2009年3月6日の株価 64円(名証2部・ヘラクレス 7593) 100株単位 3月決算
PER 赤字、PBR 0.31倍、配当利回り 6.3%
株主資本比率 10.1%、配当性向目標 20%
株主優待 新車・中古車購入時3万円、車検時1万円割引券など
最近の株価は → ヤフーファイナンス VTホールディングス
ホームページは → こちらです

こんなに株価が下がるとは正直予想外でしたね!もちろん自動車販売が激減しているという外部環境の影響もありますが、資金を本業以外の部分で無駄遣いして、毎年の様に特損を計上している影響が大きいと思います。毎回の様に本業のM&Aが水面下で進行していると説明しながら、成果が出ていないのも大きく影響していますね。
お土産はありませんでした。
こういった厳しい環境でも名証の会社説明会に参加しているのは評価できますが、赤字の原因となっている本業との相乗効果もなさそうな会社や、持ち合い会社への投資などの無駄な株式投資を早く清算してすっきりして欲しいものです。
今回も高橋社長から説明がありました。説明内容も前回と同じ様な感じですし、一見すると自信なさげな話し方も変わりません。が、以前と比べると説明に慣れてきた様にも感じました。そして今回はいつも説明していた中期計画がなくなっていました!まあこの環境激変下では中期計画の作成・達成は困難でしょうね。
子会社の説明などは重複する部分が多いですので、前回9月に行なわれた会社説明会の様子もご覧ください。
2008年9月24日 名証サマーセミナー
自動車販売関連事業が売上の97%を占めており、ディーラー業では新参者ですが独自の販売戦略等を駆使して、業界では際立った効率性を誇っている。ディーラー業は日本も含めて世界的に、メーカーが販売エリアを決めているので、独自にエリアを拡大して行くことはできない。拡大するには同業他社をM&Aしていくしかない。VTホールディングスは10年前に名証に上場させて頂いたが、これもM&Aが目的で上場した。その2年後にヘラクレスにも上場した。名証上場時にはホンダベルノ東海だけで、7店舗・60数億円の売上だったが、10年経って今現在17倍くらいに売上は増えている。
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子会社の状況
ホンダカーズ東海はVTホールディングス発祥の事業で、プリモや岐阜のディーラーを買収して愛知・岐阜で27店舗を運営している。ホンダディーラーの中で規模的には10番目位だが、利益額では7年連続トップです。8年前はトップではなかったが、それ以前も何年かトップだった。売上は180億円くらいで、経常利益は前年並みの8億円程度の見込みで、他社がへこんでいる中では相当健闘していると言えます。2月にはハイブリッド車のインサイトが発売され、好調に売れている。昨年11月にフルモデルチェンジした軽自動車のライフも順調に売れています。一方12月に発売したアコードツアラーは不調でほとんど売れていない。
長野日産自動車は2005年12月から当社の子会社になったが、それまでは地場のディーラーでした。長野県全域で41拠点を運営しており長野県で一番大きい日産のディーラーです。売上は300億円弱で買収前は1億数千万円の赤字の会社だったが、買収翌年の2006年には12億円の黒字になり、今期は少し売上が落ちているがそれでも8億円位の経常利益の見込みです。
静岡日産は元は日産直営のディーラーで、浜松エリア以外の静岡県内に36拠点を展開している。売上は300億弱で以前は4,5千万の利益の会社だったが、買収した翌年には10億の利益になり、今期は予定でおそらく6〜7億円の利益になる。
こんなことを言ってもどうかと思うが、いま日産系のディーラーはほとんどが赤字でたぶん1桁の販売会社しか黒字化していないと思う。長野日産はレッドステージで利益額トップ、静岡日産はブルーステージで利益額トップになっている。
三河日産はトヨタのお膝元の西三河エリアに13拠点を展開していて、売上は160億ほどと上記2社よりは規模が小さい。今期は3.5億ほどの利益を予想していて、こことホンダカーズ東海の2社が前年並みの利益、長野と静岡は若干減益を予想している。
昨年実績ではブルーステージで7位の利益額だったが、他社が赤字に転落しているので今期は順位が上がると思う。
日産車のトピックスですが、フェアレディZやスカイライン、キューブなどがモデルチェンジしているが、ホンダのインサイトのような売れ筋の極めつけの車が無くて苦戦している。そのような中でもなんとか利益は確保しているという状況です。
フォードライフ中部はジャスコからほとんどタダでもらった会社ですが、愛知・岐阜・三重に11拠点を展開している。フォードだけでは商売にならないので、スズキ、ダイハツ、三菱、スバルなど何でもやっている。中古車も取扱っていて、ここも利益を出している。
VTインターナショナルはジャガーとローバーのディーラーで、赤字の大阪の店を引き継ぎ、岡崎は自前で出店した。今まで赤字で今期は黒字化予定だったが、不況の影響で難しそう。車関連で唯一の赤字会社だが、売上10億程度なので大勢に影響はない。
エルシーアイはイギリスのロータスというスポーツカーメーカーの日本での総輸入元になる。自前の店舗は1店舗だけで、全国の傘下ディーラー24店に卸販売をしている。インポーターといいますが、ここももちろん黒字です。
ロータスは今年10数年ぶりの新車「EVORA」が発売予定です。9〜10月頃から納車予定ですが、すでに80台ほど予約が入っている。売上に上がってくるのは来期ですが、人気があるので、この車が発売されるとエルシーアイの業績もさらに良くなると期待している。
ピーシーアイもインポーターを行っていて、世界で販売されている車から日本では販売されていない車の独占輸入権を取れるものを集めている。エルシーアイの人員が片手間に行なっているので、ほとんど経費は発生しない。輸入権を取ってディーラーに卸すだけなので、安全でリスクのない商売です。ロータスのインポーターとしての実績もあり、交渉はうまく行っていていくつかのブランドの独占販売権を取っている。ケイターハム(生産国イギリス)も年間60台位が日本でコンスタンスに売れている車だが、今年の1月から独占販売権を取っている。今年4月、原宿にショールームを開設予定。今後もいくつかのブランドを販売していく予定だが、海外から直接輸入しているので、円高は追い風になる。
トラストはマザーズ上場企業で、日本の中古車をインターネットを通じて、海外の消費者に直接販売している。年間7千台ほど販売しており、約6割がアフリカ地域、2割がカリブ地域残り2割で100ヵ国位、東南アジアにはあまり販売していないが、ロシア、中近東、オセアニアなど海外113ヵ国に輸出している。ここは円高の影響を多少受けるが、販売価格に転嫁できるので相場が急変しなければ影響は少ない。昨年暮の様な相場急変時には利益を圧迫されたが、2月くらいから回復している。売上40億ほどの会社ですが、今期は3.5億ほどの経常利益の見込みです。
J−netレンタリースは、元はオリックスレンタカーのフランチャイズをしていたが、そこから脱会して独自ブランドのレンタカー事業に切り替えた。全国で60店舗のネットワーク(直営17店、FC43店)があり7千台位の保有台数です。本業がディーラーなので、レンタカー使用後の処分の仕方や、後で転売しやすい車種や色を仕入れておくことで利益率が上がってくるなど、ディーラー業のノウハウを活かしており収益性の高いレンタカー会社だと思う。売上は30億くらいで今期は3〜3.5億の利益を見込んでいる。
ここまでが本業の自動車関連ですが、よく本業に集中しろ


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アーキッシュギャラリーは、毎週土曜日の10時からメーテレで放送されている「渡辺篤史の建もの探訪」という番組にCMを出しているので、ご覧になったことがあるかもしれません。建築家の先生をお客さんに選んでもらって、デザイナーズハウスを建てる会社で、建築請負・保証も行い年間70棟前後建てている。東京・大阪・名古屋の3店舗で、ここも売上30億くらいで今期も1億位の利益になる見込み。建築は今はどん底じゃないかと思われるかもしれないが、お客さんは年収1千万円以上の人が多くて、そうは言っても多少引き合いは減っているが、ほとんど影響を受けていない。今期も予想通り推移すると見ている。
E−FOURはアイコーエポックから社名変更した会社で、節電装置を作っている会社だが、2年前に買収した時に20数億の大きな減損をさせられた。それが今は海外からの引き合いが多くて、特にイギリスでは省エネ装置がCO2の削減にもなることから、かなり大きな補助金が出ていることもあって、イギリスは前年比150%で伸びている。大きな減損を出したお陰で、ここが出した利益には税金がかからないので、純利益へはかなり効いてくる。今期売上10億くらいで利益は1.3〜1.4億くらい。ここはほぼ読めている。いろいろあったがきちんと黒字化できている。
通期業績予想
下方修正を行い、売上960億、営業利益20億、経常利益16億、当期利益は▲4億を見込んでいる。当期純利益については、子会社株式、持ち合い株などほとんど株式ですがこれらの評価損を織り込んだ形になっている。3月末の株価次第ではもう少し減ってくるかもしれないが、ある程度見込んだ数字です。
先ほど皆さんからの質問を見せて頂いたが、競合他社と比較して優位性はどうなのか?という質問があった。上場会社でよく比較されるのは、東日カーライフグループ(東京日産)とATグループ(愛知トヨタ)だが、東京日産さんは数年前からボロボロで、かなりの赤字会社なので別にして(VTも今期は赤字会社なんですけど)、愛知トヨタさんは非常に内容のいい会社です。営業利益率を比べてみると、愛知トヨタが好調な時は当社と同じくらいの利益率になる。しかし愛知トヨタは70年くらいの歴史のある会社ですが、我々はまだ20数年です。売上は愛知トヨタの1/3弱の規模ですが、M&Aで拡大してきたので、特に日産系ディーラー買収時ののれん償却が大きく、現在年間7億円くらい計上している。この分営業利益が減ってしまうので、もしのれんが無ければ今期も27億の営業利益になり、利益率は高くなる。さらに借入金でM&Aをしてきたので、愛知トヨタと比べると金利負担も大きくなり、その分経常利益が減ってしまう。愛知トヨタはトヨタ株も大量に持っているので、配当が年間10億ほど入ってきて、経常利益・純利益に大きく貢献している。収益構造面ではこのような違いがある。
ただ我々の強みとしては、10年間で売上17倍まで拡大してきた所にある。ただ闇雲に買収して売上を拡大して来たのではなくて、買収した会社は必ずきちっと黒字化してきた(自動車関連はですが

国内の新車販売は今後も厳しい環境が予想されるので、海外におけるディーラー展開を検討している。インド、タイ、マレーシアで取組んでおり、韓国でも少し取組んでいる。現在は人が行って現地ディーラーのコンサルを行なっているが、日本と同じ様に劇的に改善していて、赤字の会社が黒字化している状況です。相手先企業への資本参加なども検討しているが、世界的な金融危機下で投資の回収がどうなるのかを吟味している状況で、投資するかどうかは決定していない。成果は出ているが回収が不透明なので熟慮している状況です。
国内についてもこのような状況なので、M&A案件が持ち込まれてくるが、以前のようにのれんが発生するようなものは避けて、負ののれんになるような純資産以下で買える様なものを中心に話をしている。そうすればのれんが相殺され負担が減るので、こういう時期なのでその方向で進めようと考えている。
以上で説明を終わらせて頂きます。
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質疑応答
(1)ディーラー業は健闘しているということは分かったが、今期も株式評価損で赤字になる。本業に関係のないヤマシナや昭和ゴムに投資して特損が発生しているが、このような投資を止めたり清算する考えはないのか?
→ヤマシナについては当社から社長も行って昨年は黒字化したが、自動車関連ということで今期は赤字になる見込みです。全株を引き受けて買ってくれる所があればそのようなことも考えないでもないが、当面は内容を良くして株価を上げて行こうと考えている。
昭和ゴムなんかは色々あって、過去に当社が第三者割当を引受けるのを断った経緯があり、一部株を引受けることになったが、できれば解消していきたいと考えている。いま手放すと1億くらいの損が出るので、もう少し回復したらなんとか手放して行きたいと考えている。
(2)本業外の部分の比率は今後どうなって行くのか?維持していくのか?
→いま自動車関連以外の所はすべて黒字化していて、顧客もいるのでこれをすぐにやめることはないが、今後本業外の買収を行なっていくことはない。これからは自動車関連に集中していくので、相対的に比率は下がっていくが、いまやっている事業は2社とも少ないながらも億単位の黒字が出ているので、これをすぐにやめるということはない。
(3)トヨタも赤字になるという状況で今後も買収を続けていくのか?
→いま非常にたくさんのM&A案件が、メーカーからもありますし個別の会社からもまとめて引受けてくれという様な話もある。ただまた借り入れが増えるというのもやり辛いので、そのようなことも考えて、逆に売上高借入比率なりそういった指標が改善するようなものについてだけ検討しよう、あるいは負ののれんになるもののみ進めて行こうと検討している。具体的にはいくつかあるがお話はしづらい、そのような状況です。
説明を聞いているとM&A案件が進んでいて、安く買って黒字化できれば来期は期待できそう!などと妄想を膨らましてしまいそうですが、前回9月の報告を見てもらえば分かる通り、
「水面下で自動車関連のM&Aをいくつか進めており、これらがうまく行けば2010年2000億円の中期計画近くまで行ける。まだ発表できる段階ではないが、近々発表できる」
と説明していました。が





まあ前向きに考えれば、2年前・1年前に買収するより今の方がいい条件で買える

今回こそは成果を上げられるのか、それともまた特損の山だけを築くのかどちらなのでしょうか?株価の推移は特損の可能性が高いことを示唆している様ですが、そろそろ成果を見せて欲しいというのが実感なんですけどねぇ

「お話はしづらい、そのような状況です」というのが具体的に近づいていて話せないのか、とてもまとまりそうにないので話せないのかどちらなんでしょうねぇ


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