2009年02月26日

東邦ガスの会社説明会報告レポート

2月25日(水)に行われた、名古屋証券取引所主催「株式投資ウィンターセミナー」 東邦ガスの投資家向け会社説明会に行ってきました。東邦ガスについては説明は不要ですね東海3県エリアにガスを供給している、日本第3位のガス会社です。

2009年2月25日の株価 501円(東証1部 9533) 1,000株単位 3月決算
PER 56.0倍、PBR 1.45倍、配当利回り 1.6%
株主資本比率 36.1%、予想配当性向 89%
株主優待 なし

最近の株価は → ヤフーファイナンス 東邦ガス
ホームページは → こちらです

9533.jpg

過去からの株価推移を見ると着実に上がってきたんですね!最近は高値もみ合いという感じでしょうか。
お土産はアルミホイルでした。ガスで料理してねexclamation×2ということなんでしょうねわーい(嬉しい顔)

先日は中部電力の会社説明会に参加しましたが、今日は東邦ガスです。公益企業も投資家向けIRに力を入れ始めたんでしょうか?
神田常務取締役から説明がありました。
いつもガスをお使い頂きありがとうございます。都市ガスの原料の移り変わりを見てみると、最初は石炭を蒸し焼きにしてコークスを作る時に出るガスが原料でした。その後昭和30年代に石油系のナフサが原料になり、昭和50年代からは天然ガスが主原料になっています。天然ガスは、燃焼時のCO2排出量が石炭の6割と少なく、環境に優しい優れたクリーン性という特徴があります。さらに世界に広く豊富に存在していて、可採年数も原油が約40年と言われているのに対して約60年あり、供給の安定性に優れています。このようなことから天然ガスは「21世紀の基幹エネルギー」と言われています。

ガス会社は全国に200社ほどありますが、当社は東海3県で都市ガス事業を展開していて、東京ガス・大阪ガスに次いで業界3位です。2007年度の実績で比較してみると、下記の通りお客様件数では差が大きいですが、ガス販売量で見ると差が縮まります。この理由については後ほど説明します。

 お客様件数  東邦ガス100 東京ガス457 大阪ガス311
 ガス販売量  東邦ガス100 東京ガス351 大阪ガス222


都市ガスの供給エリアは愛知・岐阜・三重で、パイプラインが張り巡らせてある。LNGタンカーが接岸できるよう海沿いの知多と四日市に工場がある。桑名市は桑名市ガスが事業を行っていたが、昨年4月に事業を譲り受け今は当社で供給している。大垣ガス・津島ガス・犬山ガス・中部ガスには当社からガスを卸供給している。
原料のガスは、カタール・インドネシア・マレーシア・オーストラリアの4ヵ国から輸入している。現地で天然ガスを▲162℃まで冷却して液化し、船で日本まで運んでいる。LNG専用タンカーは魔法瓶のような構造になっている。今年度からはロシア・サハリン2より輸入開始の計画で、来年の2月には最初の船が入ってくる。中東からだと到着するまでに2週間、オーストラリアでも10日かかるが、サハリンからは3日で日本に着く。さらに資源量も豊富でピーク時には900万トンを超えるくらいの供給が可能と言われている。輸入源を多様化していきたいと考えているので、サハリンは重要なプロジェクトです。
液体の形で輸入したLNGは液体のまま備蓄しているが、海水少しかけるだけで気体になる。主力の知多緑浜工場では、世界最大級(20万kL)の地下式LNGタンク2基目の増設工事中で、2009年夏に完成予定です。安定供給のために需要の増加に合わせて備蓄量も増やしていく。
ガス販売量の推移を見てみると、99年の倍近くまで伸びている。特に最近5年間は9%くらいの高い伸びを続けている。これは好調な製造業が集積している影響で工業用の需要が伸びているためだが、工業用の比重が高い分今年度は景気後退の影響も大きく、ガス販売量は8%減となる見込みです。当面販売量の増加は難しいと思うが、当地域の製造業のポテンシャルは高く天然ガスへの需要も伸びると考えているので、状況が落ち着けばまた高い伸びを見込めると考えている。

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続いて都市ガスの用途が広がっているということについてお話したい。
家庭用については、調理・給湯・暖房などで使われており、オール電化との競争も厳しいが、手入れのしやすいガラストップコンロなどを中心に美味しい料理はガスだよねexclamation×2と訴求している。
暖房では温水床暖房も好評で、初期コストが安くなってきたこともあり、戸建・マンションの新築では半分くらいが採用している。給油などの手間がかからず、すぐに温風が出てきて嫌な臭いもない手軽なガスファンヒーターも好評で、1/3くらいのお客さんが使用している。給湯では、従来の給湯器は熱効率が85%くらいでしたが、95%を実現したエコジョーズを投入している。熱効率が高いとガスの使用量は減ってしまいますが、省エネ機器でお客様に喜んで頂くことが長い目で見ればわが社にとってもいいことだと考えている。

新たな取り組みとしては家庭用の燃料電池ENE・FARMエネファームもパナソニックと開発している。これは電気分解の反対で、水素と酸素から電気を発電し、その際に出る熱を利用して給湯を行うものです。発電機は1kWで家庭の電力需要の約6割を賄える規模です。電気代が減りガス代が少し増える形になり、年間5〜6万円の削減メリットがあるが、国からの補助金を引いても百数十万円かかるので、今年の5月から販売を開始するがすぐには普及は難しいと思う。当面3年間で1,500台の販売を見込んでいる。
燃料電池には水素と酸素が必要だが、酸素は空気中にあるので問題ない。水素は都市ガス(メタンCH4)から取り出すのが比較的容易です。発電時に発生する排熱をお湯として利用するため、高いエネルギー効率(70〜80%)を実現でき、CO2削減量は年間1.5トン!になる。
CO2を排出しないので、温暖化対策の切り札として期待しており、燃料電池は今後の環境対策のキーワードになると思う。自動車メーカーも燃料電池車の研究が進んでおり、将来は車も燃料電池で走るのが当たり前になるかもしれない。

ここまでガスの話をしてきたが、電力会社もオール電化で攻勢をかけてきており、現状新築の2割がオール電化になっている。東邦ガスとしては、電気・ガスともにいい点があるので、電気とガスのいい所を組み合わせた提案を行なっている。そのためにはテレビCMなどのマスPRも重要だと考えており、料理家の栗原はるみさん、ユースケ・サンタマリアさんを起用してPRに努めている。また実際にガスのある生活を体感して頂くために、体感型ショールーム「リベナスLIVENAS」を拡充している。現在は今池・岡崎・四日市・岐阜の4ヵ所にある。ショールームの招待状も入れているので、ぜひ遊びに来て欲しい。

業務用ではコージェネレーションシステムに力を入れている。これはガスタービンで発電し、その時に出る熱をうまく回収して冷暖房や給湯を行なうシステムで、中部国際空港やイオン熱田ショッピングセンター、トヨタグループの工場などで採用されている。電気と熱を使う所なら利用できるので、スーパー銭湯や老人ホームなど多くの場所で利用されている。
ガス空調はガスを使って冷房・暖房を行なうもので、みなさんあまり気付いていないと思いますが多くの場所で使われています。このホールは中電ホールなので電気で空調していると思いますが(笑)学校・病院・事務所・銀行など多くの場所で使われており、一番分かりやすいのがナゴヤドームです。その他工業炉・ボイラでも多くの工場でガスを使用している。先ほど会社説明会を行なった中部鋼鈑さんも、鉄を溶かすには電気炉を使っているが、その後工程の工業炉ではガスを使用している。
さらに広範囲なシステムとして、地域冷暖房システムも提供している。先ほどのガス空調は各建物ごとに設備を設置しているが、これは複数ビルをまとめて冷暖房・給湯するもので、個別に冷暖房するより効率が高まり、1〜2割程度省エネになるので導入が増加している。現在当社エリア内の13地区(セントラルタワーズなどJR東海名古屋駅周辺、ミッドランドスクエアなどの名古屋駅東地区、セントレア、ラシック・松坂屋などの栄三丁目など)で実施しているが、今後も都市計画が進むので地域冷暖房システムを提案していく。

 業績の推移
当社の売上高は、ガス販売量の増加に応じて順調に伸びて来ているが、利益は増減がある。利益は原料のLNG価格の影響が大きいが、LNG価格は原油価格に連動して大きく変動すること、為替変動の影響を大きく受けることで利益が増減します。LNG価格の変動は販売単価に反映することになっているが、6ヵ月ほどタイムラグがあり、価格上昇局面では利益減少要因となり、下落局面では逆になる。今期は売上高4,800億円、経常利益100億円と増収減益の見込みです。これは夏頃まで原油価格の上昇に伴い、LNG価格も上がっていたためです。

 株主還元
株主還元については、安定配当を基本とするとともに自社株取得の2つで還元して行きたいと考えている。当社も含めて電力・ガス株の配当はずっと5円だったが、2000年に電気・ガス会社の先陣をきって6円に増配した。昨年は7.5円、今年は8円を予定しており、増配してきている。自社株買いについては2001年以降継続的に実施しており、累計で250億円を使い約1割強の株を取得・消却してきた。今年度は先ほど説明したように収支が厳しいこともあり、資金的にも余裕がないので実施は難しいが、落ち着けばまた継続的に自社株買いを実施していきたい。
次に株価についてですが、ちょっと前までは300円ほどだったが600円まで上昇し、現状は500円程度で推移しています。じつは今日の株価が一時500円を割ってしまい、このグラフが嘘っぽくなり心配していましたが、なんとか終値では500円に戻しました。注目して欲しいのは出来高が増えてきていることで、自社株買い・消却をする中で出来高が増えているのは、個人投資家の方々・機関投資家の方々に関心を持ってもらっている証拠なのかなと思う。出来高が増えているのはとても有難いことだと感じています。
当社の株価推移を日経平均やガス会社・電力会社と比べてみると、日経平均や他社を上回っており比較的安定して推移していることが分かってもらえると思う。
今日の説明を聞いて、東邦ガスに関心を持ってもらえるとありがたい。


質疑応答
(1)現在のガスは吸い込んだら死ぬような危険はないのか?
→当社の供給している都市ガスにはCO一酸化炭素は含まれていないので安全です。しかし燃焼の過程では不完全燃焼を起こすとCOが発生する危険性があるので、安全な機器を使用して欲しい。
(2)インドネシアからの供給が減少し、ガスの可採年数は60年ということでもうすぐなくなるが、日本の近海にはメタンハイドレードが約100年分もあると言われている。東邦ガスとしてどんな取り組みを行なっているのか?
→確かにインドネシアからの供給は減少するが、マレーシアやオーストラリアからの調達を増やしたり、サハリンからも新たに調達するので、安定供給という面では問題ない。可採年数が長くないのではという件ですが、可採年数はコストの見合いで、石油は昔から可採年数は40年と言われ続けてもう40年経っている様な状況です。ガスについても価格が上がれば新規のガス田が開発されて、可採年数がもっと延びると考えている。
メタンハイドレードについては、日本近海に豊富に存在していると言われているが、まだ具体的な動きはないので、具体化してきたら東邦ガスとしても前向きに検討して行きたい。
(3)電気とガスの戦いは激しいが、本当はどちらがお得なのか?
→電力関連の人がいたら申し訳ないが、オール電化というのは深夜11時から7時までの電気代は安いが、昼間の電気代は高いというものです。生活パターンによってどちらが得かは変わってくる。私がよく言っているのは、深夜の11時から洗濯をして料理もしてという完全な夜行性の生活をする人にはオール電化がお得です。でも普通そういう生活はできないので、どちらが得かは皆さんそれぞれの生活パターンで判断頂きたいと言っている。
(4)オール電化とガスの比率はどの程度か?
→先ほども説明しましたが、新築の戸建・マンションでは2割程度がオール電化です。逆に言えば7割以上がガスを採用しています。これは床暖房が一般的な設備になってきたことで、床暖房を付けるならガスだよねという様に建築関係者の方々にガスが評価されているためです。東邦ガスとしてはオール電化に負けないよう一生懸命営業活動に取り組んでいきます。

東邦ガスの会社説明会を、中部電力の本社に隣接する中電ホールで行なう(笑)というのには抵抗があるんじゃないでしょうか。確かに燃料電池には環境面・省エネ面からも可能性があると思いますが、人口が減っていく中では成長に限りがあるのかなと感じます。電力会社との競合も厳しくなるでしょうし、太陽電池パネルなどで各家庭が発電を始めるようになると、コスト面から家庭用の燃料電池に優位性があるのかな?と少し疑問も感じます。株価が安定していて配当も増配していることを強調していましたが、PER・配当利回りなどの指標面からはあまり割安には感じません。
円安になると国内での製造業の生産が増えてガスの使用量も増えるかもしれませんが、円高になって工場が海外に出てしまうと販売量の伸びが見込めなくなってしまいますね。工場でも太陽光発電など自然エネルギー利用が増えてくるとガス使用量は減ってしまうかもしれません。
安定はしているのでしょうが、M&Aなどでエリア拡大していかないとあまり成長をイメージしにくいですね。私の場合は安定より成長に投資したいと考えているので、短期的には分かりませんが長期的には残念ながらあまり魅力を感じませんでした。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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posted by Zaimax at 11:23 | Comment(2) | TrackBack(0) | セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。

東邦ガスはよく売買しているのですが、東京に住んでいるもので、名古屋まで株主総会などにも行った事が無く、非常に興味深く記事を読ませていただきました。

やっぱり今年は、自動車業界不況の煽りを受けて厳しそうですねー。自社株買いも無さそう。。。

しっかし、これだけの情報量を記述されるZaiさんには頭が下がります^^;

勝手ながら、私のブログの記事からリンクを張らせて頂きました。
問題があれば、ブログのほうまでご連絡下さい。

また、寄らせていただきます。
Posted by まちこ at 2009年03月07日 23:55
まちこさん、暖かいコメントありがとうございます。参考になればうれしいですね!
できる限り正確にまとめようとすると、1本の記事をまとめるのに1日以上かかってしまい、仕掛かり在庫が山積みになっています(^_^;)

このような暖かいリンク記事やコメントを頂くとまとめて良かったと感じますね。
これからもよろしくお願いします。
Posted by Zai at 2009年03月08日 01:29
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