朝日インテックはPTCAガイドワイヤーやバルーンカテーテルなどの医療用製品の製造・販売を行っている会社です。TOTOウォシュレットの部品なども製造しているんですね


朝日インテックの株主総会に参加するのは初めてです。


今日も同業のグッドマン(7535)の株主総会との掛け持ちなので、自転車で両社の株主総会会場を行き来するなど忙しい1日でした

2009年9月29日(金)の株価 1,427円(JASDAQ、東証2部、名証2部 7535)
100株単位 6月決算 3市場に重複上場しているとは知りませんでした
PER 16.0倍、PBR 1.86倍、配当利回り 1.58% (配当性向目処 25%)
株主資本比率 58.9%、株主優待 なし
朝日インテック(7747)のホームページ
朝日インテック(7747)のヤフー株価情報
JASDAQでの株価推移(一番取引が多いようです)

赤字にはなっていませんが、ここ2年ほどは業績が低迷しているので株価も低迷し、2008年10月28日には174円

スケジュール
10:00〜10:25 事業報告 プレゼソフトを使い宮田副社長が説明
10:25〜10:29 決議事項の説明
10:29〜10:59 質疑応答 質問5人 30分
10:59〜11:01 議案の採決 拍手方式
第1号議案 剰余金処分の件 8円配当
第2号議案 定款一部変更の件 株券電子化に伴う変更
第3号議案 取締役7名選任の件 任期満了に伴い全員改選(重任)
第4号議案 ストックオプションとして新株予約権を発行する件
11:01〜11:02 取締役の紹介 名前とよろしくお願いしますだけ

11:02〜11:13 宮田尚彦社長退任挨拶、宮田昌彦新社長挨拶
11:25〜12:02 会社説明会
12:02〜12:37 質疑応答 質問6人 35分

お土産 お米券(440円相当)2枚
飲み物サービス 1階のティーラウンジでコーヒー、紅茶など
経営戦略説明会 株主総会終了後に実施 株主総会会場後方に商品を展示し説明
懇親会 なし 代わりにランチ券(1,500円分)あり

ふつうの会社では、事業報告は招集通知を読み上げるだけというケースが多いんですが、朝日インテックの場合会社説明会並みに詳しく説明してくれました。お土産なども含めてとてもいい株主総会でしたね。
朝日インテックの株主総会格付けは『B』としました。
会社説明会も実施していますし、会場後方では自社商品を展示して説明員が商品説明も行っています。株主に会社の内容について理解を深めてもらおうという意識を強く感じました。
お土産や飲み物のサービスもあり、懇親会はありませんがランチ券をサービスしています。なかなかいい株主総会だと思いますね。

会場内には椅子のみで200人分の席が用意されていました。出席者は7割程度という感じです。4ヵ所にスクリーンが用意されていて、後方の株主にも見やすい様に配慮されていました。
議決権を有する株主数 2,789名、その議決権数 158,516個
議決権返送&出席株主数 751名、その議決権数 134,564個
事業報告は宮田副社長(株主総会後に新社長に就任)からスライドを使いながら行われました。20分ほどかけて会社説明会並みの詳しさで、前期の業績や今後の見込みについて説明がありました。とても分かりやすくていいことですね

2年前には業績が落ち込みましたが、前期はV字回復の途上という感じで、今期には過去最高益を見込んでいるそうです。
その後、宮田社長から議案の説明があり、その後質疑応答となりました。
質問は議長の指名を受けた後、会場に設置されたマイクまで進み質問する形式です。
多くの株主から質問を受けるため、質問は簡潔にまとめ1人2問まででお願いしたいとのことでした。
が、思ったほど質問は出ませんでした。昨年までの状況は分かりませんが、質問数を制限する必要はないのではないか?と感じました。いろいろと条件を付けられると、株主としては質問しにくい雰囲気になりますので

商品展示をしたり、プレゼソフトを使って詳しく業績を説明したりしているので、もっと活発な質疑応答になるのかなと期待しましたが、ちょっと意外でした。
質疑応答
(1)4円→8円への増配はありがたいが、業績が改善しているのに前年と比べて減っているのはなぜか?中間配当をする考えはないのか
→配当性向25%を目処として、内部留保など総合的に判断して配当金を決めている。昨年は期中で業績の下方修正を行ったが、配当は据え置いたので、一時的に高い配当性向になっている。前期と比べると減配になっているが、前期が異例ということでご理解頂きたい。今後も配当性向25%を維持して行きたい。
定款では中間配当が行えることになっているが、当面は期末配当のみとしたい。今後収益性や内部留保が十分になれば、中間配当も検討したい。
(2)昨年から比べると株価は回復しているが、以前と比べるとまだまだ低い。現状の株価について社長はどう考えているのか。また自社株買いを行う考えはないのか
→株価が低迷していることは十分認識している。ただ株価は色んな要因が絡み合って決まっているもので、当社単独でどうにかなるものでもない。株価を上げるためには、毎年前年を超えるような業績をあげていくしかないと思っている。IR活動を通じて株主の皆さまに当社を理解して頂くことも大事だと思っており、今後もIR活動に力を入れていく。
自社株買いについては今まで考えていなかったが、ご意見も頂いたことですし中長期的に自社株買いもできるよう検討していきたい。現状は株主様への還元は配当で行っていく。
企業価値の向上のため一層努力して行く。
昨年秋には200円割れという状況だったのに、自社株買いを考えたこともなかったというのは少し危機意識が足りないかな?とも感じました。経営陣が今後の業績に自信を持っているのなら、みずから自社株買いを行うことで、株価が不当に安いことを株主や投資家にアピールできると思います。
株価低迷時にはせめて自社株買いの検討くらいはして欲しいものですね

(3)株主総会後に副社長が社長に就任するが、会社はトップ次第で大きく変わる。今後どんな会社にしていきたいのか副社長から聞きたい
→決議事項の承認後に挨拶する予定なので、その時でいいでしょうか
(その時でいいということになりました

う〜ん、ちょっと納得いきませんね。取締役承認後に挨拶を聞いて、この人ではちょっと心配だな〜

取締役というのは株主から経営を委任されているわけですから、それぞれ今後の抱負なり目標なりを語ってから、承認を受けて欲しいと思います。ぜひ副社長には質問された時点で、今後どんな会社にしていきたいのか、株主の前で所信表明を行って欲しかったですね

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会場後方の商品展示の様子 説明員の方から丁寧に説明してもらえました

(4)昨年のアボット社からの一方的な取引本数削減申入れで、業績不安から株価も大きな影響を受けた。結局当初予定通りに納入することになったが、これだけ大きな影響を受けているのにアボット社に対して何もペナルティがないのはおかしい。会社側としてどう考えているのか聞かせて欲しい
→(交渉に当たった竹内専務から)欧米のゴールデンタイムに血管のカテーテル治療では、ステント装着部が再度詰まる恐れがあるとの報道が広がり、カテーテルを使った治療法から心臓バイパス手術に移行する流れがあった。そのため2007年には欧米でカテーテル治療が15%も減少し、アボット社から契約本数を見直したいという話が来た。当社としては契約を盾に、本数を減らすならペナルティ条項を履行するよう求めた。その結果最終的には当初の契約本数を守ることになった。結局契約本数は守ることになったので、ペナルティを課すことはできない。
交渉中出荷本数が減少したので、タイ工場の人員を削減するなどして生産能力を落としていた。そのためすぐには受注急増に対応できないので、当社から納入時期をずらしてもらうようお願いした。
(5)先ほど副社長の説明ではアボット社が契約本数を見直す理由として、ステントの安全性の問題と言っていたが、今の専務の説明ではステント治療は効果が薄いとのことだった。どちらの説明が正しいのか
→(宮田副社長)ステント治療の場合、その時は血管の狭窄が治っても、その後再狭窄する割合が数十%あった。このため数年前に学会で、ステント治療より血管のバイパス手術(大掛かりな外科手術)の方が効果が高いという報告があり、上記のような報道につながった。当時はステントを狭窄部に入れるだけだったが、その後改良されて狭窄を防ぐような薬剤付きのステントが投入されて、再狭窄率が20%以下まで下がり大きな効果があった。血栓ができるなどの問題もあったが、その後の調査で、正しい位置にステントを設置し、薬などもきちんと飲めば血栓などもかなり防げる事が分かってきた。これがここ2年ほどの動きです。現在では海外のメーカーも含めて、これらの症状を改善できる薬の開発も進んでおり、近いうちに市場投入されると思う。
(6)朝日インテックは知名度がまだまだ低い。もっと個人投資家向けのIR活動にも力を入れる必要がある。ドクターでも知らない人がいる。新社長になることですし、メディアなども活用してもっと知名度を上げる必要があるのではないか
→(宮田副社長)朝日インテックのブランドを高めようとしているが、専門性の高い領域ということもあり、一般の方々に会社名が知られていないということはご指摘の通りだと思う。今後はIR活動だけでなく、会社を知ってもらうためのPR活動にも力を入れていきたい。まずはドクターにより知ってもらうため、製品を改善したりして浸透度は上がってきていると思う。さらに知名度を向上させるため、ご指摘も踏まえて進めていきたい。
(7)名証のIRセミナーにも参加していなくて、周りの人に聞いても会社名を知らない人が多い。会社説明会の開催も必要ではないか
→貴重なご意見ありがとうございます。今まではいい商品を開発してドクターの知名度を上げていくことに力を入れてきて、個人向けのIRは弱かったと思う。上場当時は会社説明会なども行ったことがあるが、これからはそういった広報活動にも力を入れていきたい。
以上で質問したい人が出尽くして、質疑応答は終了しました。
これだけ株主が出席している割には質問が少ないなと感じました。やはり専門性の高い会社なので、質問するのも難しいのかな?と感じます。会社説明会を積極的に行うなどして、さらに会社への理解を深めて行く必要があると感じました。
3番目の質問で、新社長となる宮田昌彦氏に抱負を語って欲しいというものがありましたが、後ほどということになってしまいました。株主総会後には取締役の紹介もありましたが、名前とよろしくお願いしますだけで、どんな業務を担当していて今期はどんな目標に取り組むのかまったく分かりませんでした

繰り返しになりますが、取締役は株主から経営を託されているわけですから、本来は取締役選任に関わらず毎年株主の前で初心を表明すべきだと思います。それらの抱負なり目標が実現できたのかどうかも、その後の取締役選任の判断材料になると思います。
ぜひ取締役の方々には、株主総会の中でもっとみずからの言葉で語って欲しいと感じました。

その後、宮田尚彦社長の退任挨拶と宮田昌彦新社長の挨拶がありました。
新旧社長の挨拶と会社説明会のようすは、株主総会レポート 〜その2にまとめています

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宮田昌彦新社長の挨拶の様子 左から3人目が宮田尚彦前社長です

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株価が200円割れしたちょうど1年前は世界経済恐慌でしたから、自社株買いに動けなかったのは無理もないことだろうと思います。
前期末(09年6月30日)時点の数値ですが、有利子負債残高58億円に対して現金等残高は39億円ですし。
1年前の状況で自社株買いなんかしていたら、朝日と言えども借入先から貸し剥がしや貸し渋りという事態に遭っていたかも知れません。
自社株買いは無借金の会社でないとなかなか出来ないだろうと思います。
コメントありがとうございます。
昨年の秋は金融危機で確かに大変でしたが、多くの会社が株価が不当に安くなっていると判断し、自社株買いを行っていました。
株主からの自社株買いを行え!という声が大きかったのかもしれませんが(笑)
朝日インテックは株主資本比率が58.9%と、財務内容はしっかりしている会社だと思います。
同業のグッドマンは19.2%ですからね!
なので50万株(1億円)くらいの自社株買いは十分可能だと思います。
優良企業だと思っていた会社が、200円を割るような株価まで急落している方が、融資引き上げのきっかけになるかもしれませんし、市場や株主へのメッセージという意味でも自社株買いを発表する意義はあったんじゃないかな?と思います。
自社株買いの発表だけして、(安値に買い注文は入れているのかもしれませんが)実際には買わない会社もありますしね(^_^;)
発表するだけでもメッセージ効果はあると思います。
金融機関が、融資先の株価が急落していることをきっかけに貸し剥がしするいうことはないと信じたいです。
いずれにしても200円は一時的で年末には700円台まで自然に?回復しましたので、貸し剥がしはなかったでしょう、きっと。。。
仮に私が金融機関で、昨年のような資金調達が厳しい状況だったら、自社株買いするお金があるならいますぐ借金を返してもらいたい気分になると思います。
会社は株主だけでなく、むしろそれ以上に借入先を優先・重視しないといけないでしょう。
経済恐慌時にどんな会社が自社株買い(発表)を果たしたのか、勇士?を調べてみたいと思います。
3千円近くしていた株価が1年で200円割れというのはかなり大きな急落だと思います。
財務内容が悪い会社なら株価の急騰急落はよくあることかもしれませんが、朝日インテックの様に財務内容もしっかりしていて、優良企業でここまで急落すると、何か事業上の大きな問題が発生しているのでは?と心配になりそうな気もします。
まあ日頃から金融機関と意思疎通をきちっと行っていれば、そんなことはないでしょうが。
昨年自社株買いをした会社はかなりあると思います。
私の投資先のVTホールディングスも、秋以降もずっと継続的に行っています。グッドマン以上に財務内容は悪い会社です。
投資しようと狙っていたテンポスバスターズも自社株買いを行い、株価が上がってしまいました。おかげで結局買うことができず、その後の大幅上昇を指をくわえて見ていることになりました(笑)
こちらも株主資本比率は40%ほどで、朝日インテックより低いですね。