2010年11月04日

東山フイルム(4244)の会社説明会報告レポート

2010年10月27日(水)に行われた、東海東京証券主催 東山フイルム(4244)の投資家向け会社説明会に行ってきました。
東山フイルム(4244)はタッチパネル用のポリエステルフィルム加工事業を行っている会社です。
講演タイトルは、画像・タッチパネル向け薄膜コートフィルムで国内は先端ハイテク市場、海外は韓国・台湾・中国のバリュー市場での事業拡大を目指す!という長い演題でした。
私の地元名古屋市の会社ですが、2010年6月にオーナー企業から中国の投資ファンド傘下の会社に変わりました。私にとってはかなり衝撃的なニュースでした。
今年の株主総会にも参加していますので、株主総会レポートも併せてご覧ください。
   2010年 東山フイルム株主総会レポート
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ひらめき
2010年10月26日(火)の株価 485円(ジャスダック 4244) 100株単位 12月決算
PER 8.52倍、PBR 0.74倍、配当利回り 1.03%、株主資本比率 30.6%
2期連続赤字なので損失の繰越があり、実質的なPERは25.6倍程度です
株主優待 なし


    東山フイルム(4244)のホームページ

    東山フイルム(4244)のヤフー株価情報
東山フイルム(4244)
東山フイルムの株価推移を見ると2009年10月を底に上昇に転じていますが、それにしても4月初めからの急騰は不自然な感じがします。5月14日にCITIC Capital(中信集団)によるTOBが発表されているので、その情報が事前に漏れて急騰しているのか、あるいは買付価格650円が事前に合意されていて、この価格が妥当と株主から思われるように関係者が買い上がったのかもしれません。
その後はまた元の株価に逆戻りと言う感じで、現状は500円前後で推移しています。TOBで浮動株がかなり少なくなっているのか、出来高も細っています。
東山フイルム(4244)
出席者は松原茂社長と腰丸敏雄常務取締役で、説明は松原社長が行いました。お土産はありませんでした。さすが中国資本の傘下に入って無駄なコストはとことん切り詰めるのでしょうかがく〜(落胆した顔)

東山フイルムは、フィルムメーカーから持ち込まれるポリエステルフィルムに薬品などを塗布して納品する中間材料メーカーです。中間材料なので直接消費者の方々に販売するわけではないが、アイフォンやアイパッドなどで身近になった携帯電話などのタッチパネル用のフィルムやプラズマテレビなど多くの製品に東山フイルムの製品が使われている。
主な事業は4つあり、コーティング(表面改質)加工を行い自社商品として販売しているファインコーティング部門、コーティングの受託加工を行っているカスタムコーティング部門、洗濯機や炊飯器などのスイッチ部分に使われる印刷材料部門、エアコン用の電気絶縁部品などの材料加工部門がある。タッチパネルの普及が加速していることから、ファインコーティング部門が伸びていて、売上の42%を占めるまでになった。受託加工についてはリーマンショック後落ち込んでいたが、今期後半から伸びが戻ってきた。コーティング部門は日本の恵那工場、瑞浪工場で行っている。半導体製造装置のような大きなクリーンルームが必要なので、国内ですべて生産している。印刷材料については恵那工場の半分と、上海の子会社工場で生産している。家電製品の生産は中国が中心になっているので、中国工場の生産が伸びている。
エアコン用絶縁フィルムは名古屋工場と上海の工場で生産しているが、エアコンの生産数も中国が圧倒的に多いので、中国中心の生産になっている。
東山フイルムは1949年に絶縁材の会社として設立されたが、1997年に完成した恵那工場で自社でのコーティング事業に参入した。コーティング事業はまだ10年程度の歴史しかないが、競合他社は170年とか歴史の長い会社が多い。元は金糸・銀糸の世界からコーティング事業を始めた会社が多く、京都の老舗が多い。
そして2010年6月にエイチエフホールディングス株式会社による公開買付が行われ、63.11%の株を持つ当社の親会社になった。エイチエフホールディングスは、中国で最大級の金融・産業コングロマリットであるシティック・グループの一員です。
中国資本を受け入れたことで注目も浴び、新聞や雑誌などのインタビューを受け、AERAでも取り上げられた。深津会長はTOB成立後代表取締役を降りている。
オーナー会社から金融ファンドが株主に変わったので、コーポレートブランドを少しリニューアルした。
東山フイルム(4244)
今まで使用していたHYNTのロゴの上に小さくteamを付けて、社員全員が一つのチームになって動く、社員全員で付加価値をつけていく企業という意味を込めた。

今後の戦略としては、受託事業のカスタムコーティングでは、国内市場中心に画像関連商品で将来の製品となる先端分野に力を入れていく。国内大手企業からいろいろな先端材料が持ち込まれている。取引先としては日東電工や住友大阪セメント、カネカ、東レなどです。セメント会社はなぜ?と思うかもしれないが、パナソニック向けのプラズマパネル用のフィルムを住友大阪セメントを通じて提供している。フィルムメーカーは最先端のフィルム材料を作ったものの、うまくコーティングすることができず、東山フイルムにコーティングして欲しいという依頼が持ち込まれる。当社で2年くらいかけてコーティング方法を開発している。
カスタムコーティング部門は、リーマンショックで国内の家電製品の生産が急減したことから、売上が大きく落ち込んだが、徐々に回復傾向にある。


自社製品であるファインコーティング部門では、ボリュームゾーンである海外の汎用品バリュー市場をターゲットとし、中国・台湾・韓国中心に展開していく。タッチパネルがアイフォーン人気などで大きく伸びており、年率20〜25%位の伸びが今後も5〜6年は続く。1位になるのは難しいが、2〜3番手の位置でタッチパネルの需要の伸びを享受したい。
海外と国内の売上比率は今期は4:6程度だが、携帯もテレビも海外生産が中心になっているので、今後も海外比率が上がっていく。海外戦略としては中国・台湾・韓国の各国に、TSCC(テクニカル・サービス・コミュニケーション・センター)を構築していく。小規模な会社なので各国に営業所などを作るのは負担が大きい。顧客のニーズを汲み取る小規模なサービス拠点を設けて、人員も固定ではなく物の流れに合わせて行き来してもらう。韓国では政府系の工学院の施設を借りることができ、安い家賃でTSCCを作ることができた。東山フイルムの技術力が評価されたのだと思う。
来年発売予定のGALAXYギャラクシー新商品向けの開発も韓国でサムスンと進めている。携帯よりも大き目の画面サイズになる。
このようにリーマンショックの2年ほど前から、自社ブランドのタッチパネルの開発に取り組んできたので、受託生産の落ち込みをカバーすることができ、リーマンショックを乗り越えることができた。受託部門も徐々に回復してきたが、将来的には自社製品と受託部門が1;1になるくらいまで受託部門も伸ばしていく。

過去2期の業績は、リーマンショックによる受託部門(カスタムコーティング部門)の落ち込みや、2009年以降多額の開発費を投入しているので、赤字が続いてきた。ただそのタッチパネルが大きく伸びてきたので、今期は黒字転換を見込んでいる。伸びているタッチパネル需要を取り込み成長していきたい。

以上で会社説明は終了となり、質疑応答となりました。
(1-1)ファインコーティング事業は国内で生産しアジアに輸出しているが、円高の影響は?
東山フイルムの海外取引はすべて円建てで行っているので、円高になっても当社には影響はない。ただ取引先の海外の会社は円高で大変です。
中国子会社の取引は元建てで行っており、この元を円に換えるときには円高の影響を受けるが、元と円のレートはそれほど円高になっていないので影響は少ない。元を中国国内の投資に回すことも考えているので、そうすればさらに為替の影響は少なくなる。

海外取引を円建てで行っているとはさすがですね!このくらい技術的に競争力がある会社が増えてくれば、円高をもっと素直に喜べるんですけどねるんるん
(2-2)海外と国内のそれぞれの利益率は?海外比率の目標は?
→移転価格税制に引っかからないように、輸出価格も国内価格と同程度に設定している。そのため利益率も変わらない。海外と国内の比率は、5年後を目処に1:1を目標としているが、5年にこだわらず1:1を目指していく。
(3-3)650円というTOB価格は安すぎるのではないか?TOBの経緯を説明してほしい。
→TOBの経緯は、東山フイルムのオーナーだった深津夫妻の持ち株55%分の譲渡先を以前から探していたが、シティック・グループと縁ができて譲渡することになった。オーナー以外の株主にも平等に売却機会を提供するためTOBという形を取ったが、上場は維持したかったことから、あまり応募が集まらないように、発表時の時価840円を下回る650円でのTOBとなった。650円は1株当たり純資産とほぼ等しい金額です。東山フイルムとしては650円と言うTOB価格には意見表明せず、株主の判断にお任せした。オーナーの持分はすべて譲渡するために、TOB成立の下限を55%に設定し、上限は決めなかった。
(上限を決めると、上限以上の応募があった場合買い取り株数を比例配分するので、オーナー持分をすべて買い取ることができなくなることを避けたんでしょうね)
それほど応募はないと思っていたが、63.11%の応募があり、すべてシティックが買い取った。
上場廃止基準には達しなかったので上場を維持することができた。63%の持ち株比率なので上場会社としての経営の独立性は確保できている。
(4-3)シティックに上場廃止の意図はないんですね?
→上場は維持されると考えている。
(5-4)中国資本の傘下に入ってシナジー効果は出ているのか?
→まだ具体的にはないが、次は中国に力を入れる必要があると考えていたので、今後シナジー効果は出てくる。光学用のポリエステルフィルムは日本メーカーが日本で作っているが、三菱化学や東レが中国生産を発表しており、今後は中国での生産も増えてくる。中国でもいい材料が手に入るようになるので、中国ビジネスが増えて将来的にはファインコーティング事業も中国生産になっていく。
中国でのビジネスでは人脈などのバックボーンがないと成功しない部分もあるので、シティックの力を利用していきたい。


以上で質疑応答は終了となりました。質問は1人1件と制限されているので、説明会後に松原社長に気になる点を質問してきました。
(6)最先端の材料が持ち込まれてくるのに、中国資本が筆頭株主になったので、技術流出などを心配する顧客が多いのではないか?
→心配している客先は多いし問い合わせもある。シティックはその点は大丈夫だと言っており、東山フイルムとしても様子を見ていくしかない。ただ最先端の情報を扱っているので、(技術流出の問題については)会社としての東山フイルムの姿勢が問われていると思っている。
客先の中には、中国資本に買い占められないように東山フイルムの株を買い集めようと言う声もあるくらいだ(笑)
(それならTOB時に対抗してもっと高い価格を提示すればよかったのに。6割以上も株を握られてから買い集めても遅いですよねあせあせ(飛び散る汗)
実現は無理だと思うが、そういった声があるくらい心配している客先が多い。
シティックは取締役も送り込んでこなかったし、(心配ありませんからと)我々が説明に行くとまで言っているので、信じて様子を見ていくしかない。

日本の最先端材料や技術を扱っているので、心配している客先は多いようです。そんなに大事な会社なら対抗してTOBをかければよかったのにと感じます。今年の株主総会にも出席した会社ですし、タッチパネルで成長中の会社だったので、突然の中国資本からのTOBには驚きました。業績が悪くて買われるなら分りますが、今後成長が期待されているのになぜ中国資本の傘下に入るのか疑問に感じていました。今回の説明を聞いて背景などよく分かりました。
それにしても日本国内でオーナーの持ち株を引き取る会社が現れなかったのが残念でなりませんね。
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posted by Zaimax at 11:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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