2009年03月24日

旭化成の会社説明会報告レポート

3月24日(火)に行われた、東海東京証券主催 旭化成の投資家向け会社説明会に行ってきました。旭化成はケミカル事業や繊維事業、へーベルハウスで有名な住宅事業などを行っている会社です。

2009年3月24日の株価 369円(東証1部 3407) 1,000株単位 3月決算
PER 36.5倍、PBR 0.80倍、配当利回り 2.7%
株主資本比率 42.2%、配当性向目標 33%、株主優待 なし

最近の株価は → ヤフーファイナンス 旭化成
ホームページは → こちらです

3407.jpg
今期の利益水準が低いのでPERは割高に見えますが、株価は過去の値動きからすると底値圏です。
お土産はサランラップとジップロックの入った「サランラップバラエティギフト」でした。

IR室長の藤田さんから説明がありました。原稿も使わず説明も慣れているようです。
世界的な景気悪化に伴い、当社の業績そして株価も低空飛行を続けている。そのような環境の中で旭化成がどのような経営をやろうとしているのか説明したい。
旭化成と聞いて思い付く物は?というアンケートを取ると、へーベルハウスとサランラップがまず出てくる。競合他社が同様のアンケートを取っても何も浮かばないという回答が多いそうだが、当社は最終製品も作っているのでこのような結果になるのだと思う。ただ旭化成はこれら以外にも多くの事業を行なっている。主力のケミカルズ(化学)、繊維、ホームズ、建材、エレクトロニクス、ファーマ(製薬)の6つの事業領域を持っている。営業利益で見ると、ケミカルズ&繊維が53%を占め、ホームズ&建材が18%、エレクトロニクスが16%、ファーマが9%となっている。旭化成は他社にはない住宅とLSIを持つ総合化学メーカーです。
旭化成は九州の延岡市からスタートした会社で、豊富な水を使って水力発電を行い、その電気を使って水を電気分解して水素を作り、窒素と反応させてアンモニアを製造することから事業をスタートした。その後、合成繊維や石油化学、住宅、医薬、エレクトロニクスに事業領域を広げ、多角化と高付加価値化により成長してきた
旭化成グループの目指す姿は、「科学と英知による絶えざる革新で、人びとの命と暮らしに貢献します」であり、色々な事業を行い多彩な技術と多様な事業モデルを持っているので、これらを活かし地球環境保全などの市場の要請に応える事が経営の根幹です。
環境との調和を考えた事業経営にも取組んでおり、事業開始当初から水力発電を利用しており、綿花から綿を取った残りかすから作る「ベンベルグ」(洋服の裏地になる)も生産している。技術で環境に優しい事業では、CDなどに使われる透明な樹脂ポリカーボネートをCO2から作る技術を開発した。以前は有害なガスから作っていた。ポリカーボネート樹脂は自社では作らずライセンスビジネスを行なっている。その他にも水をきれいにする中空糸ろ過膜も製造している。

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中期計画の概要
旭化成の過去からの営業利益推移を見てみると、日本のGDPに沿って伸びてきた。しかしこれからは日本のGDPはあまり伸びないので、強い事業を伸ばし製品の差別化・高度化でGDPを上回る伸びを目指していく。
1999-2002年の中期計画では選択と集中を掲げ負の遺産の整理を行い、赤字やシナジーの見込めない事業を整理した。2003-2005年の中期計画では選び抜かれた多角化を掲げ、キャッシュフローを稼ぐ、スピードと自主自立経営を目的に、6つのセグメントの収益状況がはっきり分かるように持株会社制へ移行した。
現状の2006-2010年計画では拡大・成長への事業ポートフォリオ転換を掲げ、戦略投資の実行を行なっている。国内型事業の、住宅・建材・医薬・ポリマー・モノマーなどについては高度化し、安定成長で安定した利益を稼ぎ、その利益をグローバルで拡大が見込める高成長追求事業の高機能ケミカル・医療機器・電子材料・電子部品に回して、拡大を図って行く計画です。
最近の設備投資額は年700〜800億円ですが、追加戦略投資として4,000億円を加え、今中期計画5年間で8,000億円の投資を見込んでいます。戦略的に投資を行い、継続的に利益成長を実現させ(純利益成長率6%)継続的な増配につなげて行く(配当性向の目安20〜30%)計画です。さらに余裕があれば自己株式の取得も行ないます。最終年度の2010年には売上高2割増の1.8兆円、営業利益4割増の1,500億円を目指している。
現状の進捗状況は、2007年までは中期計画を上回るペースで推移していたが、2008年下期から収益が落ちてきて、今期は減収減益の見込みです。配当は今のところ10円配の予定です。本来なら2〜3円になる所ですが、経営陣としても最低限10円は維持したいという考えで10円を予定しています。配当性向はほぼ100%になります。
セグメント別に見ると、ケミカルズ、繊維、エレクトロニクスなどで売上が減っています。ホームズ、ファーマ、建材などは増収になっています。営業利益面では、ケミカルズは数量ダウンに加え、原料ナフサの価格急落が大きく影響して大幅減益になっています。通常原料を購入してから製品になるまでに3〜4ヵ月かかるので、今はコスト高い原料で作り、安い価格で売ることになるので利益が出ない状況です。ホームズについては、前年に部材メーカーで不正に認証をとった問題で、販売棟数が伸び悩んでいた反動で伸びているが、利益面では鉄の価格上昇の影響を受けている。ファーマは順調に推移している。エレクトロニクスは大幅な生産調整の影響で利益が急減している。
事業によって今回の経済変調の影響が異なり、多角化による広範な事業展開のおかげで景気低迷時の利益を下支えできている。

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営業利益の構成を別の角度から見てみると、違った側面が見えてくる。グローバルでNo1&2の製品(イオン交換膜、ハイポア、パイメル、ペリクル、磁気センサー、人工腎臓、プラノバ、セパセルなど)は比較的景気悪化の影響が小さく、そこそこ利益を稼いで全体の半分を占めている。ホームズ&建材も安定して利益を稼いでいて半分近くを占めている。その他の事業は景気悪化の影響でほとんど利益がなくなっている。
この現状認識から、国内型事業を高度化し景気低迷時にも安定した利益を稼ぎつつ、世界シェアの高いグローバル型事業の拡大・創出を更に推進して行く。この基本戦略に変更はないが、加速が必要で、景気変動の影響が大きい汎用事業については、高付加価値化・グローバルNo1化の加速を行なうと共に、No1を狙えない事業については撤退・売却も視野に入れて、事業ポートフォリオの転換を加速して行く。

現状を踏まえた当面の緊急施策として、財務体質の強化を図って行く。具体的には、
1汎用事業の能力増強投資は極力絞っていく
2在庫の圧縮
 在庫が膨れているので、今年の9月にかけて適正レベルまで下げていく
3固定費の削減(損益分岐点の低下を図る)
 今回の不況はアメリカのバブル崩壊が原因なので、すぐには需要が戻ってこないと考えており、経費・労務費などの削減を行い損益分岐点比率の高い事業を見直していく
4役員報酬の減額

設備投資額については、中期計画では高い数値を掲げていたが、見直しを行なっていく。ただ通常の設備投資とは別枠で、投資有価証券の取得を2012年までの総額で1,000〜1,500億円計画している。これは分野を絞ってM&Aを積極的に行い、高収益企業にしていくために使う。
今年度の営業利益見込み400億円をベースに、2010年の増益要因を検討してみると、
 ひらめき資源価格沈静後のスプレッドの正常化で+200〜250億円
 ひらめき増益施策の効果で+200〜300億円
 ひらめき追加施策等の効果で+50〜100億円
これらを合計しても1,000億円ほどにしかならないので、当初の目標1,500億円の達成は難しい状況で、中期計画の見直しを行なっている。6〜7月には公表できると思う。

重点領域のグローバル拡大戦略
リチウムイオン電池用セパレータ「ハイポア」の拡大
リチウムイオン電池は毎年10〜15%伸びている製品だが、リチウムイオン電池用セパレータでは世界No1で50%のシェアを持っている。需要増に対応し積極的に増産投資をしている。リチウムイオン電池はハイブリッドカー向けの開発加速など、将来はさらに伸びてくると考えている。


大量水処理用ろ過膜「マイクローザ」
世界No2シェア18%の商品で、浄水・下水処理・排水処理で需要が拡大している。北米では上水道での病原虫除去の規制が強化され需要の拡大が見込め、中国でも水質汚染や水不足の深刻化から今後需要が伸びてくる。中国には工場も新設し現地生産の体制を築いている。

世界No1を目指す医療機器事業
中空糸膜を使った人工腎臓(人工透析)では、世界No2シェア18%、国内No1シェア40%となっている。先進国ではすでに普及しているので、中国に組立工場を増設し、これからは発展途上国で拡販していく。血液浄化治療事業では、2008年4月からマーケットの大きいC型肝炎へ対象を広げるため、海外でも臨床に取組んでいる。
白血球除去フィルター「セパセル」、ウィルス除去フィルター「プラノバ」は世界No1&2の事業で、今後も拡大を図って行く。

2010年以降の成長に向けて
先ほど説明した高成長追求領域の事業を伸ばして利益を拡大していく。ポジションごとの戦略としては、
グローバルNo1&2事業は省エネ・省資源・CO2削減などの視点も重視して、潮流を踏まえた拡大計画を推進する。
ホームズ&建材事業については高付加価値戦略を推進し安定した利益を確保する。
その他の汎用事業については、お金をかけてグローバルNo1事業に持っていく。
これらの戦略を実行することで、2015〜2020年の営業利益構成のイメージとしては、エレクトロニクス、医薬・医療、ホームズ&建材、ケミカル系の4つの事業でバランスよく利益を上げる会社にして行きたい

株主還元の考え方
利益の1/3を配当に回して行くというのが基本的な考え方です。2003年までは6円配の時期が長く続いたが、2004年からはずっと増配してきた。今期は大幅減益で10円の予想をしている。基本方針通りだと3〜4円になってしまうが、経営陣としては安定配当も重要だということで10円の配当予想となっている。経営陣としては将来の利益を見ながらということになるが、最低10円の配当はしたいという気持ちの現れです。
以上で説明を終わります。ありがとうございました。

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質疑応答
(1)海外向け売上は30%程度と聞いているが、中国の割合・状況はどうか
→中国はマーケットが大きく、近いということもありウェイトが高い。海外売上30%のうちかなりの部分がアジア向けで、その中でも中国向けが多く半分程度を占めている。中国経済は今後も成長し1人当りの所得も増えてくるので、中国向けの比率はますます高まっていくと思う。
(2)インド向けの戦略はどう考えているか
→インドについてはそれほど売上はない。旭化成の工場群から距離が遠いということもあり、攻めるにはハンデがあるのかなと感じている。ただし高付加価値商品で力を入れている医療機器、エレクトロニクス、スペシャルケミカル製品などは、付加価値が高く輸送費の比率が高くないのでインド経済がかなり大きくなってくれば、それなりのウェイトを占めるマーケットになってくると予想はしている。
(3)ホームズ&建材事業は将来も現状並みの利益構成を見込んでいるが、少子化が進む中で国内で利益を確保していけるのか
→ご存知だとは思いますが、基本的に旭化成のへーベルハウスは全方位ではやっておらず、市場としては首都圏中心、価格帯は中級から高級を狙って事業を展開している。首都圏には耐震性能が足りない住宅が700万戸あると言われているが、当社の販売は年1万戸程度なので、この程度の受注は確保して行けると考えている。より快適で機能の高い住宅を作っていくために、富士工場の中に住宅の研究所も作っており、少子化の中でも販売をキープする施策も打ちながら頑張っている。
(4)2015年の利益イメージでも現状と同じ位の利益構成になっているが、その他の成長分野と同じくらいの伸びを見込めるのか
→その意味では周辺事業にも力を入れている。家の周りのリフォームとか不動産に力を入れている。過去へーベルハウスを販売したお客様が何十万件もあるので、リフォームとか不動産の仕事も頂いている。こういった周辺部分にも力を入れて伸ばして行こうと言うのが基本的な考え方です。

資料は分かりやすく、将来計画など知りたい内容も網羅され説明もとても分かりやすかったと思います。質疑応答については質問が少なかったこともあり、無難な回答で少し物足りなく感じました。ヘーベルハウスなど現状の利益額は確保できるかもしれませんが、他の事業の方が成長性が高いので、利益構成比は下がっていくと思うんですが
思ったより世界No1&2の製品があり、リチウムイオン電池用セパレータ「ハイポア」など将来が楽しみですね!説明を聞いて旭化成のイメージが変わりました。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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posted by Zaimax at 20:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
株主総会に出席するなんて考えたこともありませんでしたが、近ければ行けたのに…と思うほど興味深い内容でした。
ありがとうございます。
また時々お邪魔します。
Posted by Parsley at 2009年03月26日 19:46
Parsleyさん、コメントありがとうございます。
参考になれば嬉しいですね!
会社側から直接説明を聞くのもとても参考になりますので、機会があれば気軽に参加してみてくださいね。
これからもよろしくお願いします。
Posted by Zai at 2009年03月26日 23:41
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