GMOインターネットは1999年の上場当時はインターQという社名でしたが、その後グローバルメディアオンライン、GMOインターネットと変わってきています。ドメイン取得やインターネット接続サービスなど、日本のインターネットのインフラ部分を支えてきた会社ですが、一般的な知名度が低く、企業イメージもあまり良くないのが問題かなと感じています。
GMOインターネットの株主総会に出席するのは初めてです。
2011年3月25日(金)の株価 388円(東証1部 9449)100株単位 12月決算
PER 16.2倍、PBR 4.54倍、配当利回り 2.06%、株主資本比率 5.6%
監査費用 12,975万円(売上比 0.29%) 有限責任監査法人トーマツ
株主優待 6月末と12月末の株主に5千円分の自社サービス割引など
詳しくは

GMOインターネット(9449)のホームページ
GMOインターネット(9449)のヤフー株価情報

最近5年間の株価推移を見てみると、時々人気化するものの400円前後での株価低迷が続いています。それにもかかわらず利益水準がさらに低いため、株価指標的には割安感を感じません。業績がもっと回復してこないと株価の上昇も難しいと思います。
スケジュール
18:03〜18:37 事業報告
18:07〜18:09 監査報告 武藤昌弘常勤監査役
18:09〜18:37 営業報告 男性ナレーションが読上げ+スライド表示
18:37〜18:45 決議事項の説明
第1号議案 剰余金処分の件 1円増配の7円(配当性向31.7%)
第2号議案 利益剰余金の額の減少及び資本金の額の増加の件 7億円を振替え資本金を20億円に
第3号議案 定款一部変更の件 四半期配当制度導入に伴い変更
第4号議案 取締役15名選任の件 任期満了に伴い14名全員を再任、堀内敏明氏を増員
第5号議案 監査役2名選任の件 任期満了となる木下学氏、小倉啓吾氏を再任
第6号議案 取締役の報酬額改定の件 年額4億円を5億円以内に改定
第7号議案 当社とクリック証券株式会社との株式交換契約承認の件
18:45〜19:26 質疑応答 質問者5人 計11件 41分
19:26〜19:30 議案の採決 拍手方式 すべて可決
19:30〜19:30 新任取締役紹介
19:37〜19:58 経営近況報告会 熊谷社長よりプレゼンテーション
19:58〜20:29 質疑応答 質問者5人 計14件 31分

お土産 夢が、かなう手帳。スターターパック 後渡し
飲み物サービス 株主総会後の休憩時間中にコーヒー・紅茶のサービスあり
事業説明会 あり
懇親会 なし
さて注目の株主総会格付けですが、18時からの開始で他の株主総会と重なりにくいよう配慮されていますし、経営近況報告会も開催し質問にも丁寧に答えていました。今年はお土産も用意されており、これらを総合的に判断し、GMOインターネット(9449)の株主総会格付けは 『B−』 としました。
議決権を有する株主数 23,258名、その議決権数 999,936個
議決権返送&出席株主数 3,931名、その議決権数 751,776個

GMOインターネットの株主総会は、表参道駅B5出口直結の結婚式場 青山ダイヤモンドホールで行われました。GMOグループは午後や夕方に株主総会を開催しており、GMOインターネットも18時からの開催です。3月25日(金)は株主総会の準集中日ですが、夕方なら他社と重なることもなく参加できるのでありがたいですね。
会場内には机も用意され、(6+6+6)×13のレイアウトで234人分の席が用意されていました。開始時点では4割くらいの出席者でしょうか?夕方開催の割には年配の株主が多く、サイバーエージェントと比べると株主の年齢層が高いように感じます。同じネット系の企業でも知名度や企業イメージがあまり良くないのかな?と感じました。サイバーエージェントでは若いカップルなども目立ちましたが、GMOグループはBtoB中心に成長してきたので、まだまだ知られていないようです。それなら株価は割安なのか?というと、過去に大きな赤字を出した影響も残り、PBRなど割安感とは程遠い状況です。色々と新しいことに取り組んでいますが、それらが明確に業績に反映してこないと株価の上昇は難しいのでしょうね。
GMOグループ財務部長の有澤克己取締役は所用で欠席でした。
営業報告は男性のナレーションでしたが、もっと若々しい女性を起用すれば少しは企業イメージも上がるのではないでしょうか?スクリーンも使っていましたが、GMOクラウドの株主総会と同じように文字中心だったので、もう少し写真やグラフを使って見やすくすればいいのにと感じました。業績のグラフも前年との比較でしたが、過去5年くらいの推移にした方が分かりやすいと思います。株主総会後に経営近況報告会を開催しているので、事業報告はポイントを絞り簡素化してもいいと思います。読上げに28分はかかりすぎです
議案の説明は熊谷正寿社長が行いましたが、姿勢・元気とも良くて好印象でした。
続いて質疑応答となりました。経営近況報告会でも質疑応答の時間を設けているので、議案に関連した質問にして欲しいという案内がありました。私はあまり質問内容を制限するのは良くないと思います。クレームばかり長々と述べるのは論外ですが、株主総会は年に1回の株主との意見交換の場ですから、自由・活発な質疑応答になった方が会社側・株主側ともにメリットがあると思います。GMOインターネットの場合は、議案に関連した質問をと案内があったものの、熊谷社長中心にどんな質問にも対応していました。創業社長なので事業内容はよく理解していますし、形式ばった回答ではなく臨機応変な対応で、聞いていて面白かったですね。やはりオーナー系の会社の株主総会は面白いな〜と感じました。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています(敬称略)
(1-1)取締役を増員するがどんな人なのか?本人からこんなことができると説明して欲しい。
→本人は言い難いこともあるので、まず私から簡単に紹介する。インターネット事業を推進するにあたり一番大事なのは技術力です。他社には開発を外注している会社もあるが、GMOはすべて自社開発している。それがインターネット企業だと思うし、グーグルもそうだ。他社に外注している会社はインターネット事業を行っている会社であり、インターネット企業ではないと考えている。自社でサービスを開発していくのが競争力の源泉になる。新任取締役候補の堀内はネット業界では神様のような存在の技術者で、システム本部長の山下とともにGMOインターネットの技術力を高めている。私が大株主なので役員はすべて私が決めているように思われているが、そうではなくてグループ内の主要幹部が誰が役員に相応しいか話し合い推薦して決めている。今回堀内が相応しいということで、取締役候補となった。
(堀内敏明 次世代システム研究室長)入社して9年になる。オプトインメールから始まり、SNSやブログシステムなどの開発をしてきた。最近ではクラウドコンピューティングの開発やアンドロイドの技術サポートなども行っている。
(熊谷社長)組織で運営しているので私がいなくても会社は回ると思うが、堀内がいないと回らないというくらい重要度の高い人財です。
(2-1)役員になったらこんなことができるという話を聞きたい。
→なかなか手厳しいですね(笑)彼は技術が素晴らしいだけではなくて経営バランスにも優れていて、収益面にもこだわりを持った技術者です。彼のような人が取締役になると、社内にもいい影響が広がり技術力が向上すると思う。

(3-2)四半期配当を行うと年4回株主名簿を確定し、通知書の作成や郵送などコストも倍になる。もっと配当額が増えてから実施すればいいと思うが、なぜこのタイミングで実施するのか?余分なコストをかけるくらいなら1円でも配当が増えた方が嬉しい。
→四半期配当は珍しいと思われているが、欧米では四半期配当が一般的です。日本では先進的な取組みだと思う。日本では毎月分配のグローバルソブリンが人気であり、本来なら毎月分配しない方がリターンは高くなるのに、それでも毎月分配が好まれている。こうした点からも配当は年2回よりも4回の方が喜んでもらえると思い、株主の皆さんに喜んでほしいという一心から四半期配当を導入した。日本でも今後四半期配当が増えてくると思う。コストについては年間千万単位の増加になるが、株主へ送る営業報告をパンフレット形式から四つ折りに変えたりして、情報内容は変えずにコスト増を抑えている。皆さんに笑顔になって欲しいと思って四半期配当を導入したので、まずはやらせて欲しい。
(注記)日本でも2006年頃から証券会社などが四半期配当を導入しブームになりましたが、業績の悪化とともに配当が減少し下火になってしまった前例があります。決して先進的な取組みではないと思います。今後業績が良くなり配当も安定して増やせる


(4-2)GMOはいい会社だと思うが、一般的には財務内容が悪い、何をやっている会社か分からないなどイメージが良くない。グループ代表としてもっと一般向けに情報発信していく必要があるのではないか?
→GMOは1995年という古くからインターネット企業として生き残っているパイオニア的企業だと思う。しかし一般的な知名度は楽天、ライブドア、サイバーエージェントなどと比べると低い。これは企業向けの仕事をしてきたので、意図的に一般向けの宣伝などはしてこなかった。結果として日本の会社の3社に1社はGMOのサービスを利用いただいているくらい普及している。いいサービスを提供して結果として知名度が上がるというのが正しい道であり、知名度を上げるために広報を行うのは良いことではないと考えている。GMOグループはインフラの様に無くてはならないサービスを提供しているので、知名度は徐々に上がっていくと考えている。今回クリック証券を子会社化し、4月からはGMOクリック証券と社名も変えて、CMなどもバンバン流していく。その中では共通ジングルなども使ってGMOを訴求するし、今期からコンシューマー向けのビジネスを次々と立ち上げるので、知名度も上がってくると思う。
財務内容については3期ほど前の株主総会で皆様にお詫びしたが、金融事業からの撤退の際に、非常に健全だったバランスシートを毀損した。そこから役職員全員が歯を食いしばってがんばり、過去最高の業績を上げるまでに回復してきた。今期も過去最高だと思う。今回のクリック証券の株式交換も含めて、今後バランスシートはどんどん良くなってくるので、いずれGMOは財務内容が悪いなんて言っている人は投資のチャンスを失うだけですから


(注記)過去10年で見ると、過去最高益は2005年の32.59億円です(前期は22.09億円)今期も24億円の計画なので過去最高益の74%程度になります。2004年頃までは負債も少なくて、財務内容も良い成長企業だったんですね。消費者金融などの金融事業への進出が、業績的にも企業イメージ的にも大失敗だったようです。後ほど厳しく指摘されます(笑)
(5-2)クリック証券を株式交換で1,700万株発行した後のGMOの株主構成はどのようになるのか?
→(安田昌史専務取締役 グループ管理部門統括)クリック証券の株主構成は、40%がGMO、残り60%で多いのはベンチャーキャピタルなどであり、株式交換後でGMOインターネット株式の10%くらいの保有割合となる。複数のベンチャーキャピタルが保有しているので、個別の名前は控えさせていただく。
(6-2)ベンチャーキャピタルが10%も持つということは、今後売り圧力になるのではないか?
→先日も全株主の方々にお集まりいただき、事業の進捗状況などを責任者の方々に説明し、今後株主になっていただくので、末永くお付き合いくださいとお願いした。もちろん皆さんもそうですが、株主の方々には売買する自由があるので、今後どうなるのかは分からない。ただクリック証券の最大の株主は私であり、私は売らないのでご安心ください(笑)外部に出るのは僅かです。
(7-3)先ほども質問があったが、7円程度の配当で年4回というのは勿体ない。ホンダのように60円近く配当があれば四半期配当も良いと思うが、7円程度でコストをかけてまで四半期配当をするのは反対だ。もっと配当額が増えるまでは2回で十分。外国が四半期配当中心だからという理由は納得できない。
→7円というのは1株当たりであり、たくさん株を買っていただければ配当額も増えるので、ぜひたくさん買っていただいて配当をたくさん貰ってください(笑)
(株主)御社の株は高いのを持っているんですよ

(熊谷社長も苦笑、とんだ藪蛇に

もうしばらくお時間を頂ければ配当も増えていくので、四半期配当にご理解いただきたい。ホンダと同じ利益になった時には、GMOの方が配当額は大きくなるので、楽しみにお待ちいただきたいと思います。
(株主)何年待てばいいんですか?(会場大爆笑

(熊谷社長も笑いながら)一生懸命頑張ります

面白いやり取りでした。早くホンダを追い越すよう頑張ってください

厳しい質問もありましたが、熊谷社長は時には軽く合わせたり、真摯に受け止めたりと柔軟に対応していました。ほとんど自らの言葉で現状や考え方などを語っていて、この点も評価できますね。
後半の質疑応答の様子は、株主総会レポート〜2でお楽しみください。
GMOインターネット 2011年株主総会レポート〜その2

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