サッポロホールディングスはみなさんご存知の通り、エビスビールや黒ラベルなどのビールや飲料・食品などを製造販売している会社です。
サッポロホールディングスの株主総会に出席するのは初めてです。

2010年3月30日(火)の株価 493円(東証1部 2501)1,000株単位 12月決算
PER 40.1倍、PBR 1.63倍、配当利回り 1.42%、株主資本比率 23.4%
株主優待 12月末の株数に応じてビールや清涼飲料水の詰合せ、寄付から選択
詳しくはサッポロホールディングスの株主優待ページをご覧ください

サッポロホールディングス(2501)のホームページ
サッポロホールディングス(2501)のヤフー株価情報

過去10年間の株価推移を見ると、一時的に高い時期もありましたが、ほぼ400円前後で推移しています。10年前も、村上社長が就任した5年前も、現在も400円程度です。この点では村上社長が陣頭指揮に当たった5年間で、時価総額はほとんど増えていないということになります。

過去5年間の競合他社との株価推移を比較したグラフです



スケジュール
10:00〜10:46 事業報告 映像での報告+村上隆男社長からのプレゼンテーション
10:46〜10:55 議案説明
第1号議案 剰余金の処分の件 配当7円
第2号議案 取締役10名選任の件 福永氏が退任、寺坂氏が新任
第3号議案 補欠監査役1名選任の件 矢田次男氏を再任
第4号議案 当社株券等の大規模買付行為への対応方針承認の件 1年延長
<株主提案>スティールパートナーズによる提案
第5号議案 取締役10名選任の件 4人は第2号議案と同じ候補
10:55〜12:12 質疑応答 質問者のべ11人 計17件 77分
12:12〜12:23 議案採決 採決は拍手方式 すべて可決
12:23〜12:24 新任取締役紹介 紹介のみ


お土産 後渡し エビスYEBISU 350ml、麦とホップ、玉露入りお茶2本ずつ、ポテかる33g2袋
飲み物サービス 受付で玉露入りお茶ペットボトル500ml
経営戦略説明会 なし 株主総会の事業報告の中で説明
懇親会 なし
さて注目の株主総会格付けですが、事業の現状についてナレーションで詳しい説明がありましたし、お土産もアサヒビールと比べると豪華です。キリンは出席していないので分かりませんが、3社の中でも一番豪華なのではないでしょうか?一方集中日の30日開催で開始時間も10時からと、他社と重なり出席できない株主もたくさんいると思います。これらを総合的に判断し、サッポロホールディングス(2501)の株主総会格付けは 『C+』 としました。

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議決権を有する株主数 28,031名、その議決権数 387,397個
議決権返送&出席株主数 13,569名、その議決権数 329,725個 9時50分時点

入り口前にたくさん集まっているのは報道各社のカメラマン達です
会場はサッポロ本社と隣接した恵比寿ガーデンプレイス内のザ・ガーデンホールです。入り口前には報道各社のカメラなども集まり、物々しい雰囲気でちょっと入りにくかったですね。筆頭株主のスティールパートナーズと委任状争奪戦プロクシーファイトに発展しており、結果が注目されています。
3階のホールには椅子が並べられていましたが、アサヒの株主総会と比べるととても狭いですね。収容人数はシーティングで750名です。第2会場としてエントランスのホールホワイエやホールへ続く通路にまで椅子が並べられていました。第2会場の様子は分かりませんが、ホール内はほぼ満席でした。報道によると、株主総会出席者は昨年より102人多い977人だったそうです。
会場中央に2ヵ所マイクが用意されていました。

第二会場の様子

9時55分頃役員が入場し、10時から株主総会が始まりました。株主が座っている席と役員陣の座っている席が同じ高さなので、前方の株主以外は役員の方々の顔が見えませんでした。役員陣の席をもう少し高くするか、映像をスクリーンに映すなどの改善が必要だと思います。
村上社長の「よろしくお願いします」の挨拶に、会場前方右手側から割れんばかりの拍手が沸き起こり、人気があるんだな〜と感心しました。しかしその後も社長や役員陣の発言の度に一糸乱れぬ感じで


事業報告は映像+ナレーションで行われ、対処すべき課題については村上社長から説明がありました。分かりやすい説明でしたが、村上社長はほとんど下を向いて原稿をそのまま読んでいる感じでした。
株主への大事なプレゼンテーションなんですから、もう少し前を向いて自信を持って株主に語りかけて欲しいですね。説明の中で気になったのは、「総需要の伸びを下回った」などの表現が目立ったことです。もちろん外部環境の影響を受けることは分かりますが、あまりに多用されると外部環境を言い訳にしているように聞こえてしまいます。そんな諦めというか消極的なトップの姿勢が、今のシェア4位やジリ貧につながっているのではないでしょうか?たとえ外部環境が悪くても対応した商品を開発し、売上・利益を伸ばしている会社はたくさんあります。経営者としては外部環境を言い訳にせず、業績を伸ばしていく戦略を株主に語って欲しいと思います。外部環境に柔軟に対応し、新たな需要を創造していくぞ


その後議案の説明があり、質疑応答になりました。質問したい人は手を挙げ、議長の指名後マイクまで進み質問する形式でした。
まずは書面での質問がありそれに回答しました。書面での質問なのに、村上社長は会場内に質問者がいることをわざわざ確認してから回答していて、不自然に感じました。質問したい人はたくさんいたので、会場に来ているなら指名を受けて質問するのが筋じゃないでしょうか?質問内容はスティールを非難する内容なので、会社側と事前に打合せているんじゃないのか

書面での質問に回答後、スティールパートナーズが自らの意見を表明する時間が設けられ、ジョシュア・シェクター氏から第5号議案提案の背景が説明されました。こうした時間を設けるのは、両者の主張が分かりとてもいいことだと思います。サッポロは大人な対応だなと感じました。ただ、せっかくこうした機会を設けるなら、質疑応答ではなく議案説明時に行ったほうがいいのではないでしょうか?また、会場中央の質問マイクではなくて、会場前方から株主に向かって説明した方がより良いと思います。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)〜(1-3)は書面による事前質問
(1-1)スティールが提案している内藤氏は、ポッカ社長時に一株当純資産(BPS)を下回る価格でMBOをしており、その後上方修正もしている。BPSを下回る株価でMBOを行うのは信義にもとる行為だ
(2-1)近い将来上方修正が予想されるのに、時価をベースにMBOを行うのは信義にもとる行為だ
(3-1)サッポロは一株当たり純資産(BPS)を下回る廉価でMBOを行うことはないと誓約できるか?
→ポッカのMBOについては詳細を把握していないので言及することは差し控えるが、質問1と2については状況により判断が異なってくるので一般論として回答するのは適切でない。
質問3については将来に取り得る戦略を制約することになるので、言及は控えさせて頂くが、現在のところMBOの予定はない。
BPOはあくまでも帳簿上の価格であり、実際に会社の資産をすべて売却すると、在庫や工場設備など逆に費用を支払って処分しなければならない場合もあります。本当にBPS通りの価値があるかは処分してみなければ分かりません。BPSがプラスでも、資産は足元をみて二束三文で買い叩かれますし、負債は額面通りに払わないといけないので、実際には債務超過だったというのはよくあるケースです。この株主は「BPSを下回る株価でMBOを行うのは信義にもとる行為」と言っていますが、心情的には理解できますが上記の理由からそこまでは言い切れないと思います。本当にMBO価格を大きく上回る価値があるのなら、弱肉強食の資本主義の世界なんですから、他のファンドなどが対抗して買収してくるはずです。実際買収価格が低すぎると判断される場合、そういった対抗する動きが出てきます。他のファンドや事業会社が興味を示さなかったということは、ほぼ妥当な価格だったとも言えます。
自分が希望する価格で買い取ってもらえなかったからといって、他社の株主総会でも長々とファンド批判を行うというのはいかがなものでしょうか?だいたいポッカとスティールは関係ありませんし

続いてスティールパートナーズに発言の機会が設けられ、日本語に通訳しながら13分ほど株主提案に至った理由について説明がありました。引き続いて村上社長から反論が2分ほどありました。
現経営陣が企業価値を高めていないという指摘に関しては、しっかりと企業価値を高めている、議決権行使助言機関がスティールパートナーズの提案を支持している点については理解を得られず残念だ、という反論でした。こういった株主総会は珍しいので、とてもいい経験になりましたね。
その後通常の質疑応答となりました。
(4-2)一般の株主がスティールに質問することはできるのか?
→スティールに確認します
→(スティールの回答)Yes!

(5-2)第5号議案の決議方法は?事前の報道では生保などの機関投資家は会社側、外国人株主はスティール側で、決議の行方は1/3保有の個人が握っていると言われている。拍手では何割が賛成か分からないのではないか。具体的な賛否の状況も教えて欲しい。
→採決方法は議長にお任せ頂きたいが、現時点までの集計状況(郵送での議決権行使、委任状での議決権行使など)で採決方法を考える。結果については後日ホームページで報告する。
株主総会の中で株主がスティール側にも質問できるのはいいことですね。サッポロもなかなか大人な対応をするな〜と感心していましたが、採決時に分かったのはすでに過半数を確保していたことです。余裕だったんですね。本当に拮抗していて、株主総会出席者の賛否で決まるような緊迫した状況だったら、会社側の態度も変わったかもしれませんね(笑)
拮抗することも想定していたのか、出席票も他社とはまったく違います(お土産の写真参照)
1から10までの番号が振ってあり、バーコード付で切り離し可能な特殊な出席票になっています。最悪の場合、この出席票を切り離し、候補者番号別に会社側とスティール側の投票箱に投票して集計することも想定していたのかもしれません。どちらにしろ貴重で珍しい出席票ですね

まだまだ質問は続きます。続きは株主総会レポート〜その2でお楽しみください。
サッポロHD(2501)2010年株主総会レポート〜その2

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