リーバイ・ストラウス ジャパンは、皆さんご存知の通りリーバイスブランドの501ジーンズなどを製造・販売している会社です。リーバイ・ストラウス ジャパンの株主総会に出席するのは初めてです。

2010年2月26日(金)の株価 295円(JASDAQ 9836)1,000株単位 11月決算
PER 100.3倍、PBR 0.89倍、配当利回り 無配転落、株主資本比率 71.3%
株主優待 なし
リーバイ・ストラウス ジャパン(9836)のホームページ
リーバイ・ストラウス ジャパン(9836)のヤフー株価情報

リーバイ・ストラウス ジャパン(9836)の過去10年の株価推移

外資系ということで高配当の会社だったんですが、最近はユニクロなどの格安ジーンズに市場を奪われ、遂には赤字に転落してしまい無配になってしまいました



スケジュール
10:00〜10:18 事業報告 社長が読み上げ+スクリーンに映像
10:18〜10:54 報告事項の質疑応答 質問者のべ6人 計18問 36分
10:54〜10:59 決議事項の審議 質問者1人 1件 拍手方式 すべて可決
第1号議案 取締役1名選任の件 杉江氏の辞任に伴い、新たに角井氏を選任
第2号議案 監査役1名選任の件 社外監査役辞任に伴い、新たに選任
10:59〜11:01 新任取締役あいさつ
11:03〜11:25 前期の活動ハイライトと今期の取り組みについて土居社長から説明
お土産 なし


飲み物サービス 会場横にてコーヒー、紅茶のサービス
経営戦略説明会 株主総会後に実施 質疑応答はなし
懇親会 なし

さて注目の株主総会格付けですが、お土産はないものの飲み物サービスがあり、今後の取り組みについての説明もあったので、リーバイ・ストラウス ジャパン(9836)の株主総会格付けは 『D+』 としました。ぜひ来年からはお土産もよろしくお願いします

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会場のウェスティンホテル東京の桜の間は、スクール形式で147名収容できるホールです。会場内は2つに区切られていて、入り口側の1/4ほどが飲み物サービスコーナーになっていて、残り3/4が株主総会会場となっていました。株主総会会場は椅子のみ用意され、10列×5行で50人分の席が用意されていました。今年の出席人数は15人ほどですが、毎年20人程度と少ない様なので、机も用意してくれるとメモなど取りやすいですね。
飲み物コーナーではウェスティンの方が飲み物をサーブしてくれます。ウェスティンを利用するのは初めてですが、気持ちの良いサービスをしているな〜と感じました


株主総会に出席する楽しみ




論談情報では、2007年は質問者7名で1時間15分、2008年は質問者4名で43分、2009年は質問者3名で50分と比較的短時間で終わっています。今年は赤字転落で無配ですから、短時間では終わらないでしょうね



キャンドゥの株主総会ではお土産も用意され、株主総会自体も見応えがあったようです。キャンドゥに行った方が良かったかな〜という想いもありますが、リーバイスの株主総会レポートの方が希少価値があるでしょうね。今後の取り組みなど土居社長の話も聞けましたし

議決権を有する株主数 1,701名、その議決権数 28,892個
出席株主数 12名、その議決権数 24,342個
議決権返送 304名、その議決権数 1,427個
出席株主数についても報告がありましたが、議決権数を見ていただいても分かる通り親会社で筆頭株主のリーバイストラウス&Coも出席しています。議決権を24,202個持っているので、その他11名の株主合計が140個になります。けっこう上位株主が出席しているんですね

取締役4名中3名は外国人で、土居社長だけが日本人です。出席者にも外国人がいて(親会社の人だと思われます)株主総会開始前の案内で、株主総会は日本語で行うが同時通訳のレシーバーを用意しているので、必要な方はお申し出くださいとアナウンスがありました。さすが外資系の会社ですね。
株主総会は赤字転落と無配になったお詫びからスタートしました。
役員のうちポール・スミス社外取締役とフェ・チュア社外監査役は欠席する旨報告がありました。
業績が悪いからか土居社長も元気がないように感じました。事業報告は読み上げで行われましたが、緊張しているからか、体調が悪いのか分かりませんが、ただ読むのはあまり得意でないようです。株主総会後に行われた『前期の活動ハイライトと今期の取り組みについて』ではしっかりと語っていたので、緊張していただけなのかもしれません。
事業報告と『前期の活動ハイライトと今期の取り組みについて』は重なる部分も多くあるので、事業報告の中でスライドを使用して説明すれば、全体的な時間短縮にもなりますし、より質疑応答も活発化して良い株主総会になると思います。ぜひ来年からは改善して欲しいと思います。今期の取り組みなどを聞いたうえで質問したいことも出てきますからね

まずは事業報告と関連する質疑応答を行い、その後議案の審議を行う形式で進められました。
質問したい人は手を挙げ、議長の指名を受けると会場係の方がマイクを持ってきてくれるので、その場で質問します。質問は1問1答形式で行われました。日本人の取締役は土居社長だけなので、回答はすべて土居社長が行いました。

会場内の様子


質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)前期は赤字に転落し無配になってしまったが、対処すべき課題からは具体的な対策が見えてこない。どのように業績を立て直していくのか社長の考えをお聞きしたい。
→今までは出荷ベースに力点を置いていたが(それでは後々返品につながり業績の足を引っ張るので)今は店頭売上をいかに促進していくかに注力している。魅力的な商品を提供するのはもちろん、店頭での売上を促進するマーケティング・プロモーション活動も強化していく。
併せて直営の小売部門リーバイスストアの店舗網拡大、生産性の向上が重要な柱だと考えている。直営で展開するとともにFCにも力を入れていく。今月発表した青山商事様とのFC契約ではすでに2店舗の出店が決まっており、この状況を見た上で展開を行っていく。
(2-1)リーバイスストア部門は比較的好調のようだが、セグメント別情報が開示されていないので売上・利益の内訳などが分からない。今後セグメント別情報を開示する考えはないのか?
→現状ではセグメント別情報は開示していないが、貴重なご意見として参考にさせていただく。手元に資料がないのでおおよその内訳を説明すると、売上では卸部門が約7割で直営店舗が3割になっている。
リテール部門ではリーバイスストア29店舗、ファクトリーアウトレット17店舗、Eショップという3本柱で展開を行っている。直営とともにFCも活用して店舗網を拡大させるとともに、1店当たりの売上高を拡大することで、今後の成長の柱としていきたい。
一方卸売部門については先ほど説明したように、店頭売上を伸ばす活動に注力し、この両輪で業績を伸ばしていく。
ぜひ卸売りとリテール部門のセグメント情報の開示をよろしくお願いします。これがないと業績の実態がよく分かりません。
(3-1)LVC JP株式会社を1円で取得したと書いてあるが、何も開示情報がなくてよく分からない。どこから取得したのか?具体的にどんな業務を行うのかなど説明して欲しい
→LVC(リーバイス・ビンテージ・カンパニー?)はプレミアムブランドを開発している会社で、リーバイスでも一番高価格帯の商品群を扱っている。この会社はオランダにあるが、グローバルに展開するためリーバイスXX(ダブルエックス)という事業部がある。日本でも展開するためリーバイスXX(ダブルエックス)ジャパンという会社を2009年10月26日に設立している。
日本でもプレミアム商品の販売を強化するため、2010年1月15日に当社の100%連結子会社として設立したが、会社設立の便宜のため個人が発起人となって会社を設立し、直後に当社が取得する形式を取った。これは事業の公正と税務上の問題でこのようなプロセスを取っているが、実質的には当社が子会社を設立したとご理解いただきたい。
ちょっと経緯がややこしくてよく分かりませんでした。ビンテージ商品の販売を強化するため子会社を作ったということのようです。
(4-1)厳しい質問になるが、株主は無配になり株価も大きく下落しているのに対し、役員報酬を見ると平均で5,500万円と多いように感じる。金融庁では役員報酬の個別開示も議論されている中で、報酬額や個別開示に対してどのように考えているか?
→現状では個別に開示する考えはない。貴重なご意見として承っておく。
株主には無配そして株価大幅下落という犠牲を強いているのに対し、役員報酬は平均で5,500万円と他社と比べても多額です。この点についてはまったく言及がありませんでした。ただ言葉でお詫びするだけではなく、報酬額でも姿勢を示して欲しいと感じました。
(5-1)親会社は過年度より債務超過で、前期の決算も確定していないと書いてあるが大丈夫なのか?もし親会社が破綻した場合、リーバイスジャパンにはどのような影響があるのか?
→親会社のファイナンスの状況をコメントする立場にはないが、リーバイストラウスCoの発表では、財務状況は着実に改善している。有利子負債の減少、営業キャッシュフローの増大を実現し、十分な資本流動性を確保している。金融機関からの信用枠も十分確保している。
(6-1)仮の話ではあるが、破綻した場合の影響は?
→財務状況は着実に改善しており、業績目標も確実に達成してきている。厳しい環境の中でも消費者の強い支持をいただいているので、確実に立ち直っていくと確信している。

親会社に関連する質問では、想定問答を読んでいる感じで安全運転が目立ちました
リーバイスの株主総会なので、全員ノーネクタイです

「着実に改善している」の一点張りで、破綻した場合の影響については説明がありませんでした。なかなか言及しにくい質問だとは思いますが、当社への影響も大きいので、リスク管理という面からは株主に対する説明が必要だと思います。決算短信を見ても『事業等のリスク』欄に親会社の財務状況はリスク要因としてあげられていません。親会社は議決権の84%近くを保有しているので、気を使って悪い情報は載せられないんでしょうか

召集通知作成時点では親会社の決算は確定していませんでしたが、リーバイスのホームページを見たところ、2月22日付けのリリースで親会社の決算が確定したとの開示がありました。333百万ドルの債務超過となっています。大部分は長期借入金ですが、リーバイスジャパンも含めて子会社から借り入れているんじゃないかと思います。
損益計算書では黒字になっているので確かに着実に改善しているのかもしれませんが、引き続きリスク要因ではありますね。
株主総会のハイライト

厳しい質問も含めて様々な要望・質問が出た後半部分については、下記 リーバイ・ストラウス ジャパン2010年株主総会レポート〜その2 をご覧ください。
リーバイス ジャパン(9836)2010年株主総会レポート〜その2
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