ノバレーゼ(2128)は婚礼衣装のレンタルや、ゲストハウスウェディングを行っている会社です。
説明は浅田剛治社長が行いました。
今は本社が東京ですが、もともと名古屋で創業し、ノバレーゼというイタリアから輸入したウエディングドレスの販売店からスタートしました。名古屋で創業とは意外でした。
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ノバレーゼ(2128)のヤフー株価情報

ゲストハウスウエディングを行っている会社には、上場企業でもベストブライダル(2418)、テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)、ワタベウェディング(4696)、最近上場したアイ・ケイ・ケイ(2198)などがあります。その他にもラヴィス(2465)<AOKIホールディングスが子会社化>、モック(2363)<上場廃止後倒産>など上場廃止になった会社もあり、新規参入や競争も激しい業界の(あるいはだった)ようです。

株価も総じて低迷しています。テイクアンドギヴ・ニーズを除いて日経平均並みの値動きなので、低迷は言い過ぎかもしれませんが、やはり絶対収益がプラスになることが大事だと思います。
私のイメージとしては、ハウスウエディング業界は派手な業界で、業績よりも話題先行


とはいえ浅田社長の経歴を見るとリクルート出身の社長のようで、ちょっと心配ですね(笑)今までリクルート出身の社長の会社に投資して、儲かった記憶がないので



株式市場で要注意の出身会社は、リクルートとベンチャーリンクがツートップのようです。どちらもバラ色の将来計画を見事に作り投資家に夢を見させますが、実際に実現する可能性は低いように感じます。ベンチャーリンク系では上場廃止になったアガスタもそんな会社です。
投資する際には社長や経営陣の略歴もチェックする必要があると思います。

婚姻届出件数は70万組前後で安定している。再婚件数は2008年で19万件弱と増加してきているのも一因です。以前と比べると再婚に対するアレルギーが無くなり、ノバレーゼでも再婚者と初婚者の組み合わせの挙式も増えている。少子化だから婚姻数がどんどん減っていくという状況ではない。挙式・披露宴の単価は、ご祝儀もあるので景気変動の影響は限定的で、平均330万円と高水準を維持している。地域別に見ると北海道は180万円程度と極端に低い。北海道では1万円程度の会費制の結婚式が多いためです。その代わり引き出物などもありません。その他の地域では300万円以上であり、ご祝儀の風習がなくならない限り平均単価は変わらないと思う。
以前はホテルや互助会などの専門の結婚式場で挙式する人が多数だったが、90年代から価値観が多様化して海外挙式やレストランウエディングが増えてきた。そしてこれらの不満点を解消する形で90年代後半からハウスウエディングが登場してきて、現状では20%強のシェアを獲得するまでになった。
上場大手4社のシェアは婚姻数全体の7%に過ぎないので、まだシェアを伸ばすチャンスは十分にある。
ノバレーゼはホテル・レストラン事業、婚礼プロデュース事業、婚礼衣裳事業の3つを展開しておりバランスがいい。業績は順調に伸びてきており、競合他社より収益性・安全性とも高い。名古屋で創業した会社なので、堅く事業展開してきた。
ノバレーゼの強みは2タイプの店舗を持っていることです。都市型のモノリスは交通の便がよくスタイリッシュな空間を演出しています。一方郊外型のアマンダンは海や水辺など自然の景観を活かし、高級リゾート感覚とプライベート感覚を演出しています。また、歴史的建造物や既存の施設を再生した店舗も展開している。こちらは投資額を抑えることができ、短期間でオープンできる。
中国の上海に出店したが、これはイギリス公使の住居を再生した店舗で、まずはレストランとして運営しているが、将来は挙式も行っていく。
ノバレーゼの企画提案力が評価され、高級料亭など提携施設での挙式の運営も行っている。飲食は提携先が提供し、それ以外はノバレーゼが提供している。
ノバレーゼの強みの2点目は、健全な財務体質です。初期投資を抑えることで3年で投資を回収することができ、その後は機動的にリニューアルしている。顧客は新しい施設、きれいな施設で挙式したいという要望が強いのでリニューアルが大切です。
3点目は高いソフト競争力で、衣裳、料理、商品、人材に強みを持っている。
ノバレーゼはもともとウエディングドレスショップからスタートしているので、衣裳には強みを持っている。衣裳部門の30%は他社で挙式する方にも提供している。
料理についてもこだわっており、オープンキッチンでお客様の目の前でできたての料理を提供している。結婚式の料理だから多少冷めていてもしょうがない!という妥協はない。お店は平日はレストランとして営業しており、日々技術向上に努めている。
映像商品やお花も自社で提供しており、総合力と収益性の高さが特徴です。
採用活動にも力を入れており、会社説明会にも積極的に動員している。私が先頭に立って説明しており、今年度も8,300人くらいに参加してもらった。就活をしている人たちは数年後には結婚する潜在顧客でもあるので、ノバレーゼを知ってもらうことに力を入れている。
今後の成長戦略としては、国内では婚礼施設を年間3〜4店舗、ドレスショップを2〜3店舗出店していく。商圏人口30万人以上とするとまだ70地域に出店が可能。
現状は挙式単価450万円ほどの高価格帯が中心だったが、ボリュームゾーンである200〜300万円の中間層向けの結婚式も展開していく。
海外については、中国進出を皮切りに、アジア各国への展開を推進していく。
株主還元については、12月末の株主に1,000円分のクオカードとレストラン食事代の30%割引券を贈っている。配当金については、店舗などの先行投資が必要なことから、内部留保を充実を優先しており、現状の配当性向は10%程度です。今期は10周年記念配当を行うので、20%ほどの配当性向になる。
名古屋地区には葵モノリス(都市型の式場)とアマンダンテラス(天白区の高台)があるのでレストランを利用してみて欲しい。
質疑応答
(1)具体的な中期計画を教えて欲しい
→社内では中期計画を策定しているが、外部に発表はしていない。今後毎年4店舗前後の出店をしていくが、売上で20〜25億円程度の積上げになるので、3年後には60〜70億円程度の売上増となる。利益率は現状では17%だが、最終的には20%を目指していく。利益率が17%だとしても掛け算してもらえば、だいたいイメージしてもらえると思う。
中期計画を策定しているならもっと自信を持って公表して欲しいと思います。投資する側からすると、会社側がどの程度の成長を目指しているのかはとても重要なポイントです。達成できなかったときの追及を恐れているのか、競合他社に知られるのを恐れているのか分りませんが、上場している以上成長戦略と具体的な目標数字を明確にして欲しいと思います。回答の中の利益率は経常利益率を表しているようです。
(2)配当性向目標を教えて欲しい
→今期は特別配当を行うので配当性向は20.1%となる。特に配当性向目標は設定していないが、業績に沿って増配してきている。3〜5年くらいで配当性向20%を実現したいと考えており、今後も毎年増配していきたい。
現状の配当は少しずつ増配してきていますが、特別配当を除けば配当性向は11%程度と低く感じます。設備投資が先行する業態なのでやむを得ない面もありますが、財務内容も強固なんですから低金利を活用して借り入れなども行えば増配も十分可能だと思います。名古屋企業独特の借入を嫌う体質があるようです。それはそれで悪くはないんですけどね(^_^;)
(3)将来的にハウスウェディングはどの程度のシェアまで伸びると考えているのか
→ここ数年ブームでハウスウェディング会場が一気に増えたので、シェアも20%程度まで大きく伸びた。最近は新規オープンがぐっと減っているが、将来的には30〜35%程度まで伸びると考えている。
(4)今期の2Q決算を見ると特に利益面の進捗が低いが、目標は達成できるのか
→ウェディング業界は春と秋が繁忙期であり、夏と冬は閑散期になる。ブライダルは受注産業であり、今期の10〜12月は過去最高の受注を頂いている。前期と比べると進捗が遅れているように見えるが、今期の利益計画は必ず達成できると確信している。
(5)レストランウェディングも他社は力を入れているが、ハウスウェディングだけで1/3くらいのシェアまで行くと見ているのか
→レストランウェディングは完全に伸びが止まっている。レストランでブライダルが行えるような場所は限られている。ハウスウエディングはレストランウェディングの問題点を解消する形で登場してきたので、ハウスウェディングに取って代わられる形になる。名古屋でも一時期レストランウェディングがワッと増えたが、今では完全にハウスウェディングに押されている。
私の投資先のゼットンやひらまつもブライダルに力を入れていますが、レストランウェディングは完全に止まってしまっていると言われてしまいました。2社の決算短信などではブライダルも好調と書いてあるような気がするんですが、実際は厳しいのでしょうか。あるいは2極化が進んでいるのかもしれませんね。
私のポートフォリオは冠婚関連は少なくて、葬祭の占める割合が高くなっています。日本の人口動態を考えると自然とそうなるわけですが、意外と婚姻件数は横ばいで推移しているようです。ただ再婚件数が増えてきたり、挙式に450万円もかけられない層が増えてくることを考えると、やはり市場規模は縮小するのではないかと感じます。再婚の割合が高くなると大げさな挙式は行わないケースが増えるでしょうし、親戚の人数も減ってくるのでご祝儀の額も減ってくるのではないでしょうか。北海道では合理的な1万円程度の会費制の結婚式が主流だそうですが、この流れが全国的に広がって来るような気がします。最近のゆとり教育世代は低価格重視で、価格とサービスを十分に吟味するという新聞記事もあり、よりそのように感じます。
ただブライダル需要は無くなりませんし、市場競争を勝ち残った会社には残存者利益が発生します。市場の縮小・単価の下落を考えると、過剰な設備投資をせず財務内容を強固に保ち、着実に事業を展開しているノバレーゼは勝ち残りそうな気もします。ただ450万円もかけるような挙式は急激に減りそうな気がするんですが、大丈夫なんでしょうか。葬祭も単価の下落は続いているので、社会の流れとして慎ましい方向に進んでいるような気がします。挙式件数とともに単価の推移にも注目する必要がありますね。
減少しつつある需要を巡って、ホテル業界、互助会などの結婚式場、ハウスウエディング、高級レストランなどが激しい争奪戦を繰りひろげていくわけですが、結婚式だけを行っている会社は厳しくなるような気もします。ホテルは結婚式だけに頼っているわけではありませんし、レストランも同様です。互助会は微妙ですが、葬儀に重点を移し婚礼は新規の投資は行わずに徐々に縮小させていくと思います。
ノバレーゼはハウスウェディング施設でも平日はレストランとして営業しているそうです。こういった稼働率を高める努力が必要になってきますね。ただコース料理が中心で高価格帯というのが私としては利用しづらく感じます。若い顧客層にファンになってもらうためにも、もう少しリーズナブル価格でレストラン営業をしてもいいように感じるんですが、ラグジュアリーなお店というイメージを重視しているのでしょうか。
お土産はレストランでの20%割引券でした。株主優待では30%割引券が贈られてくるようなので、少し差を付けているようです。
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植田のアマンダンテラスには、2回ほど行ったことがあります。
すごく重厚なレストランで、外見からはそんな風に見えませんが、土地柄もあり、ちょっとリッチな感じの方がランチを利用していました。
昼でも、想像以上に眺めが素晴らしく、夜は夜景が素晴らしいだろうと想像します。
行ったときは、ここで結婚式もできるみたいな感じで思っていましたが、そちらが本業なんですね。
人気化させるストーリーは描けませんが、今年の記念配当狙いで、購入も考えようかと思いました。
レポートどうもありがとうございました。
今回は野村證券が主催していましたが、他にも大和証券や東海東京証券などが定期的に会社説明会を開催していますので、ホームページを時々チェックするといいと思います。
ハウスウェディング業界は数年前に人気化した印象があるので、また人気化するには少し時間がかかりそうな気もしますね。
やはり冠婚より葬祭かと(笑)