感じで、なかなか底が見えない展開が続いています。名証セントレックス市場上場という点もあると思いますが、それにしても株主としては含み損の増える展開でイライラしていると思います。居酒屋業界は東日本大震災以降さらに厳しい環境ですが、一六堂の業績も最近は伸び悩み気味です。

スケジュール
10:00〜10:20 事業報告
10:01〜10:02 東日本大震災について柚原洋一社長からお悔やみの言葉
10:05〜10:09 監査報告 藤木学常勤監査役
10:09〜10:18 営業報告 柚原洋一社長からポイントを絞って読上げ報告
10:19〜10:20 東日本大震災の影響について柚原社長から説明
10:20〜10:26 決議事項の説明
第1号議案 取締役6名選任の件 6名全員改選、全員再任
第2号議案 監査役1名選任の件 1名辞任に伴い1名新任
10:26〜10:44 質疑応答 質問者2人 計9件 18分
10:44〜10:46 議案の採決 拍手方式 すべて可決
10:46〜10:47 新任監査役挨拶 名前だけではなくて抱負なども述べていました
お土産 なし
飲み物サービス なし
事業説明会 なし
注目の株主総会格付けですが、お土産もなし、飲み物もなし、事業報告会もなしというないない尽くしなので、どうしても低評価になってしまいます。もう少し株主とコミュニケーションを図る場として株主総会を位置付けて欲しいものです。最後株主総会会場出口で株主を見送っていたのは良かったと思います。これらを総合的に判断し、一六堂(3366)の株主総会格付けは 『D−』 としました。
議決権を有する株主数 1,446名、その議決権数 85,307個
出席株主数 28名、その議決権数 55,649個
議決権返送 259名、その議決権数 5,443個
議決権返送&出席株主数 287名、その議決権数 61,092個

一六堂の株主総会は、毎年銀座の銀座ラフィナート(旧京橋会館)で行なわれているようです。
今年の株主総会は東日本大震災の影響を受け、地震などが発生して株主総会の継続が困難な状況になった場合は審議より決議を優先させていただく、と言われることが多いですが、その前提として株主総会が行なわれている建物は耐震性が十分あり、地震が発生しても大丈夫という説明があります。
一六堂の株主総会では建物の耐震性についての説明はありませんでした。少し古めの建物なので耐震性に問題がありそうに感じました。会場内は椅子のみで隠れる場所もなかったですし(笑)
どの会社でも同じように決議を優先すると言っているので、信託銀行などがそうアドバイスしているのかもしれませんが、私は「株主総会の決議より株主様の安全を第一に優先させて頂きます!」と言ってくれるような会社に投資したいですね。大体決議なんて取らなくても事前に必要な賛成票は集まっているのがほとんどなので、「前日までの集計で過半数の賛成票が集まっているので、決議事項はすべて成立しています。ですから地震が発生した場合は指示に従い避難してください」という説明でいいと思います。
一六堂については株主総会の情報もまったく無く、どんな感じなのか分かりませんでしたが、飲み物サービスやお土産も無いないない尽くしの株主総会でした。出席しても面白みはほとんどありません。
出席者は28名と発表がありましたが、ほとんどがスーツ姿の男性で、取引先や社員株主などの関係株主のようです。もちろんこういった方々は質問しないので、毎年30分程度であっさりと終わっているようです。たまに質問が出るともう少し長くなることもあるそうです。

会場内には椅子のみが並べられ、(5+5)×10のレイアウトで100人分の席が用意されていました。株主数が1,446名なので15人くらいの出席者数なんだろうな〜と思っていましたが、30人弱もいて少し驚きました。ただスーツ姿の人ばかりだったので、関係株主が顔を出しているだけのようです。スーツ姿の方々は後方に座っていて、前方はガラガラという感じでした。私は標準的な株主総会の出席者数の目安として株主数の1%程度と考えています。
スクリーンなどはなく、会場内中央に質問用のマイクが1本用意されていてそこで質問する形式でした。
営業報告は柚原洋一社長が、事業報告を抜粋して読上げる形式でした。決算説明会も開催しているんですから、その時のプレゼ資料などを使ってもっと分かりやすく説明すればいいのにと感じました。柚原社長は緊張しているのか、少し落ち着きがない感じがしました。
続いて決議事項について説明があり、この時点で10時26分です。例年通りの進行です(笑)
今年は珍しくけっこう質問があったので、50分弱コースとなりました。株主総会終了後には、役員の方々はすぐに退席してしまったので、今年は長くて疲れたのかな〜と思いましたが、会場出口に移動して株主を見送っていました。これはとてもいいことですね。でもやはり早く帰ってもらいたいのか、エレベーターホールの方へどうぞどうぞと言う感じで誘導していました

まあほぼ予想通りの株主総会でしたが、出席者数も少ないんですから椅子のみではなくテーブルも用意して欲しいですし、ペットボトルの飲み物やちょっとしたお土産くらいあってもいいのになと感じますね。わざわざ名古屋から来たのにお土産もなしというのは残念です。
東日本大震災の影響については、幸いなことに人的な被害は無く、軽微な物的被害があった程度です。ただ震災後は客足が激減し、一時は前年に比べて半分程度にまで落ち込んだ。しかし4月初旬頃からはっきりと回復傾向が現れてきて、現在では震災の影響は見られないほどに回復しているそうです。一六堂は今期の業績も公表していませんし、月次の業績開示もありません。何も情報がない状況なので心配していましたが、客足が戻っていると聞いて少し安心しました。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)今期の計画は未定となっているが、現在では震災の影響から回復しているのなら、早急に今期の見通しを発表する必要があるのではないか?外食企業は月次売上げを開示しているのに、なぜ一六堂は開示していないのか
→客足は回復しているものの夏場には計画停電の実施もあるかもしれないので、先行きの見通しが不透明な部分がある。第1四半期決算を発表する7月中旬には今期の計画を発表したい。月次売上げの開示についてはご意見を参考にさせて頂く。
(2-1)柚原社長はホームページでも約束を守ることが大事だと言っているが、最近業績の下方修正が続いている。色々な要因はあるのかもしれないが、業績目標は株主との約束ではないのか?
→最近の新規出店店舗では計画ほどに業績が上がっていない部分もあり、下方修正につながっている。もっと新規出店にあたっては精査していく必要があるし、業績目標の精度も高めていく。
(3-1)不採算店からは早期に撤退して不採算店ゼロというのが一六堂の方針だと思うが、もつ鍋業態の撤退判断が遅れたのはなぜか?
→もつ鍋業態は冬場は利益が出るが夏場は厳しいこともあり、閉鎖や牛たんのお店仙台牛たん 荒への業態転換を行なっている。
(4-1)ここ2〜3年の業績下方修正はもつ鍋業態の不振という理由が多いが、なぜ判断が遅れたのか?
→もつ鍋業態は季節変動は大きいものの、1年を通してみれば赤字ではなく利益は出ているので不採算店ではない。業績が下方修正となったのは、もつ鍋業態の計画に対して未達となったためであり、赤字になっているわけではない。
(5-1)監査法人は大手のトーマツになっていて、2,500万円も払っている。会社の規模と比較しても監査費用が大きすぎる。中堅の監査法人などに変えれば1,500万円くらいになるのではないか?
→トーマツには長くお世話になっている。他の監査法人と見積もり比較などは行なったことは無いが、同業他社と比べて監査費用が高いとは思わない。トーマツが監査していると言うことで株主の方々にも安心してもらえると思っている。
(注記)トーマツが監査しているから安心というのは、何か悪いことをやっていそうな会社の常套句であり、こんなことを言われると逆に一六堂は何かやましいことがあるのか?と心配になってしまいます。監査法人の威光を借りないと株主に信用してもらえないような会社では困ります!
(6-1)監査費用についてもせめて複数見積もりを取って比較するくらいのことはして欲しい。
→貴重なご意見として参考にさせていただく。
(7-1)決算説明資料ではIR活動の強化により株主数が増加したと書いてあるが、具体的にどんな活動を行なっているのか?今年は名証IRエキスポにも出展しないようでIR活動が後退しているのではないか?名証を卒業して東証に上場するので名証のイベントには出展しないのか?
→(森健一 取締役IR担当)前期は証券会社主催の個人投資家向け会社説明会を2回、アナリスト向けの決算説明会を2回行なった。名証IRエキスポへの出展についてはまだどうするか決めていない。
(8-2)食肉で衛生面の問題が大きく報道されているが、一六堂の衛生・品質管理に対する取り組みはどうなっているのか?赤川監査役が辞任するが、衛生面での発言を行なっていたと書いてある。辞任して衛生面での監査は大丈夫なのか?
→(宇佐美 取締役営業本部長)一六堂には生肉を扱っている店はないが、加熱して提供している肉についてもしっかりと管理していく。担当者を集めて衛生管理については徹底させているし、細心の注意を払って営業している。鮮魚や野菜については市場での買参権を持っており、産地や品質などを吟味して仕入れている。
→(藤木学常勤監査役)赤川監査役が衛生面の監査を行なってきたが、私も外食の経験があり赤川監査役とともに店舗を回ったりして衛生面の監査も行なってきた。なので辞任後も衛生面の監査に問題はない。ドイツでは野菜でもO114の問題が出てきており、今後も衛生面の監査にも力を入れていく。
(9-1)東日本大震災の影響で買参権を持っている塩釜も大きな被害を受けたが、店舗での鮮魚の品揃えなどで影響はないのか?また復興のための支援策についてはどんな取り組みをしているのか?
→塩竃には営業所があるが、2階が事務所で1階が作業場になっている。津波では1階の備品が流された程度の被害だった。塩竃の市場はすでに再開しているが、周辺の漁港に水揚げされた魚を運んできて市場を開いている。そのため現状では仕入れを控えている。
店舗への影響については、八吉で扱っている鮮魚の8割は島根の浜田漁港で水揚げされた魚であり、塩竃からはきんき中心に仕入れていた。そのため店舗の品揃えへの影響はそれほどない。現地の復興への支援としては炊き出しなどを行なっているが、現地の漁業組合の方などとも話し合い協力していく。
以上で質疑応答は終了となりました。
回答は社長中心に一部担当取締役や監査役から回答というバランスの取れた対応でした。ただあっさりとした回答も多くて、質問数の割に質疑応答の時間は短かったなと言う印象です。
その後議案の採決が行なわれ、無事株主総会は終了となりました。
株主総会終了後に少し役員の方々とお話させて頂きましたが、柚原社長は東証上場は常に目指していると語っていました。名証セントレックス市場ではなかなか注目もされないので、早く東証上場を目指して欲しいですね。名証IRエキスポについては、毎年参加申込みは6月に行なっているので、まだ参加するかどうかは決めていないということです。せっかくの機会なので、今期の見込みも発表した上で、柚原社長から今期の計画についてしっかりと語って欲しいな〜と感じました。
私の場合一六堂の含み損が拡大する一方なんですが、持ち続けるべきか損切りすべきか判断に迷いますね。足元の業績が回復傾向なのは安心材料ですが、会社の現状を株主に理解してもらおうという感じはあまり伝わってきませんでした。こういった時だからこそ、経営者としてもっと株主に足元の状況などを積極的に語って欲しかったと思います。株価も下がる一方で心配している株主も多いと思うので、IR活動にももっと力を入れる必要があります。IRホームページは情報が少なすぎます。
今後どうすべきかは、会社側の対応なども見ながらじっくり考えさせていただきます

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タグ:一六堂2011年株主総会
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