2009年3月17日の株価 1,103円(東証1部 3116) 100株単位 3月決算
PER 82.2倍、PBR 1.20倍、配当利回り 2.7%
株主資本比率 36.5%、予想配当性向 224%、株主優待 なし
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株価は2008年10月を底に上昇していますが、長期で見れば底値圏で推移しています。3Q決算と同時に通期業績の下方修正を発表しており、PERなどの指標面では割高になってしまいます。
とはいえ自動車関連で黒字を見込んでいるのはさすがですね!
お土産はボールペンでした。お土産はちょっとさみしいですね

トヨタ紡織は1918年に豊田佐吉が創業した会社で、昨年創業90周年を迎えたトヨタグループ発祥の会社です。豊田紡織から豊田自動織機が生まれ、豊田自動織機からトヨタ自動車が生まれたので、トヨタ自動車は孫会社にあたるが、今では立場が逆転しています

トヨタ紡織の事業内容は、内装品事業、フィルター・パワートレイン機器部品事業、繊維・外装品他事業の3事業に分かれている。
内装品事業は、シートからドアトリム、天井、フロアカーペットなど自動車の内装をシステムで提案しており、デザイン開発から生産まで任されている。シートについては骨格部分が大切になるが、骨格については後ほど説明する。天井については、以前は成型天井のみを供給していたが、快適な車室空間の提供と内装の付加価値を高めるため、大型イルミネーションを組み込んだ天井も開発している。トヨタグループには電子機器を得意としている会社もあるが、当社でも2年前に電子・電気事業部を作り、内装に関連した電気部品に進出した。
フィルター・パワートレイン機器部品事業では、エアフィルターやオイルフィルター(オイルエレメント)、キャビンエアフィルターなどを供給している。内装事業に比べると規模は小さいが、吸気システム製品の拡大とろ過技術を中心に展開し、自動車用フィルターでは世界No1になっている。今まではエアフィルターの供給だったが、周辺部材も合せて吸気システム製品として全体での受注に取組んでいる。キャビンエアフィルターでは花粉を除去するフィルターも増えてきている。
繊維・外装品他事業はトヨタ紡織源流の繊維事業を再建して、シートのファブリックやシートベルト、エアバックなどを生産している。エアバック基布や補修用のバンパーの販売を拡大している。エアバックでは、横からの衝突に備えるカーテンシールドエアバックがトヨタの全車種に標準装備されているので、売上が伸びている。これは複雑な形状だが、空気が漏れるといけないので、全体を織物で作っている。
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製品別の売上高を見ると、内装とフィルターが2本柱だが、製品が大きくて単価も高い内装品が90%を占めている(フィルターは7%)当社の業績を見るには内装品事業がどうなるか考えてもらえばいいと思う。地域別の売上高は国内が59%、北中米18%、アジア17%などとなっているが、今後アジアや欧州が伸びてくるので、2年後くらいには国内対海外の比率は1:1になって行くと予想している。
トヨタ紡織のシェアは、トヨタ車用内装では国内では96%、グローバルでは77%となる。海外では低いように感じるかもしれないが、トヨタが海外進出を始めた頃にはまだ当社には海外進出する力がなく、海外の巨大な内装品メーカーに取られてしまったためです。しかしその後は海外展開も進み、シェアも毎年上がってきている。自動車用内装では日本で1位、世界では4位だが、2位3位とはそれほど差がない。トヨタ以外にも供給先を広げて、世界No1を目指して行きたい。
1位 ジョンソンコントロール(米)頭一つ抜けている
2位 リアー(米)アメリカ市場が悪化し非常に経営が厳しくなっている
3位 ホルシア(仏)
エアフィルターについては、トヨタビジネスでは100%納入していて、国内シェアは51%とトップです。トヨタ以外にもホンダやマツダに納めている。
シートなどの内装品は、部品が大きく輸送コストがかさむため、トヨタが進出した先にはトヨタ紡織も工場を作っている。これは国内でも同様で、九州や岩手などトヨタの進出先には工場を作っている。その結果当社のグループ会社数も急速に増えていて、現状では85社になっている。
現状世界中で車が売れなくなってきており、トヨタの生産台数も北米・欧州中心に2008年度に急激に落ち込んだ。2009年度も前年を下回ると予想されていて厳しい状況が続くが、アジア・その他地域が先行して回復する。現在新聞などの報道でも厳しい厳しいと言われているが、会長や社長は自動車は必ず復活する!今は確かに厳しいがここを何とか乗り切ろうと一生懸命取組んでいる。トヨタグループの人はよく言っているが、現在世界中で景気対策を行なっているので、良くなる時には一気に良くなる、車が一気に売れる時期が来るとトヨタでは考えている。工場閉鎖の話も多いが、閉鎖してしまうと増産に対応できなくなってしまう。車が一気に売れる可能性もあるので、工場を閉鎖していいのかはトヨタ自動車を始め当社でも検討中です。
車の販売状況が一番悪いのは北米ですが、北米では大型車ほど販売台数が急減している。これはアメリカだけでなく世界的な傾向です。
当社の業績も販売減と円高という急激な環境変化により、3Q決算では前年同期比で減収減益になった。しかし事前に予測していれば対応することも出来た筈なので、外部環境の悪化を言い訳にはしたくない。
通期でも大幅な減収減益の見込みである。トヨタグループでも営業赤字の会社が多いなど非常に厳しい状況だが、当社はなんとか黒字を確保する。通常なら今頃は来期の予算を検討している時期だが、来期もコストを抑えなんとか黒字を確保したい。黒字ありきということをベースにしている。普通は各部から予算を申請するが、今年は経理部から黒字になるような予算を各部に割り当て、各部がそれを遵守するという計画立案方法に変更している。なぜそのような方法を取っているかというと、売上は今期の9,800億円からさらに下がり、2005年並みの8千億円台(8,800億円前後)になる。経費・人員も当時のレベルに戻すよう取組んでいる。当時は300億円の利益を上げていたが、現在は拠点数も増えておりそこまでの利益は難しいと思うが、いろんな対策を行なおうとしている。今期トヨタグループ各社が赤字転落する中で当社が黒字を確保できているのも、こういった取り組みを早い段階から行なってきたからです。現在の計画は、今年の生産台数700万台から来年は620万台に減るということを前提にしているが、これ以上生産台数が落ち込むと黒字化は厳しいかもしれない。
設備投資については、利益確保のため当初計画790億円から見直し、直近予想では600億円としているが、さらに減らして580億円レベルとなる見込みです。当社では2007年度から生産台数の伸びに応じて工場をたくさん作ってきた。これはとても大変なことだが、順調に立ち上がってきた。今後も工場は増えていく。
北米ではインディアナでシート骨格の工場が来期完成予定です。プリウス用に作ったミシシッピ工場は完成しているが、設備はこれからです。トヨタのミシシッピ工場でプリウスを投入するか白紙になってしまったので、この工場については少し心配です。中国では今期ヤリス、RAV4の生産を開始し、来期はハイランダーの生産も開始する予定です。欧州では、2011年から生産開始の新型ヤリスのコンペに参加し内装を受注したので、今までヤリス用の内装を25万台分生産していた世界3位ホルシアの工場を買い取って当社の子会社にした。ポーランドではシート骨格の工場を建設予定です。
自動車の生産がぐっと伸びる時期はまだ分からないが、当社ではこのように生産が回復しても大丈夫なように色々な布石を打ってきています。
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最近の新商品では、自動車のシートを模様替えできる「ら・シート」を女性が中心になって開発し、ビッツの特別仕様車Fで「着せ替えシート」として採用された。
そして、先ほどから話に出ているが、シートの中には骨格という鉄でできた骨組みがあるが、骨格を制するものがシートを制すると言われるほど重要な部分です。当社では軽量化・省資源化設計の新骨格TB−NF100を開発した。カローラと比較すると、部品点数で25%低減、締結点数20%低減、質量も15%低減と世界でも圧倒的に強い商品で、フォルクスワーゲンなど多くのメーカーから引き合いが来ている。この新骨格をトヨタiQをスタートとして新型車種に順次展開していく。
天井大型イルミネーションでは、明るさが自動で3段階に切り替わり、シーンに応じたおもてなしを行い、いい気分で運転してもらえる。クラウンから軽自動車まで色んな分野で採用が増えてきている。
当社の株主の方は心配しているかもしれないが、株価は業績の拡大と共に上昇し、2007年9月には3,880円まで上昇した。その後サブプライム問題などで株価は急落し、600円台まで下落した。その後はいくらか戻して現在は1,100円ほどになっている。今後株価がどうなるのかは分からないが、今は厳しいが自動車は必ず復活してくる。ぜひ自動車の復活を信じて欲しい。当社も来年度については黒字化を目指して一生懸命に取組んでいく。保証はできないが黒字を目指し努力していくので、今後ともご支援をよろしくお願いします。
質疑応答
(1)3事業あるが内装が9割なので3つに分ける意味があるのか?1つでいいのでは?
→フィルター事業は好調で、利益率も内装品より高い。売上規模は小さいが、世界の自動車メーカーに売り込め、今後の成長も期待できるので、大事に育てて行きたい。繊維事業は当社の創業事業だが、繊維不況などもありおろそかになっていた。ただシートなど車の内装は繊維でできており、繊維に力を入れることは大切だと考えている。もっと効率よく生産して利益を出せると考えている。今は実力が落ちているので、他の繊維メーカーから購入しないといけない状況だが、すべて自前で賄えるよう再度繊維事業に力を入れている。今は売上も少ないがなんとか利益に貢献できるよう力を入れて行きたい。
(2)トヨタ以外に販売していけるのか?
→当社の売上は97%がトヨタ向けでその他は3%しかない。トヨタに頼り切った状況だが、このままでいいとは思っていない。トヨタ以外にも拡販して行きたいと思っている。今まではトヨタの成長が急成長だったので、正直トヨタに付いて行くだけで精一杯だった。ここに来て状況も変わってきたし、当社の新骨格も好評なので、拡販をどんどん行なって行きたい。
説明の中でもありましたが、この厳しい中で今期・来期と黒字を目指していくというのは素晴らしいですね。まだまだ車が普及していない国もたくさんありますし、先進国でも買替需要が発生するので、また自動車産業は復活してくると思います。ただその時の姿は今とはかなり変わっているかもしれませんね。小型車や環境対応車に強いメーカーは生き残ってシェアを高めていくと思います。この厳しい中で効率を上げ生産能力を維持し、技術力・コスト対応力を磨いたメーカーが生き残っていくんでしょうね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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