2011年01月22日

最近株式市場について疑問に感じること その1

毎日のように株式市場について様々なニュースが流れていますが、最近おかしいのではないかな〜と感じるニュースについて書いてみます。

1.吉野家(9861)が、筆頭株主の伊藤忠商事が保有するすべての株式を
  銀行から多額の借金をしてまで買い取った


伊藤忠が筆頭株主になった経緯にはいろいろと事情があるのかもしれませんが、伊藤忠の保有株は13.3万株もあり、引き取るためには141億円もの資金が必要になります。
うち75億円が借り入れで、残り66億円が自己資金を使用します。今回の引き取りで自己資本比率が10ポイントほど悪化するのではないかと思います。

取得する理由としては、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするためとなっていますが、吉野家が引き取らないなら市場で売却しますよ!ストップ安がずっと続いてもいいんですか?あるいは高く買ってくれるなら誰にでも転売してしまいますよ!怪しげな株主が筆頭株主になったら困るんじゃないですか?みたいな感じで(笑)引き受けを迫られたのではないかと思います。
もちろん日本を代表する上場企業の伊藤忠商事ですから、そんな下品な(笑)言い方はしないと思いますが、根底にある意図はそんな感じだと思います。
グリーンメーラーとそんなに違わないような行為に感じてしまいます。
吉野家に潤沢な資金があり、資金の有効な活用方法が見当たらない状況なら自社株買いも有力な選択肢となりますが、ゼンショーなどと熾烈な牛丼競争を行っていて、今後も継続的な投資が必要な時に、巨額の借り入れまでして株式を引き取るのは株主として納得できません
売却の必要性に迫られたなら、正々堂々と市場で売却すればいいと思います。確かに一時的に株価は大きく下がるかもしれませんが、いい会社であれば買ってくれる人はたくさんいると思うので、また株価は戻ってくると思います。個人投資家からするといい会社を安く買うチャンスにもなります。

個人投資家が持ち株の引き取りをお願いした場合、ある程度の大株主だったとしてもたぶん会社側は引き取ってくれないでしょう。法人や機関投資家、ファンドが株主の場合だけ、自社株買いで引き取るのは公平ではないと感じます。
以前はタワー投資顧問が、中小型株を買えるだけ買い占めることで株価を上げて、一見運用成績が素晴らしいように見えたものの、その後売却に困り会社側に次々と引き取らせるということがありましたが、最後は会社側に引き取らせればいいだろうという根底にある考え方は同じなのではないかと感じます。
今回の引取価格105,900円も、過去6ヵ月の株価推移から見ると高いように感じます。
吉野家(9861)株価推移
   ピンク色の線が今回の買取価格です
翌日の1月18日(火)付けの日経新聞では大きく取り上げられていますが、吉野家にとっても伊藤忠にとっても今回の引き取りはプラスだという論調で、大企業寄りの姿勢がここでもはっきりとしていますね。伊藤忠にとってはプラスかもしれませんが、吉野家にとっては迷惑な話だと思います。
まあ日経新聞を活用したメディア戦略が功を奏したのか、自社株買いの発表後株価は上昇しています。吉野家にとっては決してプラスのニュースではないと思うんですけどね。株価がすぐに下がってくると、今度は1月21日(金)の日経新聞に、吉野家の安部社長のインタビュー記事を掲載し、さらに前向きな成長戦略を前面に押し出しています。
新聞というものは一見公明正大なメディアのように感じるかもしれませんが、それぞれの記事には掲載した意図があります。ただ事実を載せているだけではなくて、掲載するタイミング、事実のうちどの面を取り上げるか、どの部分を強調するか、どんな論調にするか、などで読者に与える影響や印象をコントロールすることができます。大手の新聞が報道しているんだから正しいだろうと鵜呑みにせず、自分自身で十分に考えることが大事なことだと思っています。


1月22日(土)の日経新聞には、サントリーが大庄(9979)の自社株を購入するという記事も出ていますが、大庄もテーブルマーク(元カトキチ、JTグループ企業)などが所有していた株を引き取っていました。新たな株主を見つけるまでに1年近くもかかったことになります。この間資金を固定化していたことになりますし、新たな引き受け手を探すための活動に時間を割いていたことになります。大株主のわがままのために時間とお金を浪費していた様に感じてなりません。
2008年には、クリエイト・レストランツHD(3387)も同じような経緯で、筆頭株主の三菱商事から自社株買いを行っています。この時も取得の目的は資本効率の向上とより一層の株主還元となっていて、もっともらしい理由を付けています。
こちらの株主総会レポートに詳しくまとめています。
 次項有 クリエイト・レストランツ(3387)2009年株主総会レポート 参加報告〜その2
投資先を選ぶ際には、大株主にどんな方々が名を連ねているのかはとても重要だと思います。ファンドやベンチャーキャピタルなどは注意が必要ですが、今後は特に商社にも注意が必要ですね。国内の投資先からは手を引きたがっているようですし、今後も投資先の財務内容などを無視した株式買い取り要求が増加するかもしれません。
中小型株の投資先を検討する際には、大株主の動向や意向をチェックした方が安全です。
今後も株式市場でおかしいな〜と思うことについて書いてみたいと思っています。
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ひらめき


posted by Zaimax at 17:15 | Comment(2) | TrackBack(0) | 投資で疑問に感じること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも総会のレポート楽しみにしています。
吉野家の今回の件、全く同感で吉野家にとって好材料とは思えません。海外進出に注力するというのに、商社との関係が切れるというのも腑に落ちませんし。
でも、株価は上がってるというのが、なんとも…。作為的なものでなければ自社株買いならなんでも評価されるということなんでしょうか。
Posted by kazu19650713 at 2011年01月23日 10:57
kazu19650713さん、コメントありがとうございます。
伊藤忠など力がある会社だと、日経新聞なども広告などでお世話になっているので、無視できないんでしょうね。
報道の仕方を見ると両社の株価にプラスになるような論調で貫かれているように感じます。
日経新聞は裏読みしないと投資には使えない!と思っています。
まあすべての情報には意図が入っているので、しょうがないですけどね^_^;
これからもよろしくお願いします。
Posted by Zaimax at 2011年02月07日 10:48
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