朝早くから起きて大阪まで遠征してきました。青春18切符があるから低コストで大阪まで行けました。ありがたいことです。
2009年1月19日の株価 335円
(東証1部 7463) 100株単位 3月決算
PER 6.7倍、PBR 0.40倍、配当利回り 5.97%
株主資本比率 63.9%、予想配当性向 40%
最近の株価は → ヤフーファイナンス アドヴァン
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過去の値動きを見ると一方向への動きが続き、かなり激しく上下していますね。
ここ3年ほどは売られる局面のようです。
お土産はクオカード500円分でした。
ホールでタイルやカタログの展示をしていて、大阪ショールームのパネル紹介や社員2名が取扱商品の説明などをしていました。
会場内では開始前に会社紹介ビデオが流されていました。
山形社長から説明がありました。最初はちょっと緊張している様にも感じましたね。
山形社長は昭和45年生まれの38歳で、創業者の長男だそうです。早めに世代交代していくことが会社の長期的な成長につながるという創業者の考えで、4年前に社長に就任した。
一般的な知名度は低いが、多くの物件で当社の商品が採用されている。
元々は昭和40年に創業者がタイル工事店として創業し、一時は職人を40人ほど抱える規模になった。ある時『商業界』という雑誌主催のセミナーに参加し、ジャスコやイトーヨーカ堂などスーパーマーケット経営者の話を聞いて、何か商売を始めたいと思い昭和50年にアドヴァンを創業した。石を売りたい、タイルを売りたいというよりは、スーパーマーケットの勉強をして商売を始めたいという思いが最初にあった。タイルの輸入販売から始めましたが、設計の先生の要望などを聞いていくうちに、こういった要望に応えるのが商人の役目だと感じ、石材、塩ビ、フローリングなど商品の幅を広げて行った。商売で得た利益は物流センターやショールームに投資し、時間をかけて今のビジネスモデルを築いてきた。
現在の事業内容は、石材、タイル、水洗、洗面などを輸入販売する建材関連事業が91%を占めている。残り9%がHRB事業で、ロイヤル、ナフコ、ダイキなどのホームセンターに砂利や石などガーデニング関連商品を卸売りしている。売上の90%以上がオリジナル商品になっている。ホールにも一部商品を展示しているが、大阪にもショールームがあるのでぜひ立ち寄って欲しい。ショールームは、東京、大阪、名古屋、福岡の4ヵ所にある。
当社の商品は、イトーヨーカ堂やイオンなどの店舗や無印良品などで採用されている。4年半かかったが、セブンイレブンでもH18年4月から床材に正式採用された。今では新店・改装含めて1000店/年で使われており、ワックス不要、光沢が非常に高いので反射率が高く蛍光灯の数を減らせる、ワックスを剥がす時の剥離材もいらないということで、洞爺湖サミットでも環境に優しいと紹介された。
石材はイタリア、スペイン、ギリシャ、トルコ、中国から輸入している。当社の現地スタッフが生産・納期管理から検品まで行っている。
建築石材市場は1800億円で大きく2つに分かれており、200億円の規格石材市場では当社が世界で最初に開発したこともあり圧倒的シェアNo1です。市場規模の大きいオーダー石材市場にも2005年から進出している。
輸入セラミックタイルは主にイタリア、スペインから輸入しているが、最近では中国からの輸入も始まっている。商業施設におけるヨーロッパタイルの需要拡大もあり、輸入タイルの市場は年々拡大しており、その中でトップシェアを確保している。
当社のビジネスモデルについて
当社は高く安定した利益率を維持している。多くの外部環境の変化はあったが、粗利益率は40%以上、営業利益率は約20%程度を維持している。安定した利益率を上げられるビジネスモデルについて説明したい。

工場を持たないことで世界中の工場を活用することができる。工場がない代わりに日本国内での独占販売権を持っている。メーカーとしての機能も持っており、商品開発、品質管理、納期・在庫管理などを行っている。生産設備を持たないため、需要の変化への素早い対応が可能となる。加えて4つの分散を行っており、変化に対応できるビジネスモデルを構築し、新しい需要の創出にも取り組んでいる。

(1)仕入先の分散→ 各アイテムの仕入先は原則2社以上選定しており、高品質、低価格、円滑な商品調達を維持している。仕入先は各国に分散しているので通貨の分散にもなる。
(2)物流の分散→ 東京、名阪、九州の3ヵ所に流通センターを設置しており、災害などが発生しても主力商品は安定供給が可能。現場との距離も近くなるので、お客様の運賃負担を軽減し短納期での納品が可能となる。また港に近い場所に設置している。
(3)商品の分散→ 継続的に品揃えを強化しており、現在6千アイテムを超える商品を取り扱っている。高級な石材から塩ビタイルまで品揃えしており、お客様の予算に応じてイメージを変えずに商品選択が可能。暖炉、ドアなど新規分野の商品開発にも取り組んでいる。
(4)需要先の分散→ 商業施設からパチンコ、ホテル、マンション、住宅まで幅広い販売を展開している。販売する業界を分散させることで、景気の波による売上への影響を最小限に抑えられる。
160名以上の営業スタッフがいて、いつもどこに営業をかけようかと考えているので、変化に対応できている。販売も大口で1ヵ所に販売するのではなく、できるだけ小口の物件をたくさん開拓する地道な商売をしている。施工例では大口現場を紹介したが、実際は3〜10万円程度の小口の物件が大多数である。売上伝票が上がるまでに3ヵ月から半年かかり地道な商売だが、今のように景気が悪くなると返って健全な商売かなと思う。販売先を分散しているので低い貸倒率を実現できている。今期4〜12月の貸倒率は0.2%と低い。
需要先を分散することで、アドヴァンは変化に対応してきた。25年前はパチンコ店向けの売上が70%くらいを占めていたが、今は4%程度になっている。
ショールームや流通センターを自社保有し、できるだけ利益が外に出ないようにして高い利益率を保っている。ライバルもたくさんありアドバンは高く売っているのではなく、競争力ある価格で販売しながら、自社のビジネスモデルの中で低コスト体質を構築して利益を出している。
自己資本と安定経営
当社の仕入れは現金で、船積みされて倉庫に入り3ヵ月に出荷され、販売後の回収は120日手形という商売をしている。現金を支払ってから回収までに300日かかることも多い。輸入建材の商売をできる会社はたくさんあると思うが、在庫を持って注文があったら翌日に納品できるような体制を取るのは資金的に難しいと思う。当社は自社のリスクで在庫を持っている。リスクのない商売はないので、大切なのはリスクを理解し、多くの情報を集め、発注の工夫をしてリスクを減らすことだと考えている。輸入建材の商売は資金の回転期間が長く、また流行によってはロスも出る非常に大変な商売だと思っている。なのでぜひとも上場したいと考えていた。現状自己資本比率は63.9%になっている。証券アナリストからはアドヴァンは効率が悪いと言われ続けてきたが、最近は安全性が高いと言われている。
アナリストもいい加減なものですね

今期の決算について
今までいい話ばかりしてきたが、建築基準法の改正以降当社も苦戦している。
3Q実績は、売上▲12.6%だが、売上総利益率は仕入れコスト見直しなどの効果で+2.9%となった。販管費が前年とほぼ同額なので営業利益は▲15.1%、経常利益は▲15.4%となった。特別利益として、明治通りの拡張工事への協力のため、子会社保有の原宿にある本社の土地の一部50uを東京都に売却した売却益6.56億円などを計上するが、投資有価証券評価損なども計上し純利益は▲6.8%となった。
B/Sでは、不良債権発生額が0.27億円と前期より増えているが、売上比では0.25%と低く抑えられている。商品在庫の圧縮を進めており、前年同期より15%低くなっている。負債では、外国人投資家より転換社債の現金化の要請があり16億円買入消却した。7月の償還より早く買入消却したので、その利息分(2.5%)約4千万円の特別利益が発生している。自己株の市場買付は当期は64万株行っており、金庫株が約400万株15%になった。
3Qまでの実績は、収益改善への取り組みにより利益は期首予想を上回って推移している。一方世界的な株安が進み投資有価証券評価損3.01億円を計上しているが、本社土地売却益が発生してカバーしている。
利益は上ブレしているが非常に先行きが不透明なため、現時点では期首予想を据え置いている。
当社はショールームと物流センターへの投資を続けてきたが、おおむね前期で一巡したと考えている。投資額は前期14億円、今期・来期は2億円程度で収まる予定。茨城の岩井流通センターは4万坪のうちまだ半分しか使用していないので、売上が伸びても当分は対応できる。
株主さまへの還元
配当と自社株買いで積極的に還元しており、総還元性向は今期82.7%の見込みである。配当性向目標は30%以上としており40%程度の配当を行っている。前期は保有株の特損があったこともあり配当性向が105%と高くなっている。今期の配当は20円を予定している。決算の早期化にも取り組んでおり、期末より3日程度で決算発表を行っている。
アドヴァンは今までデザイナーや設計事務所の先生からの厳しい目で鍛えられてきた。お客様が求める商品を提供し続けた結果、デザイン性が高い商品構成になってきた。当社はヨーロッパを中心に輸入販売を行っているが、過去6年間ユーロが上がり続け一時は為替予約をしようかとも考えたくらいだった。昨年10月末からユーロ安になり一息つけると思ったら、建築がすべて止まってしまうという大変な状況になった。円高になり利益率を改善しようかとも考えたが、円高メリットを当社で享受するのではなく、厳しい市況のなか店舗を新築したり住宅を建てるお客様に還元していくべきだと考えている。この厳しい状況を乗り越えシェアを高めていくことが大事だと考えている。変化への対応としては、増やしてきたアイテム数を絞って在庫を軽くして、これからの変化に対応できる体制を作っていく。ファブレスメーカーの特性を活かして、景気変動に柔軟に対応できる体制を作っていく。
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質疑応答
(1)INAXやTOTOとの競合に勝てるのか
→INAXは外装中心、当社は内装中心とターゲットが異なっている。サイズも輸入タイルは最低でも30p角と大きく、競合していなかった。4、5年前からは子会社を作って当社と同じような商品も投入してきている。競合もしているが、当社には長年積み上げてきた仕組みがあるので、十分価格競争力があると思っている。
(2)シェアはどの程度か
→ヨーロッパからの輸入タイルと中国からの輸入タイルがあるが、だいたい35〜40%位だと思う。
(3)投資有価証券の売買が活発なように感じるが、地道な商売なのになぜ積極的に売買しているのか
→会社の資産を分散して持つという考えで、取引先の銀行株中心に持っていた。昨年株価が下がったが、評価損計上だと帳簿上だけの操作になるので、見た目よりもキャッシュフローを重視し、一旦売却して実現損を出した。それを買い戻したので一見売買が多いように映った。その株をずっと持ち続けていて、また今回評価損が出ることになった。それ(取引先銀行株?)以外はない。
(4)自社株買いを積極的に行っているが、自社株はどうするのか
→一昨年あたりはM&Aに使おうとか、転換社債を発行していたので転換価格まできたらそれに使おうと考えて持っていた。今はそんな状況ではなくなったので、将来的には消却した方がいいのかなと社内で話し合っている。
(5)住宅メーカーとのコラボは考えていないのか
→まさにいま取り組んでいる。一つの課題と考えている。自動車が売れないなら鉄道関連が伸びるのかなとか、大きな改装がないなら小さな改装が増えるのかななどと考え、需要開拓に取り組んでいる。
(6)輸入しているということだが海外展開は考えていないのか
→昨年の11月に上海に現地法人を設立した。ターゲットは現地向けではなく、イオンさんやヨーカ堂さんが海外進出するのを狙っている。来月辺りに初めての売上が上がる見込みである。
(7)ショールームなどで我々が直接商品を買えるのか
→大阪にもショールームがあるのでぜひ来て欲しい。当社の商品を使う場合は、設計事務所の先生や内装屋さんに当社の品番を伝えてもらえば大丈夫です。打ち合わせなどが必要であれば当社の営業も打ち合わせに行っている。
少し時間が余ったので、最後に社長から補足
当社の株主は外国人の比率が高かった。個人投資家向けのIRセミナーは今回が3回目になるが、個人の株主さんは長期保有してくれて本当に温かいと感じている。厳しい状況ではありますが頑張っていきますので、ぜひ応援のほど宜しくお願い致します。
外国人株主はいろいろと要求が厳しいということでしょうか

過去の推移を見ても株価は割安だと思いますが、急激な不況の中でどこまで高い利益率を維持できるか少し不透明に感じますね。ユーロ安はアドヴァンに取って大きなメリットですが、販売価格を下げて顧客に還元する方針のようです。それは素晴らしいことだと思いますが、不況の中で一度価格を下げてしまうと、たとえユーロ高に反転しても値上げが難しいのではないかと危惧します。すぐにユーロ高になることは考えにくいですが、最近為替の変動が大きいので、値下げは程度にもよりますがかなりリスクが高いように感じますね。シェアを上げていくという戦略も確かにあるとは思いますが、将来的な成否が気になりますね。
あと取引先の銀行株を保有しているのも無駄ですね。一度売ったものをまた買い直す必要があるのかなと思います。取引先銀行からの要請なのかもしれませんが、前期に続いて今期もまた大きな評価損が発生するわけですからやめられないのかな。売ると融資を止められてしまうんでしょうか?建前上そんなことは出来ないはずなんですが。
今期は本社の土地売却益があったからいいものの、無ければ減益だったでしょうし、今期がかさ上げされるので来期は減益になる可能性が高いですね。
一方、効率が悪く不動在庫リスクも高い輸入石材ビジネスで、高い利益率を上げてきたビジネスモデルは素晴らしいと思います。決算発表が早いというのも、変化への対応が素早く出来るのでとてもいいことですね。これらの特徴を活かし、この建設不況を乗り切っていくことが出来るのか真価が試されているのだと思います。
今後の業績がどのように推移していくのか、見守って行きたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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今、仕事中に見させてもらいました。
また、時間のあるときにゆっくりよらせてもらいます。
それでは失礼します。
時間のあるときにゆっくりお読みくださいね。
これからもよろしくお願いします。