2010年09月02日

日本エム・ディ・エム(7600)2010年株主総会レポート〜その2

2010年8月20日(金)10時からの東京都新宿区の 京王プラザホテル 南館4階 扇 で開催された日本エム・ディ・エムMDM(7600)第38回定時株主総会に行ってきました
株主総会レポート〜その2では、日本エム・ディ・エムMDM(7600)2010年株主総会レポート〜その1に続いて質疑応答の様子をまとめていきます。
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日本エム・ディ・エム(7600)
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています(敬称略)
(3-2)ジョンソン&ジョンソンなどと契約を結びなおすたびに在庫評価損が発生している。なぜ毎年発生するのか?
→契約が継続するという前提で商品を仕入れ、販売している。そのためさまざまなサイズを品揃えしており、あまり売れない小さいサイズ、大きいサイズも品揃えしておく必要がある。相手先から契約を終了したいと言われた場合、これらの在庫評価に異なる基準を適用する必要が出てくる。売れ残る見込み分については、通常の評価は適用できないと監査法人からも指導されている。
今後も契約が継続されるよう努力していくが、抜本的な対策としては自社開発・自社製造が重要と考え、その方向を目指している。自社製品の方が利益率も高くなる。
小川康貴常勤監査役)1つの症例を取るためにはセット組みが必要で、幅広いサイズを揃える必要がある。なるべく余分な在庫は持たないようにしている。
(4-2)監査法人はあまり聞いたことがない会社だが、監査が甘いのではないか?今後も契約を続けるのか?監査役の意見も聞きたい。
→優成監査法人はしっかりした監査法人だと思う。日本でも4〜5番目の規模の監査法人であり、見直す考えはない。
(小川康貴常勤監査役)在庫は優成監査法人の現場スタッフ10数名と同行して、各事業所を回ってチェックしている。監査役会には監査法人を選任する権限がないので、取締役会の議論を聞いていく。長く同じ監査法人が担当すると馴れ合いになるのでは?という指摘だが、監査法人は変わらなくても監査する人は変わっていくので、問題ないと思っている。

大手の監査法人に限定して依頼すると競争原理があまり働かなくなるので、準大手の監査法人に依頼するのは良いことだと思いますが、売上100億円規模の会社で監査費用が4千万円近いというのはちょっと高すぎるように感じます。厳しい業績が続いていますし、高い監査費用を払い続ける余裕もないと思います。他の監査法人も含めて見積もりを取り直した方がいいのではないか?と感じますね。
それにしても監査役がここまで回答を行うのは珍しいですね。普通の株主総会では監査役はほとんど発言する機会がありませんし、監査役に質問しても代わりに社長が答えたりして、あまり回答してもらえないような印象があります。監査役は株主と同じ目線で会社を監査しているわけですから、監査役も株主総会で積極的に発言した方がより良い株主総会になると思います。
これからはもっと監査役に向けた質問も考えてみようかな(笑)
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(5-3)毎年届くのは赤字の報告書ばかりで、株価も下がる一方だ!経営陣はどう考えているのか?
→基本的な考え方は、株価は市場が決めるものであり、発行会社が株価水準を論評すべきではない。発行会社が株価を作為的に変動させることは許されない。ただ、事業計画を着実に実施し業績の向上、企業価値・株主価値の向上を図るとともに、IR活動も積極的に行うことで、投資家の方々から高い評価をいただける様に全力を尽くしていきたい。在庫評価損を計上することになったのは大変申し訳ないが、中期計画を着実に実行することで今期は黒字転換を予定しており、来期はもっと伸ばせる。競争力のあるいい商品を提供することが大事になるので、中期計画を着実に実行していく。

株価が低迷している会社は、株価についての株主からの不満に対してどう答えるか?という難しい問題を抱えています。ただあまりにも想定問答通りの突き放すような回答では、株主の怒りに油を注ぐ結果になりかねません。まずは「私も株価の低迷には心を痛めているし、申し訳なく思っている」とお詫びしたうえで、株価低迷には原因があるはずなので、原因と対策を説明するというのが親切な対応ではないかと思います。株価が低迷するのは業績が低迷しているか、知名度不足(IR活動の不足)、あるいは投資家から会社が信頼されていないの3つが大きな要因だと思うので、ただ業績を向上させます!だけではなくて、IR活動なども含めて会社側の考え方をしっかりと伝えて欲しいですね。
(6-3)伊藤忠から取締役が来ているがメリットはなにか?
→中期計画の着実な実行が当社の課題だが、この計画を伊藤忠が全面的にバックアップしてくれている。取締役も派遣いただき、一緒になって取り組んでいく。伊藤忠の様々なネットワークや海外の販路などが活用できる。私の考えと伊藤忠の考えは共有できていると思っている。
(7-4)35億円の在庫評価損は売上の1/3程度と非常に大きい。J&Jとは何年くらいの契約を結んでいるのか?短期の契約で、毎回こんな巨額の評価損が出るようでは利益にならない。
→J&Jとは昭和56年7月に日本総販売代理店となり、骨接合材料の販売を開始した。当時の契約相手先はエースメディカルという会社だったが、M&Aなどで(社名が変わり)契約先が変わり、現在はジョンソン&ジョンソンになっている。30年以上契約が続いていたが、この業界では長期に渡って契約するのが普通だという時代だった。毎年毎年5年先までの契約を更新してきた。ただJ&Jには契約解除権があり、2008年12月に契約解除を申し入れてきた。交渉の結果2009年12月で契約を解消することになった。30年以上も続いた契約だったが、J&J側の経営体制変更なども影響したのかもしれないが、契約を解除することになった。在庫のほんの一部しか買い取ってもらえないし、お医者さんへの商品供給も途絶えてしまうので、2012年6月末までの新たな供給契約を結んだ。今までの契約では類似商品の開発はできなかったが、新契約では可能になったので、アメリカの子会社と共同で骨接合材料の自社開発に取り組んでいる。日本メディカルマテリアルとは2006年4月に3年間の販売提携契約を結んだ。これもいろいろと事情があり、日本メディカルマテリアルからやめたいと申し入れがあった。やはり商品供給が途絶えるとお医者さんに迷惑をかけることになるので、交渉の結果3年間のOEM契約を結ぶことになった。期限が来ても更新していきたいと思っているが、(相手先もあることであり)現時点で更新できると言うのは適切ではない。今後は在庫の管理を徹底し、このようなことが発生しても大きな損失が出ないようにしていきたい。
契約解除の申し入れがあった当時は、J&J商品で100億円くらいの在庫があり、今回の大きな損失につながってしまった。今後はこのようなことがないよう在庫の管理を徹底する。
(8-4)今回の特損計上で在庫はきれいになるのか?
→2012年6月末の新契約終了時に発生する損失額を見込んだのが、35億円の在庫評価損です。合理的に見積もっているが、計画通りに在庫が減っていくとは限らないので、実際にはいくらか差異が出る。ただ大きな金額ではない。
(9-5)米国子会社に貸している利率はどの程度か?金利はドルで受け取っているのか?
→LIBOR(ロンドン市場の銀行間取引金利)+1%で貸しており、2〜2.5%程度です。ドル建ての貸付なので金利もドルで受け取っている。ただ、親子間の取引なので連結財務諸表には現れてこない。


以上で質問もなくなり、質疑応答は終了となりました。
最近の業績は赤字が多く、株価も低迷している割には質問が少なかったですね。代理店ビジネスでは契約解除リスクは避けられないので、自社開発に乗り出すというのは妥当な戦略だと思います。問題は今までにどの程度技術力を蓄積できたのか?という点ですね。アメリカの子会社と共同で開発していくそうですが、子会社化していて良かったですね!予定通りに競争力のある製品を開発できれば、利益率も高くなるでしょうし、販売戦略などの自由度も高まります。成果が楽しみですねるんるん
続いて議案の採決があり、株主総会は終了となりました。
引き続いていて新たに選任された取締役の紹介がありました。その中で大川正男社長から、取締役を代表して挨拶がありました。
 大川正男社長の挨拶の要旨
現在の日本エム・ディ・エムは、将来の発展に向けた転換点に立っていると認識している。事業計画を中心とした様々な経営施策を着実に実行し、良い会社を作っていきたい。その結果としての企業価値増大を目指して、取締役が一丸となり全力を尽くしていきますので、今後ともよろしくお願いします。
 (会場から大きな拍手)
他の取締役の方々は、名前とよろしくお願いしますという挨拶だけでした。せっかくの機会なので、株主に対して簡単な抱負や挨拶があってもいいと思いますね。
日本エム・ディ・エム(7600)
続いて隣の会場、というか株主総会会場の後方と受付前のスペースを使って懇親会が開催されました。
サンドイッチとサーモンなどのサラダ、クッキーなどのデザートと飲み物が用意されていました。
私はパソナの株主総会が控えていたので、サンドイッチをいくつか頬張り会場を後にしようとしましたが、取締役の方々が積極的に声を掛けてくれるので、少し話し込んでしまいさらにパソナへの到着が遅れてしまいました(笑)
なぜジョンソン&ジョンソンから一方的に契約解除の申し入れがあったのに、在庫の一部しか買い取ってもらえないのか非常に疑問に感じていたので、話し掛けてくれた取締役の方に質問してみました。
ふつう契約解除するなら在庫は責任を持って引き取ってくれてもいいと思うんですが、一部しか引き取ってもらえなくて、販売側が多額の損失を計上しないといけないというのはおかしな話ですよね。そんな契約なら買うだけ買わせておいて、次々に契約解除すれば大儲けじゃないですかちっ(怒った顔)
まあそんな商売では長続きしませんけどね(笑)
取締役の方の回答は、在庫の中には商品以外に手術で使っている器具などもあるので、仕入れた価格では引き取ってもらえないものもあるからということでした。そんなものなのかな〜という感じですが、日本エム・ディ・エムとしては30年以上も続いてきた契約がまさか解除されるとは予想もしていなかったんでしょうね。なので対応も遅れて多額の在庫を抱えることになってしまったような感じがしました。立場的には商品を供給しているJ&Jの方が上ですし、契約社会のアメリカで揉まれているので契約書の作成も慣れたものなんでしょうね。相手の方が一枚も二枚も上手だったということなんでしょうね。
日本人として、そして日本エム・ディ・エムの1株主として、新商品開発が計画通りに進んでJ&J以上の商品を開発できることを期待していますぴかぴか(新しい)
来年の株主総会では良い報告が聞けるとうれしいですねわーい(嬉しい顔)大川社長応援していますよ!


帰りには受付で、京王プラザホテルのバニラケーキをいただきました。昨年はチョコケーキだったらしいですが、来年のお土産は何か楽しみですね。ちょっと気が早すぎますが(笑)
日本エム・ディ・エム(7600)
   取締役の皆様 お疲れ様でした
posted by Zaimax at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 株主総会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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