学情は、大学生の新卒を中心に『就職博(合同企業説明会)』 『モバ就 就職活動応援ケータイサイト』などの就職情報事業を行っている会社です。
学情の株主総会に出席するのは初めてです。

大阪駅近くにある学情本社ビル

私1人で出席できる株主総会には限りがありますので、株主総会情報をお送りいただくのも大歓迎です

読者の皆さまのお力も借りながら、2010年も株主総会レポートを充実させて行きたいと思っていますので、本年もどうぞよろしくお願い致します。
2010年1月22日(金)の株価 293円(東証1部 2301)100株単位 10月決算
PER 68.9倍、PBR 0.76倍、配当利回り 3.41%、株主資本比率 90.3%
株主優待 なし
企業の採用意欲が急減していることから、前期は売上半減・赤字、今期も減収・なんとか黒字転換予想という状況なので、PERはあまり参考になりません。
学情(2301)のホームページ
学情(2301)のヤフー株価情報
東証上場以来の株価推移(2002年5月31日JASDAQ上場)

東証上場以来の株価推移は上記の通りで、2,500円くらいをピークにだらだらと下落しています。東証上場時に7,207円で公募増資を行っているみたいですが、その後4分割しているので実質1,802円に相当します。公募で買った株主からすると84%ほど下落していることになります。
上場以来の株価推移

一方、JASDAX上場時からの株価推移を見てみると、上記の通り行って来いという動きです。上場当時に買った株主は現在の株価でもプラスになっています。株価は東証上場当時がピークで、その後急落となっています。業績も2006年後半から陰りが出てきたようで、業績の伸び悩みとともに割高に評価されていた株価も大幅調整という動きのようです。
スケジュール
10:00〜10:17 事業報告 招集通知を社長が読み上げ
10:17〜10:33 質疑応答 質問者2人 計4件 16分
10:33〜10:36 決議事項の説明・質疑応答(0件)・採決 拍手方式 すべて可決
第1号議案 剰余金処分の件 配当5円(中間配当7円と合わせ12円)
第2号議案 監査役1名選任の件 土屋常勤監査役辞任に伴う選任
10:36〜10:36 新任監査役紹介


お土産 本高砂屋の焼菓子エコルセ

株主総会終了後に出席票と引き換え(賞味期限 2010.5.21)
本高砂屋のホームページ
飲み物サービス なし
経営戦略説明会 なし
懇親会 なし
さて注目の株主総会格付けですが、それほど盛り上がらずあっさりと終わってしまいましたが、お土産が用意されているということで学情(2301)の株主総会格付けは『D+』としました。

本社ビルのエントランス



株主総数とその株式総数 3,824名、株式総数 1,556万株
議決権を有する株主数 3,595名、その議決権数 127,284個
議決権返送&出席株主数 711名、その議決権数 83,072個
学生向けにセミナーを行っている会社で本社ビルで開催ということで、机もあるんだろうな〜と思っていましたが、会場内は椅子のみで13×5の配置で65人分の席が用意されていました。それほど広い会場でもなかったので、出席者は20〜30人なんだろうな〜と勝手に思っていました。エレベーターで10階に上がると目の前が受付で、議決権などの集計を行う事務局は会場入り口という窮屈なレイアウトでした。
受付ではマスクも渡され、さすが冬場の株主総会だなと感じました。毎回来ているんだと思いますが、受付でお土産だけ貰いに来たので用意してくれと言っている株主がいました。このやり取りを聞いていてお土産があるんだ

10時が近付くに連れて続々と株主が増えて、前方には空きもありましたが後方は満杯という状況になってきました。株主総会開始後にも出席者は増えて、椅子を追加していました。60人以上は来ていたんじゃないでしょうか?そんなに知名度の高い会社でもないのに出席者が多いのは意外でした。相当豪華なお土産でもあるのか気になりますね

前期の業績は売上半減で赤字転落、上記チャートの様に株価も大きく下がっているので、一言言いたい株主がたくさんいるのかもしれませんね。関西の株主中心だと思うので、どんな厳しい質問が出るのかな〜と期待も高まりますね。振り返ってみると、関西で株主総会に参加するのは実質的に初めてなので、どんな株主総会になるのか楽しみですね(笑)
会場内はスーツ姿の人も多く、取引先など関係者もいるようです。前方に座った株主は、議事進行に合わせて積極的に拍手などしていて、いかにも会社側の人間という感じでした。

10時直前に中井社長以下経営陣が入場し、株主総会が始まりました。
まずは、急な体調不良で片山取締役が欠席すると説明がありました。取締役は社長も含めて3名しかいないのに、1名欠席とはさみしいですね。学情は取締役は3名ですが、監査役は4名で取締役より多いという珍しい会社です。
そして議事進行を記録するためビデオ撮影を行うという説明がありました。
事業報告は中井社長が招集通知を読み上げる形式で行われました。事業分野が学生の就職支援に絞られているので、事業報告も短く全体で17分で終了しました。
そしていよいよ質疑応答の時間となりました。これだけ多くの株主が出席しているし、たくさん質問が出るんだろうな〜と楽しみにしていましたが、中井社長が「ご質問はありませんか?」と呼びかけても一向に反応がありません


質疑応答は議長の指名を受けると、会場係の人がマイクを持ってきてくれる形式です。質問が2人ということもあり、すべて中井社長が答えていました。事務局からメモも入っているようでしたが、ほとんど自らの言葉で語っていました。質疑応答の時間のうち大半は社長が語っていて、前期の業績の背景など詳しく説明してくれました。このようにしっかりと語ってくれると、事業に精通しているなとか自信があるんだなと感じて安心しますね

もっと株主が積極的に質問すれば、色々な話が聞けていい株主総会になるのにな〜と残念でした。

質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)「モバ就」が好調のようだが、参入障壁が低く競合他社も参入しそうに感じるが大丈夫なのか?
→学情の競合会社は、リクルートや毎日コミュニケーションズになるが、まだパソコンのWEB上での展開が中心でモバイルは補完的に利用しているにすぎない。当社の方向とは異なっており、今後も「モバ就」に力を入れて行く。
(2-1)決算短信では「高収益体質への回帰スピードをあげてまいります」と書いてあるが、今期計画も利益水準は低い。どのような戦略でいつ頃高収益体質に回帰するイメージなのか?
→学情は高収益企業で20%を超える利益率だったが、リーマンショック以降厳しくなり、前期は売上が半減してしまった。損益分岐点も低かったので2〜3割の売上減なら耐えられたが、半減ということで赤字になってしまった。売上が突然半分になるというのは、30年の経営経験の中でも初めてで、前期は創業以来初めての赤字になってしまい、株主の皆さまにもご迷惑をお掛けしてしまった。
33期(今期)については30%の経費削減を掲げ、社員の給料も削減するし、役職員については50%以上の手当削減を行う。今期の計画を見て貰えば分かるが、前期より売上が15%減少しても利益が出るような体質に変えていく。私は今の環境を厳しく見ているので、売上が伸びれば利益も出るだろうという認識ではなく、売上が減っても利益が出るような体制を目指していく。
一方増収策も大切で、コストを削減しながら増収策にも手を打っていく、両方を行っていくことが大事だと思っている。
増収策の1つは先ほどから説明している『モバ就』で、戦略的な商品として大きく伸びてきているので今後も伸ばしていきたい。もう1つが公的部門で、話題になっている農林水産省が推進している『田舎で働き隊』などの実績がある。その他にも不況時には若者の雇用を増やすため、厚生労働省や経済産業省などの公的部門が様々な取組みに力を入れてくるので、この分野にも力を入れていく。
こういった増収策にも取り組みながら、高成長で高収益な企業を目指していきたいが、前期は100年に1度という危機で株主の皆様のご期待に応えられなかった。この危機を乗り越え株主の皆様からお褒めいただけるような経営をしていきたいという想いがあるので、ご理解いただきたいと思います。

(3-2)先ほど今後の戦略などを語っているが、今期の目標や中期計画など具体的な目標を教えて欲しい
→今期は14%減収、黒字転換を計画している。とはいえ利益水準は低い。今期も厳しい環境が続くと想定しており、堅めの目標にしている。
3年前に中期計画を立てて、7年で売上100億円を目標にしていた。環境が大きく変わってしまったので、今後中期計画の見直しを行っていく予定です。
中井社長の回答では、今期は堅めの目標にしているということなので、今後の景気動向によっては上方修正が見込めるのかもしれませんね。前々期から比べると売上は半分以下になるのに、黒字になるというのは素晴らしいですね。利益水準は低いものの、それだけ環境変化に対する対応が素早いということなので、評価できると思いますね

(4-2)株価は大きく下がっており、昨日の終値は301円と買値の1割近くに下がっている。会社として今の株価をどう考えているのか?株価対策を教えてほしい
→株価が上がるような環境を作って行かなければならない。業績を上げていくのが1番で、将来性があると感じてもらうことが大切です。
過去の業績を振り返ってみると、景気がいい時には大きく業績を伸ばし、不況時には減益になるという感じで景気変動の影響を大きく受けてきた。これではいけないと思うので、今後は新しい分野への進出が必要だと考えており、公的部門にも力を入れていく。不況期には雇用創出など公的部門の事業が大きくなるので、景気変動の影響を受けにくくなる。
そして今期はまったく新しい分野に進出する。それは大学向けのコンサルティング事業で大学からお金をもらう。不況になると大卒の就職率も大きく下がり、現状では1/3くらいになっている。親御さんからは高い授業料を払って進学させているのに就職できないとは何事か

公的部門の事業獲得とも合わせて、もっとパブリックな社会の役に立つ会社になっていきたい。
質問には中井社長が丁寧に答えていました。もっと多くの質問が出て活発な株主総会になるといいんですけどね。大阪の株主は意外とおとなしんでしょうか(笑)もっと鋭い質問をたくさん投げかけるんじゃないかと期待していたんですけどねぇ

毎回こんなものなんでしょうか?
と思って『論談』というホームページで調べてみたら、2009年は質問者3人で33分で終了、2008年は質問1名で35分と毎回30分台で終わっているようです。なんとも残念な感じですね

その後、議案の審議に移りました。1件づつ議案の説明、質疑応答、決議を行っていく形式です。しかし質問がなかったのであっけなく終わってしまいました。質問に対しては丁寧に答えていて好感が持てましたので、もっとたくさん質問が出ると良かったんですけどね

30分台で終わってしまう株主総会は久しぶりですね。あまりにも早く終わったので、その後の予定が狂ってしまいました(笑)
中井社長の説明では、今期は聖域なく徹底的にコストダウンを行っていくようです。さらに低コスト体質に磨きをかけ、不況にも強い公的な部門を増やしていけば業績は安定し、好況時には大きく伸びるということも十分考えられます。大学向けの新分野に進出していくのも楽しみですね

ただ過去最高益時のEPS(1株当たり利益)は48円ですから、1,500円を超えるような過去の株価は、高く評価されすぎだったとも感じます。それだけ成長期待が高かったのかもしれませんが、もっと利益水準を上げていかないと、最高値更新は難しいんじゃないかなと感じてしまいます。新規事業の進展も含めて学情の今後を見守っていきたいですね。
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