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モスフードサービスは、日本マクドナルドに続いてシェア2位のハンバーガーチェーンです。日本発祥のハンバーガーチェーンでは日本最大の会社です。
先日は日本マクドナルドの株主総会に参加して原田社長のプレゼンテーションを聞いてきたところなので、それに対抗するモスフードサービスの戦略というものにもとても興味があり参加しました。
2010年4月6日(火)の株価 1,523円(東証1部 8153)100株単位 3月決算
PER 42.7倍、PBR 1.34倍、配当利回り 0.79%、株主資本比率 75.5%
株主優待 所有株式数に応じて株主優待券を年2回贈呈
100株から500株未満 年間千円分(500円券×1枚×2回)
詳しくはモスフードサービスの株主優待ページをご覧ください


お土産 モスのジャスミン茶350ml、お食事券500円分、花の種など
モスフードサービス(8153)のホームページ
モスフードサービス(8153)のヤフー株価情報
株価指標面から見るとPERも42倍ですし、配当利回りも1%以下で割高だと感じてしまいますね。逆にそれだけ人気があるとも言えます。株主優待制度もマックと比べると見劣りするように感じてしまいますし、他の外食企業と比べるとさらに見劣りします。以前にもモスを買おうかな〜と思ったこともありますが、あまりにも株主還元に消極的に感じたので買いませんでした。

過去10年の株価推移を見てみると、足元は高値圏で推移しています。ここ5年ほどは1,500円前後の値動きで安定していますね。人気があるのでそれほど下がらないけど、割高でもあるので上がりもしないという感じでしょうか?
一方、過去5年間の株価推移をマックと比べたのが下のチャートです。青がモスの株価なので、モスの方が好調に推移しています。ちょっと意外な結果でした。この点からもマックの方が割安な感じがします。

プレゼンテーションは、櫻田 厚社長から説明がありました。キユーピーは総務部長が説明していたのと比べると、櫻田社長自ら説明してくれたので、個人投資家向けのIRにも力を入れてきたのかな?と感じますね。大企業だと個人投資家向けの説明会は、IR担当部門に任せっきりという会社もあるので、会社側は誰が出席しているか?というのも大事なチェックポイントになります。

櫻田社長は58歳だそうです

モスは2010年2月末現在で、国内1,336店舗、海外213店舗(台湾164店、シンガポール24店、香港13店、タイ7店、インドネシア4店、中国1店)を展開しています。中国は2月にアモイに1号店を出店した。
日本のハンバーガーチェーンのシェア(2008年度)は、日本マクドナルドが75.4%と圧倒的1位で、2位がモスバーガーで14.2%、3位がロッテリア5%となっている。上位2社で9割近くを占めている。マックが圧倒的に大きなシェアを持っているが、大きいといいのかどうかは、私からは言えない

中長期における経営指針は
1.トータルサティスファクション(モス支援者の方々へのご満足)
2.ブランド価値の更なる向上
3.モスの社会貢献
で、トータルサティスファクションについては、株主、社員、加盟店、顧客、取引先、地域社会、行政、環境の8つのステークホルダーとの関係を大切にしている。
ブランド価値の更なる向上では、商品そのもの、そして品質保証に加えて、店舗や働く人の重要性が高まっている。30年前は店舗が少々汚くても美味しければ流行った時期もあったが、今は違う。店舗周りの清掃にも力を入れている。外食産業がホスピタリティ産業になり、働く人の重要性がますます高まっている。
そして3つ目のモスの社会貢献については、食育活動や災害時帰宅困難者支援に関する協定を30自治体と締結したり、キッザニア東京にも出展している。
食育活動については、日本人は病気がちで長生きしているという傾向があり、食育の大切さが見直され食育基本法が制定された。モスのスタッフが小学校を訪問し、野菜の知識やしつけなどの食育活動を行っている。すでに1万名以上が受講している。
モス(MOS)の社名の由来は、14年前に無くなった創業者(櫻田社長のおじ)が、学生時代にワンダーフォーゲル部で、山から下界を見たときにいろいろと感じたことが元になり、MOSという社名にした。
Mountain 山のように気高く堂々と
Ocean 海のように深く、広い心で
Sun 太陽のように燃え尽きることのない情熱を持って
自然社会を侵すようなビジネスをしたくないという想いもこもっている。
(感想)モスの社名の由来は初めて聞きました。MOSって頭文字だったんですね

モスの大切にしているものは、経営理念の人間貢献・社会貢献で、開店前の10分は店の周り、2〜3軒先までの掃除をしている。板橋区の1号店で始めた活動で、周りの店も掃除するようになり、商店街ぐるみの活動になった。そして経営目標は、食を通じて人を幸せにすることで、ハンバーガーを売っているのではなくて、ハンバーガーを通じて人を幸せにする会社です。
モスは日本の会社として、国産素材の活用にも力を入れており、生産者の顔が見える野菜のみを取り扱っている。国産野菜の取り扱いは、14年前に国内で初めてモスが始めたが、開始と同じくして創業者が亡くなった。アレルギーのある人が増えてきたので、減農薬・減化学肥料を推進しており、安全・安心を大切にしている。そして若い農業従事者の育成にも力を入れている。
2008年12月27日からは、国産肉を使った「とびきりハンバーグサンド」を発売し、お手ごろ価格でボリュームたっぷりということで好評を博している。ちょうど中国産の冷凍餃子などが問題になり、マスコミのミスリードで中国産は危ないという風潮になったこともあって、国産肉・野菜の「とびきりハンバーグサンド」は大ヒットした。小麦は輸入なのでしょうがないが、これからも国産素材にこだわっていく。
「とびきりハンバーグサンド」は、国内自給率向上に貢献したということで、FOOD ACTION NIPPONアワード2009でプロダクト部門の優秀賞を受賞した。
ご当地メニューの展開にも力を入れており、岩手県産南部どりバーガーなどが大ヒットしている。数が限られるので全国のお店には出せないが、地産地消の取り組みでモスらしいと思っている。
ご要望に応じて、レシートにアレルギー情報を表示する取り組みも、日本で初めて実施している。
最近のトピックスとしては、4月23日に広島のイオンモール広島府中ソレイユ内に、モスド1号店をオープンする。

ダスキンとの資本・業務提携発表以降、株主総会でも同じ店でモスとミスタードーナッツの両方の商品を食べたいという声が多かった。モスは昼時に混雑するが、ミスドはおやつタイムに来店が多いなど異なっているので、モスドは相乗効果も見込める。最適な出店場所を探していたので1号店が広島になったが、東京や大阪にも出していきたい。
海外戦略については、まずはアジア最大市場の中国への挑戦を行い、今後の出店予定国は韓国、マレーシア、オーストラリア、そして将来はEUや北米にも出店していきたい。日本のモスからアジアのモス、そして世界のモスを目指していく。台湾については5年ほど駐在していたが、現状164店となっており、最大で250店まで出店できる。シンガポールは24店で最大35店までと考えている。その他の国々にも出店していて、海外店舗は親孝行できている(利益に貢献しているということですね)
業績サマリーと株主還元
97年に既存店売上高が前年比100を切ったこともあり、ここ5年くらいは、加盟店の整理など内部固めに取り組んできた。そのため売上も減少傾向だが、来期からは右肩上がりで伸ばしていく。
株主還元については、2005年5月に単元株を千株から100株に引き下げた。株主優待制度も導入していて、モスバーガーグループとミスタードーナッツの両方で相互利用ができる。
配当については赤字の時も配当を行っており、安定配当です。過去最高は28円という時期があったので、そこを目指して努力していく。株主優待については、株主総会などで長期保有株主への優待上乗せの要望も多く頂いており、検討課題と考えている。
ホームページにも様々な情報を載せているので、ぜひ見て欲しい。
質疑応答
(1)マクドナルドも品質を向上させ、高価格帯の商品を投入して好調に推移していて、モスの領域が侵食されているのではないか?内部固めが終わり今後右肩上がりで売上を伸ばしていくということだが、本当に伸ばしていけるのか?
→マクドナルドは75%のシェアを持っているからこそできることがある一方で、CMなどを見てもターゲットは全方位戦略となる。私から見ると最近は戦略が揺らいでいるのではないか?とも感じる。一時はアメリカンを大々的に打ち出していたが、モスが国産素材や地産地消で好評だと、アメリカンを引っ込めてしまいマクドナルドの日本の味と打ち出してきた。モスを意識し始めたのかなと思っていて、(マクドナルドは)そんなに心配していない。モスにはコアなファンがついているので、広告宣伝ではなくここに徹底的に商品の良さなどを訴求していく。ハンバーガーがマックだけでも困るだろうし、両者のすみわけは可能だと思う。モスでも色々と取り組みは行っていて、5〜6月くらいには色々なところに登場すると思うので、楽しみにしていて欲しい。
(2)海外店舗は台湾のようにドミナント展開している国もあれば、バラバラと出店している国もある。このような状態で利益貢献しているのか?
→台湾は出店してから19年、シンガポールは18年の歴史があり、業績を上げ続けてきた。一方香港はまだ3年、タイは2年、インドネシアは1年で立ち上げたばかりです。5年スパンで考えれば数字は出せると思っている。業績の足を引っ張らないよう着実に伸ばしていくので、安心して欲しい。
(3)モスの方がはるかに美味しいが、同じ値段で比較するとボリュームが少なく満腹感がない。
→セットメニューの価格はほぼ同じでです。マクドナルドはCMでは100円マックを訴求して安さを打ち出しているが、店舗ではセットメニューを全面に出していて安いわけではない。戦略はうまいと思うが

モスでもボリュームのあるメニューはあり、とびきりハンバーグサンドトマト&レタス420円 などビックマックより満腹感があると思う。
(4)ミスタードーナッツ(ダスキン)との提携効果は?
→物流の乗り入れによるコストダウン効果や、株主優待券の相互利用などの効果が出ている。これからも大型物件には共同出店していく。モスドの今期は東京、大阪の2店舗を予定している。
その他にも、教育システムの提携や、モスの衛生管理システムは日本一だと思っているので、その提供なども考えている。海外展開についても協力できると思う。
マクドナルドと比べると、具体的な戦略が乏しいように感じました。5〜5月にかけて大々的な発表があるみたいなので、今は具体的な話ができないのかもしれませんが、それにしても今までの取り組みが中心で、今後どうしていくのか?という一番大事な部分の説明がほとんどなかったように感じました。
質疑応答では、モスとマクドナルドのすみわけは可能と言っていましたが、確かにモスにはコアなファンがいてすみわけは可能だと思います。
ただ私には、モスは高品質だけど高価格というイメージがあり、一方のマクドナルドも高品質で高価格な商品展開を進めています。今までモスが得意としてきた領域にもマックが力を入れてくるので、「今後は右肩上がりで売上を伸ばしていく」というのが、本当に可能なのかな

売 上 = 客単価 × 客数 × 来店頻度
なので、売上を伸ばすには、3つのうちのどれかを伸ばす必要があります。コアなファンだけをターゲットにしているのでは、高齢化が進む日本で売上を伸ばすのは難しいように感じます。目新しい地域限定商品を次々と投入して来店頻度を上げる方法もありますが、やはり顧客数を増やさないと継続的な売上増は難しそうです。100円マックのような目玉商品を投入して来店客を増やし、モスの高品質商品を知ってもらうという取り組みも必要かと思いますが、モスの規模では100円マックのような商品は難しいのかもしれませんね。今後どのような具体策を打ち出してくるのでしょうか?地産地消などモスの規模だからできることもあると思うので、モスならでは取り組みに力を入れていって欲しいですね。
一方、海外展開については、マックと違って進出エリアに制約はないので、成長の可能性はありますね。現状はアジアにバラバラと進出していて効率が悪いな〜と思っていましたが、まずは何店かテスト出店してみて、現地で受け入れられるフォーマットを確立してから一気にドミナント展開していく考えのようです。まずはいかにアジアでモスが受け入れられるかがポイントになりそうですね


とびきりハンバーグサンド トマト&レタス

株主優待ランチの様子はこちらをごらんください
上記のブログでも分かるように、ご飯お替り自由で600円ほどの定食と比べると、とても割高に感じてしまいますね。このあたりをもっと改善して、いかにお得感を感じてもらうかも大事だと思うんですが

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