
2009年2月19日の株価 2,400円(東証1部 9502) 100株単位 3月決算
PER 赤字見込み、PBR 1.19倍、配当利回り 2.5%
株主資本比率 28.4%、予想配当性向 赤字見込みのため計算不能
株主優待 なし
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PERは赤字で計算できませんし、指標面からはそれほど割安感は感じませんね。電力株と言えば昔は高配当銘柄というイメージでしたが、3%以上の配当利回り銘柄がゴロゴロしている現状では配当面でも見劣りしてしまいます。
お土産はゼブラのエコロジーペン4本セットでした。
2月25日には東邦ガスの投資家向け会社説明会にも行ってきました。
越智副社長と長坂執行役員総務部長が出席していて、まずは12分ほど越智副社長が挨拶し、その後長坂部長から説明がありました。このくらいの規模の会社で、個人投資家向け会社説明会に副社長が出席するのは珍しいですね!地元の投資家を大事にしているということでしょうか?
越智副社長から
いつも当社の電気をお使い頂きありがとうございます。
私からは最近のトピックについてお話しさせて頂きます。
1点目は昨年12月22日に発表した浜岡原発1・2号機の廃止と6号機の新設についてです。1・2号機の耐震工事には多額の費用と時間がかかることが分かり、これらを廃止して新たに6号機を新設した方がよいと判断しました。今後地元の皆さんの理解を得ながら進めて行きたいと考えています。
2点目は1月30日に発表した、経営財務目標の取り下げと株主還元に関する考え方の一部見直しについてです。配当性向40%を目標とし、一時的に利益が悪化する場合にはできる限り60円配を維持するという目標を発表していた。H19年は燃料費の上昇などで利益目標を下回ったが60円配とした。H20年は経営環境の悪化や浜岡原発1・2号機の廃止に伴う特損などで赤字見込みであり、H21年度も景気・燃料価格・為替などを考えると、現時点では利益が良くなる方向はあまり見えない。このような環境変化の中で、前回発表した中期計画の達成は困難と考えられ、経営目標を取り下げることにした。配当については60円配をできる限り維持して行きたいと考えているので、利益に連動する配当性向方式を見直した。株主還元については、財務状況や市場の動向なども見ながら自己株取得も機動的に行っていきたい。
化石燃料比率が高い中電にとって、何より原子力発電の新設が重要課題です。浜岡6号機の新設を進めて行きたい。
ここから長坂執行役員総務部長
中部電力の発電所数は194ヵ所で発電能力は3,400.6万kWで、発電所数が多いように感じると思うが、水力発電が数で9割を占めている。発電能力では1割弱です。中電は日本3位の電力会社で、日本における割合は供給区域面積で10.5%、販売電力量で15%を占めている。中部地域は製造業の集積地ということで、面積に対して販売電力量の比率が高くなっている。
平成19年の実績

中電の電源構成は原子力の比率が低く66%が火力発電(石炭・LNG・石油)になっている。先ほど副社長も言っていた様に、CO2を出さず環境にも優しい原子力発電の比率を上げて行きたい。発電電力量構成を見ると、石油は夏の消費電力がピークの時にしか稼動しないので比率が低くなり、LNG(液化天然ガス)が43%を占めている。原子力については、燃料確保の確実性などのエネルギーセキュリティーの面や、環境面からも優れているので、将来的には他社並みの30%を目指していく。総合的に判断して、バランスよく電源開発を進めていく。
全国平均と比べると原子力の比率が低く、LNGの比率が高いというのが当社の特徴です。全国平均では原子力が25%となっているが、東電の柏崎刈羽原発が6ヵ月停止していた影響で、通常は30%くらいが原発になっている。原発の比率が落ちている分石油の比率が上がっている。
販売電力量の内訳を見ると産業向けが半分程度と高いのが特徴です。中部地区の製造業が好調だったこともあり、販売電力量は3%前後の伸びを記録してきたが、今年度は3.2%減を見込んでいる。
目指すべき企業グループ像は、下記の通りです。
中部地域を基盤とする「総合エネルギーサービス企業グループ」として、エネルギーをコアに新しい価値をお客様へお届けし、グループ全体で持続的な成長を達成してまいります
この企業像を実現するために次の4項目の推進に努めている。

オール電化の推進など新しいライフスタイルの提案を行っている。オール電化住宅の普及は昨年12月末で44.2万戸に達し、この数字は当社エリアの世帯数の1割ほどになる。10万戸増えるのに必要な期間がどんどん短くなってきており、普及のスピードも年々上がってきている。平成22年度末までに累計60万戸を目標にしている。

安価で高品質なエネルギーを、将来にわたり安定的かつ安全にお届けすることは公益事業者としての責務ですが、加えて地球環境保全にも十分配慮しながらあらゆる面に渡り一層の創意工夫を凝らし、コスト削減への取り組みを推進しています。
経営基盤を強化するためには、安定・安価かつ環境にやさしいエネルギー供給の維持に向け、電源ポートフォリオの見直しを始めとした構造改革が必要です。
原子力比率の向上では、自社開発として浜岡原発で平成30年代前半に140万kW級の6号機の新設を計画しています。他社電源としては、電源開発や日本原子力発電の開発電源165.1kWを予定しており、合計すると約305万kWになる。これ以外にも新たな自社開発にも力を入れて行く。
LNG火力機の一層の効率性向上では、平成24年7月からの順次運転開始を目指して上越火力発電所(238万kW)を開発している。ここでは現在世界最高効率の新名古屋8号機系列と同等の熱効率57%を目指します。57%と聞くと低いように感じるかもしれないが、発電機では世界最高水準で、LNGの削減効果は年間60万トン、CO2削減効果は年間160万トンになります。
LNG関連設備の増強では、LNGの柔軟な受入れや一層の効率性向上のために、三重県の川越火力発電所でLNGタンクの増設(18万立方メートル×2基)、川越・知多の両地区で、20万立方メートル超級のLNG船が接岸できるような桟橋の増強を進めている。それぞれ、H22年度、H21年度に完工予定です。そして両地区を結ぶ伊勢湾横断ガスパイプライン(約13km)も平成25年完工予定です。
以上の経営基盤の強化に向けた取り組みを着実に実行して、長期的視点から企業価値の向上に努めて行きます。

中電グループは、燃料調達・発電から流通、販売に至る一連のバリューチェーンにおいて、当社およびグループ会社の総力を結集することにより、一層価値のあるエネルギーサービスの提供に努めています。

当社グループは、コンプライアンスの確立や地球環境問題への取り組みなど、良き企業市民としての責任を果たすため、積極的に行動してきた。今後も、お客様、株主・投資家、地域社会、取引先、従業員などの各ステークスホルダーからの期待に誠実に応え、その取り組みを分かりやすく伝えて、ご意見を伺いながらより充実させていき、会社の社会的責任を果たしていく。
当社は特に環境に対しては積極的に様々な取り組みを行っている。
「中部電力グループ環境宣言」に基づきCO2削減のための様々な対策を進めている。CO2排出原単位(1kWhの電気を生み出すために排出するCO2の量)を、これから説明する様々な施策で、H20〜H24年度の5ヵ年平均でH2年度比20%削減を目標としている。
原子力発電は核分裂を利用しているので、発電する時にCO2を出しませんが、設備や運用時には若干CO2を排出します。また、石炭や石油に比べて少しの燃料で多くの電気を作ることができるという特徴があります。放射線の管理をしっかりして安全に運転する必要があるが、環境に大きな影響を与えずに現在の生活を支える重要な発電方式の一つと言えます。当社は原子力発電の比率が低いので、先ほども説明しましたように、浜岡原発6号機の新設が重要になります。
自然エネルギーの活用にも取り組んでいます。
その一つとして風力発電にも取り組んでおり、中電の発電所内への設置を進めたり、お客様の風力発電機により発電された電力の買取などを通じて、普及促進を図っています。また、グループ会社のシーテックが平成18年2月に三重県で「ウインドパーク美里」1.6万kW(2,000kW×8機)の営業運転を開始しました。さらに平成21年度を目処に美里の近くですが、「ウインドパーク笠取」の開発を進めています。ただ1年を通じて安定的に強い風が吹く場所は限られているので、風力発電が急速に普及するというのは難しいのが残念な所です。
太陽光発電については、これまでも当社の事業所の屋上に太陽光発電パネルを設置したり、お客様が発電して余った電力を買い取るなど、太陽光発電の普及促進に努めてきました。武豊火力発電所敷地内では平成23年度の運転開始を目指し、事業用のメガソーラー(太陽電池パネルを敷き詰めた発電所)「メガソーラーたけとよ発電所」を開発しています。開発規模は7,000kWで、想定年間発電量は約730万kWhの予定で、年間約3,400トンのCO2削減を見込んでいます。
電気自動車の普及活動にも取り組んでいます。当社の営業車への導入も計画しており、平成32年度末までに約1,500台の電気自動車を業務用車両として導入する。特殊車両を除くと3,600台の自動車を使用しているので、4割程度が電気自動車になる。平成21年度から年間100台程度の導入を行い、同時に当社事業所へ充電設備の整備も進めていく予定です。電気自動車はガソリン車と比べCO2排出量が約1/4なので、1,500台の導入で年間1,500トンのCO2を削減することができる。
第3四半期決算について
H18年度第3四半期以来、2年ぶりに増収減益となった。(金額単位は億円)

電気事業で収益単価の増加などにより電灯電力料が増加した結果、売上高は前年同期より4.1%の増加となった。費用面では、資源高による燃料費の増加や人件費の増加により、経常費用が1,845億円増加したことにより減益となった。純損失については、浜岡原発の1・2号機の運転停止に伴う特別損失1,552億円などをを計上したため、前期より大幅に悪化して赤字に転落した。
今期の業績見通しの概要

電気事業で販売電力量の減少を見込み、売上高は前回より400億円下回ると想定している。利益面では、販売電力量の減少の影響や原子力発電量の減少などの減益要因があるが、原油価格の下落により原油CIF価格(CIF価格とは、運賃・保険料込みの原油価格)を110$→91$に変更したことにより、前回予想より営業利益で600億円、経常利益で400億円、純損益で240億円向上すると想定している。
主要諸元ですが、販売電力量については世界的な景気後退の影響により、前回予想より41億kWh減少すると見込んでいる。第4四半期の原油CIF価格は1バレル50$と見込んでおり、年度平均では91$に見直した。第4四半期の為替レートは1$=95円と想定しており、年度平均では前回より5円ほど円高方向に見直して101円と見込んでいる。
原子力利用率は、浜岡原発5号機が今年度中停止するとの前提で、56%程度としている。なお浜岡1・2号機運転停止に伴い、1/31以降は利用率の算定から除いている。1・2号機込みで計算すると53%程度になり、前回予想値より10ポイント低下する。
経営財務目標の取り下げと株主還元に関する考え方の一部見直しについて
当社を取り巻く厳しい環境を踏まえて、これまでの考え方を見直したものです。
世界的な景気悪化により、産業用を中心に販売電力量が大幅に減少している。特に中部地区は自動車中心に大幅減産しており、11月の需要は前年比20%減と大幅に減少傾向にある。また株価下落による年金資産運用の悪化や、燃料価格の不透明さなど、2年前に中期計画を作成した頃とは前提条件が大きく変わっている。H21年、H22年の業績がこれまでの未達分をカバーできるような環境ではないので、目指すべき目標として妥当性がないと判断した。また将来を一定の確度を持って見通せる状況でもないので、目標を取り下げ当面経営目標の設定も行わないことにした。
株主還元については配当性向40%という目標を発表していたが、経営財務目標の取り下げに合せて見直し、現行の配当水準60円の安定維持に努めることにした。今後は浜岡原発6号機建設を始め経営基盤の強化に向けた投資を継続的に進めて行きつつ、安定的に株主の皆様の期待に応えて行きたい。この考え方に基づき、当期は赤字になる見通しであるが60円の配当を予定している。
説明は以上ですが、当社の事業をご理解いただき、魅力ある投資先として株式の購入を検討して頂きます様お願い致します。
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会社からの説明だけで、質疑応答の時間はありませんでした。
せっかくの説明会ですから、ぜひ質疑応答の時間も設けて欲しいですね。
説明を聞いていて、環境にやさしい原子力発電を強化していくという言葉が何回も何回も出てきました。他社より原子力比率が低いのでなんとか他社並みにしたいようですね。原発はCO2は出さないかもしれませんが放射能を出すので、近くには出来て欲しくない施設です。そんな施設に力を入れるより、太陽光発電など自然エネルギーにもっと力を入れて欲しいですね。原子力比率が低いことを活かして、自然エネルギーの利用に大胆に取り組み、世界一環境にやさしい電力会社を目指す



企業も市民も世界的に環境意識が高まってきているんですから、自然エネルギー利用による電気代のアップも受け入れられてくると感じています。そのうち、当社はすべて自然エネルギーを利用して生産しています


ウランは調達リスクが低いと説明がありましたが、新興国中心に世界中が原発を作る競争をしている中では、将来的にはウランの奪い合いになることも想定されます。原油にしろウランにしろ資源に限りがあり、偏在している状況では結局同じことの繰り返しになると思います。こういった大きな流れも踏まえて、今の経営方針を作っているのかな?と少し疑問を感じてしまいますね。日経平均の平均配当利回りが2.61%という現状では配当面でも優位性は感じませんし、大きな成長が望めるわけでもありません。だからこそ、世界や投資家に強烈にアピールするような、世界をリードするような先進的な取り組みを期待したいんですけどね。公益企業の電力会社に望むには無理な要望なんでしょうか?
自然エネルギーをメインとし、安定供給のためにLNG発電を併用するというような電力会社になってくれたら嬉しいし、世界に誇れるのにな〜

最後までお読みいただきありがとうございました。
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