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らでぃっしゅぼーやは有機野菜や無添加の食材などを宅配している会社です。有機野菜というと、まだまだ高いというイメージがありますが、健康に気を使う消費者も増えているので、おもしろそうかな?と思い参加してきました。
2010年5月7日(金)の株価 565円(JASDAQ 3146)100株単位 2月決算
PER 16.4倍、PBR 1.02倍、配当利回り 1.24%、株主資本比率 41.8%
株主優待 8月末の株主に所有株式数に応じて自社商品か会員ポイント贈呈
詳しくは、らでぃっしゅぼーやの株主優待ページをご覧ください


お土産 らでぃっしゅぼーやのオレンジジュース、りんごジュース
らでぃっしゅぼーや(3146)の企業情報ホームページ
らでぃっしゅぼーや(3146)のヤフー株価情報
株価指標からみると、PERは16倍で割高感もないし割安感も感じません。配当利回りも1.2%と低いので、これらの点からはあまり魅力的な株価ではありません。今後の成長期待次第という感じですね。

株価推移を見ると公募価格である600円前後で推移しています。上場したのが2008年12月で、リーマンショックの直後であることを考えると、健闘していると言えるのかもしれません。8月や9月に上場していたら、上場後すぐにリーマンショックで株価大幅下落



会社側の出席者は緒方大助社長(右側)と秋田二郎常務で、プレゼンテーションは緒方社長から説明がありました。手振りも交えながら元気な説明でしたね

らでぃっしゅぼーやは、元々NPOからスタートし、青汁のキューサイグループに入り、その後にジャフコ傘下のファンドの力を借りてMBOを行い、その2年後に上場という複雑な経緯をたどっています。
そのためジャフコのファンドが5割近い株式を保有しています。そして日本レストランシステム(今はドトール・日レスホールディングス(3087)になっています)も21%の株式を保有しています。
これら大株主の売却意向次第で、株価や今後の業績にも大きな影響がありそうです。

らでぃっしゅぼーやは有機・低農薬農産物流通のパイオニアで業界最大手です。らでぃっしゅぼーやのビジネスモデルは、商品企画から生産、そして会員へのお届けまでのバリューチェーンを一貫してマネジメントしている「食のSPA」です。食の分野のユニクロのような会社です。農作物はすべて生産者からの直接購入で、らでぃっしゅぼーやの決めた栽培方法を指定して、農作物の生産を委託している。

この写真はハムの例だが

契約先の農家には栽培方法を指定して作ってもらうが、そのまま購入するわけではなく、らでぃっしゅぼーやで監査している。これは農家と対立関係(契約通りに生産しているか見張る側)になる恐れがあるので、生産者との交流の場としてRadixの会を結成し、年間50回ほど技術交流会などを開催し、技術レベルのアップや生産者との交流に取り組んでいる。

配送にも工夫を凝らしていて、らでぃっしゅぼーやのビジネスモデルでは顧客と直接会う機会はなく、商品を配送する業者が顧客との接点となる。ふつうは単なる配送業務になってしまうが、配送個数ではなく売上高にリンクした配送料金体系にすることで、配達員が届け先の顧客に新商品などを薦めて購入額が増えると、配送会社の売上も増える仕組みにしている。その結果、単なる「お届け先」ではなく「お客様」としてみずからセールスプロモーションをしてくれる。単なる「お届け先」として商品を届けるのと、「お客様」として商品を届けるのでは顧客の印象もまったく違ってくる。
2010年2月期の業績は、リーマンショック後の不景気の影響を受け、売上が2.3%減となった。会員数は4%増えたものの財布の紐が締まり購入単価が7%ほど下がった影響が大きい。今まで12品/週の購入が11.5品に減り、高額な商品が売れなくなったが、今年の1月からは復調の兆しが見えてきた。売上構成は農産物が約半分で、定期品ぱれっとが36%、注文品元気くんが63%を占めている。
四半期ごとの業績では12月、1月を含む4Qの売上・利益が最大になる。1Qと3Qに広告宣伝活動を重点的に行うので、この期は利益率が低くなる。
今期は5%増収4.6%増益を見込んでいる。成長のためには会員数を増やしていくことが重要だが、そのためには新規会員を獲得しつつ、既存会員の満足度を高め退会率を下げていく必要がある。
新規会員獲得は、(1)新聞折込チラシ (2)ネット広告 (3)既存会員からの紹介 が3本柱
新聞を読まない人も増えており、折込チラシからネットを駆使した集客へシフトしている。ネット広告は単価も安い。紹介システムにも力を入れ、入会直後の会員への紹介キャンペーンを強化していく。
その他には、イベントに協賛してらでぃっしゅぼーやの商品に直接触れてもらう機会も作っていく。名古屋のイベントでも会員獲得効果が高かった。引越し業者など他社とのアライアンスにも取り組んでいく。
既存顧客の満足度向上策については、主力商品の「ぱれっと」を改訂する。
「ぱれっと」は毎週会員宅に有機野菜など10〜15品をお届けする商品で、何が届くか顧客は選べない。当社でバランスなどを考えて詰め合わせていて、その分価格は安くなる。いろいろな声があるので、定番品中心のラインや幅広い商品を提供するラインなど、使いやすさや利便性を向上させる内容の改訂を行う。
また、購入金額の多い会員向けにプレミアム会員制度を導入する。
当社の会員の6割は子育て世代であり、妊娠・出産がらでぃっしゅぼーや入会のきっかけになっている。6月以降ボリュームゾーンである子育て会員向けのサービスメニューの提供を行っていく。
50代から60代の世帯では客単価が高いが、子育て世帯はボリュームゾーンではあるものの客単価は低い。この世帯向けに商品を絞り込み、日常的に使う定番の低価格品を投入する。低価格と言ってもスーパーよりは高いが、2割高程度に抑えたい。
その結果、今期末の会員数は7千人(6.9%)増の10.8万人を目標にしている。
今後の戦略
戦略1 利便性の向上(買いやすい売り場の提供)
戦略2 リーズナブルな価格での供給
マーケットの背景として、食への安全志向は高まっており、70歳以上と30代が特に関心が高い。また、まだ規模は小さいもののネットスーパーなどネット販売が伸びてきている。
戦略1として、会員でなくても買えるネットストア「eらでぃっしゅ」を2月17日にプレオープンした。7月頃のグランドオープンに向けて、着々と準備を進めている。自然食品対応のネットストアでNo1を目指す

戦略2としては、当社のボリュームゾーンでもある子育て会員は、食の安全への関心は高いが可処分所得は少ないので、よりリーズナブルな価格の実現が求められている。その一環として自社農場「らでぃっしゅファーム和郷」を開設し、初年度黒字の目標を達成した。農業分野への企業の参入も増えているが、通常黒字化には5〜10年かかっている。今回の結果から、生産コストを2割くらいは下げられそうだが、これからも実績を重ね効率農業を追求していく。全国に農場を展開し、農業エリアの拡大も進めていく。
日本の農業市場は8.5兆円で、世界第5位の規模がある。先進国ではアメリカに次いで2位です。しかし農業人口の6割が65歳以上であるなど、課題も多い。らでぃっしゅぼーやの強みを活かし、低効率・不活性の農業市場に新たな展開をもたらしたい。
有機野菜の市場はこれから伸びるので、効率農業でコストが下がった分は販売価格を下げるために使い、積極的にシェアを取っていきたい。有機のプライスリーダーを目指す

質疑応答
(1)株主還元についてまったく話がなかったが?
→配当は7円で株数に応じた株主優待を行っている。
(2)利益が出ているのに営業キャッシュフローがマイナスなのはなぜか
→前期は決算日(2月末)が日曜日だったので、銀行が休みで入金が3月になった。そのため売上債権での計上となり、営業CFはマイナスとなった。一時的な要因です。
(3)中期的な戦略の説明はあったが、投資する側としては具体的な売上・利益目標を聞きたい。
→社内では中期計画を作成しているが、公表はしていないので勘弁してほしい。
(秋田常務から)売上のベースとなるのは会員数であり、今後も現在の伸びを続けていくと考えている。購入単価や利益率はそれほど変わらないので、おおよそはご理解いただけると思う。それに加えてネット販売と農業がプラスになる。
(緒方社長)MBOの影響で借入金の返済もあり、2〜3年は5〜10%くらいのゆっくりした成長を考えているが、その後はアクセルを踏んで


(4)ネット販売はどの程度を考えているのか
→有機野菜でネット販売をしている会社があるが、その売上が70億円くらいなので、5年くらいで少なくとも同じ規模にはしたい。
活気もあり分かりやすい説明でしたが、投資家向けの会社説明会で株主還元について説明がないのはあまり聞いたことがありません。NPOからスタートして営利企業に変わり、MBOでファンドも経営に加わるという生い立ちから、社内の意識がばらばらで上場企業という意識が薄い人が多いのかもしれません。
農業に参入して効率農業を追求し、その成果はすべて顧客に還元してシェアを向上させるという説明は分かりますが、一方で株主にはどう還元する考えなのかが分かりません。上場企業と言うよりNPOの説明会に参加した感じです


確かに食の安全への関心は年々高まっていますし、価格がリーズナブルになれば、いっそう市場は拡大すると思います。長い目で見ればその方が、らでぃっしゅぼーやの売上・利益にもプラスになるのかもしれませんが、それならばもっと丁寧な説明が必要ですし、そもそも株式公開の意味がないと思います。通常目先の利益には目をつむり長期の成長を目指すためにMBOが使われます。なぜこのタイミングで上場したのかがよく分かりません。ファンド側の意向で投資資金を回収したいがために上場したのだとすると、株式公開の意義を履き違えているし、その株を買わされる新たな株主は報われません。
上位株主の持ち株数推移とともに、この点が非常に気になりますね

らでぃっしゅぼーやを取り巻く環境としては、ボリュームゾーンである子育て世代向けに今後こども手当が支給されるのは大きなプラスです。最大の課題である可処分所得が増えるので、売上が増える可能性があります。有機野菜市場も拡大していくと思うので、この点では期待も持てます。
ファンドの動きも含めて、今後の展開を見守りたいですね。
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