2009年03月21日

ニチイ学館の会社説明会報告レポート

3月12日(木)に行われた、日本証券アナリスト協会主催 ニチイ学館の投資家向け会社説明会に行ってきました。ニチイ学館は病院の事務業務や介護事業を行っている会社です。

2009年3月12日の株価 1,487円(東証1部 9792) 100株単位 3月決算
PER 赤字、PBR 1.09倍、配当利回り 1.5%
株主資本比率 39.4%、予想配当性向 赤字
株主優待 球根・青汁、自社サービスの割引

最近の株価は → ヤフーファイナンス ニチイ学館
ホームページは → こちらです

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過去の株価推移から見ると底値圏ですが、最近は昨年の10月を底に上昇傾向です。介護関連が注目されている影響なんでしょうか?
お土産は、乳幼児用のベビーグリーンベル ハンドル付きつめきりでした。1週間東京に出張しているので早速つめを切ってみましたが、なんか切り難いな〜と思っていたんですが乳幼児用だったんですねわーい(嬉しい顔)

森取締役から説明がありました。元は証券会社勤務だったそうです。
2009年4月1日付で、創業者の長男である寺田大輔副社長(40歳)が社長に就任する。若い社長でこれから10年〜20年の成長を目指す。ニチイ学館は医療関連事務の受託から始まり、専門知識が必要な医療事務の人材を育成する教育事業、そして介護関連のヘルスケア事業と展開してきた。人材の教育から就業までというビジネスモデルです。
当社の沿革は医療・介護制度と共にあり、1961年の国民皆保険制度制定により、病院は医療費を点数に基づいて請求するという煩雑な事務作業が発生した。創業者は、医師に代わって請求業務を代行するビジネスを見出し当社を創業した。1971年には、医療事務に精通した人材を育成するため教育事業も始めた。その後ホームヘルパーを養成して1996年にヘルスケア事業を始めた。介護分野に進出した理由は、下記の通りです。
 1医療と近い分野であること
 2医療事務で築いた全国基盤を活用できること
 3医療事務と比べて市場規模が大きいこと
2000年には介護保険法が制定され、当社も介護サービス拠点の全国展開を行なった。2007年にはコムスンの介護事業を承継し規模を拡大しています。このようにニチイ学館は国の制度の中で業務展開しているのが特徴です。

医療関連事業
医師や看護師が行なう医療行為を除く、医療機関運営業務全般のサービスを提供しており、健全な病院経営へ向けたコンサルティングや、院内保育所の運営なども行なっている。業界でのシェアは60%以上と圧倒的1位で、1千億円ほどの売上を上げている。医療機関の経営が厳しくなっている中、医業収益改善のために医事のプロフェッショナルが効率的な医事運営を提案する、医業経営支援サービスにも力を入れている。

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ヘルスケア事業
介護予防から訪問介護、居住系介護といった介護保険内でのトータルサービスを提供しており、高齢者専用賃貸住宅や家事代行サービスなどの介護保険外サービスも充実させている。
ヘルスケア事業の今期の売上は1千億円程度の見込みで、介護分野に進出したことで8年ほどで売上高が2倍になった
景気が悪化し失業者が増える中で、受け皿として介護分野への期待も大きくなっているが、労働環境が厳しいことから離職率が高いなど人材不足が問題となり、今回初めて介護報酬が3%プラス改定される。介護報酬改定により売上は2〜3%増収になるが、この分は社員の処遇改善に使って行きたいと考えているので、利益面への影響はない。

教育事業
医療事務講座およびホームヘルパー2級講座を中心に、各種実務講座・資格取得講座を全国で開講している。受講生は10万人以上集めているが、日本の雇用情勢の影響を受け厳しい状況が続いている。景気のいい時は受講生が少なくなり、悪くなると受講生が増える傾向にある。当社は47都道府県で500教室を運営しており、受講しやすいという特徴がある。また、サービス部門で培ったノウハウを講座に活かすことができ、多くの皆さんに受講頂いている。

財務・業績情報
今期は7.6%増収、7.2億円の赤字を見込んでいる。2007年11月にコムスンの介護事業を承継した影響で、今期の売上高は3期ぶりに増収となるが、営業利益段階では16億円の赤字要因になる。教育事業も営業利益段階で12億円の赤字になる見込みで、純利益も赤字を予想している。
部門別に四半期ごとの推移を見てみると、売上高は2008年度の3Qから増収に転じ、利益面では今期の1Qを底に改善基調にある。当社は2004/3期が最高益だったが、その後事業環境の悪化や色々な環境の変化もあり5期連続減益と厳しい状況が続いてきた。今までの対策の効果が出てきたことや各事業の環境が好転してきたことで、今期が業績の底で来期以降改善してくると手応えを感じている。

今後の事業環境
当社の事業は医療・介護分野ということで、高齢者人口の影響を大きく受ける。わが国の高齢者人口の比率は今後も上昇を続ける見込みであり、今後も医療保険・介護保険制度は拡充されていくと見込まれます。政府の社会保障国民会議の結論も、中福祉・中負担を目指す方向を打ち出している。医療・介護サービスに対する政策も、「改革を行いいかに費用を減らすか」という方向から「改革を行なってむしろ費用を増やす」方向に発想の転換を行なっている。2025年の医療・介護サービス費用のシュミレーション結果でも、改革を行なうほど費用が増えるような結果が示されている。来年度の厚生労働省の予算も13.4%増えるなど、高齢化社会や医師不足の問題を背景に医療・介護分野の予算は増える傾向にある。医療・介護分野で仕事をしている当社の業績にも追い風になると考えている。
ニチイ学館には、社内に人材を養成する教育部門があり、医療・介護部門に人材を供給することができる。この強みを活かしてさらに事業を拡大していきたい。

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株主還元について
当社は安定的かつ継続的な利益還元を基本に、中長期の業績動向を勘案して配当を決めている。今期についてはこの方針に基づき、業績は厳しいものの前期と同額の22円を予定している。今期末には1:2の株式分割も発表しており、来期以降の業績に手応えを感じていることもあって、来期の配当は12円(分割を考慮すると24円)と発表している。
株主優待については、無料プレゼント商品とご優待割引サービスを行なっている。昨年は球根セットと青汁セットから選んでもらった。ご優待割引サービスは2008年から始めたが、介護施設への入居金割引と教育講座の受講料割引を行なっている。

当社の社是は「誠意 誇り 情熱」で、医療・介護という公共性の高い分野で仕事をしていること、役員の中にも女性が2名いるが女性社員が8割と多いことからこのような社是を掲げて、事業を展開している。

ニチイ学館の株価は、昨年の10月に780円の年初来安値を付けたが、10月31日に介護報酬の3%改定が報道されたり、株式分割やコムスンから承継した事業が3Qで営業黒字になったという発表を受け1株純資産1,360円を上回って1,600円台で推移している。過去最高益を上げた頃には5千円台、それ以前には2万円を超える評価を頂いていたこともあるが、その後の環境変化もあり非常に厳しい推移をしてきた。今後社会保障制度の中で業績改善の手応えを感じているので、株価についても一定の評価をして頂けるのではないかと期待している。
今後ともご指導・ご鞭撻を宜しくお願い致します。


質疑応答
(1)医療事務の価格を上げた結果契約病院数が減っているが
→昨年より売上重視から利益重視へ舵を切り、価格改定交渉を行なってきた。これは社員への還元をしっかりやっていくことと、医療現場がIT等で高度化しており、従来は人を出すサービスに特化してきたが、それだけではだめだろうということで契約の見直し交渉をしてきた。なかなか当社の価値をご理解頂けない病院もあり、ご指摘の通り契約数は減少した。いま取組んでいるのは、2〜3年のスパンで見ていただき契約内容を改善していく、病院に提供するサービスも高度化して当社の社員の待遇も改善していく、ということに取組んでいる。今後成果が出てくると期待している。
(2)コムスンからはどのような事業を継承したのか
→コムスンからは主に有料老人ホーム・グループホーム事業を継承し、今期で約300億円売上が増えている。収益面では説明した通り営業利益段階で16億円の赤字となっている。来期については稼働率を上げていけば売上は10%アップ、利益は0から黒字に持って行ければと考えている。
(3)介護報酬3%改定は社員に還元するとのことだが利益面への影響は?
→社員に還元する方針であり、そのように表明している会社もある。当社としては改定分の8〜9割は社員に還元し、1〜2割は会社に残し介護事業の累積赤字を埋めるために使いたいと思っている。来期はコムスンから承継した事業が大きく改善すること、介護マーケットが拡大していること、介護報酬が改定されることから介護事業の業績改善を見込んでいる。国も介護従事者の処遇は他の産業に比べてまだ低いと認識しているので、今後も段階的に処遇の改善が行なわれると思うので、今後中期的に介護事業の利益は改善していくと思う。
(4)外資が投資しているから株価が上がっているのか
→4年ほど前からイギリスのシルチェスターが10%ほどの株を保有する状態が続いてきた。昨年の12月頃から取得した株価よりは低いが、ポンドが半値位まで安くなったので売却していて、直近では5%くらいになっている。その受け皿として、国内の年金の運用を行なっているような機関投資家が購入してくれているようである。その他、アメリカのフランクリンテンプルトンが7%ほど保有し続けてくれており、以前は外国人持株比率が20%を超えていたが、金融危機で比率が低下し国内の機関投資家が増えてきている。

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(5)老人ホームという言い方は良くないのでは?65歳から老人と言うのも問題だと思う
→居住系の施設には老人ホームやシニアマンションなど色んな呼び方がある。当社の介護サービスを受けられるのも75歳くらいからが多い。厚生労働省とも意見交換を行なう場があるので、もっといい名称にならないか考えて行きたい。
(6)9月以降受講生数の伸びが急増しているのはなぜか
→リーマンショック以降、資格を身に付けたいということで受講生が増えている。また10月に介護報酬の3%改定が報じられ介護のイメージが多少良くなったこと、ホームヘルパー講座受講に補助金が出ることが発表されたことなども影響している。
(7)ヘルスケア事業は3Qまで営業赤字なのに、4Qだけで取り戻し通期で黒字化できるのか?
→ヘルスケア事業は通期で4億円の営業利益と発表しているが、3Qまでの推移を見ると正直厳しいかなとも思う。ただ季節的な要因で12月〜2月は寒さや雪などの影響で介護サービスの利用が低調になるが、3月は暖かくなり利用が増加する傾向がある。今期も3月の売上で挽回して目標を達成できると考えている。
(8)3月の売上で挽回するということだが、2007年度の4Qは赤字、2006年度も4Qは一番営業利益が少ないが、今年だけこんなに改善するのか?
→2007年度はコムスン買収の影響があり赤字になっている。その後今年度の1Q2Q3Qと改善してきた。2006年度については前回の介護報酬引き下げの影響が残っていたことで利益水準が低くなっている。
(9)今後医療・介護予算は大幅に増えていくということだが、日本の財政が厳しい中で本当にこんなに増やして行けると考えているのか?介護業界の希望なのではないか。
→この数値は我々の希望的観測と言う部分もあり、今後の財源次第です。日本の景気が回復し消費税の増税が実現して初めて財源が確保されるので、決まっているわけではない。ただ、小泉総理の社会保障予算を毎年2,200億円減らして行くという発想から、少し社会保障を厚くしていく方向に変わってきている。自動車や電機など雇用が減る中で、医療・介護が今後の内需を引っ張って行く産業じゃないかという見方が増えてきている。こういった時代の変わり目だとは認識している。

医療と介護は需要は今後さらに伸びる分野ですし、介護分野の処遇改善にスポットが当たっているのもニチイ学館の業績にプラスに働いてくると思います。社会保障予算の毎年カットから方向が変わってきたのも今後の業績に貢献してきそうですね。
ただ、高齢者向けの予算ばかり増額されて、そのしわ寄せとして消費税増税など負担ばかり押し付けられるのは複雑ですね。我々が高齢者になる頃には財源も枯渇し、年金も社会保障も破綻しているのではたまりませんね。社会保障制度が見直されつつあるのはニチイ学館にとってはいいことですが、40代以下にとっては喜んでばかりもいられませんがく〜(落胆した顔)とはいえ人口でも負けているし、選挙での投票率でも下回っているので、政治家には高齢者の声しか響かないんでしょうね!政治家にも高齢者が多いしもうやだ〜(悲しい顔)
高齢化社会へのリスクヘッジとしてニチイ学館に投資しておくのもいいのかもしれませんねexclamation×2

最後までお読みいただきありがとうございました。
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posted by Zaimax at 10:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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