シンクレイヤはケーブルテレビ事業者向けに機器販売・システム構築を行っている会社です。
2009年2月16日の株価 175円(JASDAQ 1724) 1000株単位 3月決算
PER 赤字予想、PBR 0.41倍、配当利回り 3.4%、株主資本比率 21.3%
株主優待 なし
最近の株価は → ヤフーファイナンス シンクレイヤ
ホームページは → こちらです

上場以来の株価推移はきれいに右肩下がりですね。7月には時価総額が5億円を割り上場廃止基準に抵触したので、報告書を提出するとともに自社株買いも発表しています。

最近の出来高の7割近くは自社株買いになっています。自社株買いのおかげで10月の100円前後の株価から、最近は180円程度まで上がってきています。株価を自社株買いで持ち上げてきたので、時価総額も5億円を超え、上場廃止基準をクリアしました。自社株買いは3月まで行う予定ですが、その後の株価推移が心配ですね。自社株買いに頼らなくてもいいように、株主優待や知名度の向上など検討が必要だと思いますね。
今回の会社説明会もその一環なんでしょうね。
お土産は、小型のLEDライトでした。質疑応答の時間が余ったので、山田取締役が「これは自社商品ではないんですが便利ですよ」とPRしていました。なので楽しみにしていて、帰ってから早速電池を入れてみましたが、点灯しませんでした


と書いていましたが、すぐにシンクレイヤのIR担当部門からブログ宛に連絡を頂き、会社で点灯することをチェックしたLEDライトを送ってくれました

ブログも見ていただき、そして素早い対応には驚きました。これは好感度アップですね

山口社長と山田取締役(経営企画室担当)が出席していて、最初6分ほど社長が挨拶し、その後は山田取締役から説明がありました。手元に説明会資料がないのも珍しいですね。すべて画面をメモしなければいけなかったので、聞き間違いなどもあるかもしれませんがご了承ください。
シンクレイヤはケーブルテレビを作る仕事をずっと続けてきた。当社は2003年2月19日に上場したので、明日でちょうど6年目を迎える。この間色々なことがあった。上場後、ケーブルテレビ局の普及が一段落して需要が減るなど厳しい環境が続いてきたが、潮目が変わってきたと感じている。当社は電波障害対策の共同受信アンテナ工事から始まり、48年間名古屋で頑張ってきた会社です。その後ケーブルテレビ関連に展開し、現在では売上のほとんどがケーブルテレビ関連になった。それが今度は地上デジタル放送に変わるので、当社も地デジ関連に食い込んで行こうと頑張っている。他にも防災告知放送など新たな分野にも取り組んでいく。3Qが終了したがけっして悪い状況ではない。上場した当時の気持ちに戻って、皆様の期待に応えられるよう来年度以降も頑張っていく決意です。当社に興味を持って頂けましたら、今度の株主総会でお会いできるようにぜひともお願いしたいと思います。
山田取締役から説明
ケーブルテレビには3つのキーワードがある。それは「デジタル」「光ファイバー」「ローカル(地域性)」です。後ほど詳しく説明します。
当社はケーブルテレビ局で使用するほとんどの機器を作っている。そしてお客様の家までの伝送経路の機器、家庭に設置する機器なども作っている。当社のコード番号は1724で建設業に区分されているが、けっして建設業の会社ではない。基本は機器販売の会社だが、特殊な機器を扱っているため工事も含めて依頼されることが多い。その結果工事部門の売上の方が多くなり現在の区分になっている。しかし当社はシステム構築も得意な製造メーカーと考えている。
シンクレイヤの開発した機器を使うと、光ファイバー並みのスピードのインターネット接続(下り160M、上り120M)や、NTT並みの高品質でレベルの高い電話が利用できる。これらをトリプルプレイと呼んでいる。通常IP電話は050から始まるが、当社の場合通常の電話番号のままで使うことができ、NTTの回線を解約することもできコスト削減が図れるという優れものです。
ケーブルテレビの普及率についてよく質問を受けるが、43.2%で順調に伸びてきている。アメリカでは70%程度なので、まだ成長の余地がある。400万世帯がネット接続を利用している。
ケーブルテレビはCATVと言われるが、これは(C)コミュニティ(A)アンテナテレビの略です。
シンクレイヤは創業者が共同住宅の屋根にアンテナが林立しているのを見て、1つのアンテナで共同受信できないかと考え、直列ユニットを考えたのが始まりです。昭和37年5月に特許を取って事業を開始した。
最近話題の商品を3つ紹介したい。
一つ目は高性能な周波数変換装置「マルチ・チャンネル・プロセッサー」別名「地デジ難民を救う商品」と言っているが、地デジの周波数を現在のテレビ放送の周波数に変換して流すことができる。低コスト低消費電力の商品で特許も取っている。非常に人気が出ていて昨年度は550台3.5億円売り上げた。
次がケーブル網を使った緊急地震速報システムです。地震が起きると気象庁からデータを受信し、ケーブル局で被害を計算して各家に被害の予想や避難場所などを大声で知らせるものです。
3番目が高速インターネットシステムです。先ほど説明したように高性能の電話も使え旬な商品で、昨年度はシャーシーC4ベースで23台5.7億円売り上げた。モデムは4700台1.1億円の売上でした。
3Q決算の状況ですが、当社の業績は季節変動が大きく、期末の4Qに売上・利益が集中している。なので3Qまでは赤字だが問題ない。前年同期と比べると売上・利益とも改善している。純利益が大きく悪化しているのは棚卸資産の評価損を8.33億円計上したためです。製品在庫については基準を持って運用しているが、部品はまとまったロットで購入していたので、過剰在庫になっていた。会計基準が変わり厳しく評価することになったので、評価損を8.33億円計上することになった。しかし実際に廃棄するのは0.24億円なので、残りの部品は簿価が低くなっている。これらの部品を使った商品はコストが低くなるので、将来が楽しみで宝物だと思っている。
季節変動についてですが、過去3年の実績を見てみると、4Qで年間の50%前後売り上げている。テールヘビーと呼んでいるが、4Q次第で業績が大きく左右される。
次に今期の業績見込みですが、当社の業績は順調に推移していますが、景気後退の影響はケーブルテレビ局にも出てくる可能性があるので、業績見込みは据え置いている。
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中期計画について

中期計画は毎年見直すローリング方式のようですが、過去3回の見直し状況は毎年のように下方修正となっています。そして実績はさらに下回っているのが現状です。今回は一番下段の数値が紹介されましたが、目標の信頼度が高いか?というと疑問を感じますね。
以下会社側からの説明です。
シンクレイヤは歴史的に不況の時に伸びてきた内需関連株です。そして現在は非常に素晴らしい環境にあると申し上げたいと思います。
まず地上波がデジタル化されることで、政府が2000億円の対策費を準備している。今年は50億来年以降は600億円が予定されている。それ以外にもNHKが難視聴対策として161億円を支出する計画もある。これらが当社の事業にプラスに働く。
では2011年7月以降はどうなるのか?ということですが、2~3年はデジタルデバイド解消対策が予定されている。
このように補助金が出る時は必ず会社が伸びてきたので、今はいい環境にあると思う。
製品開発面では難視聴対策として「ブロック・コンバーター」を開発している。難視聴対策では都市部での地デジ難民(ビルの影や集合住宅など)も予想されていて、先ほど説明した「マルチ・チャンネル・プロセッサー」も含め地デジ難民対策商品に力を入れて行きたい。
その他にも緊急地震速報システム、光関連機器、トリプルプレーのグレードアップにも取り組んでいく。さらにトリプルプレーに加えて、医療・警備・犯罪監視・ビデオオンデマンド・無線・告知放送など、地域の生活に根ざした当社独自のユニークな製品・サービスを開発・提供していきたい。シンクレイヤは有線に拘っているわけではなくて、WiMaxワイマックスなど無線も課題として開発していきたい。シンクレイヤは小粒でもピリリと辛い会社を目指して、邁進していきたい。
過去1年の株価推移ですが、昨年の9月16日には忘れもしませんが株価が85円になった。そこから徐々に上がって現在の175円になっている。3月末が決算期なので今買えば配当のリターンは非常に高いと思う。3月の権利確定後に売ればということになりますが、当社としては小型株ですが末長く持ってもらえたら嬉しいなと思う。今回は時間も限られているので充分には説明できなかったが、ホームページでも色々な情報を発信しているのでぜひ見て欲しい。これからもIR活動は一生懸命やって行きたいと思う。
質疑応答
(1)今後無線技術が進んでいくと思うが、無線への取り組みについて教えて欲しい
→シンクレイヤは有線の専門家で有線を得意としてきた。同軸ケーブルから光ファイバーと技術の流れに必死に付いてきた。しかし大災害が起きると有線は切れてしまい、通信ができなくなる恐れがあり、無線でないといけないという話が出てくる。シンクレイヤは有線で培った技術を活かして無線にも取り組んで行きたい。無線には電波を傍受されてしまうというセキュリティの問題もあり、無線だけでいいということにはならない。有線と無線をミックスして使う必要がある。当社でも児童見守りシステムというものをWi-Hiでやっているが、これをWiMaxに対応させて行きたい。無線もたいへん重要なノウハウで開発に取り組んでいる。ケーブルだけで40年以上やってきたが、そこで得たノウハウを活かして他の分野にも広げて行き、安定性を高めて行きたい。
(2)株主総会でお会いしましょうということでしたが、株主総会は集中日を外して開催しているのか?
→株主総会は集中日に開催している。すみません。私の根性がなくて今のところは集中日になっています。
(3)決算短信を見ると受注金額や受注残が減っているが、業績好調との話だったがこの先不安ではないのか?
→(山田取締役から)現時点ではなんとも言えない部分もあり、決算短信にも書かせてもらった様に、ケーブルテレビ業界にも景気低迷の影響で今期に予定していた設備投資を手控える動きもあります。マーケットでいろんなことが起きていて、そういった心配もありますが、当社は比較的利益的にはいい所にいるのかなと思います。選別受注をしてきたこともあり、売上高に拘るのではなくて中身を大事にして慎重にやっているのが現状です。
(社長から補足)同じことの繰り返しになりますが、全体経済の突然の悪化のあおりを受けており、ご指摘の様な状況になっていますが、今山田取締役が言ったように利益は大丈夫というところで来ています。
(4)説明の中で、機器販売と工事部分の売上内訳については省かれたが説明して欲しい
→(山田取締役から)トータル・インテグレーションと書いてあるのが工事売上です。当社としては実際は機器を売りたいが、工事も一緒にやってくれと言われるので、このように区分している。機器インテグレーションと表示しているのが機器販売売上です。3Qの工事部分の粗利益率は26.8%で機器部分は31.2%になっている。工事売上が56%を占めている。通期の計画ですが、工事の方が6割程度です。場合によっては65%になることもあるが、ほぼ毎年このくらいの比率になる。
(5)今後今までと違った方針で取り組んでいく考えはあるのか?
→大きな変換はできないと思っている。当社はケーブルテレビ機器ののメーカーだという話をしたが、このメーカー部分をもっと強めて行きたい。一番最初がテレビの端子の特許で始まっており、特許をベースにしたユニークさを持った会社にして行きたいという想いは変わらない。機器の売上比率が上がるような施策を打って行きたい。ただ一夜のうちには変わらないので、その変化はゆっくり起こるように、ユニークな商品を順次開発していきたいと思っている。
まだ時間があったので、山田取締役からお土産のLEDライトについて説明があった。うちの商品ではないがけっこう明るくて、キーホルダーなどに付けて頂くと、大変便利で重宝します。
でも付かなかったら意味がないですね

質疑応答は基本的には社長が回答していました。ただ山田取締役を頼りにしている場面もありましたね。
今期の最終利益は赤字予想ですが、来期以降は地デジ対策などの政策もあり黒字転換を予想しています。確かに政策にも沿った銘柄なので面白いかもしれませんね。ただ過去の実績を見ると、高い中期計画を発表しては毎年見直しという繰り返しの様ですので、中期目標に対する信頼度はあまり高いとは言えません。会社の知名度、流動性もないので、もっと個人投資家にアピールする機会を増やしたり、個人投資家が株主になりたくなるような対策も必要だと思いますね。
まずは株主優待制度を導入したり、株主総会を集中日を外して開催し、懇親会なども行えば、かなり株主は増えると思います。コストとの相談になると思いますけどね!
あと4Qに売上の5割が集中するというのも投資しにくい理由ですね

最後の最後にならないと業績が予想できないというのはリスクが大きいと感じます。決算期を9月や12月にするなどの検討も必要じゃないかな?と思います。
株価が徐々に上がってきたという話があったが、自社株買いの影響が大きいと思います。これがなくても上がるように会社側がどんな対策を打ち出してくるのか要注目ですね。景気対策で地デジ対応の前倒しという話も出てきているようですので、景気対策の展開によっては株価上昇が期待できるかもしれませんね

最後までお読みいただきありがとうございました。
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