2009年3月27日の株価 197,800円(東証1部 3789) 1株単位 3月決算
PER 24.1倍、PBR 1.46倍、株主資本比率 68.4%
配当利回り 1.5%、配当性向目標 20%以上、株主優待 なし
最近の株価は → ヤフーファイナンス ソネット
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株価は上場来の底値圏で推移していますね。株価指標からは若干割高感を感じますが、今期は株の減損などで利益水準が低くなっている影響もあります。来期はもう少しPERも下がるようです。
お土産はモモのメモ帳とボールペンでした



十時(ととき)専務から説明がありました。
ソネットエンタテインメントは1995年にソニーグループでインターネット接続事業を行なうために設立された会社で、1996年1月にサービスを開始した。現在もソニーグループで58.2%の株を保有している。
So-netの事業内容は接続事業が440億円で2/3を占めていて、ポータル事業が219億円で1/3を占めている。サービスを開始してから13年になるが、当初はダイヤルアップ接続で30億円程度の売上だったものが、ナローバンドからブロードバンドに移り変わっていき、現在ではADSL接続と光接続で660億円の売上まで成長してきた。2000年頃からADSLに変わり始めたが、ヤフーBBの普及が目覚しくADSLが一気に伸びたが、競争が厳しくなり顧客獲得コストが膨らんで、この時期は売上・利益とも伸び悩んだ。2004年頃からはFTTH光ファイバーサービスが始まり、ISP(インターネットサービスプロバイダー:インターネット接続を提供する会社)間の競争も落ち着き数が減ったこともあり、メジャープレーヤーとして生き残った当社の売上・利益も伸びてきた。
最近3年の売上高は2桁成長しており、営業利益も2007年度は74%増と大きく伸びた。これは事業の選択と集中を行い、成長が見込める分野へ投資と人を配置してきた結果、赤字事業が減り利益が伸びた。今期は3.3%増益と伸びが低い見込みだが、これは光回線の顧客開拓のため広告宣伝費などをかけているためで将来への投資です。
配当について
2006年度に配当を開始し2,300円 配当性向26.6%だったが、昨年はマザーズから東証1部に上場した記念配500円を含めて3,000円 配当性向23.9%に増配した。今期は昨年と同額の3,000円の予定で配当性向は38%になる。配当の基本方針は連結純利益の20%以上を目処としている。
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接続事業(ISP:インターネットサービスプロバイダー)
インターネットに接続するためにはISPのサーバーを通じて接続する必要があり、ソネットはISPとしてネット接続するためのサービスをお客様に提供している。ネット接続の方法としてADSLとFTTHがあり、ADSLは電話回線を使ってインターネットに接続する方法で速度は1-50Mくらいです。FTTHは光ファイバーを使って接続するので最大100Mの速度が出る。
日本のブロードバンド契約者数の推移を見ると、2008年12月末で2,601万契約となっている。5,200万世帯のうち2,601万は何らかの形でブロードバンドサービスを利用している。内訳はFTTHが1,442万でADSLが1,159万となっており、FTTHは伸びが続いていて今年度から光の契約数の方が上回るようになってきた。So-netの会員数の状況は、2008年12月末で128万契約となっており、FTTHが79万、ADSLが49万と全体と同じ様にFTTHが増えてきている。
接続事業の今後の展開
5,200万世帯のうち半分程度まではブロードバンドが普及してきたが、まだ市場は飽和状態ではなく80%くらいまでは普及すると考えているので、ここ数年はFTTHに力を入れて行く。
今までインターネットはパソコンで見ることが多かったが、2011年にアナログ電波が止まりデジタルに置き換わる。テレビがデジタルテレビに変わり接続ポートも標準装備されるので、今後はテレビがネットに繋がっていく。テレビなのでVODなどの動画配信サービスが普及してくると考えている。ソネットはソニーグループの一員として、家電特にテレビとの親和性のあるサービスを当社の特徴として、今後ビジネスを伸ばして行きたい。
FTTHの次には何が来るか?というとワイヤレスが伸びてくると思われる。MVNO(仮想移動体通信事業者)という当社と同様なサービスを無線でも展開できるよう研究を続けている。その他に海外展開もしており、台湾にSo-net台湾という子会社を持っている。これについては後ほど説明する。
テレビによるFTTH市場の拡大を図るため、テレビ売り場でFTTHの訴求を行いSo-net光に加入してもらう取り組みもしている。また、家電メーカー各社とアクトビラという会社を作り、高画質の映画などをテレビに配信するサービスを行なっており、テレビCMなどで認知度も徐々に上がってきている。アクトビラの株主構成は、パナソニック35%、So-net25%、ソニー・シャープ・日立・東芝10%となっており、これらで日本のTVシェアはほぼ100%になる。これらのメーカーで、デジタルTV向けに提供するサービスや技術標準を作って行こうと言うのが趣旨です。
どんな作品が見れるかというと、ツタヤTVと共同でハリウッドメジャー作品をはじめとした洋画・邦画を提供したり、NHKオンデマンドで過去に放送したNHKの大河ドラマなどを見たい時にネットを通じて見ることができるサービスなどを提供している。
海外展開ではSo-net台湾という会社を持っており、台湾で接続事業を行なっている。先日発表したが、台湾最大の通信事業者である中華電信と資本・業務提携(30%出資)し、今後は中華電信のインフラと当社のサービスを一緒にしてお客様に提供していく。中華電信は日本のNTTの様な会社で、ADSLについては95%と独占に近いシェアを持っている大きな会社です。ISPとしては当社が初めての提携であり、今後に期待している。
ポータル事業
少し分かりにくいと思われるかもしれないが、接続事業に関連する様々な付帯的ビジネスを行なっている。
ポータル事業の内訳を見てみると、ソネットM3が38%を占めている。ソネットM3は当社が58%ほど出資している東証1部の会社で、ドクター向けに特化したサイトを運営していて日本の60%位の医師が会員になっている。ドクター向けには製薬会社のMRが訪問営業をしているが、医師はとても忙しくなかなか会うことができない。そこでM3のサイトを使って、その医者の専門分野の新薬の情報などを提供してもらい、対価として製薬会社から手数料をもらうビジネスを行なっている優良会社です。
ゲームポットは買収した会社で売上の21%を占めている。こちらはオンラインゲームを提供している会社で、ゲームの中で使うアイテムなどを販売して売上を上げている。
ソリューション事業は15%を占めていて、サーバーのホスティングや接続環境そのものを法人のお客様に提供するサービスです。広告事業は10%を占めている。
ポータル事業の売上は、昨年買収を行ったこともあり前年比で47%ほど伸びている。営業利益は18%ほどの伸びです。
ポータル事業の注力領域
1.オンラインゲーム
昨年買収したゲームポットは、「スカッとゴルフ パンヤ」や「ファンタジーアース ゼロ」などのオンラインゲームの運営を行なっている。売上も2007年度は40億弱、2008年度は50億程度と順調に伸びている。ファンタジーアースはスクエニが開発したゲームをオンライン化してサービスしている。
オンラインゲームも今後海外展開に力を入れて行こうとしていて、2008年8月にゲームポット子会社をアメリカに設立した。4〜5月にかけていくつかのタイトルを北米に向けて配信開始する。それから、全世界でシリーズ化されて親しまれているRPGウィザードリィをグローバルに展開する権利を買い取ったので、2010年からオンラインゲームとして全世界で展開予定です。
2.広告
アドネットワークを運営するソネット・メディア・ネットワークスを子会社化した。昨年の売上10億程度が今年は15億程度と40%ほど伸びている。インターネット広告はヤフーに代表されるように、ここ5〜10年ほど急速に伸びていて、既存のメディアに追いついてきた。インターネットでは、一つのサイトに広告を配信しても多くの人に見てもらえないのでビジネスにならないが、たくさんのサイトを束ねたらいいのではないか?というのがアドネットワークの考え方です。たくさんのサイトに同じ広告を配信することで、多くの人に見てもらえてメディアとしての価値が高まり、広告商品として企業に提案できるというサービスです。
3.ソリューション
法人向けに、当社が保有しているデータセンターやネットワークを提供したり、会員管理システムやカスタマーサポートを提供するサービスです。昨年は20億弱の売上だったが今年度は少し上回る程度の売上を見込んでいる。導入例としては劇団四季のホームページを提供したり、松竹の動画配信サイト松竹オンラインに動画配信ソリューション一式を提供したりしている。

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グループ会社
ソネットM3(東証1部:2413)
医療従事者向けのインターネット関連サービスで、製薬会社からの情報や医療ニュースの提供、研究に関する文献検索、医療にまつわる法律相談などを会員の医師に無料で提供している。会員の医師に情報提供したい製薬会社などから成功報酬を頂いている。2005年度40億弱の売上が2007年度には75億程度と大きく伸びている。利益率も40〜50%と非常に高いビジネスです。
DeNA(東証1部:2432)
携帯電話向けポータルサイト「モバゲータウン」を運営している会社で、So-netの持分は17%くらいです。携帯コンテンツの伸びが目覚しく、2005年度64億ほどの売上が2007年度には300億弱まで伸びて、利益も130億弱出ている。
2008年度業績予想・経営方針
今期も残り数日ですが、3Q決算は売上25%増、営業利益13%増となっている。今期の見通しですが、売上はM&Aの効果もあり22%増、営業利益は先ほど説明した先行投資を行なっていることから3.3%増の見込みです。配当は前年と同じく3,000円を予定しています。
ソネットは「ネットワークエンタテインメントの追求」をビジョンに掲げており、お客様により快適なネット環境を提供することと、つながった後にサービスや楽しさを提供したいと考えている。
事業戦略のキーワードは、FTTH光、広告、ソリューション、トップニッチ、グループ連携です。トップニッチは、何でもやろうということではなくて、集中と選択を行いあるカテゴリーでは1番になる!ということを目指していく。グループ連携では、ゲームポットやエムスリー、DeNAなどと連携して効率よくビジネス展開をして行きたいと考えている。
具体的な経営指標ですが、現在2009年度を最終年度とする中期計画を実行しており、この中期計画の目標値は、売上高成長率10%以上、営業利益率10%、ROE10%、配当性向20%以上です。来年度の終わりには次の中期計画を作成して、次の3年をどうするのか説明したい。
最後に株価についてですが、9月のリーマンショック以降相場はたいへん厳しい状況にあり、当社の株価も影響を受けやや弱い。3月中旬くらいからややしっかりしているという見方もあるが、株価動向の判断については専門家にお任せしたい。
質疑応答 山口アナリストと会場からの2本立てです
アナリストから
(1)接続事業の位置付けと競合関係について
→光サービスが中心になってきているのでこの観点からだと競合は、NTT系のOCN、ぷらら、NEC系のビッグローブ、富士通系のニフティ、そしてSo-netが大手。ソネットのシェアは類推ですが6%程度と考えている。
(2)アクトビラは今後どのように展開していくのか
→アクトビラはインターネットの普及、特にブロードバンドの普及に伴い、動画の高画質化HD化に対応したコンテンツを出して行くというサービスですが、テレビだけでなくブルーレイレコーダーなどもアクトビラ対応が始まっているので、こういった機器の普及、光回線の普及の同期を取ってサービスを拡大して行きたい。
(3)接続事業は今後どこに力を入れて行くのか
→時間軸を考えると、例えば来年なら日本で光をしっかり伸ばして行くこと、台湾で光を伸ばして行くことです。台湾では光をFTTB(ファイバー to the ビルディング)と言っているが、ちょうど普及期を迎えているので、FTTBをしっかり伸ばして行きたい。
4、5年後となると、WiMAXや次世代PHSといった無線系のサービスが出てくるので、こちらのビジネスをビジネスモデルも含めてしっかり考えて展開していきたいと考えている。
会場からの質問
(4)100年に一度の危機と言われる中で、業績が底堅いのはなぜか
→私が会社に入って20数年ですが、「100年に一度」というのをすでに3回も経験している(笑)「100年に一度」というのは100年毎に起こるものじゃないんだな〜と痛感していますが、それはさておき、接続事業は毎年毎年お客様を獲得して、継続してお使い頂くというビジネスなので、単年度の経済環境の変化が大きく影響するようなビジネスではない。鉄道、食品、電気の様ないわゆるディフェンシブに該当するような株だと思う。むしろ単年度の業績より、これまでやってきたことや業界のインフラが大きく変わる時に影響を受ける。景気への感応度はそれほど高くないビジネスだと思っている。
(5)DeNAはソネットグループであることを積極的に紹介していないように思われるが、どういった経緯でグループに入ったのか
→ディー・エヌ・エーは元々はソネットとリクルート、そして今の経営者の南場社長の3者のジョイントベンチャーで始まった会社です。ソニーがお金と人を出して作った会社ではなくて、当初から事業パートナーという位置付けでスタートした会社です。
(6)純利益は前期を下回っていて、4Qの純利益見込みも低水準だが何か特損でも見込んでいるのか
→3Qに株式の減損を計上した関係で、純利益が残念ながら昨年を下回る結果になった。選択と集中という戦略や、まだ立ち上げ中の会社という面もある。4Qについては、春が光ファイバーの顧客を獲得する最大の商戦期になっているので、この時期はテレビCMなどの広告宣伝費、販売促進費、販売代理店に対する手数料などが多く発生する。年間を通してみると4Qが一番利益が出辛い時期になるので、できれば年間を通した利益で見て頂いた方が誤解が少ないのではないかと思う。
(7)NTTの光テレビに対抗していくのか。今のアクトビラでは対抗できているとは思えないが。
→(ちょっと苦笑)そうですね。なかなか鋭い質問なんですが、NTTも光回線を使ったテレビサービス「ひかりTV」を行なっている。我々としては対抗していくというより、そういったサービスを提供する人が出てきて普及していけば、それが光の利用につながりビジネス上は大きいと思っているので、対抗するというよりは切磋琢磨してより良いサービスを提供していきたい。対抗できていないという指摘は真摯に受け止め、NTTは大きいのでたくさんお金をかけられると資金面では対抗できないが、来年度以降いろんな工夫をこらしながらサービスとして浸透させていきたい。
今期は子会社株の減損などで純利益の水準が低いですが、接続事業は不況下でも安定しており台湾の子会社も楽しみですし、ポータル事業もソネットM3など優良会社を抱えていて安定した成長を続けて行きそうです。指標面では若干割高感を感じますが、今後さらにブロードバンドが普及し、ネット上でのサービスも増えてくることを考えるとおもしろい会社かもしれませんね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
京まで出かけてコストもかなり掛かっていますし




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