グッドマンはバルーンカテーテルなどの医療用製品の製造・販売を行っている会社です。
グッドマンの株主総会に参加するのは初めてです。

今日も同業の朝日インテック(7747)の株主総会との掛け持ちなので、自転車で両社の株主総会会場を行き来するなど忙しい1日でした。
2009年9月29日(金)の株価 645円(JASDAQ 7535) 100株単位 6月決算
PER 18.5倍、PBR 1.93倍、配当利回り 1.55%、株主資本比率 19.2%
株主優待 なし
グッドマン(7535)のホームページ
グッドマン(7535)のヤフー株価情報

以前は、高収益で配当にも力を入れていたようですが、最近は赤字続きで無配に転落しています。それに伴って株価も低迷しています。今期も黒字転換を予想していますが、ここのところずっと期首には黒字予想を発表しながら、期中に下方修正し結局赤字転落という状況が続いているので、会社側の業績予想に対する信頼性も低いと言わざるを得ませんね


スケジュール
10:00〜10:25 事業報告 ナレーション+スライド
10:25〜10:28 決議事項の説明
10:28〜10:38 質疑応答 質問3人(のべ4人) 10分
10:38〜10:40 議案の採決 拍手方式
第1号議案 剰余金処分の件 普通株 無配、優先株 10円配当
第2号議案 定款一部変更の件 株券電子化に伴う変更
第3号議案 取締役1名選任の件 辞任する取締役の補充
第4号議案 監査役1名選任の件 1名増員
10:40〜10:41 新任取締役、新任監査役の紹介
10:41〜10:50 山本社長退任挨拶、余語新社長挨拶
お土産 なし

飲み物サービス なし
経営戦略説明会 なし
懇親会 なし
出席した株主へのサービスは何もなしです。業績が悪いとはいえ、お土産も飲み物サービスもなしとは寂しいですね。株主総会はしゃんしゃんと終わらせたいという感じがしてしまいます

グッドマンの株主総会格付けは『D−』としました。
参加者が少ないうえにお土産や飲み物のサービスもなく、質疑応答もわずか10分ということで、この格付けもやむを得ないかなと思います。正直E格にするかD格にするかで迷いました。

会場内には机も用意されていて、78人分の席が用意されていました。出席者は7割程度という感じです。
議決権を有する株主数 6,340名、その議決権数 109,031個
議決権返送&出席株主数 1,251名、その議決権数 79,895個
事業報告はすべてナレーションで行い、スクリーンに関連する図表や写真などを映していました。事業報告書の読み上げよりはずっと分かりやすいんですが、専門的な医療器具を扱っていますので、もう少し専門用語の説明をするなど分かりやすく工夫してもいいのではないかと感じました。全体で25分かかっていますし、財務諸表の説明は連結のみで十分で、単体決算の説明は省いた方がいいと思います。

また、対処すべき課題についてもナレーションでした。当初の見込みに反して赤字決算がずっと続いているわけですし、せめて対処すべき課題くらいは社長みずからの言葉で説明して欲しいと思います。今後の事業立て直しの意気込みなどを語って欲しいものです。
すべてナレーション任せというのは、ちょっと手を抜き過ぎですよね。
続いて山本社長から議案の説明が行われ、その後報告事項および議案に対する質疑応答となりました。
手を挙げ議長から指名を受けると、会場係の方がマイクを持ってきてくれますが、マイクは離さず(笑)そのまま持っている方式です。自分でマイクを持っていないとなんか質問し難いんですよね

質疑応答
(1)ボルケーノ社と提携を解消し売上の25%を失うことになる。これは次世代OCT診断装置の投入をにらんでのことだと思うが、次世代OCT診断装置が発売されたEUでの反応はどうか?
→EUの薬事承認を受けてからすでに10数台を出荷しているが、今年中には数十台出荷する見込みです。大変好評を博していて、いま日本で発売しているM3タイプと比べると相当手間が省ける。

左



(2)次世代OCTは他社も4〜5社くらい開発に取り組んでいると思うが、他社の動向はどうか
→基本的に他社はいまだに臨床試験を行っている。我々としては特許の優位性もあり、必ずや勝ち残っていけると思っている。
質疑応答を聞いていても、次世代OCTになるとどんなメリットがあるのか、どこが競合他社なのかなど、専門外なのでよく分かりません。私以外にもあまり理解していない株主はいると思うので、会社説明会などを開くなどして、もっと会社の業務内容を知ってもらう努力も必要なのではないでしょうか。
朝日インテックは詳しい会社説明会を開いたり、株主総会会場後方で商品展示および商品説明をしていて、業務内容を理解してもらおうという姿勢を感じました。
(3)単独決算では利益も出ているので、5円程度は配当を行ってはどうか
→株主には配当で還元するのは当然だと思っている。単独では利益が出ているが、連結ではたいへんな赤字を計上している。配当も大事だが、企業が弱体化するのはもっと止めないといけない、という考えで今回は配当を見送りたい。
ここ2年間、期首には35円配の計画を発表しながら、赤字に転落し無配になっています。配当を期待して買った株主からは少しくらい配当してよという気持ちにもなりますね

(4)毎年の様に期首には高い目標を発表しながら、結局は赤字になっている。今期以降本当に黒字化するのか社長の考えを聞きたい。
→我々の業界は、日本でもアメリカでもEUでも認可が必要で、開発から承認までは非常に長い時間がかかる。認可業務はお役所仕事で、いつ認可が下りるのかを見極めるのが難しい。大体は予定より伸びていくことが多くて、早期に収益を上げられると思っていたものが繰り延べられてきたのが実態です。
しかしながら、目前に迫った許可や試験が終了したOCTなどもあり、今後は株主様を裏切ることがない様な業績で行けると考えています。
許可が予定より伸びることが多いと分かっているなら、業績目標を作る時点で遅れることを織り込んでおくべきだと思います。毎年の様に下方修正を繰り返すのは、ちょっと成長がないんじゃないかな?と感じてしまいます。今期以降は株主の期待を裏切ることはない

とはいえ、株主総会後に社長が交代となりましたので、次の余語社長に期待は托されます。余語新社長は管理部門も統括していたので、予算管理にも今まで以上に力を入れるのでしょうか。
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(5)連結貸借対照表で株主資本が52億円も減っているが、子会社で多額の開発費が発生するなどなにか問題があるのか(質問3の株主から)
→会計基準変更の影響もあるので、財務担当から説明する。
(余語取締役)アメリカで2002年に子会社買収時に170億円を計上していた。こののれんは米国の基準(価値があるうちは償却せず、価値が無くなればその分償却する)に従い償却していなかったが、日本では20年償却という基準になっていて、こちらに合わせる形に会計基準が変わった。そのため過年度の償却分として一括して50億円ほどを計上したので自己資本がその分減っている。これは過年度の分なので今後は発生しない。
確かに過年度分は発生しませんが、170億円を20年均等償却するとすると、今後も毎年8.5億円の償却が発生します。もとの買収価格が妥当だったのか疑問は残りますね。のれんが170億円も発生するということは実際の純資産より170億円も高く支払ったという事ですからね


以上で質疑応答は終わり、議案が採決され株主総会は無事終了しました。
その後、新任取締役・監査役が紹介され、新旧社長の挨拶がありました。
山本社長の退任挨拶
長らくご支援賜りありがとうございました。後任は当社グループ全般の運営に携わってきた余語氏に就任していただく予定です。当社はこれを機に、同氏を中心にしてさらなる企業向上を目指す所存ですので、今後も変わらず株主様のご指導ご鞭撻をお願いして退任の挨拶とさせて頂きます。
最後の退任の挨拶も原稿を読んでいる感じでした。あまり人前で話すのは得意ではないようですね。
長らくのご活躍お疲れ様でした。

左が山本社長 右が余語新社長

余語新社長の就任挨拶
先ほど質問でもありましたが、当社が参入している医療用器具の業界では、非常に長い研究開発の時間と役所の許可を頂き、やっと上市できた商品が果たして売れるのかという、いくつもの難しい課題をクリアしてやっと商売につながる。
一方当社が扱っている製品は、日本人の3大死亡原因の一つである心臓病治療に使われる、社会的責任と意義の高いものを扱っています。当初は取次販売から始め、製造・開発を手掛けるところまで現社長が育て上げてきて、非常に社会的意義の高いことを成し遂げてきたと自負している。
医療用器具は品質が非常に重要なので、時間と労力をかけて砂を噛むような思いで改良を続けてきた。しかしながら最終的には会社の業績というところで判断されるので、いつも遅れ遅れだという厳しいご指導も頂いている。急いで何でも出せばいいのかというものではなく、きちんとした品質の商品を皆さまに届けるということをずっと続けてきた。
我々のライバルというとアメリカの企業を中心として、時価総額が十兆円を超えるような会社で、開発費や人員など経営資源では大きなハンデを負っていると認識しながらも、10年ほど前から製造・開発を手掛けて、相当の商品で外国企業と伍していけるだけの製品を出すことができ、売上などを見ても実際にマーケットからも評価頂いていると思っている。
加えて、次世代OCTではまだ当社しか発売しておらず、その点からすると欧米の巨大企業と比べても頭一つ抜け出すことまで達成できた。
我々の売上の元は、日本国民が支払っている健康保険料であり、日本のメーカーである我々がもっとがんばり、利益を上げて日本に還元していきたいと考えている。
現状では欧米の巨大企業の日本法人が利益の稼ぎ頭になっていて、日本で利益の8〜9割を稼いでいる。このような中で当社は難しいチャレンジではあるが果敢にチャレンジし、日本に根付いた企業として、いいものを市場に届け、皆さんが納められた健康保険料から売上をきちんとあげて、利益を税金という形でまた日本に還元していきたい。
日本の健康保険料を日本の中で循環させるということも意識しながら事業展開を行っている。目の前の課題を一つづつクリアしていくことで、実現できるのではないかと考えている。
これからも開発期間は長くかかり、難しい課題は出てくると思うが、私が社長を引き継ぐに当たり、これからもグッドマンの経営リスクを全員一丸となって力を合わせて乗り越え、企業価値の向上に努めていきたいと考えていますので、これまでと変わらぬ温かいご支援とご指導・ご鞭撻を頂戴できたらと思います。今後もどうぞ宜しくお願い致します。
余語新社長はしっかりとみずからの言葉で語っていたと感じました。
挨拶を聞いていると、これからもグッドマンに期待してみたくなってきますね

社長が代わることで、来年以降株主総会も変わってくるのか楽しみが増えました。
同業の朝日インテックの様に、参加すると楽しくて、役に立つ株主総会に変えていって欲しいですね

一方、今期もまた認可が予定より遅れました


そうならないよう、余語新社長に期待しています

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株主総会最後で、取締役の方々の挨拶の場面です

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グッドマンは、リーマン破たん直後の昨年9月25日に伊藤忠への第三者割当増資を公表し、10月15日に約40億円の払い込み完了を果たしました。
もしこれが1か月でも遅かったら、グッドマンはすでに上場企業ではなかったかもしれません。
グッドマンにとってはとりあえずよかったですが、かたや伊藤忠にとっては1株 998円で 400万株投資したものの、いま 640円、1年で3分の2に目減りしています。
今回の総会で伊藤忠は監査役を送り込みましたが、業績動向は流動的で財務状況も依然として不安定です。
責任限定契約を結ぶ監査役の力量発揮にも疑問符がつきます。
かつて小牧にあった日本コーリンとだぶって仕方ありません。
と、極めてネガティブな記述になってしまいましたが、私も新社長には頑張ってもらいたいと思います。
最悪の場合でも、最後は伊藤忠が助けてくれればいいのですが。日本トイザらスなどのように・・・
グッドマンについては詳しいことは分かりませんが、今までは期待の新商品がなかなか当局から認可されず苦労していたようですが、かなり見通しがついてきたような印象を受けました。次世代OCTもEUで発売され、今後はアメリカや日本でも認可されてくると思うので、以前よりは期待できるのではないでしょうか?
余語新社長の挨拶もしっかりしていて、期待できそうに感じましたね。
ここのところずっと業績の下方修正をしているので、株主総会で期待させるのは毎度のことなのかもしれませんが、私は今回初めて参加したので、そのあたりの感触はよく分かりません。
社長の挨拶の通り、海外の巨大企業に立ち向かって頑張って欲しいんですけどね!
米国アバンテック社の話は出ていなかったと思います。
たぶんライトラボ社やボルケーノ社の話しか出ていませんでした。
アバンテック社の買収でも何か失敗してるんですか?
これだけ巨額の特損が続いていますから、いろいろな要因があるんでしょうね。
その時の会計士が現社長ですから