株主総会もない今日は、投資先の1社VTホールディングスの決算説明会に参加してきました。決算説明会に参加するとアナリストの視点など非常に勉強になるので、こういった機会をいただけるのはとてもありがたいことです。せっかくの機会ですから、多くのVTホールディングスに興味を持っている方々にも、ブログを通じて発信していきたいと思います。
VTホールディングスの決算説明会は、中間期末と期末の年2回東京と名古屋で開催されていますが、今回は東京滞在中のため東京の説明会に出席しました。
VTホールディングス決算説明会 2011年5月27日(金)10時30分〜11時30分 日本アナリスト協会主催で開催
前回の名古屋での決算説明会は出席者数は多かったものの質問は1人のみで、出席者はアナリストや投資家というより銀行などの取引先関係者が中心という印象でした。
一方、今回の東京での決算説明会は日本アナリスト協会が主催ということもあり、出席者数は25名ほどでしたが質問も活発に出て、アナリスト向けの決算説明会という感じがしました。
詳しくは帰ってからまとめますが、ポイントだけ簡単にまとめてみます。
前期はエコカー補助金効果もあり過去最高益を更新した。補助金が財源切れとなった9月以降反動減が続いていたが、1−3月期には回復に転じた。そこに東日本大震災が発生し、自動車メーカーからの納車が先延ばしになった。本来は稼ぎ時の3月に納車されず、600台ほどが4月以降に繰り延べになった。それでも過去最高益とはさすがですね!
前期末の自己資本比率は18.6%まで改善したが、今期末には20%を超える予定。
基盤収益カバー率も、前期はなかなか超えられなかった100%を超えることができ、極端に言えば新車販売がゼロでも赤字にならない体質ができた。国内の自動車ディーラー平均では65%くらいと言われているので、VTホールディングスの強さを理解いただけると思う。
実質有利子負債も120億円削減することができ、財務体質の改善が進んでいる。
営業キャッシュフローは66億円となったが、今後も50〜60億円程度の営業キャッシュフローを見込めると考えている。
前期は営業キャッシュフローの多くを借入金の返済に充てたが、今後は借入金の返済とともに成長性を高めるため、国内ディーラーのM&Aにも使っていきたい。ただ現段階で具体的な案件があるわけではない。候補はいくつかあるが業績に寄与するのは来期以降だと思う。
M&Aの対象はフルラインナップ展開しているディーラーを考えている。
昨日名古屋で決算説明会を開催したが、そこでの発言を元に中部経済新聞が今日の朝刊で一面トップに先走った記事を掲載した。将来こうなったらいいな!ということで話した内容が、今期すぐに実現するような記事になってしまい、訂正をお願いしている。
主力のホンダカーズ東海の利益率が昨年より悪化しているが、これはインセンティブを導入していて、(販売?利益?)目標を達成した社員に決算賞与を大盤振る舞いしたためです。実際の収益性はもっと高い。大盤振る舞いとは景気がいいですね!ぜひ株主にも大盤振る舞いを宜しくお願いします(笑)年間15円配当は大盤振る舞いかもしれませんが♪
長野日産は経常利益率が9.4%となり、ディーラー子会社の中で一番収益性が高くなっている。
長野日産自動車は、日産ディーラーの中でも営業利益率トップであり、2位は静岡日産、3位が三河日産で、VTホールディングス傘下の日産ディーラーが上位3社を独占している。
長野日産、静岡日産は不動の1位2位を続けているが、三河日産は2年前の7位から3位まで浮上してきた。
三河日産は改善が遅れていたが、今期・来期の業績の伸び代は一番大きいと期待している。
J−netレンタリースは好調に推移している。レンタカー業界は隠れた成長産業であり、他社もう含めて業績は好調に推移している。
若者の車離れが進み、必要な時はレンタカーを借りるという生活スタイルになっている。今期もレンタカー事業はさらに伸びる。
環境関連のE−FOURは、省電力装置の製造・販売をしているが、98%は海外向けで特にイギリス向けが半分以上を占めている。イギリスの販売代理店とは、両社でコラボレーションして世界中に拡販していく話し合いをしている。
環境関連事業については数年前に特許などの資産を大幅に減損し赤字転落の原因になったが、今はしっかりと利益が出ている。
今期の業績見込みは、東日本大震災の影響を最大限織り込んで作成している。自動車メーカーは震災の影響がどの程度か分からないことから、決算発表時には今期の予想を開示するのを見送ったが、VTホールディングスでも予想を開示するかどうか社内で議論になった。自動車メーカーと比べるとディーラーはサービス部門などもあって震災の影響は小さくなることもあり、予想を開示した方が投資家のためにもなると考え今期予想も発表した。
決算短信では日本大震災の影響を最大限織り込んで作成したことも伝えているのに、株価は減益見込みを嫌気して下げていて、市場からは評価されなかった。それでも今期に続く過去2番目の利益水準なのに、評価されなかったのは非常に残念だ。同業のATホールディングス(愛知トヨタグループです)は今期予想の開示を見送ったが、株価が下がるくらいなら当社も開示を見送れば良かったのか?という忸怩たる思いはある。
今期計画の策定時の自動車メーカーの生産計画は、ホンダが12月からフル生産に回復、日産が6月から稼動率50%、年末にフル生産に回復という前提だったが、すでに各社とも生産計画の回復時期の前倒しが進んでいる。各社とも稼動率が低くても日本市場優先で供給する考えであり、個人的には前期並みの業績になるのではないかと期待している。ただ山内常務が慎重なので、震災の影響を最大限織り込み保守的な計画になっている。
財務体質の改善も引き続き進めていき、今期末には自己資本比率も20%を超えると思うが、あくまでも20%は通過点であり、さらなる財務体質の改善を図っていく。
配当については成長投資と財務の安全性とのバランスを取りながら、配当性向20%を目処として業績に応じた配当を行なっていく。
前期は過去最高益であり、特別配当5円を加えて年間15円配当となった。今期は12円の計画を発表しているが、前期の普通配当10円と比べると2円の増配と考えて欲しい。業績が上ブレすれば増配の可能性もある。
おおまかこんな説明がありました。大まかと言いながら書き出すとかなり詳しく書いてしまうものですね。
質疑応答では、東日本大震災の影響について、 国内ディーラーのM&Aにあたりエリア展開の考え方を問う内容、サービス部門の売上げ拡大の方策について、南アフリカのディーラー事業の相乗効果について、M&A時の資金調達方法について、M&Aはなぜフルラインなのか、などの質問が出ました。
さすが日本アナリスト協会主催だな〜という感じがしました。昨年も東京の決算説明会に参加しましたが、その時よりも質問が増えていました。決算説明会に来ているんだな〜という実感を感じましたね。質疑応答を聞いていて、とても勉強になりました。
質疑応答の様子などは追々まとめていきますね。
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